2023/10/10

Nagoya Open 2023 Day2 Tournament Report

今年の名古屋オープン上位クラスの入賞者たち Photo by Higashishiba

週末の名古屋オープンを終え、東京に戻ってきました。初日は3連勝できましたが、2日目は1勝1敗1ドローと星が伸びず、4位に終わりました。優勝はポーランドから参加されたIMのSabuk Piotrさんです。各クラス入賞者の皆さん、おめでとうございます!

1st Place Sabuk, Piotr 5.5/6 (IM, POL, 2394)
2nd Place Nanjo, Ryosuke 5/6 (IM, JPN, 2476)
3rd Place Aoshima, Mirai 4.5/6 (FM, JPN, 2463)
4th Place Kojima, Shinya 4.5/6 (IM, JPN, 2485)

Nagoya Open 2023 Final Standings


4RのSabukさんとの試合は序盤から上手く指され、白を持ちながら負けてしまいました。最終戦の青嶋くんとの試合も面白かったですが、そちらは彼が自身のブログで紹介してくれています。今夜、こちらでは5Rの岡部くんとの試合を扱おうと思います。

Kojima, S - Okabe, Y
Nagoya Open 2023 (5)

1. c4 c5 2. g3 g6 3. Bg2 Bg7 4. Nc3 Nc6 5. Nf3 d6 6. O-O e5 7. a3 a5 8. Ne1 Be6 9. d3 Nge7 10. Rb1 O-O 11. Bg5 f6 12. Be3 b6

1.c4から入るのは久々ですが、Botvinnik Style Englishは杭州で弘平くんと練習で指し、アイディアを確認していました。黒にd6-d5を許しても白は勝負できますが、なるべく止めておく方針で今回は戦います。

13. Nd5! Bxd5 14. cxd5 Nd4 15. a4!


d5でのピース交換後、こうしてaポーンを突き直すのがポイントです。黒からのa5-a4を許せばb3のマスを確保され、黒の侵入してきたナイトにさらなる活躍を許すことになります。逆に黒のa5-a4,b6-b5を止めておけば、白は将来的にb5やc4のマスをナイトのマスとして活用できるチャンスがあります。

16... g5?! 16. Bd2! Ndf5 17. Nc2 Ng6 18. Na3!

白はd4のナイトを追い返したうえで、自身のナイトを強力な白マスに向けて移動させていきます。白マスビショップを失った黒は白マスが極力弱くならないように注意して指すべきであるため、g6-g5からf5のマスを弱めてきたのは白にとって好都合でした。

18... Nh6 19. e4!


f6-f5を許しても白良しですが、せっかくなので止めておきます。a1-h5のクイーンのダイアゴナルも開くため、さらに白マスを活用するチャンスが増えます。白マスビショップの利きはポーンで止めてしまうように見えますが、どうせf6-f5を許せばe4のマスは使えませんし、Bg2-Bh3のダイアゴナルスイッチのアイディアがあるため、問題ありません。

19... Qd7


19... f5 20. exf5 Nxf5 21. Qg4!+-と進めばg5のポーンがターゲットになるうえ、Bg2-Be4のアイディアも復活して白勝勢です。

20. Nc4! Rab8 21. b3 g4 22. f3!

g5-g4がこなければ、Qd1-Qh5,Bg2-Bh3を組み合わせようと思っていました。gポーンの押し込みにはfファイルを開くことでf1のルークを活動的にし、f5のマス、f6のポーンの弱点を浮き彫りにします。

22... gxf3 23. Rxf3 Ne7 24. Qf1!?


他にも良い手は色々ありそうですが、fファイルでヘビーピースを重ねると同時にBg2-Bh3の切り替えを準備します。

24... f5 25. Bh3 Qc7 26. Bxh6

f5でポーンを取れば十分に勝勢と判断し、ビショップナイト交換を仕掛けます。26. exf5 Rf6 27. g4!+-でも黒はd5を取る暇がなく、白勝勢でした。

26... Bxh6 27. Bxf5 Kh8 28. Qh3 Ng8 29. Rbf1 b5 30. axb5 Rxb5 31. Be6!


fファイルを開き、最後のタクティクスを準備します。ターゲットになっているh6のビショップが、逃げるマスも守る方法もなく、黒は厳しい状況です。

31... Rxf3 32. Rxf3 Rxb3 33. Bxg8 Rb1+ 34. Kg2 1-0

2段目でのチェックもないため、黒の反撃も続きません。序盤で正確なセオリーの手順を思い出せない反省はありましたが、それ以外はほぼ100点のゲームだったと思います。様々なスタイルのチェスを試しながら、その精度を高めていきたいですね。

今年の名古屋遠征はこれで終わりですが、年明け1月に開催される東海オープンは初のFIDE公式戦ということで、参加を検討しています。今年も名古屋チェスクラブ、および東海地方のプレーヤーたちには大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。
試合後、名古屋駅前の名鉄百貨店のレストラン街に向かいましたが、うなぎと味噌カツだけ大行列、他は割りと空いているという状況でした。第一希望ではなかったものの、久々にいただくきしめんも美味しかったです。3連休でどこも混んでいるのは仕方ないのですが、次回はもう少し空いてる穴場のお店も探しておこうと思います。

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