2018/11/09

First Saturday GM November 2018 R5 & R6


5,6R の試合はまとめての更新です。5R開始直前、アービターから最終戦を8日の10時からにしてほしいと言われました。もともと最終戦の相手のAczel からは、試合を14時ではなく2時間半遅れの16時半スタートにしてほしいと頼まれていたのですが、5日目になってアービターがそれは遅すぎると判断したのです。8日は本来であれば1回目の休憩日で、私としてはゆっくり後半戦に備えたかったのですが、最終日の遅い時間はダメ、Aczel の予定で他の日は全てダメとなれば、合意するしかありません。ただし、もっと早く提案してほしかったです。

Audi, A (FM, IND, 2347) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
First Saturday GM November 2018 (5)

1. e4 c6 2. Nf3 d5 3. Nc3



彼のこれまでのCaro-Kann 対策は、3. exd5 cxd5 4. Ne5 だったため、これは意表を突かれました。とはいえ、Two Knights Variation は私も試合経験が豊富にあります。

3... Bg4 4. d4!?


h2-h3 を遅らせてくる変化は珍しいです。これであれば、黒はビショップをf3 で交換せずにすみます。

4... e6 5. h3 Bh5 6. g4 Bg6 7. exd5 exd5 8. Qe2+



しかし、この変化がスペインのVallejo Pons が成功し、白がやや良い変化だとは知りませんでした。French Exchange のポーンストラクチャーで、白マスビショップを出せた黒が満足そうにも見えますが、まだキングサイドのピースをどう出すかという課題が残っています。

8... Qe7 9. Be3 Nd7 10. O-O-O O-O-O


ここは先に10... Ngf6 もありえますが、少し白のNf3-Nh4 の可能性を遅らせようと考えました。

11. Ne5 Ngf6??



序盤で時間も豊富にあるのに、ブリッツでもしないようなミスをGM トーナメントでしてしまいました。白のナイト跳びこみの狙いは、あくまでf2-f4-f5 であり、その前にe4 を抑えておくのがシンプルだと思い込んでいました。

12. Nxc6!+-


この手で実質的にゲームは終わりました。a6 でのチェックのチャンスは頭にあったにもかかわらず、なぜこのナイトサクリファイスをもっと警戒しなかったのでしょうか。

12... Qe6


12... bxc6 13. Qa6+ Kb8 14. Bf4+ Ka8 15. Qxc6# ナイトを取れば、ぴったりメイトです。

13. Nxd8 Kxd8 14. f4 Be4 15. f5 Qd6 16. Bg2 Bxg2 17. Qxg2 Nb6



残された私のチャンスはb2 への反撃しかありません。しかし、相手もそれは百も承知で、きちんと守られてしまいます。

18. Qh2 Qc6 19. Rd3 Bd6 20. Bf4 Bb4 21. a3 Be7 22. Re1 Nc4 23. g5 Nd7


23... Nh5 24. Qe2 Nxf4 25. Qxe7+ では勝負にならないと思いましたが、本譜も読み抜けがありました。

24. Bc7+! Qxc7 25. Qxc7+ Kxc7 26. Rxe7 1-0



この日は本当にダメでした。早めに試合が終わったので、急遽翌日に変更になったAczel戦の対策をします。


ここはどこ~?

そして翌朝、いつもと違う時間のバスは、途中でいつもとは違うルートを進み始めました(笑) 慌ててバスの運転手に頼んで降ろしてもらい、Hotel Berlin までの道のりを地図アプリで確認し、会場へと歩きで向かいます。席に到着したのは、試合開始のわずか2分前でした。

Aczel, G (GM, HUN, 2549) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
First Saturday GM November 2018 (6)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. cxd5 cxd5 4. Bf4 Nf6 5. e3 Nc6 6. Bd3!?



5年前の対戦では、Nf3, e3 セットアップでしたが、Aczel はここ数年、Slav Exchange をメインで使っているようです。色々と試合を見て準備してきたつもりでしたが、ナイトよりも先に2つのビショップを展開するというムーブオーダーは私の常識から外れており、完全に予想外でした。確かにこれならば、黒からのいくつかの変化を避けることができます。

6... Bg4


色々と考えてこう指すことにしました。6... a6 7. Nc3 Bg4 の変化は何年も前に指したことがありますが、今回は全く用意しておらず、あまり記憶にもありませんでした。

7. f3 Bd7


7. Qb3 Na5 8. Qa4+ Bd7 9. Qc2 e6 10. Nc3 ならば、これまで何回も指してきたラインになるのでこれを期待しましたが、白はfポーンを躊躇なく着きました。また、白からのQd1-Qb3 を警戒してビショップをd7 へと退きましたが、7... Bh5 8. Qb3 Qd7 とすることもできたようです。

8. Nc3 e6 9. Nge2 a6 10. g4



キングサイドでのプレーの幅が広がり、勝負しやすいのがf2-f3 の特徴です。Nf6-Nh5 からのビショップナイト交換の狙いも防いでいます。

10... Rc8 11. Ng3 Bb4!?


