午後1過ぎに会場に戻ると、Susan の同時対局は終わり、Sofia の番になっていました。彼女は現在イスラエルで、チェス関係だけでなくイラストレーターとしての仕事もこなしているようです。
1月のBela Perenyi memorial で、私とドローだったハンガリーの少年、Medve Mark はSofia を見事破ったようです。見学に来た私に気づき、次はこの手指すよ~とおどけて教えてくれる余裕も見せてくれました。Congratulations!
そしてSofia の対局中、会場の奥で発見したのはハンガリーのNo.2 GM Zoltan Almasi です! 思い切って突撃して話をしたところ、昨年のイスタンブールオリンピアード前にフェリヘジ空港で挨拶したことを覚えてくれていました。ハンティマンシスクオリンピアードに引き続き、3回目のコンタクトに成功です。
会場に姿を見せるのは、なにもハンガリーのプレーヤーばかりではありません。私同様にケチケメートでの試合を終えて、ブダペストに戻ってきたばかりのロシアの少年、Rudakov, A とも再会を果たします。一緒にいるのは彼のコーチであるGM Dobrov! 最近は公式戦でのプレーをあまりしていないそうですが、今月のFS Rapid Tournament では、9戦全勝という驚くべきスコアで優勝を果たしています。(ちなみにこの2人、完全に親子だと勘違いしていましたが、Dobrov は私と4つしか年が違いませんでしたw)
他にも会場にはオーストラリアのBird, A や、2月のFS で対戦したFarkas, L とも顔を合わせて挨拶をしました。やはりハンガリーにいるチェスプレーヤーにとって、このイベントの価値というのは特別なものであるようです。
3時近くになると、子供たちが対局をしていたスペースに人だかりができています。まさか、今回のスペシャルゲストの登場かと思い、他の野次馬同様に突撃してみると...
やはり現れました! 元世界チャンピオンのGarry Kasparov です。このイベントに招かれていることは事前の告知で知っていましたが、こうして目の前にすると感激もひとしおです。それにしても、人垣が切れた途端に当然目の前に現れたので、本当にびっくりしました!(笑)
この後、写真撮影をしていたiPhone の電池が切れそうになり、この日2度目の撤退を決めて、一旦アンダンテに戻ります。そこで管理人の山本さんを誘い、4時過ぎに再び会場へ。このイベントに興味を持ち、会場に遊びに来てくれた2人のお客さんとも合流し、計4人のパーティーでイベントを周ることになります。
会場に戻ってすぐに発見したのは、もう1人のハンガリー代表メンバー、Csaba Balogh です! 彼とは初コンタクトですが、このチャンスを逃す私ではありません(笑) 日本からチェスの勉強に訪れていることを伝えると、快く記念撮影に応じてくれました。実を言えば彼のプレースタイルについてはさほど詳しいわけではありませんでしたが、アンダンテに戻ってから調べたところ、めちゃめちゃ強い正統派1.e4 プレーヤーでした。今年は少しレイティングを落としているようですが、まだまだこれからハンガリーのチェス界を背負って立つ人物です。
Balogh と別れ、一緒にいた3人をショップに案内していると、なにやら1階ステージに人だかりの気配が。単身その群衆に飛び込むと、不思議な形のケーキを切り分けてお客さんに配っているところでした! このようなサプライズも、こうしたイベントを盛り上げる重要なアイテムでしょう。それにしても係りのお姉さんたち、ちょっと豪快に切り分けすぎじゃないですかね(笑)
アンダンテに滞在中の2人のお客さん、ユミさん、ケンさんとケーキをつつきながら、このケーキは何の形だったのかを推理してみます。ヒントはケーキに貼られた、5種類のハンガリーを代表するスポーツ (後で別の写真を見て、チェス、水泳、フェンシング、体操、ボートと判明) のマークと、ステージの上で流れる、ハンガリー人選手が活躍するそれらスポーツの競技中のVTR。そう、あの不思議な形のケーキは、表彰台を表していたのです!
