今週は月曜、火曜の2日間、1泊2日で麻布学園チェス部の合宿にコーチとして参加してきました。今回の初合宿の場所は、千葉県の白子町です。東京駅から高速バスで2時間弱、終点の白子中里から合宿地の宿はすぐでした。前回の河口湖もそうでしたが、新宿や東京からバス一本で行ける場所はありがたいですね。
合宿の参加人数は、中1から高1までの4学年で15人でした。(私が去る火曜の午後に2人合流して増えました。) 13時から途中15分の休憩を挟み、19時まではレクチャーです。最近の短手数のゲームから、タクティクス、ポジショナルプレーをテーマにしたゲーム、エンドゲームのスタディまで、幅広くポジションやゲームを紹介しました。これもいつも合宿の記事では書いていることですが、私のレクチャーが初体験の子にとっては、長時間の集中的なチェスへの取り込みは新鮮で、また大変でもあると思います。様々なポジションや考え方を見る中で、今の自分必要なものを吸収していってもらえればと思います。
夕飯後の午後20時半からは、90分+1手30秒の持ち時間あり15面指しがスタートします。前回の夏合宿では同時対局を2日目に持ってきましたが、今回はうっかり初日のレクチャー後、そして持ち時間ありでOKを出してしまいました。これがけっこう条件が厳しく、結果は11勝4敗(2つ時間落ち)という過去の同時対局でも最もポイントを落とすことになりました。その中でも、先日の東京チェス選手権で好成績を残した仲佐くんは、一瞬のスキを突いて良いプレーをしました。
直前で指した22. Qd2? がひどい手で、黒はエクスチェンジダウンながら一気にアタックを決めます。
22... Ng4! 23. g3 d4!?
ここは23... Qh5! 24. h4 Rxe3!!-+ という手も美しい決め手になります。
24. exd4 Bxd4 25. Rce1
夜布団に入ってから、エクスチェンジを返すつもりでもう1つのルークを回し、f1 のマスを空けておくべきだったかと思いましたが、それにも黒には妙手があって勝ちとなります。25. Rfe1 Nxh2!!
26. Rxe5 Nf3+ 27. Kg2 Nxd2+-+ Qe5-Qh5 がメイトになるため、26手目でナイトを取ることはできません。黒のダブルビショップは警戒しているつもりでしたが、d5-d4 からどちらのラインも開かれ、それを活用された形となります。
25... Bxf2+ 0-1
エクスチェンジを返すしかなく、h2 も取られて厳しくなるため、ここでリザインしました。予想外だったのは、25. Qxf2 Nxf2 26. Rxe5 Nh3# がぴったりメイトになることです。ちなみに同じメイトのアイディアをいかし、25... Nxf2! 26. Qxf2 Bxf2+ 27. Rxf2 (27. Kxf2 Qc5+ 28. Re3 Qxe3#) 27... Qxe1+-+ がさらに正確でしたが、いずれにしろ白は苦しい駒損です。夕飯前にMacShane のゲームで、黒のNf6-Ng4 が上手くアタックにいきる例を紹介しましたが、それをしっかり覚えていましたね。同時対局でも負けは悔しいですが、その反面後輩の成長は嬉しいものです。
翌日も午前中3時間ほどレクチャーをして、この合宿での指導を全て終えました。子供たちの指摘する手の中には私が気付いていなかったものもあり、毎回自分自身が勉強させてもらうことが多々あります。また夏の合宿にもお邪魔させてもらい、この麻布チェス部でのコーチングは続けていきたいですね。私は火曜の午後で白子を後にしましたが、現役部員たちは明日まで合宿を続ける予定です。最後まで気を抜かず、頑張ってください。
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