2012/10/27

CAISSA 2012 October 7th round - Lucky Game -

この日はオーガナイザーにエントリーフィーと宿泊費を払うため、9時半に起きて銀行へ。ブログには書いていませんでしたが、ケチケメートに来てからというもの、風邪気味なうえに夜うまく眠れず、早寝早起き習慣を守れていませんでした。そのため、これでもまだ眠い状態です。戻って支払いを済ませ、ついでに午前中に行われていたゲームをチェックし、食事をし、試合まで少し横になろうとしました。寝過ごさないように、アラームまでかけて。

私が目覚めたのは、オーガナイザーのノックの音がきっかけでした。時刻は午後3時15分、試合の開始時間を15分オーバーしています!彼が部屋に来てくれたのが早く、大幅に寝過ごさなかったので助かりましたが、やはり寝坊はダメです。体調不良とは言え、チェスプレーヤーとして反省しなくてはいけません。対戦相手に謝罪して、ゲームがスタートしました。

Csala, I (FM, HUN, 2198) - Kojima, S (FM, JPN, 2307)
CAISSA IM October (7)

1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 c6 4. e3 g6 5. Nc3 Bg7 6. Bd3 O-O 7. O-O dxc4 8. Bxc4 Nbd7 9. Bd2!?



四度目の正直で(GM Nyback, IM Szeberenyi, FM Bodo に続いて四度目)、今度こそこのラインでの初勝利を目指します。9. Bd2 は悪いわけではありませんが、IQP にすれば働かない手だと判断し、c6-c5 のプランを選択します。

9... c5 10. Re1 a6!?


Szeberenyi 戦でもこの手を先に入れるか迷いました。a6,a4 を挟んでおくことは、b5 のマスを抑え、b4 のマスを弱めるために黒にやや有利に働くのではないかと思います。

11. a4 cxd4 12. exd4 Nb6 13. Ba2 Nbd5 14. a5?!



白のメインの狙いは黒のb7-b6 を止めることですが、このポーンは伸ばし過ぎです。b6 のアウトポストを活用できるならば、白にチャンスがありますが、もちろんその暇もありません。14. Nxd5 Nxd5 15. Qb3!+/=

14... Nb4! 15. Bb1 Nc6!


b8 にいたナイトは、本来一手で来られるはずのこのマスまで5手掛けて到達します。その結果として、白のd4,a5 をアタックし、Bc1-Bd2,a4-a5 の弱点を突きます。

16. Ne2?!



しかし、両方を守るとしてもこの手はないでしょう。IQP ポジションでは、IQP の一つ前のマス(ここではd5)を抑えるのが基本であり、ナイトがこのように退く手はほとんど見たことがありません。

16... Bg4 17. Qb3 Bxf3?!


この後しばらく指してから、17... Qd5! 18. Qxd5 Nxd5=/+ がベターであったと反省しました。すぐには駒得になりませんが、黒はd5 を抑えながら、d4 にプレッシャーを掛け続けることになります。それでは本譜では何がいけないでしょうか。

18. Qxf3 Nxd4 19. Nxd4 Qxd4 20. Bc3!



もちろんここまで考えてf3 を取ったつもりでしたが、やや自分に甘い読みだったようです。白のダブルビショップは強力で、e7,b7 もアタックされており、ポーンの代償は十分にありそうです。さらに言うなれば、このような展開になるのであれば、16. Ne2 がダメな手ではないということになります。

20... Qd7


20... Qd5!? 21. Rxe7 Qxf3 22. gxf3 Nd5 23. Rxb7 Nxc3 24. bxc3 Rfb8 25. Rxb8+ Rxb8 26. Bd3 Bxc3 27. Ra3 Rc8 28. Bxa6 Rc5= ぐらいでイコールであることは分かっていましたが、これは間違いなくドローになります。16. Ne2?! などという手を指されたのに、簡単にドローにしてしまうのが癪で、リスクを承知で勝ちのチャンスを残すように指しました。(ちなみにこのような考え方は危険なので、お勧めしません。常に冷静にポジションを判断するようにしましょう。)