ケーキを食した後は、いよいよ今イベント最大の目玉である、世界最強の女子プレーヤー、GM Judit Polgar の同時対局がスタートします。私以外にも、これを楽しみにやってきたお客さんも多いでしょう。中高生の頃から彼女のゲームを並べてきて、昨年からはハンガリーでプレーしている私にとっても、Judit の生でのゲーム観戦は大変貴重なものです。
そしてJudit の対局中、他の2人の時とは異なり、同じ会場内でいくつかのイベントが同時進行で行われていました。Judit の回る対局スペース内には巨大なキャンバスが置かれ、(おそらく) ハンガリーのプロの画家と、Sofia に手によって絵が描かれていきます。
30分以上かけてキャンバスに描き出されたのは、向かい合うキングとクイーン! なんとも幻想的な雰囲気を持つ絵が完成しました。
そして会場の隅では、Kasparov のサイン会が! こちらもファンにはたまらないサービスでしょう。老若男女関係なく、チェスボードや書籍、果ては着ているシャツにまで、サインをねだって彼に押しかけていました。
もう1つの隅では、子供たちがパソコンに向かって対局を行っています。最初は単に、スポンサーであるMicrosoft が提供している製品で遊んでいるのかと思っていましたが、これはとんでもない勘違いでした! 彼らはハンガリーのU8~U14 の代表たちで、アメリカの同年代の代表たちと、オンラインでのラピッドマッチの真っ最中だったのです。
結局U8 代表の少女がドローを獲得したことで、ハンガリーユースチームの勝利が決まったようです。対局後にはSusan が駆けつけ、アメリカとテレビ電話をつないだうえで、インタビューに答えていました。
サイン会を終えたKasparov は、Judit が回る対局スペースに自身も入り、中から各ボードの様子を確認し始めました。Kasparov にチェックされながら手を指すという状況は、なんとも緊張して悪手を出してしまいそうです(笑)
この後、Judit の試合が終わらないうちに、さらに奥の特別室でKasparov の同時対局がスタートしました。しかし、こちらはなんと、プレスと参加選手以外立ち入り禁止! No Audience で、残念ながら私は会場に踏み入ることができませんでした。すでに引退したKasparov の生のチェスを拝む絶好の機会でしたが、時間も押していましたし、誰でも入れるようにしては部屋がパンクしてしまうのでしょう。こればかりは仕方がないのかもしれませんね。
最後は3姉妹の長女、Susan に挨拶をして会場を後にしました。朝の7時前に起きてから、12時間近くをこのイベントを楽しむために費やしたことになります。8日間の大会が終わって次にすることが、1日チェスイベントの見学とは、私も根っからのチェス馬鹿ですね(笑) とにかく大満足の1日でした。
イベント成功のために会場を駆けずり回っていたスタッフの皆さん、メインの3名とゲストのGarry、会場に足を運んだチェスプレーヤーの皆さん、そしてイベントに付き合ってくださった4名の日本人の皆さん、お疲れ様でした and ありがとうございました! こうしたチェスの魅力を伝えるイベントは、チェスプレーヤーにとっても、これからチェスの世界に入ってくる人たちにとっても、大変影響の大きい物でしょう。私もまた日本でイベントを企画したいなと考えつつ、チャンスがあれば別の国のイベントにも参加してみたいと思う今日この頃です。
1月のBela Perenyi memorial で、私とドローだったハンガリーの少年、Medve Mark はSofia を見事破ったようです。見学に来た私に気づき、次はこの手指すよ~とおどけて教えてくれる余裕も見せてくれました。Congratulations!
そしてSofia の対局中、会場の奥で発見したのはハンガリーのNo.2 GM Zoltan Almasi です! 思い切って突撃して話をしたところ、昨年のイスタンブールオリンピアード前にフェリヘジ空港で挨拶したことを覚えてくれていました。ハンティマンシスクオリンピアードに引き続き、3回目のコンタクトに成功です。
会場に姿を見せるのは、なにもハンガリーのプレーヤーばかりではありません。私同様にケチケメートでの試合を終えて、ブダペストに戻ってきたばかりのロシアの少年、Rudakov, A とも再会を果たします。一緒にいるのは彼のコーチであるGM Dobrov! 最近は公式戦でのプレーをあまりしていないそうですが、今月のFS Rapid Tournament では、9戦全勝という驚くべきスコアで優勝を果たしています。(ちなみにこの2人、完全に親子だと勘違いしていましたが、Dobrov は私と4つしか年が違いませんでしたw)
他にも会場にはオーストラリアのBird, A や、2月のFS で対戦したFarkas, L とも顔を合わせて挨拶をしました。やはりハンガリーにいるチェスプレーヤーにとって、このイベントの価値というのは特別なものであるようです。
3時近くになると、子供たちが対局をしていたスペースに人だかりができています。まさか、今回のスペシャルゲストの登場かと思い、他の野次馬同様に突撃してみると...