Japan League でのSamuelくんとの試合を見返し、さらには最新のゲームも見てこのビショップナイト交換のアイディアをこの試合のために用意してきました。実際には想定していたラインと違いますが、黒のピースの位置は全て同じで、このアイディアも使えるだろうと考えました。

12. Rc1 Na5 13. g5 Ng8 14. Kf2



Aczel はかなり時間を使ってこの3手の流れを選びました。黒はNg3-Nh5, Bf4-Be5 のタイミングと威力を計算しつつ、クイーンサイド中心でまずはプレーします。

14... Nc4 15. Qe2 Ne7


Bd3-Bxc4 からe5 のマスのコントロールを消されても、Ne7-Nf5 がg7 のディフェンスにピッタリなることに気付き、Ng3-Nh5, Bf4-Be5 の組み合わせを恐れずに、ナイトを組み替えに行きます。

16. a3 Bd6



16... Nxa3 17. bxa3 Bxc3 18. Nh5! だと、今度は白の白マスビショップが残っているためにNe7-Nf5 が働かず、黒は守りが厳しくなります。そのため、ここはビショップを退いて交換する1手です。

17. Bxd6 Nxd6 18. h4 O-O 19. f4 f5


まだ持ち時間の増える40手まで半分しかきていませんが、お互いに序盤でかなりの時間とエネルギーを使いました。白はキングサイドで多少攻撃のチャンスがありそうですが、Kotronias戦と違ってキングが多少不安定です。

20. gxf6 Rxf6 21. Rcg1 Be8 22. h5 Nef5



多少キング前を弱めましたが、その代わりにfファイルを開くことでf5 のコントロールを得ました。これならば黒は十分に戦えます。

23. Nxf5 Nxf5 24. Qg4 Rc7 25. Bxf5 Rxf5 26. h6 g5!?


最初は26... Bg6 と指せば、白マスビショップをb1-h7 のダイアゴナルで使うことができ、もはやバッドビショップではなく十分だろうと考えていました。しかし、時間ぎりぎりまで考えて本譜を指してみたいという誘惑に乗ることにします。ポーンを捌かなければ、将来的に白のhポーンをターゲットにできる狙いもあります。

27. Ke1 Bg6 28. fxg5 Rcf7 29. Rf1 Qxg5 30. Qxg5 Rxg5 31. Rh2



こうしてビショップvs. ナイトのエンドゲームになりました。黒のビショップはセンターのポーンと色が同じで理想的ではありませんが、それでもナイトにクイーンサイドさえ襲われることが無ければ、ビショップの強みを十分に発揮できる可能性はあります。

31... Rxf1+ 32. Kxf1 Kf7 33. Na4 Ke7 34. Ke2 Be8!


まずはナイトを追い返し、b7 を守っておきます。b5 でのチェックがダブルアタックになるため、当然ナイトは潜り込んで黒のポーンを取ることはできません。

35. Nc3 Kf6 36. Kd2 Rg4



ここは少し考えすぎて時間が落ちるかと思いました。とりあえずNc3-Ne2-Nf4 を許しても、ルークを無難な位置に置いておきます。

37. Ne2 Bg6 38. Nf4 Be4 39. Rf2 Ke7 40. Rh2 Kf6 41. Rf2 Ke7 42. Rf1!?


時間が増えてさぁこれからという局面で、Aczel の指し方は私の理解を超えました。hポーンをどうするつもりなのかと思いましたが、そこを守る負担を抱えるよりもいっそ捨てるという判断です。

42... b6 43. Kc3 Rh4



試合後にKotronias から、hポーンを取りにいく間に反撃を作られてはドローなのではないかと言われましたが、代わりに黒ができる有効なプランもないと思います。

44. Rg1 Rxh6 45. Rg7+ Kd6 46. b4


なるほど。まずは黒のa6-a5 を止めておき、それからa6 をルークで取りにいく作戦です。ここで私もかなり時間を使い、e3 を取りにいけないか、c2 でチェックした際に何かないか、慎重に考えました。しかし結論としてはこれらは上手くいかず、hポーンを伸ばすだけが黒の有効な作戦だと判断します。ただしその前に最低限、ポーンを守っておきます。

46... Kc6 47. a4 Bf5 48. Ra7 Rh1 49. Rxa6 Kb7 50. b5 h5 51. a5



ここでAczel からドローオファーがきて驚きました。このエンドゲームをドローと読み切れているのかもしれませんが、当然まだ難しいのは白です。私が受ける理由はないので続けます。

51... bxa5 52. Nxe6 Bxe6 53. Rxe6 h4 54. Re7+!


この手を指されて、やはりドローだと理解しました。54. Rh6? h3 55. Kb2 h2 は、黒がaポーンを伸ばした際に最終的に白がツークツワンクとなり、bポーンが落ちます。そのうえでキングが侵入すれば楽に黒勝ちなので、白は数手猶予があることを利用して、本譜のようにdポーンをアタックすのが正解です。

54... Kc8



手持ちのエンジンも意見が割れましたが、最終的には一番強いKomodo で、54... Kb6 55. Re6+ Kxb5 56. Rd6 Rc1+ 57. Kb2 Rg1 58. Rxd5+ Kb4 59. Rh5 Rg2+ 60. Kc1 でもドローだと判明しています。しかし、こうしてd5 を取らせてもキングが侵入して勝負するアイディアはゲーム中に考えなかったため、参考になりました

55. Re8+ Kd7 56. Re5 Kd6 57. Rh5


57. e4 dxe4 58. Rxe4 h3 59. Rh4= としてセンターのポーンを捌いても、黒はa,hファイルのポーンでは勝てません。

57... h3 58. Rh7 Rb1 1/2-1/2



こうしてエキサイティングなAczel との試合はドローに終わりました。準備不足で負けていたらアービターを恨んでいましたが、試合内容も良かったので前日の落ち込んだ気持ちが少し晴れました。しかし、まだ2つ負け越し状態であることは変わっていないので、残り3試合で少しでも取り戻したいですね。

