有田のチェス大会は鹿児島編と佐賀編に分けてお送りしますが、佐賀編は長くなりそうなのでさらに分割します。今回は棋譜解説の直前までの前半です。月が替わった12/1(月)に名残惜しみつつ鹿児島を去り、まずは博多行きのバスに乗ります。博多で昼食とデザートを食べた後は、2日間滞在することを決めた佐賀県の鳥栖にJRで向かいました。鳥栖は博多から電車で一本のアクセスの良い場所にあり、大会当日の朝に無理なく有田まで移動できることが魅力でした。もちろん博多滞在でも良かったのですが、2年連続で佐賀県の大会に参加しておきながら、佐賀県に1泊もしないのはどうなのかと思ったのです。本当は佐賀県内であれば唐津も行ってみたかったのですが、有田へのアクセスの面で断念しました。
鳥栖に滞在した2日間はほとんど仕事ばかりでした。夕方から夜にかけて久留米に出ましたがそちらは割愛します。佐賀県内での活動は日曜日の早朝から。6時前に起きて早い時間のリレーかもめで武雄温泉に向かいます。武雄温泉は昨年の九州遠征の際に知った場所で、2022年の九州新幹線開通とともに新幹線駅になりました。事前に武雄温泉で朝から入れる温泉を探してそちらを目指します。ちなみに上の写真は実際に乗ったリレーかもめですが、反対側のホームには新幹線のかもめが停車中で、ダブルかもめ停留状態でした。
武雄温泉は新幹線も止まり、立派な駅舎ですが驚く勿れ、IC乗車券が使えませんでした...指宿でもそうでしたが、現金で清算をした後、清算済みの証明書を駅員から受け取り、別の駅でIC乗車券の乗車記録を消してもらうことになります。この武雄温泉駅から中心となる温泉地までは徒歩10分ほどです。
駅からしばらく歩いてたどり着くのが、こちらの武雄温泉楼門です。この先に目指していた元湯、蓬莱湯などがあります。
チケット売り場です。こちらを見てわかる通り、温度設定が高い! 元湯のあつ湯は45度近くあり、ぬる湯でも他の温泉のあつ湯かそれ以上ありそうです。今回は明治9年から続いており、現存する温泉施設としては日本最古だという元湯を選ぶことにしました。値段は元湯、蓬莱湯ともに500円、6時半から入浴可能です。
料金を払って靴を脱いで上がると、旅館の大浴場か銭湯の入り口を思わせるような雰囲気です。男湯のれんの先は脱衣所なので写真はここまで。元湯はシンプルな作りであつ湯とぬる湯の2つの浴槽に、洗い場のみ。多くの大浴場で見られるようになったサウナ、水風呂などはありません。「浴室は天井が吹き抜けになっており、外気が入るので意外とあつ湯も快適に入れますよ」と入り口で言われましたが若干嘘(笑)45度はやはり熱く、ぬる湯に比べれば入浴している客もまばらでした。でもどちらもとても気持ち良かったですよ。
30分ほどの入浴後、武雄温泉駅に戻っていよいよ有田駅に向かいます。2両編成のかわいらしい電車に乗り、12分ほどで有田駅に到着。会場である九州陶磁文化会館は昨年と同じですが、少し時間が早かったので途中にあるキルンアリタ(観光案内所のようなところ)で時間をつぶしながら、有田町の中心地は少し外れていること、近くのショッピングモールでフィンランドフェアが開催されることなど、情報収集をしました。写真は会場に向かう途中で渡る橋にある有田焼です。
集合時間の20分ほど前に九州陶磁文化会館に到着しました。数多くの有田焼の展示があるだけでなく、有田焼を始めとする焼き物の歴史を学ぶことができます。9時会館、入館無料です。
昨年の大会参加の際は巨大なからくり時計は見たものの、通常展示を見損ねてしまいました。今年はきちんと反省をいかして試合前に展示ブースを回ることにします。中国から来た焼き物の技術を有田でどのように活かしたか、そこから有田焼がどのように発展し、逆に海外進出したかなどを学ぶことができます。
ここの有田焼の並びは圧巻ですね。小皿から巨大な壺まで有田焼はバリエーションが多く、また赤と青の色合いが特徴的で美しいと思います。写真が多くなりすぎたので、前半はここまでで後半は有田焼のチェスピースの紹介と棋譜解説から再開しようと思います。
2023/12/05
2023/12/02
有田セラミック・チェス大会2023 - 鹿児島編 -
明日、12/3(日)に佐賀県の有田町で開催される、有田セラミック・チェス大会2023に参加するために九州に来ています。昨年と大会名こそ変わりましたが、有田焼のチェスセットを使う日本で唯一の大会である点は変わりません。私は少し早く、火曜日に鹿児島から九州入りしています。鹿児島は初めて訪れる地ですので、3日間の鹿児島滞在を写真で振り返ろうと思います。チェス要素はほぼありません。 11/28(火)お昼前に羽田からの便で鹿児島空港に到着します。九州で有名な温泉と言えば大分の別府というイメージでしたが、鹿児島市は日本の県庁所在地として最多の温泉数を誇るそうです。空港を出てすぐの場所に足湯があるのは驚きました。温泉大好きなので、ここでゆっくりしながら鹿児島市内へと向かうバスを待ちます。空港から市内までは1時間弱です。 鹿児島の中心と言えば天文館、そしてJRの駅としては鹿児島駅ではなく鹿児島中央駅が有名です。鹿児島中央駅は九州新幹線も止まり、九州各県へ走る高速バスの停留所もあります。鹿児島中央駅直結のアミュプラザ鹿児島にある観覧車はとても目立ちますね。 鹿児島に到着した初日は、オンラインレッスンまで時間がなかったため、観光は軽めにしておきます。駅から天文館へ向かう途中には大久保利通の像がありました。鹿児島と言えば、西郷隆盛のイメージだったので少し意外でしたが、西郷隆盛の像も少し離れた場所にあるようです。 センテラス天文館の最上階展望台からは、鹿児島のシンボル、桜島がよく見えました。最終日にカツオを食べた店の店員さんは、「ずっと鹿児島に住んでるけど、桜島は行ったことがない。桜島は眺めるもの」と言っていました。確かに実際フェリーで島に渡るのは、県外からの観光客が多いかもしれませんね。 鹿児島市内散策中、チェスボードらしきものを見つけました。チェスピース持ってくれば良かったです。初日の観光はここまでで、夕方からは仕事があり、遅い夕飯は鹿児島ラーメンにしました。こちらは期待ほどではなく...ちょっと残念。 鹿児島2日目は鹿児島中央駅から電車に乗り、指宿枕崎線の指宿(いぶすき)駅へ。鹿児島市以外では北の霧島温泉と南の指宿温泉が県内で知られた温泉地です。指宿駅前にも足湯がありました。 そして指宿の名物といえば、温められた砂に体を埋める砂むし温泉で、世界的にもかなり珍しいとのことです。砂をかぶる場所はiPhone持ち込み禁止で撮影ができませんので、興味のある方は画像検索をしてみてください。しかし日本各地でポケモンとのコラボがあるのは知っていましたが、いぶすき→イーブイ好きとは(笑)
