先週末は中部快速オープンに参加するため、名古屋へと足を運んできました。3年連続での優勝を目指して戦いましたが、最終戦でScottさんに敗れて2位でのフィニッシュです。Tuさんに勝って4連勝までは良かったのですが、最後に力尽きました。各クラスで入賞された皆さん、おめでとうございます!
1st Place Scott Tyler (JPN, 1947) 5/5
2nd Place Kojima Shinya (IM, JPN, 2375) 4/5
3rd Place Tran Thanh Tu (CM, JPN, 2375) 4/5
4th Place Okuno Rion (JPN, 1781) 4/5
Chubu Rapid Open 2022 Final Standings
2nd Place Kojima Shinya (IM, JPN, 2375) 4/5
3rd Place Tran Thanh Tu (CM, JPN, 2375) 4/5
4th Place Okuno Rion (JPN, 1781) 4/5
Chubu Rapid Open 2022 Final Standings
Scottさんとの最終戦や、Tuさんとの複雑なエンドゲームも面白かったですが、細かく見るのにもう少し時間が欲しいので、今夜はユースチャンピオンである奥野くんとの試合をご紹介します。
Kojima, S (IM, JPN, 2375) - Okuno, R (JPN, 1781)
Chubu Rapid Open 2022 (2)
1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. Bb5+ Nd7 4. Ba4!?
3月の東京チェス選手権では青嶋くんを相手に4. a4 を指しましたが、その後見つけて試しているのがこちらの変化です。黒の応手によって変わりますが、Bb5-Ba4-Bc2 というマヌーバリングは、他のMoscow の変化やRuy Lopez で見られるものです。 Chubu Rapid Open 2022 (2)
4... Ngf6 5. O-O! g6
5... Nxe4 6. Re1 Nf6 7. d4 cxd4 8. Nxd4 とポーンを捨てるのがこの変化の1つの面白みで、黒はeファイルからのプレッシャーにさらされ、キングの安全性をどう確保するか課題を抱えます。
6. Re1 Bg7 7. c3 O-O 8. d4 cxd4 9. cxd4 e5 10. d5!?
ここは少し迷いましたが、センターを固めてKing's Indian やRuy Lopez の知識が活きる局面を目指しました。自然に見えるナイトの展開もありえますが、10. Nc3 exd4 11. Nxd4 Nc5 12. Bc2 d5! とされたときにあまり自信がありませんでした。10... h6 11. Nc3 Nc5 12. Bc2 a5 13. Be3 b6?!
この手はc5 のナイトを支える役割を果たしそうに見えますが、黒マスビショップのダイアゴナルに入ってターゲットになりますし、Nf3-Nd2-Nc4 という典型的なマヌーバリングも気にしなければいけません。黒の理想はb7-b5 としてクイーンサイドでスペースを取って反撃することなので、その点からもb7-b6 は不要な1手だったように思えます。代わりにQd8-Qc7 を指しておき、Bc8-Bd7, Ra8-Rc8 を急ぐ作戦はありそうです。
14. h3 Bd7 15. a3 Qc7 16. Rc1 Na6?
試合後に伝えたのは16... b5! 17. b4 axb4 18. axb4 Na6 19. Bd3 Nxb4 20. Bxb5 と進む変化です。コンピュータの評価は白優勢ですが、クイーンサイドのポーンをさっぱりと捌いてしまうと、c6、d6 あたりの弱点だけで白が十分と言えるか疑問でもあります。かと言ってb2-b4 を急がずにa5-a4 と押し込まれても自信がありませんでした。17. Ba4!? Qb8
白マスビショップの交換は、黒がc6 のマスを弱めることになるので白にとって良いことは明らかです。これに対しては17... Nc5 と戻る手が最善ですが、直前で下げたナイトをすぐ戻す手には抵抗があるでしょう。
18. Bc6! Bxc6 19. dxc6 Nc5 20. Qc2!?
ビショップの交換をc6 で行うことで、白は強力なパスポーンを得ました。後はこれをどう活かすかですが、本譜のように手堅くe4 を守るのではなく、これを見捨てて局面を開くほうが分かりやすかったかもしれません。20. Nb5! Ncxe4 21. c7 Qb7 22. Nd2! Rac8 23. Nxe4 Nxe4 24. Nxd6 Nxd6 25. Qxd6+-- ポーンを取り返すと、c7 の支えは万全で、黒はb6 も弱く厳しいことが分かります。20... Qc7?
黒がc6 ポーンを抑え込むために重要なことは、c7 のマスを一時的に抑えることではなく、c5 ナイトのブロッケードを外されないようにすることです。20... a4! 21. Nd2 Kh7 22. Nd5 Rc8 23. Nb4+- これでも白が大きく優勢ですが、本譜のように分かりやすくすぐ決まるということはありませんでした。
21. b4! axb4 22. axb4 Na6 23. Qb1! Rab8 24. Nb5 Qe7 25. c7 Rbc8 26. Bxb6+-
b6 のポーンを落とせば白勝勢ですが、最後の抵抗にもどう返すかはある程度考えていました。26... d5 27. Qa1! Nxb4 28. Bc5 Qd7 29. Bxb4 Qxb5 30. Bxf8 1-0
最後までcファイルのパスポーンが大きな武器になりました。内容の怪しかったゲームはきちんと振り返り、次はジャパンチェスクラシックで頑張ります!
今回の遠征では初めてのグルメを色々と探求しました。六番町にある人生餃子は平日昼でも店の外まで人が並ぶ人気店です。名古屋で台湾ラーメンが流行る前からこの店の看板メニューだった皿台湾は、汁なしの台湾ラーメンといった感じで、他ではなかなか味わえないものでした。多くの客がリピーターになるのも納得で、私もまた足を運びたいと思います。
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