11/03 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Todorovic, M (GM, SRB, 2435) 0-1
11/04 Kotronias, V (GM, GRE, 2469) - Kojima, S (IM, JPN, 2432) 1-0
11/05 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Srinath Rao, S.V (FM, IND, 2357) 1/2-1/2
11/06 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Krstulovic, A (FM, HUN, 2309) 1-0
11/07 Audi, A (FM, IND, 2347) - Kojima, S (IM, JPN, 2432) 1-0
11/08 Aczel, G (GM, HUN, 2549) - Kojima, S (IM, JPN, 2432) 1/2-1/2
11/09 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Nguyen, V T (CM, VIE, 2343)
11/10 Ghannoum, M (FM, CAN, 2280) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
11/11 Rest Day
11/12 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Balint, V (HUN, 2299)

First Saturday GM November 2018

+4 Aczel
+3 Kotronias
+2 Todorovic
+1 Srinath
+-0 Ghannoum
-1 Audi
-2 Kojima, Nguyen, Krstulovic
-3 Balint

昨日は休日返上で試合をこなしているペアリングがいくつかありました。しかし相変わらずGM勢が強すぎます...

2018/11/07

First Saturday GM November 2018 R4


First Saturday 4R の相手は今大会最年少、ハンガリーの15歳の少年、Krstulovic です。私と同じでここまで勝ちはありませんが、白番ではGM から2つドローを取っています。近い将来、IM タイトルまでは確実に取るのではないかと思います。

Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Krstulovic, A (FM, HUN, 2309)
First Saturday GM November 2018 (4)

1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 c6 4. Nc3 dxc4 5. a4 Bf5 6. Ne5 Nbd7 7. Nxc4 Qc7 8. g3 e5 9. dxe5 Nxe5 10. Bf4 Nfd7 11. Bg2 f6



現代では11... g5 に比べて少なくなりましたが、Capablanca の時代にはれっきとしたメインラインでした。前日からあらゆるラインを復習し、これまでいかに自分がこの変化を理解していなかったかを思い知りました。

12. O-O Nc5


彼の別のゲームを見て、12... g5!? 13. Nxe5 gxf4 14. Nxd7 Qxd7 15. Qc1 Bd6 16. a5 a6 17. Ra4! と変化を準備していました。

13. Ne3 Bg6 14. b4 Rd8!?



dファイルを取るのは自然に見えますが、白には返し技があります。クイーンの行く良いマスがないので、当然といえば当然ですが。

15. Ncd5 cxd5 16. bxc5 Bxc5 17. Nxd5


このポジションは、白がしっかりd5 のマスを抑えて多少指しやすいのではないかと思います。しかし、この後の進め方は慎重に考えなくてはいけません。

17... Qf7 18. Qb3 O-O 19. Rad1 Kh8 20. Rd2



私が選んだプランは、f2 を気にしつつもdファイルにルークを並べるというものです。c,d 2つのファイルを抑える作戦もありそうですが、d5 のナイトがいつかどいた際に、dファイルをコントロールしていることが武器になると信じました。

20... Bf5 21. Rfd1 Be6 22. h3 Rfe8 23. a5!


a2-g8 のダイアゴナルをいつか外したいクイーンは、どこかでb5 辺りにずれ、黒のb7-b6 を見てa4-a5 と仕掛けることを最初に考えていました。しかし、この直前くらいで早めに白からa5 までポーンを伸ばして黒の出方を窺っても良いことに気付きます。

23... Ng6



ここは判断の難しいところですが、黒からピースを捌こうという提案です。23... b6 として早めにビショップを守る選択肢も考えられ、その場合、ポーンを捌いてこちらの孤立ポーンを消す安全策か、a5-a6 と押し込んでa7 を固定するか、白はどちらも作戦があると思います。

24. Qb5 Nxf4 25. Nxf4 Rxd2 26. Rxd2 b6 27. Qc6!?


勝ちにいくために、多少リスクのあるプレーをすることを決断しました。コンピュータは27. Nxe6 Qxe6 28. a6 でdファイルのコントロール、a7 の固定したポーンで白優勢と判断しますが、果たして異色ビショップで白がそこまでチャンスを作れるでしょうか? これが疑問で、相手のダブルビショップを残したままでも、本譜のように進めることにしました。

27... g6 28. a6 Bc8 29. Bd5 Qe7 30. Bf3 Rd8??



互いに時間の少ない中、大きなミスをしたのは相手でした。a6 がターゲットになる危険を冒してでも、勝負にいった甲斐があるというものです! dファイルを取りかえすのではなく、30... Rf8 からf6 を守る手であれば、形勢不明で戦えるでしょう。

31. Rxd8+ Qxd8 32. Qa8!+-


相手はdファイルを抑えられ続けるのを嫌ってルークを交換しましたが、バックランクとa7 が弱いためにこの手が痛手となります。これでa7 を取ってaファイルにパスポーンを作れば、後は一直線です。

32... Qf8 33. Qxa7 g5 34. Nd3 Qd6 35. Qa8 Qxg3+ 36. Bg2 Qc7 37. a7 Bd6 38. Qxc8+ 1-0



最後は38. Qf3! のほうがf6 を取れるので同じピースアップでもより良かったり、そもそもc5 のビショップを消しておくべきだったりと、時間切迫から緩手も出ましたが、相手は最後のポジションからピースダウンで粘る気力は無く、ここでゲームは終わりました。今大会、なんとかもぎ取った初勝利です!

