チェンナイオリンピアードの総括は別に書くと最終戦の記事で触れておきながら、9月も後半まできてしまいました。チェンナイではチームから陽性者も出て十分なパフォーマンスが出せなかった選手も複数おり、以前のバツミオリンピアードのような総括は書きづらいので、どうしたものかと思っていたのが、ここまで遅れた要因です。また私自身、試合解説以外の記事について書くことのモチベーションが少し下がっていることもあります。それでも、クラウドファンディングの報告会が終わり、返礼品の準備なども順当と聞いているこのタイミングが、チェンナイを振り返る遅すぎない最後のタイミングかと思い、記事にしてみることにします。
今年のオリンピアードは4年ぶりの開催であり、コロナ禍で初、そして日本のチェス団体がJCA からNCS になって初のオリンピアードでした。過去のオリンピアードで選手と団体がどのようなやりとりをし、どのような準備でオリンピアードに臨んでいたかはJCA からあまり伝えられておらず、今年の頭に理事になった真鍋さんを始め、NCS スタッフもオリンピアードに関して知らないことが多かったと思います。その中で選手の負担軽減のため、クラウドファンディングという新しい試みに踏み切ってくれたこと、そしてそれに多くのチェスファンが賛同してくださったことは、とても嬉しく思います。
5月に全日本選手権が終わり、オープン、女子チームともに日本代表のメンバーが確定しました。そしてコーチを交えた最初のミーティングで、オープンチームは私、女子チームは妻のなつみがリーダーを務めることが決まり、私は内心驚きました。これまで私が参加していたオリンピアードでは、現地で会議に出席したり、オーダー提出の責を負うキャプテン(オープンチームは長くミーシャ)とは別に、選手の中からチームを取りまとめるリーダーを選出することはありませんでした。もちろん、年長者や経験、あるいはリーダーシップのある人が必要に応じてリーダー的な役割を負い、実質的にリーダーを務めていたということはあります。しかし、メンバーが決まった段階でリーダーを決めること自体は、私が知るこれまでのオリンピアードで初めてのことです。
リーダーの業務がNCS との相談や報告、オリンピアード初参加メンバーのサポート、チームの取りまとめ程度(もちろん、とりまとめの大変さはメンバーにもよるでしょうが)ならば良かったですが、ビザの取得やPCR検査についての調査、ユニフォームの製作と発注、クラウドファンディングの準備、コーチとのやり取りなど多岐に渡りました。これらの一部は選手個人ではなく、NCS がやるべきことにも見えますが、NCS も人手が足りない中でかなりの作業量をこなしてくれていたことは承知しているので、選手として協力できる点をすることは吝かではありません。しかし、これらは選手のごく一部(リーダー)だけが担うものではないはずで、その点は少し気がかりでした。もちろん他のメンバーが手伝ってくれたことも多数ありますが、女子チームは特に未成年選手のサポートや、コーチの体調不良による一部期間離脱などもあり、リーダーの現地での負担も予想よりずっと大きいものでした。
選手とNCS が準備期間と現地での負担をどのように分担するかについては、2024年への課題として、NCS に対してフィードバックを出しています。そのうえでこの記事を書いていて思ったのは、そもそもオリンピアード代表にリーダーが必要なのかということです。グループ内でリーダーを明確にしていたほうが連絡や相談、意思決定などがやりやすいのは承知しています。しかし、リーダーを決めることで一部の選手の負担が大きくなったり、さらには日本代表としての自覚に多少のばらつきが出てしまったのは、今回のチーム作りの反省点だったと思っています。次回のオリンピアードでリーダーを廃止するというのは極端かもしれませんが、リーダーという役職があろうとなかろうと、全員が日本の代表の一員として自発的にできることを考え、動けるメンバーを選出することや、そうした意識の共有がチーム作りに必要なのではないかというのが、今回のオリンピアードを通した私の結論です。