私が訪れたのは砂むし温泉 砂楽という指宿では人気のスポットで、1000円程度で砂むし温泉と通常の温泉入浴(砂を落とす意味もあります)がセットになっており、手軽に砂むし温泉を楽しむことができます。お客さんは更衣室で浴衣1枚に着替えたら、海岸近くの砂むし温泉に移動し、埋められる順番を待ちます。砂楽では6人が埋まるスペースが6つほどあり、2/3ほどのスペースを順次使いながらお客さんを埋めているようでした。(使っていないスペースは高温の温泉で消毒中でした) 体にかける砂の量で熱さが決まるようで、熱さが苦手な人は砂を減らしてもらったり早めに脱出できます。私は温かい砂の心地よさに、目安の10分を超えて50分くらい埋まっていました。苦手な人はのぼせたり低温やけどの恐れがあるそうなので、砂むし温泉をこれから体験されるかたはくれぐれも無理はなさらないでください。 砂むし温泉という素晴らしい体験をした後、昼食取ってから指宿市内を少し散策します。せっかく指宿に来たならと、昨年まで将棋の竜王戦の対局が行われたことで有名になった白水館を訪れることにしました。しかし、なんと繁忙期以外の水曜日は毎週休館日とのことで、宿泊客も取っていないそうです。併設されている薩摩伝承館もお休みでした。美術館や博物館ならともかく、旅館に休館日があるというのは盲点でした... 帰りは指宿駅ではなく隣の二月田駅から鹿児島中央駅に戻りました。あわよくば指宿、桜島行きを同日に決行しようと思っていましたが、とてもそんな時間も体力もなく、桜島行きは翌木曜日にまわします。 2日目の夕飯は鹿児島でも有名なとんかつの名店、川久へ。鹿児島のブランド豚である黒豚のとんかつをいただきます。今でこそ様々なブランド豚のとんかつが有名になり、チェスの試合でもよく通った蒲田、池上にもとんかつの有名店が多いですが、黒豚のとんかつにはちょっと思い入れがあり、この鹿児島で食べられて感無量でした。 木曜日はいよいよフェリーで桜島へと渡りました。桜島へは鹿児島港のフェリー乗り場から乗船してわずか15分で到着。料金も200円という安さです。チェスの試合で日本各地に行っていますが、フェリーは地元神奈川で大昔に乗って以来なので懐かしいですね。 桜島では最初にビジターセンターを訪れました。こちらは桜島初上陸のお客さんにお勧めの場所のようで、桜島の成り立ちを10分ほどで動画や展示物で知ることができ、お土産も買うことができます。 桜島が北岳と南岳の噴火によってできた複合火山であることや、大正時代の大噴火で大隅半島と陸続きになったことは初めて知りました。こちらは大正時代の大噴火の様子です。 展示物は写真撮影OKなのだろうかと思っていましたが、撮影してばんばん桜島の宣伝をしてくれとのことでした。現在も活動を続ける活火山の桜島ですが、そんな桜島と生きる鹿児島県民は本当にすごいと思います。今回の短い滞在時間では桜島のごくごく一部しか見られなかったので、次回鹿児島を訪れる時はもっと時間を取り、1日かけてで桜島を巡ろうと思います。
金曜日にはバスで博多へ移動し、現在は佐賀県の鳥栖に滞在しています。明日は朝、時間に余裕があれば武雄温泉に寄ってから有田の大会に向かうつもりです。更新は遅れるかもしれませんが、後半の大会編もよろしくお願いいたします。
2023/11/11
プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第25回予告
11月のYouTubeでの講座告知です。今月の講座は明日、11/12 20時からスタートです。告知が遅くなり、申し訳ありません。
11月のYouTubeの講座テーマは『Ghostbusters』です。こちらのタイトルはアメリカの有名な映画から拝借したもので、このようなチェス用語はありません。しかし、チェスではマイナーな単語ではありますが、実体のない、恐れる必要のない攻撃をGhostと呼ぶことがあります。今月の講座ではこうしたGhostがどういったものか、そしてその対処方法はなにかについて見ていこうと思います。ハロウィンは終わってしまいましたが、お化け退治といきましょう。
プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第25回『Ghostbusters』|2023.11.12
11月のYouTubeの講座テーマは『Ghostbusters』です。こちらのタイトルはアメリカの有名な映画から拝借したもので、このようなチェス用語はありません。しかし、チェスではマイナーな単語ではありますが、実体のない、恐れる必要のない攻撃をGhostと呼ぶことがあります。今月の講座ではこうしたGhostがどういったものか、そしてその対処方法はなにかについて見ていこうと思います。ハロウィンは終わってしまいましたが、お化け退治といきましょう。
プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第25回『Ghostbusters』|2023.11.12
2023/11/08
Japan Open 2023 Deep Game Analysis
ジャパンオープン最終戦で指した試合は学びが多く、埋もれさせてしまうには惜しいと思ったので、あらためて解説記事を書こうと思います。対戦相手の中原くんは、小学生~高校生まで私がチェスを教えており、こうした元教え子が大学生になってもチェス界に復活し、活躍してくれることをとても嬉しく思います。現在の大学生のトップたち、大塚くん、長瀧くん、中原くん、松山くん、米満くんたちはかなり力をつけてきており、私たちからもポイントを取りうる油断できないプレーヤーです。将来、この中から次の日本代表が生まれることを期待しています。
Nakahara, K (CM, JPN, 2052) - Kojima, S (IM, JPN, 2306)
Japan Open 2023 (7)
1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. Nf3 e6 5. Be2 Ne7 6. O-O c5!?