11/03 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Todorovic, M (GM, SRB, 2435) 0-1
11/04 Kotronias, V (GM, GRE, 2469) - Kojima, S (IM, JPN, 2432) 1-0
11/05 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Srinath Rao, S.V (FM, IND, 2357) 1/2-1/2
11/06 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Krstulovic, A (FM, HUN, 2309) 1-0
11/07 Audi, A (FM, IND, 2347) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
11/08 Rest Day
11/09 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Nguyen, V T (CM, VIE, 2343)
11/10 Ghannoum, M (FM, CAN, 2280) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
11/11 Rest Day
11/12 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Balint, V (HUN, 2299)
11/13 Aczel, G (GM, HUN, 2549) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)

First Saturday GM November 2018

+3 Aczel
+2 Todorovic, Kotronias,
+-0 Srinath, Ghannoum
-1 Kojima, Nguyen, Balint
-2 Audi, Krstulovic

これはあれですね、GM がひたすら他のプレーヤーをボコボコにするタイプのGMトーナメントですね。時々、こういうことがあります。トーナメント中盤、誰がGM以外でここから勝ち越しグループに入れるか、要注目です。

2018/11/06

First Saturday GM November 2018 R3


この日は相手の都合で15時から試合スタートと告げられたため、先に始まったゲームを見学していました。今月のFirst Saturday も各クラス盛況で、インド、ベトナム、中国などアジア圏からもプレーヤーが集まっています。

Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Srinath, R (FM, IND, 2357)
First Saturday GM November 2018 (3)

1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. d4 Bg7 4. g3 O-O 5. Bg2 d6 6. O-O Nbd7 7. Nc3 e5 8. e4 exd4 9. Nxd4 Re8 10. h3 a6 11. Be3 Rb8 12. b3 Nc5



a6, Rb8 を挟むGallagher Variation も、12... b5?! 13. Qxd6! b4 14. Na4 Nxe4 15. Bxe4 は白が良くなるという研究が出て以来、こちらがメインになりつつあります。試合前にこの変化をチェックして、満足なプランを見つけてきました。

13. Qc2 Bd7 14. b4 Ne6 15. Nb3


私はこうしてナイトを退くことはこれまであまりありませんでしたが、Averukh の研究でこれが良いことを学びました。白がじっくりと組めば、黒のピースはパッシヴで恐れるような狙いを持ちません。

15... h6 16. Rad1 Ng5 17. g4 Qe7 18. Rfe1 Bc6 19. Nd2



e4 をしっかりと守ってから、f2-f4 でのナイトの追い返しと、Nc3-Nd5 の適切なタイミングを見計らいます。

19... b5 20. f4 Ngh7 21. c5 Nd7 22. Nb3


ナイトはc5 を守りよりも、Nb3-Nd4 もしくはNb3-Na5 からc6 のビショップ、さらには弱められたc6 のマスを目指すことを目的としています。

22.... Qf6 23. Nd4 Ba8 24. Nd5



コンピュータはこの手の評価も良かったのですが、試合後にc5-c6 を突かれていたら負けだったと対戦相手には指摘されました。24. c6 Nb6 25. Nd5 Nxd5 26. exd5+/- と進めば、a8 のビショップは完全にゲームから外れることになります。確かにこれは、人間の感覚では白が勝ちと言えるでしょう。この変化も読んでおきながら、c6 のマスをナイトのために空けておいたほうが良いのではないかと試合中は考えてしまいました。

24... Bxd5 25. exd5 Rbc8 26. Nc6 Qc3 27. Qf2


私のイメージしたポジションになりました。c6 に刺さったナイトはa7, e7 に跳び込むチャンスを伺い、黒にプレッシャーをかけます。

27... dxc5 28. bxc5 Bf8 29. Kh2



ここは少し迷いましたが、a7-g1 のダイアゴナルを外して、Re8-Rxe3 をかわしておくことにしました。ただし本譜の手順を完全に避けるのであれば、29. Bd4! Qa3 30. f5 g5 31. f6!+- とするのが良かったかもしれません。f4-f5 までは読んでいながら、f6 にポーンを刺せば黒は何もできなくことを見落としていました。

29... Rxe3 30. Qxe3 Qxe3 31. Rxe3 Bxc5 32. Re7


黒は生き延びるためにエクスチェンジを捨ててきます。これは十分勝ちのチャンスがあると思いましたが、じわじわと時間は減っていき、正確な手を見つけるのは難しくなります。本譜のルーク跳び込みは面白い手ですが、32. Ne7+ Kf8 33. Nxc8 Bxe3 34. Kg3 g5 35. fxg5 hxg5 36. d6 も安全に指せそうです。

32... Nb6 33. d6! cxd6 34. Rb7



私のアイディアはもう1つポーンを渡してもルークを7段目に残すと同時に、白マスビショップをアクティブにしてf7 を狙うことです。

34... Re8 35. Ne7+


35. f5 gxf5 36. Ne7+ Kf8 37. Nxf5+/- 一度諦めたf4-f5 のアイディアはここでも有効でした。

35... Kg7 36. Bc6 Rf8 37. Nd5 Nxd5 38. Bxd5 Nf6 39. Bb3 Be3 40. Kg3 g5



ここで時間が増え、さぁどうやってf7 に2つ目のルークをぶつけるかという段階に入ります。もちろんf7 だけでなく、a6, b5 もタイミングを見て取りにいきたいところです。

