5月最終日、いつものように表参道でIV League が開催されました。今回の発案者は、日本チャンピオンになったばかりの馬場さんです。普段、参加率の低い馬場さんからの呼びかけで、開催まで時間があまりないながらも、メンバー8人が参加してくれたことをとても嬉しく思います。大会結果は、以下のようになっています。
1st Place 小島慎也 (IM, JPN, 2403) 4.5/5
2nd Place 野口恒治 (JPN, 2082) 3.5/5
3rd Place 塩見亮 (JPN, 2138) 3/5
2nd Place 野口恒治 (JPN, 2082) 3.5/5
3rd Place 塩見亮 (JPN, 2138) 3/5
私は13th IVL に続いての連続優勝です。それでも、今回は勝てるか分からないゲームを、なんとか気力でものにしたり、野口さんに不利なエンドゲームを粘ってドローに持ち込んだりと、大苦戦の末の優勝でした。そうした難しい形勢のゲームでも、ポイントが取れるのも強さなのかもしれませんが、やはり安定したゲーム運びをしたいものです。最終戦、優勝を決めた馬場さんとのゲームを公開しておきます。
Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Baba, M (CM, JPN, 2251)
14th IVL (5)
1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. g3 Bg7 4. Bg2 O-O 5. O-O c6 6. d4 d5 7. Qb3!?
14th IVL (5)
c6 Grunfeld は黒がとても堅く指すことができ、世界的には流行の兆しを見せていますが、実戦で指すのは2年前のチェコ以来です。研究していた7. Qb3!? を試してみますが、ここからオープニングは成功したとは言えません。
7... Qb6 8. Nc3 Bf5 9. Qxb6 axb6 10. cxd5 cxd5 11. Bf4 Nc6 12. Rac1 Rfc8 13. Rfd1 e6 14. Nh4 Ne4!
この手を軽視しており、一時的に1ポーンダウンになることに気づきます。しかし、bファイルのダブルポーンを利用すれば何とかなることが分かり、冷静さを取り戻してプレーすることができました。
15. Nxf5 gxf5 16. e3 Nxc3 17. Rxc3 Rxa2 18. Rb3 Na5 19. Rxb6 Rc2 20. Rb1 h6 21. Bf1 Nc4 22. Rxb7 Nd2?
これは致命的なミスです。黒は形が悪いながら、ポーンを大人しく取り戻しておくほかありませんでした。22... Raxb2 23. R1xb2 Rxb2 24. Rxb2 Nxb2 こうしておけば、ダブルビショップと崩れていないポーンストラクチャーを持つ白も、勝つのは容易ではなかったでしょう。
23. Bd3!
馬場さんはこの手を完全に見落としていました。これで白はbポーンを生かすことができ、勝勢です。
23... Rc6 24. Rd1 Ne4 25. Rb8+! Kh7 26. f3 Nf6 27. g4!
正直、こうしてポーンを取りにいくことができたのはラッキーでした。後は余計なカウンタープレーさえ許さなければ、白は勝つことができるでしょう。
27... Nd7 28. Rb7 Nf8 29. gxf5 Kg8 30. Kh1 exf5 31. Bxf5 Ng6 32. Rb8+ Kh7 33. Rg1 Rf6 34. Bb1 Raa6 35. h4 1-0
最後は黒の時間が落ちましたが、すでに黒は厳しい状況です、リザインしてもおかしくはないでしょう。全日本の悔しさを完全に拭い去ったわけではないですが、GW に敗れた弘平くんと馬場さんに勝ったことで、また少し自分のチェスを取り戻せそうです。
恒例の打ち上げには、所用で参加することができませんでしたので、それはまた次回を楽しみにしています。この時期になると、Pablo、羽生さん、池田くんをゲストに招いた昨年を思い出しますので、また今年もそうした試みをしたいですね。呼びたいゲストの候補は、すでに私の頭にあります。
0 件のコメント:
コメントを投稿