全日本選手権では米満くん相手に6... Bg6を指しましたが、複数の変化を研究して今回はよりメジャーな6... c5を試すことにしました。こちらの変化は実に13年ぶりで、当時は何もわからず指して弘平くんに敗れました。 Japan Open 2023 (7)
7. c3
7. c4 Nbc6 8. Na3 a6 9. dxc5 d4 10. Qa4 Ng6 11. Rd1 Bxc5などと進む変化を予想していましたが、c2-c3からd4を支えるのもさほど悪くありません。黒は白マスビショップを上手く展開できたFrench Advanceのように指したいですが、f5のビショップはターゲットにもなりうるため、そう単純ではないでしょう。
7... Nec6
ナイトはd7、c6に2つ展開するのが良い組み合わせなので、こちらのナイトをc6へ運びます。
8. Be3 cxd4!?
ポーン交換をどのタイミングでするかは迷いましたが、今回は早めにしました。試合後にポーンを交換しなかったらどうかも話しましたが、その場合はc3-c4と白が突き直すこともありえるでしょう。ただしその突き直しの良いタイミングは判断の難しいところです。8... Nd7 9. Nbd2 Be7 10. a3と進んだ場合、白はb2-b4からクイーンサイドでまずは仕掛けると予想できます。
9. Nxd4!
おそらくナイトから取るのが正解です。一般的にd4にポーンが残るストラクチャーでは、マイナーピースをある程度捌けているほうが白のアタックチャンスを限定でき黒は安全です。一方で早めにf3のナイトを捌くことで、f2-f4-f5という仕掛けのチャンスが生まれることも見逃せません。9... Nxd4 10. cxd4 Nc6
c6のナイトが1回捌けたため、予定変更で再度c6にナイトを展開します。この局面は1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. Nf3 e6 5. Be2 c5 6. c3 Nc6 7. O-O Bg6 8. Be3 cxd4 9. cxd4 Nge7 10. Nh4 Nf5 11. Nxf5 Bxf5から発生することが多いと、試合後に調べて気づきました。黒はc2に利きを集中させるか、d4への反撃でひとまずは十分な局面に思えます。
11. Nd2 Be7 12. f4 O-O 13. Rc1
13. g4 Be4 14. Nxe4 dxe4と進む変化はポーンを崩しても、d4への反撃がやりやすくなり、d5のマスの活用チャンスもあって黒が面白いと感じていました。本譜のようにゆっくりくるのであれば、黒もg2-g4の仕掛けを警戒しておきます。13... h6 14. Nb3 Rc8 15. a3 Qb6!
a2-a3はNc6-Nb4を防ぐために仕方なくも思えますが、b3のナイトが浮くのが気がかりです。そこでクイーンをb6に配置し、d4,b3,b2へのプレッシャーを作ります。白がキングサイドから仕掛けてこなければ、a7-a5-a4としてナイトをどかし、b2を取りにいくつもりでした。
16. g4 Be4 17. Bd3
白マスビショップの交換は白のアタックチャンスをさらに限定するうえ、ポーンストラクチャーの観点から白にバッドビショップ、黒にグッドビショップを残すため、黒にとって基本的に歓迎するべきものです。一方、白はそんなことも言っていられず、f4-f5の押し込みチャンスを作られなければクイーンサイドが単に崩壊して終わります。17... Bxd3 18. Qxd3 f5!?
f4-f5の押し込みを止める最もスタンダードなアクションですが、ここはクイーンサイドで攻め合うのもありでした。18... a5 19. f5 a4 20. f6 (20. Nd2? Qxb2 21. f6 Nxe5! 22. dxe5 Rxc1 23. fxe7 Re8-+) 20... Qxb3 21. Qd2 Rfe8= 黒はこのようにしてピースを返して戦うのがコンピュータの示す変化ですが、人間的には少し守り間違えるとキングがつかまりそうなので、これを選ぶのはかなり勇気が要ります。
19. Rc2? a6?!
g4を取る変化は少し考えましたが、b3のナイトが浮いており、クイーンがg6へ入れないうちにやっておくべきでした。19... fxg4! 20. Rg2 Rf7 21. Rxg4 Bf8-/+ こうしてg7を受けておけば、gファイルからの攻撃をさほど気にせず、クイーンサイドでのアクションに集中できるというコンピュータの評価です。確かに本譜で白がgファイルを開くタイミングをコントロールできるようにするくらいなら、早めに黒から開くべきでした。これを避けるのであれば、白も19.h3を先に指すのが良かったでしょう。20. h3 Na7?
この辺りの数手で怪しい手が出て白に形勢は傾き始めます。私はルーク、クイーン交換からキングサイドのプレッシャーを緩和するつもりでしたが、白は当然その誘いに乗るはずもありません。gファイルからの攻めが明らかなのであれば、先にそちらを受けておくべきでした。20... Rf7 21. Rg2 Na5 22. Nxa5 Qxa5=
21. Rg2! Qb5 22. Qd1 Qe8
かつて馬場さんや羽生さんとの試合でも、f4,f5でポーンがぶつかり合う同じストラクチャーでクイーンをこのように使い、キングのディフェンスを行いました。ところがこのクイーンがこの後、大変な問題を引き起こすことになります。23. Kh2 Qg6 24. Rfg1 Rf7?
g4を取る手はこの試合でどうしてか踏み切れませんでした。24... fxg4! 25. Qxg4 Qxg4 26. hxg4 Nb5=と進んだ場合、黒はキングサイドを満足に守り切って戦えます。
25. Qd3! Qh7
g6の浮いたクイーンをキングで守れるようにしました。25... Bf8 26. g5! h5 27. Nd2!はナイトがh4への移動を見せるアイディアが嫌でした。26. gxf5 Rxf5 27. Na5
2ルークvs.クイーンの評価は難しいですが、思い切って仕掛けても黒は2ルークが連携できておらず、白は勝負できたようです。27. Rxg7+ Qxg7 28. Rxg7+ Kxg7 29. Na5 Rc7 30. Qb3!+/-
27... Rf7 28. Rg6!