41. f5 h5 42. Kf3 Bf4 43. Rd3 hxg4+ 44. hxg4 Be5 45. Ra7


a6 のポーンはどこかでは必ず取れます。しかし、ここを取ることでf7 から外れ、相手のルークに反撃のチャンスを与えることには十分気を付けなくてはいけません。

45... Ng8 46. Rxa6 Rc8 47. Ra7 Nh6 48. Rb7 Rc5 49. Ke4 Rc1



このルークの跳び込みを読んでおらず、この局面で時間を使いすぎました。g4 のポーンをルークで取られるのは厄介なので、その対処法を考えます。

50. Rd1 Rc3 51. Rg1! Rc5 52. Rg2 Rc3 53. Rc2?


一度g4 をルークで守り、タイミングを見計らってcファイルでぶつけてルーク交換をする。そしてb5 を取ってaポーンを進めるという作戦は概ねOKです。しかし、本譜にはひどい読み抜けがあり、ルークをぶつけるタイミングはひどかったです。試合中に読んでいたもう1つの変化である、53. Rxb5! Ng8 54. Rxe5 dxe5 55. Kxe5 Nf6 56. Kd4 Rf3 57. Kc5+/- におとなしくして、 エクスチェンジを返してもaポーンで勝ちにいくべきでした。この変化はきちんと見つけていながらも、別のだめな変化を正解だと勘違いしたのは、この試合で最も大きな反省です。

53... Rg3 54. Rcc7


私のひどい勘違いが何だったかというと、先にf7 を取れると思ったことです。54. Bxf7?? Nxf7 55. Rcc7? d5+-+ この時に、ナイトがビショップを守っていることを完全に失念していました。

54... Rxg4+ 55. Kd3 Rd4+ 56. Ke2 Re4+ 1/2-1/2



これでは白は勝てません。相手はd-eファイルでのチャックを続けるつもりでドローオファーをしてきたので、これを受けて試合を終わらせました。完全に自分のペースで試合を作れていただけに、こうしたミスでドローに逃げ込まれてしまうとは残念です。

11/03 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Todorovic, M (GM, SRB, 2435) 0-1
11/04 Kotronias, V (GM, GRE, 2469) - Kojima, S (IM, JPN, 2432) 1-0
11/05 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Srinath Rao, S.V (FM, IND, 2357) 1/2-1/2
11/06 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Krstulovic, A (FM, HUN, 2309)
11/07 Audi, A (FM, IND, 2347) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
11/08 Rest Day
11/09 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Nguyen, V T (CM, VIE, 2343)
11/10 Ghannoum, M (FM, CAN, 2280) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
11/11 Rest Day
11/12 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Balint, V (HUN, 2299)
11/13 Aczel, G (GM, HUN, 2549) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)

First Saturday GM November 2018

+2 Aczel
+1 Todorovic, Kotronias, Ghannoum
+-0 Srinath, Nguyen
-1 Audi, Krstulovic, Balint
-2 Kojima

ポジティブに考えれば、昨日で連敗は止まりました。モンテネグロと何が違うのか探りながら、今日も初勝利を目指します。


昨晩は久々のタイ料理。早く初勝利のお祝いディナーを迎えたいですね。

2018/11/05

First Saturday GM November 2018 R2


First Saturday 2戦目はKotronias との対戦です。デノビッチでは私が白で勝利を収めましたが、今回は色が逆となります。幅広いレパートリーを持つKotronias にいくつは変化を用意して試合に臨みました。

Kotronias, V (GM, GRE, 2469) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
First Saturday GM November 2018 (2)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. h4 Qc7 5. Nc3 a6 6. h5!?



白から早めに押し込む手は珍しいですが、少し進んでメインラインに手順前後します。白は先にh4-h5 を押し込んでおくことで、黒からh7-h5 と突かれてキングサイドを崩される可能性を消しておきます。

6... h6 7. g4 Bd7 8. Be3 e6 9. f4 c5 10. Nf3 cxd4 11. Qxd4!


黒はここまで他の選択肢がないと思います。実戦では11. Nxd4 が多いですが、これはKotronias の用意だったのでしょう。ノータイムでクイーンで取ってきました。

11... Nc6 12. Qb6 Qxb6 13. Bxb6



Sicilian のサイドラインにも、こうして白から早めにクイーンをぶつけて交換を催促するラインがあります。ダイレクトアタックのチャンスを減らしても、白はスペースのアドバンテージと、キングサイドでのアクションのチャンスをまだ持っています。

11... Bb4


ナイトビショップの交換をするかはまだ決めていませんでしたが、ここ以外にビショップを出すマスが思いつきませんでした。13... Nge7 14. 0-0-0 Nc8 15. Be3 の後、c8 のナイトは行き場に困ります。

14. Bd3 Nge7 15. O-O-O Rc8 16. Ne2 Ba5



セオリーとしては、黒マスビショップの交換は白に好ましいことをはわかっていましたが、これ以外にa2-a3 からビショップをどうするかのアイディアがありません。

17. Bxa5 Nxa5 18. b3 Nac6 19. Rhg1!?


この試合のKotronias のプレーで上手いと思ったのは、巧みにアタックのチャンスを作りつつも、多少良いエンドゲームで満足という判断をバランス良く織り交ぜた点です。g4-g5 という分かりやすいアクションを見せておきつつ、ビショップナイト交換は気にしません。

19... O-O



見た目危なそうですが、ルークがいつまでも分断されていても苦しいため、こうした形を持ってみることにします。19... Nb4 20. Kb2 Nxd3 21. cxd3 は、d4 の将来的に置けるナイトのほうが黒のバッドビショップよりも明らかに働けるため、白が多少良いエンドゲームだと考えるものです。黒の理想はビショップ同士の交換のため、Kotronias 相手にこうした悪いエンドゲームに跳び込むのは躊躇われました。

20. g5 Kh8 21. a3 Na7 22. Ned4 Nac6


なんとか白マスビショップ同士を交換したい黒ですが、なかなか上手いやりかたがりません。ここでb5 で強引にぶつけても、さらなるNf3-Nd4 からb5 が落ちてしまいます。

