今夜は再び白番に戻し、Caro-Kann Defence のゲームをご紹介しようと思います。私のレイティング帯ではCaro-Kann を使うプレーヤーと当たる頻度はかなり高く、毎試合勉強させてもらっています。
imsk (2520) - lamadestr (2514)
Lichess Blitz
1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. h4!?
昨年のジャパンチェスクラシックではCaro-Kann に対してはTwo Knights Variation を指していましたが、少し前から4. h4 のTal Variation を研究しています。黒番でも対策は苦労してきた変化で、2018年にはオリンピアード最終戦でチュニジアのFM Amdouni に勝ったものの、その直後のFirst Saturday ではギリシャのGM Kotronias に敗れています。それ以降も盛んにトップクラスで指され、今後も人気のCaro-Kann 対策であると考えています。Lichess Blitz
4... h5 5. Bd3 Bxd3 6. Qxd3 Qa5+
6... e6 7. Bg5 Be7 8. Nf3 という進行を避けるための早いチェックです。g5 のマスを弱めて使うチャンスを得るのが、h2-h4,h7-h5 を挟んだ白のメリットであり、Tal Variation の1つの狙いと言えます。
7. Nd2 e6 8. Ngf3 Nh6 9. O-O Nf5 10. Nb3
クイーンをアタックしておくと同時にc6-c5 を牽制しておきます。黒がこのポーンブレイクをいつするか、白がそれにどう備えるか、された際にどう対応するかは、Caro-Kann Advance の様々なラインで重要なトピックとなります。10... Qa6 11. Qd1 Be7 12. g3 Nd7 13. a4!
クイーンサイドでスペースを取り、黒クイーンの行き場を減らす、ルーク活用のチャンスを作るなどを効果を生む手です。
13... c5 14. c3
コンピュータが白唯一の緩手と指摘した手で、14. dxc5 Nxc5 15. Nbd4! からf5 のナイトを捌きにいくのがベターのようです。確かにf5 のナイトがキングサイドを守るキーピースで、本譜でもそこがポイントとなります。14... Rc8 15. Re1 b6 16. Bg5!
上記の変化のように白は黒マスビショップを交換し、黒の黒マスの弱体化とNf3-Ng5 のチャンスを作ります。
16... Bxg5 17. Nxg5 Qc4 18. a5 b5 19. a6!
黒クイーンは狭いa6 のマスから脱出しましたが、代わりに白のポーンがa6 まで刺さり、Nb3-Na5 がクイーントラップのスレットになっています。a6 のポーンはa7 を固定し、ここが落ちた際に強力なパスポーンにもなりえます。すると黒はa7 を落とした際の負担が大きく、これを守るためにピースの動きが制限されることになります。19... cxd4 20. Nxd4 Nxd4?
ナイト交換に応じるのは白の思うつぼです。f5 のナイトが消えるとQd1-Qf3 からf7 を狙われる手が厳しくなります。いずれにせよ白が優勢ですが、20... g6 としてナイト交換はf5 のマスでするべきでした。
21. cxd4 g6 22. Rc1! Qxc1 23. Qxc1 Rxc1 24. Rxc1+-
本譜の進行を避けるため、21... Nb6 22. Qf3 Qc7 のようにすべきですが、それでも黒はh8 のルークをゲームに参加させることが難しく、白の勝勢です。本譜では白のルークがcファイルから容易に侵入できるため、a7 のポーンが落ちて白の勝ちとなります。24... Ke7 25. Rc7 Rb8 26. Rxa7 Rb6 27. Nxf7!
もう1つのポーンもいただいてしまい、ついでにナイトをセンターに戻します。
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