2019/11/02

Japan Open 2019 Day2 Tournament Report


ジャパンオープン2日目です。今日は2R で塩見さんとドローで全勝組から一歩後退。3R では前嶋くんにきっちり勝って、3連勝の3人を追いかける展開になっています。塩見さんとの試合は色々と面白い場面がありましたが、もう少しじっくり考えてみたいので、今夜は3R の試合をご紹介します。

Maeshima, H (JPN, 1866) - Kojima, S (IM, JPN, 2400)
Japan Open 2019 (3)

1. c4 c6 2. d4 d5 3. Nf3 Nf6 4. Nc3 a6 5. c5 g6 6. Bf4 Bg7 7. e3 O-O!?



去年の全日本の真鍋さんとの試合では、7... Nh5 に自信がなくこちらの手を、今年のクラブ選手権では同じく真鍋さんに7... Nh5 を指しています。結論としては、どちらの手も黒は指せそうです。

8. Bd3 Bg4 9. h3 Bxf3 10. Qxf3 Nbd7 11. O-O Re8


ここは11... e5!? 12. dxe5 Nh5 としてポーンを取りかえす手もあったようです。いずれにせよ、黒はビショップナイトを交換しても、e7-e5 のブレイクを成功させれば満足なポジションです。

12. b4 e5 13. dxe5 Nxe5 14. Bxe5 Rxe5 15. Na4?!



検討で指摘したのはこの手です。c4-c5 と押し込み、b6 にナイトが跳びこむのが有効なのは、クイーンサイドのピースがもっと詰まっており、c8 のビショップやa8 のルークが問題になる場合です。ここでは黒のルークは単にセンターに回るだけで、白のナイトは行き場がありません。15. Ne2 からd4 を目指すのが自然なマヌーバリングですが、それでも黒はNf6-Ne4 を狙って指しやすいでしょう。

15... Qe7 16. Nb6 Re8 17. Rad1 Ne4 18. Bxe4 Rxe4


白はビショップを返すのも、e4 にナイトが残るのもどちらも気が進まないでしょう。本譜ではピース交換が進み、ルークの働きとビショップナイトの働きの差で黒の指しやすさがはっきりしてきました。

19. a3 Be5!?



すぐにa6-a5 とする手もありますが、ここではビショップを白キングに向けてみます。黒のプランはh7-h5-h4 と突く、f7-f5-f4 と突く、d5-d4 と突く、a6-a5 と突く、Be5-Bc7, Qe7-Qe5 とバッテリーを組むなど豊富です。これらの組み合わせに白が対処するのは大変でしょう。

20. Kh1


ビショップのダイアゴナルを警戒するのであれば、20. g3 h5 21. h4 とするべきですが、それでもg3 やe3 のサクリファイス、g6-g5 の将来的なブレイクなど、白が気にすべき課題はまだまだ残っています。

20... Bc7! 21. Rd4 Qe5-+



これで駒得を決め、一気に黒勝ちのエンドゲームへと持っていきます。

22. g3 Bxb6 23. cxb6 Rxd4 24. exd4 Qxd4 25. h4 Qxb6


後はテクニックの問題です。

26. h5 Qd4 27. hxg6 hxg6 28. Kg2 Qe4 29. Qxe4 Rxe4 30. Kf3 Kg7 31. Rb1 Kf6 32. a4 Ke5 33. b5 axb5 34. axb5 c5 35. Rc1 c4 36. Rc3 Re1 37. b6 Kd4 0-1



このラウンドは南條くんがミドルゲームからエンドゲームにかけ、テクニックを見せて黒で勝っていました。今大会前半戦の最も面白いゲームなのではないかと思います。南條くんたちに追いつけるよう残り2日間、4試合も頑張ります。

Japan Open 2019 4R Pairings

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