23. Kd2 Nxd4 24. Nxd4 Nc6 25. Nf3 Ne7 26. a4



キングをセンターに運び、そして白マスビショップの交換は許さずと、ゆっくりと白はポジションを改善していきます。

26... Rc7 27. Rg3 b5 28. a5 hxg5 29. Nxg5 Nc6?


b7-b5 をぶつけた目的は、伸ばさせたa5 をターゲットにすることでしたので、私としてはナイトをc6 に戻す以外ないと思いました。しかし、私の読みよりも白のキングサイドのアクションは強力でした。

30. Rdg1 Rcc8


30... Bc8 31. Nh7 Rg8 32. Nf6!+- をなんとか防ごうと8段目にルークを揃えましたが、これはディフェンスになっていませんでした。Ne7-Nc6 が無駄だったと認め、30... Ne7 と戻すしかありませんが、それでも白にポジショナルアドバンテージがあることは明白です。

31. Nh7 Rg8 32. h6 g6 33. Nf6 Rgd8 34. Bxg6!+-



最初はNf3-Nh2-Ng4-Nf6 のマヌーバリングを気にしていましたが、別ルートでf6 にナイトを入れられてしまいました。これで黒キングは守り切れません。このタイミングでビショップがアタックに役立つのであれば、早めにNc6-Nb4 からの交換をしておけばよかったと思わなくもないですが、それならばそれで苦しいエンドゲームになるため、非常に黒としては判断が難しかったです。

34... fxg6 35. Rxg6 Rf8 36. Nxd7 Rxf4 37. Nf6!


再びナイトがf6 に舞い戻れば、Rg6-Rg8 がメイトスレットとなるため、黒はe5 のポーンを取る暇がありません。ナイトとルークのメイトコンビネーションを見事に決められ、初戦に続いて完敗です。

37... Ne7 38. Rg7 Rf2+ 39. Ke1 Rfxc2 40. Rh7#



タクティクスでもエンドゲームでも戦えるという、GMらしい強さを垣間見たゲームでした。オリンピアードの最終戦で勝利を収めた思いれのあるラインですが、特に大きなミスすることなくずるずると負けてしまったため、このラインを指すこと自体を見直さなければいけないかもしれません。

11/03 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Todorovic, M (GM, SRB, 2435) 0-1
11/04 Kotronias, V (GM, GRE, 2469) - Kojima, S (IM, JPN, 2432) 1-0
11/05 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Srinath Rao, S.V (FM, IND, 2325)
11/06 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Krstulovic, A (FM, HUN, 2309)
11/07 Audi, A (FM, IND, 2347) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
11/08 Rest Day
11/09 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Nguyen, V T (CM, VIE, 2343)
11/10 Ghannoum, M (FM, CAN, 2280) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
11/11 Rest Day
11/12 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Balint, V (HUN, 2299)
11/13 Aczel, G (GM, HUN, 2549) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)

First Saturday GM November 2018

+2 Todorovic
+1 Aczel, Kotronias, Nguyen
+-0 Srinath, Balint, Ghannoum
-1 Krstulovic
-2 Kojima, Audi

GM に2連敗(Third Saturday から数えれば3連敗) でかなり苦しい状況ですが、このトーナメントはまだ始まったばかりです。ここから6試合は下との対戦が続きますので、ここで如何に負けないか、そしてどれだけ勝てるかが今大会の鍵だと割り切り、また気持ちを入れ替えてプレーを続けていこうと思います。

2018/11/04

First Saturday GM November 2018 R1


昨日から再びブダペストのFirst Saturday が始まりました。今月は初日のリスト決めに参加し、2番という白の多い良い番号を引きました。初戦で対戦するのは9番を引いた、セルビアのGM Todorovic です。Third Saturday の最終戦から、対GM戦が続きます。

Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Todorovic, M (GM, SRB, 2435)
First Saturday GM November 2018 (1)

1. Nf3 d5 2. d4 e6 3. c4 c5 4. cxd5 exd5 5. Nc3 Nc6 6. g3 Nf6 7. Bg2 Be7 8. O-O O-O 9. dxc5 d4!?



QGD Tarrasch に対してはここ数年で色々と試していますが、今回はメインラインを指すことにしました。9... Bxc5 だけでなく、9... d4 もさほど珍しい手ではありませんが、なぜか全くチェックしたことがありませんでした。黒は1ポーンを捨ててアクティビティで勝負します。

10. Na4 Bf5 11. Bd2 Be4 12. Rc1 Qd5 13. b3


a2 を守りつつ、ナイトを退くマスを作っておくのは変ではないと試合中は思いました。しかし、白は理想を言えばb2-b4-b5 と伸ばして、クイーンサイドのポーンマジョリティをいかしてパスポーンを作りたいはずです。13. b4! Qxa2?! 14. b5 Nd8 15. Nxd4 ならば白は再びポーンアップですので、a2 を気にせずにbポーンを伸ばすべきでした。

13... Rad8 14. Ne1 Bxg2 15. Nxg2 Qf5



12手目の黒で実戦例を初めて外れます。黒クイーンはf2 を当てつつ、Qf5-Qh3 と入るチャンスを窺います。

16. Nf4 Ne4 17. Nd3 Rfe8 18. b4


ここでようやくbポーンを伸ばしましたが、黒はかなりアタックの準備ができています。e2, e3, g3 が弱くなることを気にしすぎずに、18. f3!? Nxd2 19. Qxd2 h5 としてセンターのナイトを早めに捌いておくのは1つの手でした。

18... Bf6 19. b5 Ne7



この手を少し軽視していました。Nc6-Ne7-Nd5 は良いマヌーバリングで、c3 に跳び込んでe2 を攻撃する狙いと、e3 に跳び込みを見せることでf2-f3 を突きづらくする狙いがあります。

20. Re1 h5!


どこかでこうしてhポーンが伸びてくる可能性はあると分かりつつも、どのように対処すべきか分かりませんでした。

21. Qc2 h4 22. Bf4?! Nd5!



hポーンを交換すると、ますます白キングの前は弱くなり、Ne4-Nxd2, Be7-Bg5 が嫌な狙いになります。これを避けるためにビショップをd2 からどかしましたが、全く相手のコンビネーションを計算できておらず、ここでゲームは終わりました。

23. f3? hxg3!


