1日遅れですが、チーム選手権2日目の記事です。2日目はR5でリストトップのL’espoirとの直接対決がありましたが、私と黒星により3-1でマッチに負けたため、私たち麻布OBチームは準優勝で終わりました。2年連続の優勝とはなりませんでしたが、ハンガリー遠征から続くハードなスケジュールの中で十分な内容のプレーはできたと思います。各クラス、入賞者の皆さん、おめでとうございます!
1st Place L’espoir 12/12
今夜はR6のエンドゲームをご紹介します。Keio OBとは昨年も最終戦で対戦しました。昨年は1Bで古谷くんとの対戦でしたが、今年は2Bで松本くんとの対戦です。持ち時間の短いゲームでは正確に指すのが難しいポジションになりました。Matsumoto,Y - Kojima,S
Japan Team Chess Champiosnhip 2024 (6)
Position after 36... Rxd6
黒はなんとかポーンアップしましたが、ポーンの形が悪く、d5のパスポーンも止めていなければいけないため、勝つのは簡単ではありません。
g2-g4からのブレイクは最も警戒していましたが、黒にも2コネクテッドパスポーンができるため、実際にはさほど有効ではなかったようです。40. g3! b5 41. Rd2=と進んだ場合、互いに局面を進展させるのは難しそうです。黒はc5-c4から仕掛けたいところですが、ポーンを取り合った際にf6のキングにルークで揺さぶりをかけられ、f5を取られると危険です。
42手目を指した段階では、私も白はこうしてキングで黒ルークを追いかけてくると読んでいましたが、実際にこの局面まで進んでみると後々白キングがeポーン前進の邪魔をしてしまい、ポーンを進め合うレースで白が不利になることが分かりました。白の正しい作戦はキングをd5に寄せ、eポーンの進路を開けることです。45. Kd5! h4 46. e4 g3 47. e5 g2 48. e6 Kf6! 49. e7 Rh8 50. Re1 Rh5+! 51. Kc4 Re5!!Analysis Diagram
52. Rxe5 g1=Q 53. Re6+! Kxe6 54. e8=Q+ Kxd6 55. Qf8+ Kc6 56. Qf6+ こうしてクイーンを作り合えば、白はポーンが足りずともパペチュアルチェックでドローでした。この変化はどちらにも指さなければ負けというオンリームーブが多く、どちらかが間違えて決着がついてもおかしくなかったでしょう。
ここまでくれば黒のプロモーションのほうが早く、黒勝ちであることが分かりやすかったです。白はeポーンを使おうとしなかったのが裏目に出ましたね。
1st Place L’espoir 12/12
2nd Place Azabu Chess Club OB 10/12
3rd Place Todai Chess Circle A 10/12
4th Place Chiba Chess Club A 9/12
5th Place 8x8 Blunders 9/12
Japan Team Chess Championship 2024 Final Standings
今夜はR6のエンドゲームをご紹介します。Keio OBとは昨年も最終戦で対戦しました。昨年は1Bで古谷くんとの対戦でしたが、今年は2Bで松本くんとの対戦です。持ち時間の短いゲームでは正確に指すのが難しいポジションになりました。
Japan Team Chess Champiosnhip 2024 (6)
Position after 36... Rxd6
37. Kh2 Kf7 38. Kg3 Kf6 39. Kf4 h5! 40. g4?
g2-g4からのブレイクは最も警戒していましたが、黒にも2コネクテッドパスポーンができるため、実際にはさほど有効ではなかったようです。40. g3! b5 41. Rd2=と進んだ場合、互いに局面を進展させるのは難しそうです。黒はc5-c4から仕掛けたいところですが、ポーンを取り合った際にf6のキングにルークで揺さぶりをかけられ、f5を取られると危険です。
40... hxg4 41. hxg4 fxg4 42. Kxe4 Kg5?
白キングがe5に侵入することを許してでも、逆にf4のマスを抑えてg,hファイルの2コネクテッドパスポーンで勝負すべきだと読み、時間の無い中ほとんどノータイムでこの手を指しました。しかしこれが誤った判断で、実際にはルークでポーンのサポート、キングで相手ポーンのブロックに切り替えることで黒勝勢でした。42... h5! 43. Kf4 Ke7! 44. e4 Rg6! 45. e5 g3-+43. Ke5! Rd8 44. d6 h5 45. Ke6?
42手目を指した段階では、私も白はこうしてキングで黒ルークを追いかけてくると読んでいましたが、実際にこの局面まで進んでみると後々白キングがeポーン前進の邪魔をしてしまい、ポーンを進め合うレースで白が不利になることが分かりました。白の正しい作戦はキングをd5に寄せ、eポーンの進路を開けることです。45. Kd5! h4 46. e4 g3 47. e5 g2 48. e6 Kf6! 49. e7 Rh8 50. Re1 Rh5+! 51. Kc4 Re5!!
52. Rxe5 g1=Q 53. Re6+! Kxe6 54. e8=Q+ Kxd6 55. Qf8+ Kc6 56. Qf6+ こうしてクイーンを作り合えば、白はポーンが足りずともパペチュアルチェックでドローでした。この変化はどちらにも指さなければ負けというオンリームーブが多く、どちらかが間違えて決着がついてもおかしくなかったでしょう。
45... g3 46. Ke7 Rh8 47. Rd5+ Kg4 48. d7 g2
ここまでくれば黒のプロモーションのほうが早く、黒勝ちであることが分かりやすかったです。白はeポーンを使おうとしなかったのが裏目に出ましたね。