ターゲットにならないようg6からクイーンを逃がしましたが、代わりにg6のマスにルークが跳びこんでくるアイディアをうっかり見逃していました。h6、e6にプレッシャーをかけつつ、クイーンをh7に閉じ込める白ルークの存在は脅威です。28... Bf8 29. R1g2
次にf4-f5と押し込み、ビショップをh6に利かせてRg6-Rxh6としたいところですが、Rf7-Rxf5-Rf2+がチェックとなれば、黒はd3のクイーンを取って勝勢です。本譜のR1g2はそれを防ぐために2段目をカバーする手で、時間がない中でも冷静だと感じました。
29... Kh8 30. Qd1 Nc6
この手ではだめだと自分で思いながらも、e6を消極的に守るだけではナイトの位置の改善も遅れ、どうしようもないだろうとの判断です。31. Nb3??
この悪手で黒は完全に息を吹き返しました。ナイトを捌いた際にe6をテンポで守られると「もったいない」と感じるのは理解できます。しかし、実際には本譜のように閉じ込めたクイーンに復活のチャンスを与えるほうが「もったいない」でしょう。31. Nxc6 Rxc6 32. Qg4+-と進めれば黒はクイーンをゲームに戻すことができず、白勝勢です。
31... Ne7! 32. Rxe6 Qe4!
e6を捨ててでも、クイーンをh7から脱出させなければ黒はどうしようもないと感じていました。実際こうして進んでみると、白はビショップ、ナイトが浮いたピースとして負担になり、f4、d4もターゲットになってどう指すかの判断が難しい状況です。33. Bc1?
33. Qh5!ならば白はまだ戦えたようです。以下33... g6 34. Qe2 Nf5 35. Bc1 Qxe2 36. Rxe2 Kh7 37. Rb6 Rcc7と進み、黒はポーンの代償ありで勝負です。
33... Nf5! 34. Qg4?
上記の変化と違い、g7-g6を誘ってg6ポーンを弱めてはいないですが、それでも34. Qe2からクイーンを交換すべきでした。攻め合うのはキングが不安定な白にとってリスクが高すぎます。34... Rc2
g2のルークに当てておくことで、白クイーンをg4から離れられないようにする狙いでしたが、もっと良い決め手がありました。34... Rxc1! 35. Nxc1 Ne3 (このナイトフォークは考えていましたが、f4から守りの白クイーンを引き離すことで、f4取りチェックからc1が最終的に落ちるのが互いに見えていませんでした) 36. Rxh6+ Kg8 37. Qg6 Qxg2+ 38. Qxg2 Nxg2-+ h6を取らせる変化は最後にそのルークが当たりになっており、白は厳しい駒損です。
35. Bd2 Rxb2 36. Qg6?
時間切迫でさらなるミスが出るのは仕方ありません。36. Re8 Rxb3 37. e6 Rf6 38. Bb4が白が生き延びるラストチャンスです。36... Nh4!
他にも候補手はあったようですが、一番わかりやすいと思います。白はクイーンが6段目の邪魔になっており、Re6-Rxh6+ができなくなっています。ここがナイトがh6のディフェンスから離れ、アタックに切り替えるベストのタイミングでしょう。白はクイーン交換後、決定的な駒損が避けられません。
37. Qxe4 dxe4 38. Re2 Rxb3 39. Bc1 Nf3+ 0-1
ナイトに続き、d4でのフォークからルークが落ちて決着です。40手には満たないですが、内容の濃い試合でした。2023/11/06
Japan Open 2023 Day4 Tournament Report
4日間の日程で開催されたジャパンオープンは、昨日無事に最終日を迎えました。優勝は5連勝後、南條くんにドロー、Fraynaさんに勝った青嶋くんでした。U1800、女子、ユース等、各セクションを含め、入賞者の皆さん、おめでとうございます!
