2017/08/16

Japan League 2017 Day4 Tournament Report


今年のジャパンリーグ入賞者たち

昨日、ジャパンリーグの最終戦が行われ、7R の全試合が終了しました。最終戦、トップボードでは0.5P リードしていた馬場さんが、勢いそのまま、GM Xu Yinglun からドローを取り、6/7 での単独優勝を決めました。馬場さんはこの結果により、9月のFIDE レイティング更新で2300 を超えることが確定し、FM タイトルを獲得することになりました。優勝と併せ、おめでとうございます!

1st Place Baba Masahiro (CM, JPN, 2262) 6/7
2nd Place Xu Yi (IM, CHN, 2446) 5.5/7
3rd Place Xu Yinglun (GM, CHN, 2542) 5.5/7
4th Place Kojima Shinya (IM, JPN, 2401) 5.5/7

Japan League 2017 Final Standings


入賞を巡る最終戦、4.5P だった私とXu Yi は、それぞれ青嶋くん、中村くんと白をもって対戦し、揃って勝利しました。ジャパンリーグでは3年連続の対戦となる青嶋くんには、公式戦での初勝利です。優勝こそ逃したものの、大事なこのラウンドを、きっちり白星で飾れたのはとても嬉しいです。

Kojima, S (IM, JPN, 2401) - Aoshima, M (JPN, 2257)
Japan Laegue 2017 (7)

1. Nf3 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3 Bb4 4. Qc2!?



このAnti-Nimzo Indian はこれまで、大事なラウンドで指してはみるものの満足な結果が出せず、やきもきしていたオープニングの1つです。それでもきちんと指せば白が良いはずだと信じ、最近復活させることにしました。Nimzo-Indian Classical に手順前後することもありますが、d2-d4 は遅らせ、少し様子を見ることにします。

4... O-O 5. a3 Bxc3 6. Qxc3 d5?!


この手は意外なチョイスで、青嶋くんは試合後にこれを悔やんでいました。確かにフィアンケットを組む白マスビショップとの相性を考えれば、d7-d6 で止めておき、将来的にc7-c5 か、e6-e5 のどちらかのポーンを伸ばす(もしくはどちらも)ほうが自然だと思います。

7. e3 b6 8. b4 Bb7 9. Bb2 dxc4



白がビショップとクイーンをa1-h8 のダイアゴナルで重ねると、黒は失ったビショップの黒マスに気を付けなくてはいけなくなります。自然な展開に見える9... Nbd7 10. c5! は黒が押し込まれ、苦しい展開でしょう。a8-h1 のダイアゴナルを開く本譜は自然にも思えますが、白のビショップの展開を助けてしまうとも取れます。

10. Bxc4 Nbd7 11. d4!


一時的に黒マスのダイアゴナルを閉じてしまいますが、c7-c5e6-e5 のブレイクを警戒し、ポーンを伸ばしておきます。どちらも仕掛けられないとなれば、黒は長期的にc7 のポーンがターゲットになるでしょう。

11... Qe7 12. O-O Rac8 13. Be2 c5



ここは難しい決断です。本譜のようにポーンを捌くのは、白にとって分が良いと私は考えていますが、13... Ne4 14. Qc2+/= のような流れでも、e4 に入ったナイトは負担にしかならないと青嶋くんは判断したようです。

14. dxc5 bxc5 15. b5! Nb6 16. a4


13手目でビショップを退いたのは、b6 にきたナイトからあらかじめ避けておき、心置きなくaポーンを伸ばせるようにするためでした。黒はすでにcファイルにパスポーンを作っていますが、この不安定な孤立のパスポーンよりも、白のクイーンサイドポーンマジョリティのほうが強力でしょう。

16... Rfd8 17. a5 Nbd5 18. Qe5 Nb4



ここも黒はどのように抵抗するか難しいところです。g7 のメイトがあり、f6 のナイトはすぐに動かすことができません。他の候補手はcポーンを伸ばすくらいですが、ターゲットになる可能性が高いため、少し動かしづらいと思います。18... c4 19. Ba3 Qe8!? 20. Rfc1 Qxb5 21. Qd4+/=

19. Rfd1 Be4 20. Ne1! Qb7?


丁寧にd3 のマスを守り、反撃に出ようとしたところで意外すぎる手がきて戸惑いました。白はg2 もきっちりと守っているため、クイーンが動く手はc5 をタダで落とすだけです。

21. Qxc5!?



ここは先にルーク交換をしておくほうが正確でした。少し不安に感じていたルークの侵入は、逆にルークをトラップできまし、そうでなくともピースを多くとることができます。21. Rxd8+! Rxd8 22. Qxc5 Rd2 23. a6! (23. Qxb4 Rxe2 24. Bxf6 gxf6 25. Kf1!+-) 23... Qb8 24. Qxb4 Rxe2 25. Bxf6 gxf6 26. Qxe4+-

21... Nd3!


