今日は予定通り、松戸チェスクラブの主催で同時対局を行ってきました。3つの地方予選、そしていくつか他団体のイベントとも重なったため、参加者は8人とやや少なめでした。しかしその分、同時対局後のレクチャーは全員分の棋譜を振り返ることができました。試合自体は私の8戦全勝ですが、危ないゲームもちらほら。最も勉強に使えそうな、長谷川さんとのゲームをご紹介しておきます。
Kojima, S (IM, JPN) - Hasegawa, E (WCM, JPN)
Kitasenju Simultaneous
1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 d5 4. Nc3 dxc4!? 5. e4 Bb4 6. Bxc4 c5?! 7. O-O cxd4 8. Nxd4 e5 9. Ndb5 Qxd1 10. Rxd1 Na6 11. Nd6+ Bxd6 12. Rxd6 O-O?
Kitasenju Simultaneous
昨日、私が記事にしたVienna Variation を早速使ってくるとは、長谷川さんも好奇心旺盛です! しかし、e4 のポーンを取りにこなかったこと、12... Ke7 と上がらずにキャスリングしてしまったことで、白はダブルビショップとピースの展開の早さを生かしたプレーができるようになります。
13. Bg5 Nd7 14. Rad1 Nb6 15. Bb3
ここは試合中に迷いましたが、15. Be7! Bg4 (15... Re8? 16. Bb5+-, 15... Nxc4 16. Rd8! Bd7 17. Rxf8+ Rxf8 18. Bxf8+-) 16. Bxa6 Bxd1 17. Bxb7 Rab8 18. Bxf8 Kxf8 19. Rxd1 Rxb7 20. Kf1+/- と進み、1ポーンアップの優勢でした。c4 を取られる変化が読み切れなかったのは、まだまだ読みの力が不足している証拠です。
15... Bg4 16. f3 Bh5 17. Nd5 Nc8 18. Ne7+ Nxe7 19. Bxe7 Rfc8
このポジションでは、b7、e5 のどちらのポーンを狙っても勝勢ですが、もう1つ、白から分かりやすく駒得するタクティクスがあり、それでゲームオーバーでしょう。
20. g4! Bg6 21. h4 1-0
白は次にh4-h5 がピース取りのスレットになっていますが、hポーンを突くと、g6 のビショップを取られてしまいます。ここで大きな駒損が確定した黒は、潔くリザインしました。丁寧なポジショナルプレーによってアドバンテージを積み重ねていけば、ちょっとしたタクティクスで勝てる可能性があるということを示す、好例だと思います。
同時対局後の振り返りは全員分行いました。皆さんのレベルは様々でしたが、ポーン、ナイト、ビショップ、ルークといったそれぞれのピースは、どうすれば最大限の力を発揮できるのか。そう言った点を中心に、ゲームをチェックしていきました。参加してくださった皆さんが、また明日から自分のチェスを見直す、ちょっとしたきっかけにしていただければと思います。
イベント後は、北千住の中華料理屋での打ち上げに参加しました。今日のイベント、および打ち上げに参加してくださった皆さん、お疲れ様でした。そして、IM タイトルの獲得祝いをあらためてしていただき、心から感謝しています! 今回のイベントは、ハンガリーからの帰国前、1月から田畑さんと相談をし、企画を進めてきました。帰国してからあっというまに3月末となり、こうしてイベントを無事に終えることができたこと、とても嬉しく思います。
数日後には新しい年度になり、環境の変わる人や、新しい出会いも増えていくでしょう。私もチェスを始めて15年目を迎えることになりますので、皆さん、また4月以降も、よろしくお願い致します。
2 件のコメント:
イベントの開催ありがとうございました。こうして松戸チェスクラブと関わりを持っていただいてうれしく思います。
こちらこそ、今回のイベントではお世話になり、誠にありがとうございました。
また次回の企画でも、よろしくお願い致します。
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