私は最終日、斎藤くん、中原くんに連勝でなんとか5.5/7での滑り込み入賞でした。最終戦、私より上位4Bで全て決着がついたことによる完全なラッキーです。3日目に崩れたことを反省し、また次の大会に備えようと思います。それにしても、オープンで入賞した5名は直接対決が全くないという珍しい結果でした。
最終日の解説は、熱戦となった最後の中原くんとの試合をお届けしたいところなのですが、自分なりにもう少し振り返りたいところが多いので、また後日にしようと思います。代わりに7Rの斎藤くんとの試合をご紹介します。手数は短いですが、学ぶことが色々あったゲームでした。
南條くんとも何度も試合形経験のあるClassical Dutchに対しては、これまで全てd2-d4としてきました。私はそもそも1.Nf3から入りながら、なるべく1.d4のメイン系も指すEnglish Playerだと自分で思っています。しかし最近は1.c4を試したり、d2-d3でポーンを止める形も勉強し、指せる幅を広げています。今回、d3でポーンを止めてみたのは、次に黒がe6-e5と突き直すならば、e7-e5と1手で突けている形に比べてテンポロスになると考えたためです。
d1-h5ダイアゴナルを開ける、f4のマスを受けるといった、黒のキングサイドアタックに備えるアイディア自体は良いのですが、それはクイーンがh5にきてからでも遅くありません。黒は見逃しましたが、ここでは10... a4!が成立してb2-b4を止められるため、白は素直に10. b4と指してクイーンサイドのスペースを拡大し、Bc1-Bb2の準備をしておくべきでした。
このナイト退きはe2-e3の時点で頭にあった構想で、クイーンを交換した場合、黒のキングサイドアタックチャンスを完全に消すことができます。対する白はb4-b5,c4-c5,Nc3-Nd5などのクイーンサイドを中心としたチャンスが依然として残っているため、白が安全で指しやすい局面になるでしょう。
コンピュータの示すベストの手ではないでしが、人間的には黒のf5-f4を止め、キングサイドを安全にしておくのが最も分かりやすいアイディアだと思います。このfポーンをぶつけるアイディアはClosed Sicilianで、黒が指す重要なディフェンスのアイディアとして知られています。(1. e4 c5 2. Nc3 Nc6 3. g3 g6 4. Bg2 Bg7 5. d3 d6 6. f4 e6 7. Nf3 Nge7 8. O-O O-O 9. g4?! f5!) コンピュータの示すのは、14. c5 f4 15. Nde4と進め、f5-f4を許してもe4のマスを使えれば白が大きく優勢という変化ですが、h7-b1、c8-h3ダイアゴナルを開けさせ、黒にアタックの希望を与える理由もないでしょう。
Nf3-Nd2と一時的に退いたナイトは、クイーン交換の催促、f2-f4の準備という2つの役割を終えた以上、d2に留まる理由はありません。f3に再び戻ってe5,g5にプレッシャーをかけつつ、クイーンの前を開いてd3を守っておきます。対するb4に跳びこんだナイトはd3を攻撃しているのは良いものの、帰る場所が無いことが気がかりです。
2年連続で優勝しているジャパンオープンで5位という結果は悔いの残るものではありますが、今年後半の調子を踏まえれば仕方ないと納得もしています。今年はまだ有田のチェス大会に参加する予定ですが、公式戦はこれで全て終了。来年は1月の東海オープンからスタートとなります。今年も1年間、多くのチェスプレーヤー、運営にお世話になりました。また次の公式戦の機会もよろしくお願いいたします。
11/02 13:00 R1 Kato, A (JPN, 1668) - Kojima, S (IM, JPN, 2306) 0-1
11/03 10:00 R2 Kojima, S (IM, JPN, 2306) - Okabe, Y (JPN, 1862) 1-0
11/03 15:00 R3 Tanaka, S (JPN, 1964) - Kojima, S (IM, JPN, 2306) 0-1
11/04 10:00 R4 Kojima, S (IM, JPN, 2306) - Noguchi, K (JPN, 2006) 0-1
11/04 15:00 R5 Shioguchi, T (JPN, 1903) - Kojima, S (IM, JPN, 2306) 1/2-1/2
11/05 10:00 R6 Kojima, S (IM, JPN, 2306) - Saito, H (JPN, 1848) 1-0
11/05 15:00 R7 Nakahara, K (CM, JPN, 2052) - Kojima, S (IM, JPN, 2306) 0-1
1st Place Aoshima Mirai (FM, JPN, 2352) 6.5/7
2nd Place Yamada Kohei (FM, JPN, 2187) 6/7
3rd Place Schulze Torben Dr (GER, 2325) 6/7
4th Place Otsuka Shou (JPN, 2122) 6/7
5th Place Kojima Shinya (IM, JPN, 2306) 5.5/7
Japan Open 2023 Final Standings
2nd Place Yamada Kohei (FM, JPN, 2187) 6/7
3rd Place Schulze Torben Dr (GER, 2325) 6/7
4th Place Otsuka Shou (JPN, 2122) 6/7
5th Place Kojima Shinya (IM, JPN, 2306) 5.5/7
Japan Open 2023 Final Standings
私は最終日、斎藤くん、中原くんに連勝でなんとか5.5/7での滑り込み入賞でした。最終戦、私より上位4Bで全て決着がついたことによる完全なラッキーです。3日目に崩れたことを反省し、また次の大会に備えようと思います。それにしても、オープンで入賞した5名は直接対決が全くないという珍しい結果でした。
最終日の解説は、熱戦となった最後の中原くんとの試合をお届けしたいところなのですが、自分なりにもう少し振り返りたいところが多いので、また後日にしようと思います。代わりに7Rの斎藤くんとの試合をご紹介します。手数は短いですが、学ぶことが色々あったゲームでした。
Kojima, S (IM, JPN, 2306) - Saito, H (JPN, 1848)
Japan Open 2023 (6)
1. Nf3 e6 2. c4 f5 3. g3 Nf6 4. Bg2 Be7 5. O-O O-O 6. Nc3 d6 7. d3!?
南條くんとも何度も試合形経験のあるClassical Dutchに対しては、これまで全てd2-d4としてきました。私はそもそも1.Nf3から入りながら、なるべく1.d4のメイン系も指すEnglish Playerだと自分で思っています。しかし最近は1.c4を試したり、d2-d3でポーンを止める形も勉強し、指せる幅を広げています。今回、d3でポーンを止めてみたのは、次に黒がe6-e5と突き直すならば、e7-e5と1手で突けている形に比べてテンポロスになると考えたためです。 Japan Open 2023 (6)
7... e5 8. Rb1 a5 9. a3 Qe8 10. e3?!
d1-h5ダイアゴナルを開ける、f4のマスを受けるといった、黒のキングサイドアタックに備えるアイディア自体は良いのですが、それはクイーンがh5にきてからでも遅くありません。黒は見逃しましたが、ここでは10... a4!が成立してb2-b4を止められるため、白は素直に10. b4と指してクイーンサイドのスペースを拡大し、Bc1-Bb2の準備をしておくべきでした。
10... Qh5?! 11. b4 axb4 12. axb4 g5?
形はSicilian Grand Prixの白黒逆バージョンで、クイーンの使い方など黒の攻め方の基本的な方針は悪くないのですが、クイーンサイドの展開を疎かにしている点が気になります。g7-g5はf5-f4のサポートをする狙いですが、黒キングの守りを弱めるという欠点もあるため、もう少し慎重に指すべきでした。代わりに12... Nc6と展開しておき、アタックの準備を整えるべきです。白のb4-b5に対してナイトは、Nc6-Nd8-Nf7-Ng5(g7-g5-g4を挟んでからも可) とキングサイドのアタックに参加するアイディアもありそうです。13. Nd2!
