2018/08/20

国際親善チェス大会 in Niigata 2018 日中対抗戦 Event Report


昨日、8/19 は大会に1日遅れ、日中対抗戦が新潟日報メディアシップで開催されました。私はこちらのイベントへの参加を目的に新潟を訪れたため、日程変更のトラブルがありながらも、無事に開催されたことに胸をなでおろしています。今年は昨年のメンバーのうち、羽生さんが大多和くんに変更なり、他は私、南條くん、青嶋くんです。GM Liu Qingnun 率いる今年の中国メンバーはレイティング以上に強かったです。

私はXu Zhinhang とLiu Qingnun と男子メンバーと最初の2試合で当たって連敗。白を持ったLiu Qingnun 戦はかなり面白いポジションにしただけに、時間切迫で崩してしまったのはもったいなかったです。40分の指し切りは毎年厳しいですね。女子プレーヤーとの連戦になる後半戦は、なんとか持ち直しを図らなければいけません。

Hu, Y (CHN, 2070) - Kojima, S (IM, JPN, 2408)
Niigata 2018 (3)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nd2 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. Nh3 Nd7!?



Nh3-Nf4 ラインに最近研究しているのが、e7-e5e7-e6 かをすぐに決めない変化です。白の応手によって手を変えられる柔軟性があります。

7. Nf4 Qc7 8. c3 e6 9. h4 Bd6 10. Qf3 Ngf6 11. Bc4!?


11. h5 Bc2 12. h6 ならば、何度か指したことのある変化です。ここはどうするか迷うところですが、まずはイコアライズを目指して手堅く指すことにします。

11... O-O-O 12. Be3 e5!?



ここは少し思いつきにくいですが、12... Bxf4! 13. Bxf4 e5! 14. Be3 exd4 15. cxd4 (15. Bxd4 Rhe8+) 15... Qa5+ と進めるのが面白く、黒は黒マスビショップを諦める代わりにeファイルから素早く手を作ります。

13. Nxg6 fxg6 14. O-O-O exd4 15. Bxd4 Ne5


もちろん本譜も悪くありませんが、少し単調なポジションになってしまいます。黒でなんとしても勝ちを目指すのであれば、もう少しピースを残してチャンスを作るような変化を探すべきだったかもしれません。

16. Bxe5 Bxe5 17. Ne4 Nxe4 18. Qxe4 Rhe8



ナイトを交換するのも自然な流れで、こうした異色ビショップのミドルゲームとなりました。これはどうやってもドローに思えますが、相手のミスをつくテクニックさえあれば、ここからでも形勢は傾きます。

19. Kb1 Bf6 20. Qg4+ Kb8 21. h5?!


黒のキングサイドのポーンは弱みになりませんが、それでもダブルポーンを解消してくれるのはありがたいですし、何より遅く、黒に手を作るチャンスを与えてしまいます。

21... gxh5 22. Qxh5 Qf4 23. Bf7 Qe4+!



ここは単純な23... Rf8 を始めいくつかの手を考えましたが、白キングをa1 に押し込むことでバックランクの弱さをつく作戦を思いつきました。

24. Ka1 Rxd1+ 25. Rxd1 Re5!


相手にオープンファイルを明け渡すのは不安もありますが、d8 はきちんとビショップでカバーしているため、大きな危険はありません。黒のビショップはd8 をカバーしつつ、c3 でのサクリファイスをにらんでいるのに対し、白の白マスビショップは不安定で仕事も不十分です。異色ビショップのミドルゲームでも、ビショップの働きに差があればチャンスは作れます。

26. Qh3 Qc2 27. Qd7?



ルークを守りつつ、d6 でのチェックを狙うことで反撃を作ろうという作戦ですが、これは完全に失敗です。f2 を捨てて耐えるのがベストですが、それでも黒に勝ちのチャンスがあるのは明らかです。

27... Rd5!!


この手で勝ちになることを読み切りました。白はバックランクの弱さが苦しく、上手い受けがありません。

28. Qe8+ Kc7 29. Rb1 Rd1 0-1



ようやく中国チームに一矢報いるのことができました。ここまでの3R は、4-0負け、2.5-1.5負け、2-2引き分けで、少しずつですが僅差になっています。最後こそチームとして勝ちたい最終戦、私はWFM のXu Tong との対戦です。

Kojima, S (IM, JPN, 2408) - Xu, T (WFM, CHN, 2131)
Niigata 2018 (4)

1. Nf3 Nf6 2. c4 d6 3. d4 g6 4. g3 Bg7 5. Bg2 O-O 6. O-O Nbd7 7. Nc3 e5 8. e4 exd4 9. Nxd4 Re8 10. h3 Nc5 11. Re1 a5 12. Ndb5 Bd7 13. Bf4 Bxb5 14. cxb5 Nfd7 15. Qc2 Ne6 16. Be3 Ne5 17. Rad1 h5 18. Nd5 Nd7 19. f4 Rc8 20. Qf2 b6 21. Nc3 Qe7



最終戦はここから簡単な解説にします。King's Indian で理想的な押し方をしてきた白は、ここで決め手を探します。

22. e5! dxe5 23. Bc6


ポーンを一時的に捨てても、白マスビショップとdファイルを開いて活路を見出します。23. f5, 23. Nd5 もありそうですが、どの順番からがベストかわからずに分かりやすいスレットを先に作ります。

23... exf4 24. Nd5 Qf8 25. Bxd7



ここも単純な駒得に走るか、もう少しプレッシャーを残すか迷いましたが、残り時間も少ないために前者を選びました。25. gxf4 からf4-f5 の押し込みを狙っても白は面白いポジションです。

25... fxe3 26. Rxe3 Qc5?


この手はどこかであるかなと考えていましたが、このタイミングはタクティクスが決まるためにダメです。

27. Bxc8 Rxc8 28. Rxe6! 1-0



クイーンを交換すれば、e7 でのフォークが決まって白は駒得を広げられます。1つ前の試合同様、パズルのようなタクティクスを決めて無事に連勝し、星をタイに戻したところで新潟での全試合を終えました。

最後も2.5-1.5負けで、日本はチームとして勝ち無し。全体では4勝10敗2ドローという戦績でした。今年はもう少しポイントを取れても良いメンバーだったと思いますが、40分指し切りで最後に時計の叩き合いになると、こちらが落ちるという展開がいくつかあり、それが響いたように思えます。来年は日本代表のチームtでプレーするか分かりませんが、持ち時間を25/10 にするよう進言してみるつもりです。いずれにせよ、日程変更のトラブルもあった中、きちんとイベント実現を成した運営の皆さんには感謝致します。


新潟のイベントは、参加者がこれから各々のブログでレポートを出すこともあると思います。それをチェックするのを楽しみにしつつ、私からのレポートも終わりにしようと思います。また来年もイベントが成功することを願っています。

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