やはり現れました! 元世界チャンピオンのGarry Kasparov です。このイベントに招かれていることは事前の告知で知っていましたが、こうして目の前にすると感激もひとしおです。それにしても、人垣が切れた途端に当然目の前に現れたので、本当にびっくりしました!(笑)
この後、写真撮影をしていたiPhone の電池が切れそうになり、この日2度目の撤退を決めて、一旦アンダンテに戻ります。そこで管理人の山本さんを誘い、4時過ぎに再び会場へ。このイベントに興味を持ち、会場に遊びに来てくれた2人のお客さんとも合流し、計4人のパーティーでイベントを周ることになります。
会場に戻ってすぐに発見したのは、もう1人のハンガリー代表メンバー、Csaba Balogh です! 彼とは初コンタクトですが、このチャンスを逃す私ではありません(笑) 日本からチェスの勉強に訪れていることを伝えると、快く記念撮影に応じてくれました。実を言えば彼のプレースタイルについてはさほど詳しいわけではありませんでしたが、アンダンテに戻ってから調べたところ、めちゃめちゃ強い正統派1.e4 プレーヤーでした。今年は少しレイティングを落としているようですが、まだまだこれからハンガリーのチェス界を背負って立つ人物です。
Balogh と別れ、一緒にいた3人をショップに案内していると、なにやら1階ステージに人だかりの気配が。単身その群衆に飛び込むと、不思議な形のケーキを切り分けてお客さんに配っているところでした! このようなサプライズも、こうしたイベントを盛り上げる重要なアイテムでしょう。それにしても係りのお姉さんたち、ちょっと豪快に切り分けすぎじゃないですかね(笑)
アンダンテに滞在中の2人のお客さん、ユミさん、ケンさんとケーキをつつきながら、このケーキは何の形だったのかを推理してみます。ヒントはケーキに貼られた、5種類のハンガリーを代表するスポーツ (後で別の写真を見て、チェス、水泳、フェンシング、体操、ボートと判明) のマークと、ステージの上で流れる、ハンガリー人選手が活躍するそれらスポーツの競技中のVTR。そう、あの不思議な形のケーキは、表彰台を表していたのです!
ケーキを食した後は、いよいよ今イベント最大の目玉である、世界最強の女子プレーヤー、GM Judit Polgar の同時対局がスタートします。私以外にも、これを楽しみにやってきたお客さんも多いでしょう。中高生の頃から彼女のゲームを並べてきて、昨年からはハンガリーでプレーしている私にとっても、Judit の生でのゲーム観戦は大変貴重なものです。
そしてJudit の対局中、他の2人の時とは異なり、同じ会場内でいくつかのイベントが同時進行で行われていました。Judit の回る対局スペース内には巨大なキャンバスが置かれ、(おそらく) ハンガリーのプロの画家と、Sofia に手によって絵が描かれていきます。
30分以上かけてキャンバスに描き出されたのは、向かい合うキングとクイーン! なんとも幻想的な雰囲気を持つ絵が完成しました。
そして会場の隅では、Kasparov のサイン会が! こちらもファンにはたまらないサービスでしょう。老若男女関係なく、チェスボードや書籍、果ては着ているシャツにまで、サインをねだって彼に押しかけていました。
もう1つの隅では、子供たちがパソコンに向かって対局を行っています。最初は単に、スポンサーであるMicrosoft が提供している製品で遊んでいるのかと思っていましたが、これはとんでもない勘違いでした! 彼らはハンガリーのU8~U14 の代表たちで、アメリカの同年代の代表たちと、オンラインでのラピッドマッチの真っ最中だったのです。
結局U8 代表の少女がドローを獲得したことで、ハンガリーユースチームの勝利が決まったようです。対局後にはSusan が駆けつけ、アメリカとテレビ電話をつないだうえで、インタビューに答えていました。
サイン会を終えたKasparov は、Judit が回る対局スペースに自身も入り、中から各ボードの様子を確認し始めました。Kasparov にチェックされながら手を指すという状況は、なんとも緊張して悪手を出してしまいそうです(笑)
この後、Judit の試合が終わらないうちに、さらに奥の特別室でKasparov の同時対局がスタートしました。しかし、こちらはなんと、プレスと参加選手以外立ち入り禁止! No Audience で、残念ながら私は会場に踏み入ることができませんでした。すでに引退したKasparov の生のチェスを拝む絶好の機会でしたが、時間も押していましたし、誰でも入れるようにしては部屋がパンクしてしまうのでしょう。こればかりは仕方がないのかもしれませんね。
最後は3姉妹の長女、Susan に挨拶をして会場を後にしました。朝の7時前に起きてから、12時間近くをこのイベントを楽しむために費やしたことになります。8日間の大会が終わって次にすることが、1日チェスイベントの見学とは、私も根っからのチェス馬鹿ですね(笑) とにかく大満足の1日でした。
イベント成功のために会場を駆けずり回っていたスタッフの皆さん、メインの3名とゲストのGarry、会場に足を運んだチェスプレーヤーの皆さん、そしてイベントに付き合ってくださった4名の日本人の皆さん、お疲れ様でした and ありがとうございました! こうしたチェスの魅力を伝えるイベントは、チェスプレーヤーにとっても、これからチェスの世界に入ってくる人たちにとっても、大変影響の大きい物でしょう。私もまた日本でイベントを企画したいなと考えつつ、チャンスがあれば別の国のイベントにも参加してみたいと思う今日この頃です。
2 件のコメント:
グッドなレポートです!
ご無沙汰しています! コメントありがとうございます。
こうした記事で、海外のチェス大会 or イベントにもっと参加してみたいという日本のプレーヤーが増えれば、私としてはなによりですね~。
コメントを投稿