このナイト退きはe2-e3の時点で頭にあった構想で、クイーンを交換した場合、黒のキングサイドアタックチャンスを完全に消すことができます。対する白はb4-b5,c4-c5,Nc3-Nd5などのクイーンサイドを中心としたチャンスが依然として残っているため、白が安全で指しやすい局面になるでしょう。
13... Qg6 14. f4!?
コンピュータの示すベストの手ではないでしが、人間的には黒のf5-f4を止め、キングサイドを安全にしておくのが最も分かりやすいアイディアだと思います。このfポーンをぶつけるアイディアはClosed Sicilianで、黒が指す重要なディフェンスのアイディアとして知られています。(1. e4 c5 2. Nc3 Nc6 3. g3 g6 4. Bg2 Bg7 5. d3 d6 6. f4 e6 7. Nf3 Nge7 8. O-O O-O 9. g4?! f5!) コンピュータの示すのは、14. c5 f4 15. Nde4と進め、f5-f4を許してもe4のマスを使えれば白が大きく優勢という変化ですが、h7-b1、c8-h3ダイアゴナルを開けさせ、黒にアタックの希望を与える理由もないでしょう。
14... Kh8 15. Bb2!
h8にキングが避ける手もa1-h8ダイアゴナルを活用しやすい白にとって好都合です。上記のClosed Sicilianと違い、黒は黒マスビショップの位置がg7ではなくe7でパッシブ、かつキングの守りを弱めています。もしe7ではなくg7にあれば黒キングもh8で多少は安全ですし、f2-f4に対してexf4とポーンを交換し、ダイアゴナルを開いて勝負する選択肢もあったでしょう。15... Nc6 16. b5! Nb4 17. Nf3!
Nf3-Nd2と一時的に退いたナイトは、クイーン交換の催促、f2-f4の準備という2つの役割を終えた以上、d2に留まる理由はありません。f3に再び戻ってe5,g5にプレッシャーをかけつつ、クイーンの前を開いてd3を守っておきます。対するb4に跳びこんだナイトはd3を攻撃しているのは良いものの、帰る場所が無いことが気がかりです。
17... gxf4 18. exf4 Nxd3? 19. Nh4! 1-0
黒の見落としから、思わぬ早い決着でした。黒は一時的にd3でナイトを捨てても、e5-e4のポーンフォークで取り返せるという計算でしたが、先にナイトにh4へ逃げられ、チェック付きのクイーン取りをスレットにされてしまえば、単に黒のナイトだけが落ちてしまいます。直前にf4でのポーン交換で黒のg5が消え、h4にナイトが跳べるようになっていることが盲点だったかもしれません。もちろんこの見落としがなくとも、白はa1-h8ダイアゴナルを活用した攻撃で勝勢です。2年連続で優勝しているジャパンオープンで5位という結果は悔いの残るものではありますが、今年後半の調子を踏まえれば仕方ないと納得もしています。今年はまだ有田のチェス大会に参加する予定ですが、公式戦はこれで全て終了。来年は1月の東海オープンからスタートとなります。今年も1年間、多くのチェスプレーヤー、運営にお世話になりました。また次の公式戦の機会もよろしくお願いいたします。
11/02 13:00 R1 Kato, A (JPN, 1668) - Kojima, S (IM, JPN, 2306) 0-1
11/03 10:00 R2 Kojima, S (IM, JPN, 2306) - Okabe, Y (JPN, 1862) 1-0
11/03 15:00 R3 Tanaka, S (JPN, 1964) - Kojima, S (IM, JPN, 2306) 0-1
11/04 10:00 R4 Kojima, S (IM, JPN, 2306) - Noguchi, K (JPN, 2006) 0-1
11/04 15:00 R5 Shioguchi, T (JPN, 1903) - Kojima, S (IM, JPN, 2306) 1/2-1/2
11/05 10:00 R6 Kojima, S (IM, JPN, 2306) - Saito, H (JPN, 1848) 1-0
11/05 15:00 R7 Nakahara, K (CM, JPN, 2052) - Kojima, S (IM, JPN, 2306) 0-1
ラベル:
Dutch Defence,
国内大会
2023/11/04
Japan Open 2023 Day3 Tournament Report
ジャパンオープン3日目のレポートです。この日は午前中のラウンドで野口さんに敗れ、全勝グループから後退してしまいました。しかも白番で良いところがなく、反省の多いゲームでした... 午後は同期の汐口くんに黒を持っての対戦です。
Shioguchi, T (JPN, 1903) - Kojima, S (IM, JPN, 2306)
Japan Open 2023 (5)
1. e4 c6 2. d4 d5 3. exd5 cxd5 4. Bd3 Nf6 5. h3 Nc6 6. c3 g6 7. Nf3 Bf5 8. O-O Bxd3 9. Qxd3 Qc7
g7-g6、Bc8-Bf5から白マスビショップを捌くのはよく知られたアイディアで、白のアタックチャンスを削って黒は満足な流れです。しかし、汐口くんもこの形をよく知っているうえ、チーム選手権ではこれに近いゲーム展開で黒を持っているので、どこでチャンスを作るアイディアをひねり出すか考えます。 Japan Open 2023 (5)
10. Re1 e6 11. Bg5 Bg7 12. Nbd2 O-O 13. Qe3 b5
b7-b5-b4-bxc3は典型的なマイノリティアタックですが、黒マスビショップをフィアンケっとしているため、c5のマスをケアしていないのが気になります。13... Rfe8などで様子をうかがうのもありでした。