まずこの手が予想外でした。24. fxe4 gxh2+ は白キング前のポーンが完全に崩れて負けです。

24. hxg3 Nxg3!


24... Nxf4 25. Nxf4 Nxg3 26. Qxf5 Nxf5 でも黒は相当良いですが、クイーンを交換してエンドゲームにするまでもなく、タクティクスが決まります。

25. Bxg3 Ne3 0-1



次にQf5-Qh3 からg2 のメイトを狙われてどうしようもありません。将来的にe3 を弱めることを気にして早めのf2-f3 を躊躇いましたが、結局こうして利用される結果となってしまいました。この試合はぐうの音も出ずに完敗です。

11/03 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Todorovic, M (GM, SRB, 2435) 0-1
11/04 Kotronias, V (GM, GRE, 2469) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
11/05 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Srinath Rao, S.V (FM, IND, 2325)
11/06 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Krstulovic, A (FM, HUN, 2309)
11/07 Audi, A (FM, IND, 2347) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
11/08 Rest Day
11/09 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Nguyen, V T (CM, VIE, 2343)
11/10 Ghannoum, M (FM, CAN, 2280) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
11/11 Rest Day
11/12 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Balint, V (HUN, 2299)
11/13 Aczel, G (GM, HUN, 2549) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)

First Saturday GM November 2018

新しいレイティングでのデビュー戦はイマイチでしたが、気を取り直して今日からまた頑張ります。次はKotronias に今度は黒を持ちます。事前の発表から少しメンバーも変更しているようですので、しっかり準備して各試合に臨もうと思います。


2018/11/03

Dubrovnik - A Natural Fortress City -



一昨日、ブダペストに戻ってくるまでの3日間は、クロアチアのドゥブロブニクで過ごしていました。ドゥブロブニクは、紅の豚や魔女の宅急便の舞台にもなったと言われるアドリア海の美しい街で、日本からも多くの観光客が来る人気の地です。今日は写真を多めに交えながら、ドゥブロブニク滞在を振り返ろうと思います。

モンテネグロのヘルツェグノビからドゥブロヴニクまでは、バスで1時間20分程。国境ではバスを降りてパスポートチェックを行います。バスでの国境越えは初めての体験だったので、ちょっと新鮮でした。ドゥブロブニクに近づくにつれ、山を切り開いて作った道と言うべきか、ハンドルを切り間違えたら崖から海に転落するような怖い道をバスは進み、ドゥブロヴニクへと到着します。


私が滞在したホステルは、長距離バスターミナルから徒歩10分くらいのところに位置しています。観光のメインである旧市街からはかなり距離がありますが、その分落ち着いていて、過ごしやすい場所でした。ホステルの目の前はもう海で、たくさんの船が停泊しています。着いた初日から街を散策しようと思っていましたが、雨と風が強くなり、断念。翌日から行動を開始することにします。


翌朝は綺麗に晴れていたので、旧市街のほうへ向かおうとしますが、ドゥブロブニクはとにかく坂が多い! かつてローマを散策した時も坂の多さに苦戦しましたが、ドゥブロブニクは海と山に挟まれた険しい地を切り開いて作られた街だけに、坂の多さと移動のしづらさはローマ以上です。途中の町の様子を見られたのは良かったですが、バスで移動するほうがはるかに楽でした。


旧市街に向かうのに、山沿いではなく海沿いに抜けるルートを選んだのは正解でした。ただ海沿いと言っても砂浜などではなく、完全に切り立った崖から海を見下ろす形式になります。この近くで海を見ながら音楽を聴いてのんびりしていたり、カメラのシャッターを切る人を何人か見かけました。


ホステルを出てから40分ほど歩き、ようやく旧市街の入り口、ピレ門の広場へとたどり着きました。ここは多くのバスの発着、終着となるなる場所で、観光客はまずここに足を運んで旧市街へと入ることが多いようです。旧市街内だけでなく、近くの島に渡ったり、シーカヤックをやるツアーの案内も出ていました。


このピレ門をくぐって城壁に囲まれたドゥブロブニクの中心地、旧市街に入ります。


旧市街に一歩入ると、RPGの世界に迷い込んだのかと錯覚しました。それほど外とは違う雰囲気が、この旧市街には広がっています。


Captain Candy というこちらのお店は、カラフルなキャンディ、グミが揃っています。海賊のお店というコンセプトで、旧市街内にはいくつも店舗がある人気店のようです。


こちらはランプのお店。お土産に買って帰りたいですが、割れてしまうのが怖くて躊躇してしまいますね。


ばね人形はブダペストでもよく見かけますが、クロアチアでも人気のおもちゃのようです。これが誰か、もちろん分かりますよね?