21. Ba2 Rad8 22. h3 Rfe8


黒マスビショップを交換するのが、黒にとって良いことは分かっていましたが、なぜか次のようなマヌーバリングを思い付きませんでした。22... Ne8! 23. Rad1 Nd6 24. Bxg7 Kxg7=/+

23. Bb3 Qd3!?



風邪でベストな状態ではないと言え、面白い手が指せたと思います。白にはいくつか選択肢がありますが、どれがベストか多少迷うところでしょう。

24. Re3


指したくなる手ですが、黒にとって都合の良いポイントがあります。以下の二つのチョイスであれば、白は安全にドローにできたでしょう。

a) 24. Qxb7!? Rb8 25. Qc6 Rxb3 26. Bxf6 Qb5 27. Qxb5 Rxb5 28. Rxe7 Rxe7 29. Bxe7 Rxb2=
b) 24. Qxd3!? Rxd3 25. Ba4 Rb8 26. Rxe7 Nd5 27. Rd7 Bxc3 28. bxc3 Nf4 =


24... Qd6 25. Ba4 Rf8 26. Qxb7 Nd5!


ようやくこの手が指せました。e3 に上がったルークはここでアタックされ、黒は1テンポを稼げます。

27. Rd3 e6!



27... Bxc3 28. bxc3 と黒からビショップを交換するほうが、白のポーンストラクチャーが乱れるので良いように見えます。しかし、b2 にあるポーンはターゲットにしやすく、ポーンストラクチャーを変化させると、c3-c4 からナイトをどかされてしまう可能性があります。そのため、ここはd5 の強いナイトを確実にキープするため、ビショップを自ら交換しないようにします。

28. Bxg7(=)


ここで相手からドローオファー。体調とポジションを考えて受けても良かったのですが、敢えて続けてみることに。

28... Kxg7 29. Bb3??



衝撃的なブランダー。彼は時間もたっぷり残っており、慌てるようなポジションでもありません。彼が2300台から2100台まで落ちてきた理由の、その片鱗を見た気がしました。 29. Qa7 Qb4 30. Qxa6 Ra8 31. Qb5 Rxa5 32. Qxb4 Nxb4=

29... Rd7!


シンプルなクイーントラップです。白はクイーンを救うために、エクスチェンジを犠牲にするほかありません。

30. Rxd5 exd5 31. Qb6 d4 0-1



完全にラッキーでしたが、勝ちは勝ちです。調子が良くなったとは思いませんが、これで連勝+勝ち越しになりました。残りの2戦をどう戦うかは、今日の体調と相談の末に決めようと思います。


この日はハムステーキにしてみました(実際はいつも刻んでいるハムを、塊のまま焼いただけ)


4 件のコメント:

Yumi さんのコメント...

おめでとうございます‼ 本当に、早く体調が良くなることを祈ってます。
食材を見つけるのは大変なようですね…(^_^;)

匿名 さんのコメント...

お疲れさまです。COM山COM吉くんは白の25手目からの指し手についてRd1 Qc7 Re1 という手順を示しています。キングが直接狙われててg4とか来たら怖いですねぇ。ところで現地での会話は何語なんでしょう。まあスーパーでの買い物とかはカゴに商品入れてレジ行って代金いくらだけわかれば良いのかもしれません・・?汗

匿名 さんのコメント...

寒いようですし何かスープを作って飲むのが良いと思います(缶入りとか粉末をお湯で溶かすだけでも可)

Shinya_Kojima さんのコメント...

食料品自体を見つけるのは、そんなに大変ではありません。問題は私の料理の腕です(笑)そして包丁、まな板などの調理器具がないことも、料理の困難さに拍車をかけています。

匿名さん、私も26.Rd1 からの変化には注意していました。すぐにポーンを取り返そうとするよりも、e7 にプレッシャーをかけ続けるほうが、白としてはイニシアチブをキープできそうですね。

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