14. Nb3 Rfe8 15. Bf4 Qb6 16. Ne5 Rac8 17. a3 Nxe5 18. Bxe5 Nd7 19. Bxg7 Kxg7 20. Nc1 e5!
Nc1-Nd3はe5、c5への跳びこみを見せつつ、b4のマスに利かせてb5-b4を止めるナイトの好位置です。それを防ぐ本譜でしたが、これでもイコールにしかなりません。21. dxe5 Rxe5
21... Nxe5!? 22. Nd3 Qxe3 23. Rxe3 Nxd3 24. Rxd3 Re2 25. b4 a6= これもルークが潜り込みますが、d5も弱いので互角でしょう。
22. Qd2 Rxe1+ 23. Qxe1 d4 24. Ne2! dxc3 25. Nxc3 Nf6
白も正確に受けて互角のままポーンが対称形になりました。この後、少しa1-h8ダイアゴナルからのプレッシャーが気になる展開でしたが、丁寧に守ります。26. Qe5 Rc5 27. Qd4 Qc7 28. Re1 a6 29. Ne4 Rc6 30. b4 Qf4
次にRc8-Rc1跳びみを狙います。
31. g3 Qf3 32. Nxf6 Qxf6 33. Qxf6+ Kxf6=
a3を弱めてもらったので少しチャンスがあるかと思いますが、白は3段目を守ればドローでしょう。34. Re3 h5 35. h4 Rc1+ 36. Kg2 Ra1 37. Kf3 Ra2 38. Rc3 Ke5 39. Ke3 Kd5 40. Rc5+ Kd6 41. Rc3 Rb2 42. f3 f6 43. Rd3+ Ke5 44. Rc3 Ra2 45. Rc5+ Kd6 46. Rc3 Rh2 47. Kf4 Kd5 48. Rd3+ Ke6 49. Re3+ Kd6 50. Rd3+ Ke6 51. Re3+ 1/2-1/2
この試合はどうしようもないドローでした。気を取り直して明日の残り2試合を頑張ります。
11/02 13:00 R1 Kato, A (JPN, 1668) - Kojima, S (IM, JPN, 2306) 0-1
11/03 10:00 R2 Kojima, S (IM, JPN, 2306) - Okabe, Y (JPN, 1862) 1-0
11/03 15:00 R3 Tanaka, S (JPN, 1964) - Kojima, S (IM, JPN, 2306)
11/04 10:00 R4 Kojima, S (IM, JPN, 2306) - Noguchi, K (JPN, 2006) 0-1
11/04 15:00 R5 Shioguchi, T (JPN, 1903) - Kojima, S (IM, JPN, 2306)
11/05 10:00 R6 Kojima, S (IM, JPN, 2306) - Saito, H (JPN, 1848)
11/05 15:00 R7
Japan Open 2023 R6 Pairings
Japan Open 2023 R6 Live Games
明日のトップボードは南條くんが、全勝中の青嶋くんを止めにいきます。ライブボードはどこも面白いと思いますので、最後までご覧いただけると嬉しいです。
2023/11/03
Japan Open 2023 Day2 Tournament Report
ジャパンオープン2日目のレポートです。過去最高人数の参加者となったジャパンオープンは、初日勝ったプレーヤーが45人もいるので、まだまだ上位勢同士は当たりません。私は今年4回目の対戦となる岡部くんとの試合からスタートです。
Kojima, S (IM, JPN, 2306) - Okabe, Y (JPN, 1862)
Japan Open 2023 (3)
1. c4 Nf6 2. g3 g6 3. Bg2 Bg7 4. Nf3 d6 5. d4 O-O 6. O-O c5 7. dxc5 dxc5 8. Ne5
エジプトのGM Adly Ahmedの得意変化で、10年以上前から私も使い、高い勝率を残しています。ポーンは対称形ですが、早めにフィアンケットビショップの利きを開き、黒のクイーンサイドにプレッシャーをかけます。 Japan Open 2023 (3)
8... Nfd7 9. Nxd7 Nxd7 10. Nc3 Ne5 11. Qb3
4年前の野口さんとの試合ではここで11.Bg5と指しましたが、今日改めて読んでみてポーンの取り合いに自信がなかったため、じっくり構えてNc3-Nd5を狙うことにします。
11... Nc6 12. Rd1 Nd4 13. Qa3 Qb6?
ここでクイーンがおとなしく避けているようでは、手数をかけてNc6-Nd4を実現した甲斐がありません。13... Nxe2+! 14. Kf1 Nd4 15. Qxc5で勝負すべきです。黒はe7-e5があるため、d4のナイトは安定して負担にはなりません。14. Nd5! Qd6 15. Bg5! f6 16. Be3
16. Rxd4!? fxg5 (16... cxd4?? 17. Nxe7+!からクイーンが落ちるのがポイントです) 17. Rd2もありえますが、本譜のようにポーンを取るほうがよりアドバンテージは大きいと考えました。
16... e5 17. Bxd4 exd4 18. Rxd4+-
d6のクイーンの位置が悪く、これで白が駒得です。黒はダブルビショップを持ちますが、白のd5のマスを中心としたピースの連携にはかなわず、ポーンの代償は不十分です。18... Rd8 19. Re4 f5 20. Re7 Bf8 21. Re3 Be6 22. Rd1 Bxd5 23. Bxd5+ Kh8 24. Re6 Qxe6
実はここで2ルークとクイーンの交換を許したのはうっかりなのですが、黒の2ルークは上手く連携が取れず、白のクイーンと白マスビショップによるキングへのプレッシャーで白は十分勝勢を保てています。
25. Bxe6 Rxd1+ 26. Kg2 Re8 27. Bd5 Rc1 28. Qxa7 Rxe2 29. Qxb7 Re7
29... Be7 30. Bf3! Ree1 31. a4+-でも白はプロモーション狙いで勝勢です。30. Qc6 Rc2 31. Qf6+ 1-0
最後はf6でのチェック見落としでルークが落ちました。いずれにせよ、f2への反撃を作られなければ白は問題なく勝てるでしょう。午後の3Rも初対戦の田中さん相手に丁寧に指せて勝利。ここまで調子は上々です。明日くらいから上位勢同士の面白いペアリングが登場します。
11/02 13:00 R1 Kato, A (JPN, 1668) - Kojima, S (IM, JPN, 2306) 0-1