それは具体的にどうするの?と言われるとまた難しいですが、自分の中でまとまってきたらNCS に提言していければと思います。2024年は私にとって馴染みのあるブダペストでのオリンピアード開催ですので、終わった際に1つの悔いなくというのは無理でも、チーム全員が行って良かったと心から思えるオリンピアードにしたいですね。そのために早めに動いて準備できることは、今からしていきたいと思います。
今年のオリンピアードは4年ぶりの開催であり、コロナ禍で初、そして日本のチェス団体がJCA からNCS になって初のオリンピアードでした。過去のオリンピアードで選手と団体がどのようなやりとりをし、どのような準備でオリンピアードに臨んでいたかはJCA からあまり伝えられておらず、今年の頭に理事になった真鍋さんを始め、NCS スタッフもオリンピアードに関して知らないことが多かったと思います。その中で選手の負担軽減のため、クラウドファンディングという新しい試みに踏み切ってくれたこと、そしてそれに多くのチェスファンが賛同してくださったことは、とても嬉しく思います。
5月に全日本選手権が終わり、オープン、女子チームともに日本代表のメンバーが確定しました。そしてコーチを交えた最初のミーティングで、オープンチームは私、女子チームは妻のなつみがリーダーを務めることが決まり、私は内心驚きました。これまで私が参加していたオリンピアードでは、現地で会議に出席したり、オーダー提出の責を負うキャプテン(オープンチームは長くミーシャ)とは別に、選手の中からチームを取りまとめるリーダーを選出することはありませんでした。もちろん、年長者や経験、あるいはリーダーシップのある人が必要に応じてリーダー的な役割を負い、実質的にリーダーを務めていたということはあります。しかし、メンバーが決まった段階でリーダーを決めること自体は、私が知るこれまでのオリンピアードで初めてのことです。
リーダーの業務がNCS との相談や報告、オリンピアード初参加メンバーのサポート、チームの取りまとめ程度(もちろん、とりまとめの大変さはメンバーにもよるでしょうが)ならば良かったですが、ビザの取得やPCR検査についての調査、ユニフォームの製作と発注、クラウドファンディングの準備、コーチとのやり取りなど多岐に渡りました。これらの一部は選手個人ではなく、NCS がやるべきことにも見えますが、NCS も人手が足りない中でかなりの作業量をこなしてくれていたことは承知しているので、選手として協力できる点をすることは吝かではありません。しかし、これらは選手のごく一部(リーダー)だけが担うものではないはずで、その点は少し気がかりでした。もちろん他のメンバーが手伝ってくれたことも多数ありますが、女子チームは特に未成年選手のサポートや、コーチの体調不良による一部期間離脱などもあり、リーダーの現地での負担も予想よりずっと大きいものでした。
選手とNCS が準備期間と現地での負担をどのように分担するかについては、2024年への課題として、NCS に対してフィードバックを出しています。そのうえでこの記事を書いていて思ったのは、そもそもオリンピアード代表にリーダーが必要なのかということです。グループ内でリーダーを明確にしていたほうが連絡や相談、意思決定などがやりやすいのは承知しています。しかし、リーダーを決めることで一部の選手の負担が大きくなったり、さらには日本代表としての自覚に多少のばらつきが出てしまったのは、今回のチーム作りの反省点だったと思っています。次回のオリンピアードでリーダーを廃止するというのは極端かもしれませんが、リーダーという役職があろうとなかろうと、全員が日本の代表の一員として自発的にできることを考え、動けるメンバーを選出することや、そうした意識の共有がチーム作りに必要なのではないかというのが、今回のオリンピアードを通した私の結論です。
それは具体的にどうするの?と言われるとまた難しいですが、自分の中でまとまってきたらNCS に提言していければと思います。2024年は私にとって馴染みのあるブダペストでのオリンピアード開催ですので、終わった際に1つの悔いなくというのは無理でも、チーム全員が行って良かったと心から思えるオリンピアードにしたいですね。そのために早めに動いて準備できることは、今からしていきたいと思います。