2017/08/11

Japan League 2017 Day1 Tournament Report

今日から4日間、夏のビッグトーナメント、ジャパンリーグが開催されています。2年前から中国のGM が参加するようになったジャパンリーグですが、今年もGM 1人、IM 1人が招かれています。2600台のGM が2人参加した昨年と比べれば、今年は日本勢にもチャンスはあるでしょう。

Fukuda, T (JPN, 1842) - Kojima, S (IM, JPN, 2401)
Japan League 2017 (1)

1. e4 c6 2. d3 d5 3. Nd2 e5 4. Ngf3 Bd6 5. g3 Nf6 6. Bg2 O-O 7. O-O Re8 8. Re1 Bg4!?



5年前の全日本選手権では、8... Nbd7 と指しましたが、ハンガリーのGM Prohaszka のゲームを見ていて、ビショップを先に出しても良いのではないかと考えました。

9. h3 Bh5 10. g4 Bg6 11. exd5 cxd5 12. Nh4 Nc6


白はg3-g4 を仕掛けてビショップナイトの交換を仕掛けますが、将来的にはf4 のマスが弱くなり、黒がそこを利用しやすくなります。

13. Nxg6 hxg6 14. Nf1 Rc8 15. c3 Rc7 16. Bg5 Be7! 17. a3 Nh7 18. Bd2 Bg5!



この一連の流れは私の得意なプランです。黒マスビショップを交換しておけば、黒はf4 のマスを活用しやすくなりますし、ダブルビショップを持たせたことも気になりません。

19. Qb3 Bxd2 20. Nxd2 Rd7 21. Nf3 g5 22. Rad1 Nf8 23. c4 d4


Benoni Defence のポーンストラクチャーになりましたが、f4 にナイトが跳び込めれば黒は白キングを脅かすことができ、有利に試合を運ぶことができます。白はe4 のマスをクイーンサイドのポーンマジョリティだけでは、キングサイドの弱さを十分には補えないでしょう。

24. Nd2 Ng6 25. Be4 Nf4 26. Kh2 Qf6 27. Nf3 g6 28. Kg3 Kg7



f5 のマスを抑えつつ、ゆっくりとhファイルを抑えてh3 のポーンをアタックします。この後、b7 のポーンを捨てても良いのかは自信がなかったため、これを取られないようにしつつ、hファイルでの決め手を探ります。

29. Qc2 Nd8 30. Rh1 Rh8 31. b4 Nde6 32. Rde1 Rh7 33. Rh2 b6 34. Reh1 Rd8 35. h4


こうして白からポーンを突けば、弱点を解消してなんとかなりそうにも見えます。しかし、まだまだf4 に刺さったナイトは強力で、キングへのアタックチャンスを作り出します。

35... gxh4+ 36. Rxh4 Rxh4 37. Rxh4 Ng5!



f3 のナイトを消し、h4 のルークを浮かせるのがポイントです。この先、少し見えづらいスレットが隠されています。

38. Nxg5 Qxg5 39. c5


39. f3 Qxh4+! 40. Kxh4 Rh8+ 41. Kg3 Rh3+ 42. Kf2 Rh2+-+ は、メイトを回避してもクイーンが落ちてしまいます。39. Rh1 f5! もg4 のポーンを取り、黒が勝てそうです。

39... Qxh4+! 40. Kxh4 Rh8+ 0-1



最後はクイーンを捨ててメイトです。2R は少しオープニングで間違えましたが、エンドゲームをしっかりと指して勝ち。初日を終えて連勝グループにいます。46人の参加者中、連勝は10名まで絞られています。明日からは上位勢で星の奪い合いですね。

青嶋 - GM Xu Yinglun
IM Xu Yi - CM Averbukh
中村 - IM 小島
IM 南條 - 佐野
Arkenette - 馬場


明日の3R のペアリングは以上のように発表されています。下位ボードまでのペアリングは、こちらから確認できます。それでは皆さん、2日目もよろしくお願い致します。


試合後にレクチャーを行うGM Xu Yinglun。2試合をこなしてからレクチャーをするスケジュールは、かなりタフに思えます。

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