昨日からハンガリーのブダペストでは、4月のFirst Saturday Tournament が始まったはずです。私は来月からハンガリーに滞在し、四回連続の参加予定ですが、日本の皆さんはこの大会のシステムにあまり詳しくないようなので、改めてご説明しようと思います。まずはIMノームのシステム説明から。(面倒なのでGM ノームの説明は省きます)
IM ノームについて
・チェスの
IM(International Master)というタイトルを獲得するには、IM ノームを三つ獲得したうえ、FIDE のレイティングを
2400に乗せる必要があります。
・IM ノームは9試合のトーナメントでならば、3人以上のIM、5人以上のタイトルホルダーと対戦し、レイティングパフォーマンスが
2450を超えると獲得できます。
(パフォーマンスの計算は複雑ですが、例えば9人の対戦相手の平均が2450で、4.5/9 ならば2450となります。)
・他にも細々とあるのですが、説明が長くなりすぎるのでFIDEのリンクを参照してください。→
FIDE Handbook
First Saturday について
・First Saturday とは毎月第一土曜から始まるトーナメントで、ブダペストで一月を除き、年に十一回開催されています。
・クラスは上から三つに分けられ、GM クラス、IM クラス、FM クラスと呼ばれます。全てFIDE 公式戦で、GM クラスではGM ノーム(+IM ノーム)、IM クラスではIM ノームを獲得できます。
・各クラスとも事前申し込みで参加者を募集し、ラウンドロビン(総当たり)、もしくはダブルラウンドロビン(同じ組み合わせで、白黒をそれぞれ1回ずつ持つ総当たり)で試合をします。
・試合数は参加者数によって、
9-11ラウンドの間で変化します。
・GM クラス、IM クラスでは対戦相手の平均レイティングが事前に分かるため(総当たりなので)、
始まる前から何ポイント取ればノーム獲得かが分かります。(そのようなトーナメントをGM トーナメント、IM トーナメントと呼びます。)
・必ずノームを取れるトーナメントにするために、主催者がタイトルホルダー数、平均レイティング等を調整してクラスを作ります。
・IM クラスで優勝しても、パフォーマンスが2450に届かなければ、(ノームに必要なポイントに届かなければ)当然IM ノームは獲得できません。
書こうと思えばいくらでも書けるのですが、とりあえずはこんなところでしょうか。かつて、私と馬場さんで2010年3月のFirst Saturday IM Class にチャレンジしましたが、そのときは色々と事件が起こり、私が1つ勝ち越し、馬場さんがハーフで、ノームには遠く及びませんでした。2年前の様子を知りたい方は、
Behind the Scene をご覧ください。
IM を持っていないプレーヤーには、必ずIM ノームのチャンスがあるのが、IM クラスの(IM トーナメントの)特徴ですが、
優勝してもノームに届かない可能性があるというのが落とし穴です。実際、今年の3月のIM クラスの内容をチェックしてみると、参加者11人のラウンドロビン(毎ラウンド1人bye)で、IMノームには
7.5/10必要です!そして優勝者は7Pで、すでにIM を持っているプレーヤーでした。
First Saturday では楽にノームが取れると言う人もいますが、決してそんなことはなく、皆、苦労して戦っています。私もブダペストで四カ月過ごす中で、IM ノーム獲得を目指すのはもちろんのこと、たくさんのことを学んでこようと思います。