21... Nbd5 しか読んでいなかったため、これは驚きました。しかし、白は駒を返すことなく上手く捌くことができます。

22. Nxd3! Bxd3


22... Rxc5 23. Nxc5 Qa8 24. b6+- 白はクイーンを取らせてしまっても、ダブルビショップ+ルークを持ち、クイーンサイドでパスポーンを作って勝ちとなります。

23. Qg5!?



私はf6, g7 への攻撃を利用してクイーンを逃がすのが自然だと感じましたが、ここでもクイーンを捨てる変化がありました。23. Rxd3! Rxd3 24. Qxc8+! Qxc8 25. Bxd3+- このパターンは完全に読み落としです。

23... Rd5 24. Bf3


ここでは黒マスビショップの力を強めるか、エクスチェンジアップに切り替えるか、白はどちらもありえます。24. Qg3!? Bxe2 25. Bxf6 g6 26. Rxd5 Qxd5 27. Qf4 Qc5 28. f3 Bxb5 29. Bd4+/- これは異色ビショップでも、黒はキングが危険なために白が大きく有利です。

24... Qxb5 25. Bxd5 Qxb2 26. Bf3



26. Bb7! h6 27. Qg3 Qxb7 28. Rxd3+/- こうしておけば、黒の本譜の反撃はなく、白は駒得をいかしやすいポジションでした。

26... h6 27. Qh4 e5!


この手はエクスチェンジアップする前から読んではいましたが、いざ指されてみるとクイーンの行き場が抑え込まれてしまい、どのようにポジションを改善するか少し難しくなります。e5-e4 まで押し込まれてしまうのは嫌なので、ポーンを捨てるつもりでこれを防ぐことにします。

28. e4 Rc4 29. Qh3! Qc2?



ここは29... Rc7 としてじっと耐えるしかありません。e4 を取りにいけば、白はクイーンやルークがアクティブになり、すぐに勝つことができます。

30. Qf5 Nxe4 31. Bxe4 Rxe4 32. Qd7+-


これでa7 とd3 を当て、勝負ありです。上手く指せばもう少し白クイーンの働きを封じ込められるはずでしたが、青嶋くんは残り時間がほとんどなく、間違えてしまいました。

32... Bc4 33. Qxa7 Qe2 34. h3 1-0



バックランクさえ気を付けておけば、後は白はaポーンを進めるだけです。黒には反撃のプランがなく、青嶋くんはここで潔くリザインしました。

私はこの最終戦の結果で、FIDE レイティングを+3 とし、ベストレイティングの2404 になって来月のマン島のトーナメントに臨むことになります。5R 終了時点のライブレイティングはもっと高く、さらに上にいくことを狙っていたのですが、今回は馬場さんが強すぎたため、仕方がないですね。それでもジャパンリーグは3年連続でIM として安定した戦績を残しており、ひとまずは満足しています。来年こそ、GM や他の日本のプレーヤーを抑えて優勝できるように頑張ります!


表彰式後はGM Xu Yinglun による同時対局が行われました。13面指して日本側は2勝1ドローという結果です。Xu Yinglun は毎日試合後にレクチャー、そして最終日の同時対局と、大会中大忙しだったと思います。またどこかの大会で再会できることを楽しみにしています。

最後になりますが、海外のアービターともやり取りをしながら、ジャパンリーグの運営に尽力してくださったゆみさん、そして他のナショナルアービターの皆さん、大会前から長い間、お疲れ様でした! 今後とも日本の大会を、よろしくお願い致します。

2 件のコメント:

Kiyoshi Kohi さんのコメント...

GM参加する中、日本人プレヤーが優勝もしくは入賞するとは素晴らしい戦果であったと思います。特に面識ありませんが、優勝の馬場さんに拍手です。本当に素晴らしい。入賞の小島さんもおめでとうございます。 小檜山

Shinya_Kojima さんのコメント...

こちらへのコメントは珍しいですね。ありがとうございます!
今後の大会も頑張りますので、引き続き応援よろしくお願い致します。

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