ドゥブロブニクの地理や成り立ちについては、こちらをざっと読んで勉強させてもらいました(笑)


ドゥブロブニクの旧市街はさほど広くないため、西のピレ門から入って歩いていると、あっという間に東側の端についてしまいます。ここからは有名なドゥブロブニクのオレンジ屋根の街並みを見渡すことができました。ちなみに各所から城壁に上がることができますが、こちらは150クーナ(約3000円) と有料で、ここに上がるともっとオレンジ屋根を間近に感じることができるそうです。


Uターンして旧市街の中心地へ戻ります。こちらは最も広いプラツァ通りです。日本人観光客も多く、教会やお土産のショップ、レストランなどはどこも賑わっています。


旧市街の北側は急な階段が何本もあり、街の高い場所の上ることができます。私もせっかくなので上ってみましたが、階段が細くて街を見下ろすようなことはできませんでした。


1時間ちょっと旧市街を見てまわったところで、ピレ門以外の北側の出口から外に出ることにしました。ここからはオレンジの屋根と、その間を縫って山を上がっていくロープウェイを見ることができました。


旧市街の北西にある砦は見事にルークの形です!


久々に坂を上がったり下がったりの運動でちょっと疲れ、ホステルに戻って一休み。そして夕方からは旧市街観光とは別にもう1つの楽しみとしていた、ドゥブロブニクチェスクラブの活動へとお邪魔させていただきます。ドゥブロブニクチェスクラブは85年の歴史を持つチェスクラブで、ヨーロッパのクラブ対抗戦などでは、フランスからGMを招く等、選手の強化をして戦う本格チームです。

Dubrovnik Chess Club

クラブの基本的な活動は月曜から土曜の16-20時となっていますが、日によっては早く閉まることもあるようです。普段は高齢のプレーヤーが多いようですが、皆さん結構強い! 日本の2000近いレベルの人も複数いると感じました。火曜、水曜と2日間通わせていただきましたが、水曜に指した最高齢のかたは、80歳とはとても思えないしっかりしたプレーを見せてくれました。突然の連絡でも快く受け入れてくれたドゥブロブニクチェスクラブの皆さん、ありがとうございました!


3日目は特に何をしたということもないのですが、クロアチアにきながらまだ海産物を食べていないことに気付き、美味しいものを探しにでかけます。しかし、ハロウィンだからなのか、目当てのお店が2軒とも休み... さらに歩いて見つけたレストランで、ようやくマグロのステーキにありつくことができました。ドゥブロブニクは近年観光地化が進みすぎているため、クロアチア国内でも最も物価が高いといわれています。そのため食事をどうするかは1つの悩みでしたが、せっかく最後ということで少し贅沢させていただきました。あっという間のドゥブロブニクの3日間滞在でしたが、今度は首都ザグレブも含め、良い大会があればまたクロアチアを訪問してみたいですね。

2018/11/01

FIDE Rating November 2018


11月に入り、新しいFIDEレイティングが更新されました。オリンピアードが最も大きいイベントでしたが、モンテネグロのThird Saturday も反映がぎりぎり間に合っています。それでは、日本のトップで試合をしたプレーヤーから公開します。

Kojima Shinya 2432 +24
Nanjo Ryosuke 2324 +-0
Matsuo Tomohiko 2193 +23
Otawa Yuto 2161 +-0
Yamada Kohei 2148 +20

当然のことながら、全員オリンピアードで戦ったメンバーです。レイティングを落とすメンバーがいなかったことからも、今年のオリンピアード男子メンバーは奮闘したと思います。

そして私はモンテネグロのトーナメント報告が間に合い、レイティングは無事に2432のベスト更新となりました。これは私自身の記録更新だけでなく、これまでのあらゆる日本籍のプレーヤーの中でのベスト更新となります。ようやくかと感慨深く思うと同時に、これまで羽生さんが記録していた2415という数字が、如何に凄かったかということも、あらためて思い知りました。

新しいレイティングでの初めてとなる大会が、土曜日からブダペストで始まるFirst Saturday となりますので、数字をすぐに落とさないようにしたいですね。ちなみにこの大会が、私が20代で迎える最後の大会でもあります。是非良い報告ができるように頑張ってきます!


First Saturday GM November 2018 Tornament Preview


10月のFS

11月のFirst Saturday も気づけばもうすぐスタートです。オーガナイザーのNagyからは、参加者のリストが届いていますので、今日はそちらを公開します。ちなみにパソコンの充電ケーブル不調により、初めてiPhoneから更新しています(笑)

Aczel, G (GM, HUN, 2543)
Gholami, A (IM, IRI, 2493)
Kotronias, V (GM, GRE, 2487)
Todorovic, G (GM, SRB, 2435)
Kojima, S (IM, JPN, 2419)
Audi, A (IM, IND, 2375)
Nguyen, V T (CM, VIE, 2338)
Tran, M T (IM, VIE, 2336)
Krstulovic, A (FM, HUN, 2308)
Ghannoum, M (FM, CAN,2280)

レイティングはあと数時間で11月の更新がなされると思いますが、その数字を予想して記しています。モンテネグロの大会は、ぎりぎり反映が間に合わなさそうですかね。ギリシャで開催されたWorld Youth にTran は参加していましたが、その報告もまだのようです。

この面子で注目は、やはりレイティングトップのAczel でしょうか。5年前にブダペストのオープントーナメントでも対戦しましたが、そこからレイティングを100ほど上げ、今年GMタイトルを獲得しています。他には若いプレーヤーの急成長が目立つイランから、Gholami が参戦です。思えば、現代表のIdani たちも数年前にハンガリーのGMトーナメントでノームを獲得していました。イランのプレーヤーとの対戦も久々ですので、楽しみにしています。

プレーヤー、レイティング等はまだ変更がありえます。その場合はまた、トーナメントが始まってからお知らせします。それではまた土曜日から、First Saturday で頑張ります!

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