11/03 10:00 R2 Kojima, S (IM, JPN, 2306) - Okabe, Y (JPN, 1862) 1-0
11/03 15:00 R3 Tanaka, S (JPN, 1964) - Kojima, S (IM, JPN, 2306)
11/04 10:00 R4 Kojima, S (IM, JPN, 2306) - Noguchi, K (JPN, 2006)
11/04 15:00 R5
11/05 10:00 R6
11/05 15:00 R7
Japan Open 2023 R4 Pairings
Japan Open 2023 R4 Live Games
2日目の3Rまで終わり、3連勝は8人まで絞られました。5連勝が複数出てもおかしくないのは、今大会の参加人数の多さを物語っているでしょう。明日の3日目も頑張ります。 今夜は大井町線と池上線を乗り継ぎ、池上の燕楽までとんかつを食べに来ました。池上での大会の際に時々寄りますが、このためだけに池上に来たのは初めてです。
ラベル:
King's Indian,
国内大会
2023/11/02
Japan Open 2023 Day1 Tournament Report
今日から4日間、品川区立中小企業センターで開催される7試合のトーナメント、ジャパンオープンに参加します。この大会は来年のオリンピアード日本代表を決めるとともに、私にとっては3連覇がかかる大きなものです。今年はエントリー上限が114名でしたが、Tuさんを含めた数人の直前キャンセルがあって、111人でのスタートとなりました。私は3番ボードで初対戦となる加藤さんとの試合です。
今回、London対策にはビショップをポーンストラクチャーの外に展開するラインを選びました。11手目までが研究手順です。
e3-e4は白の典型的なアイディアで、黒はd5にポーンを残しておきたいので取ることができません。このポーンのぶつかり合いをどう捌くかはこの後のポイントです。
e4を崩すことで、Bg4-Bf5とNf6-Ne4のチャンスを作ります。黒はe4にプレッシャーを集め、ポーンをどう捌くか催促をしてゲームを進めやすくします。
ポーンの押し込みは決定的なミスでした。黒は弱点になるポーンがないうえ、Bg4-Bf5の切り替えとダブルビショップの活用ができます。白は17. exd5 Bf5 18. Qd2 exd5 19. O-O Rfe8=/+で頑張るべきでした。
20. Qc1 bxc3 21. bxc3 h6 22. g4 Bg6! 23. Nf3 Rab8-+でもゆっくりb2から侵入して黒勝勢です。本譜でもb2への侵入からc3を狙えば、白には守る方法がありません。
11/02 13:00 R1 Kato, A (JPN, 1668) - Kojima, S (IM, JPN, 2306) 0-1
11/03 10:00 R2 Kojima, S (IM, JPN, 2306) - Okabe, Y (JPN, 1862)
11/03 15:00 R3
11/04 10:00 R4
11/04 15:00 R5
11/05 10:00 R6
11/05 15:00 R7
Japan Open 2023 R2 Pairings
Japan Open 2023 R2 Live Games
初日は45人が勝ちで、アップセットもちらほらあったようです。私は2試合目はユースチャンピオン、岡部くんとの対戦です。今年4回目で全て白...何を指すかはこれから考えます。それでは皆さん、2日目もよろしくお願いいたします。
Kato, A (JPN, 1668) - Kojima, S (IM, JPN, 2306)
Japan Open 2023 (1)
1. d4 d5 2. Bf4 c5 3. e3 Nc6 4. Nf3 Bg4
今回、London対策にはビショップをポーンストラクチャーの外に展開するラインを選びました。11手目までが研究手順です。Japan Open 2023 (1)
5. c3 e6 6. Nbd2 Nf6 7. Qb3 Qc8 8. Ne5 Nxe5 9. Bxe5 Nd7 10. Bg3 c4 11. Qc2 b5 12. e4 Be7
e3-e4は白の典型的なアイディアで、黒はd5にポーンを残しておきたいので取ることができません。このポーンのぶつかり合いをどう捌くかはこの後のポイントです。
13. Nf3?!
Bf1-Be2の準備だと思いますが、2回目のNf3-Ne5はあまりインパクトがないうえ、e4でのぶつかり合いをキープして開くタイミングを白がコントロールするのがポイントであるため、e4に利くナイトをd2からずらすのは奇妙だと感じました。代わりにキャスリングできなくなることを恐れず、13. Be2とぶつけてビショップ交換をし、Rh1-Re1,Ke2-Kf1を考えていました。13... O-O 14. Be2 Nf6!
e4を崩すことで、Bg4-Bf5とNf6-Ne4のチャンスを作ります。黒はe4にプレッシャーを集め、ポーンをどう捌くか催促をしてゲームを進めやすくします。
15. Bh4 Qb7! 16. Bxf6?!
あまり黒マスビショップを手放すメリットはないと感じます。16. exd5 Bf5 17. Qc1 exd5=/+と進めば、黒はNf3-Nh4を恐れずに白マスビショップのダイアゴナルを切り替えて満足でしょう。16... Bxf6 17. e5?
ポーンの押し込みは決定的なミスでした。黒は弱点になるポーンがないうえ、Bg4-Bf5の切り替えとダブルビショップの活用ができます。白は17. exd5 Bf5 18. Qd2 exd5 19. O-O Rfe8=/+で頑張るべきでした。
17... Be7 18. h4 b4 19. Ng5 Bf5-+
bファイルからの突破はb1のマスを抑えてこそ力を発揮します。キングへの直接攻撃を抑え込んだうえで典型的なブレイクを決めれば、黒のアドバンテージは勝ちに十分なものです。20. Qd1
20. Qc1 bxc3 21. bxc3 h6 22. g4 Bg6! 23. Nf3 Rab8-+でもゆっくりb2から侵入して黒勝勢です。本譜でもb2への侵入からc3を狙えば、白には守る方法がありません。
20... bxc3 21. bxc3 Qb2 22. O-O h6 23. Nf3 Qxc3 24. Rc1 Qa5 25. a4 Rab8 26. Ra1 Rb2 27. Qc1 Rxe2 28. Rd1 Rb8 29. Nd2 c3 30. Nf1 Rbb2 31. Ne3 Rxf2 32. Nxf5 Rxg2+ 33. Kh1 Rh2+ 34. Kg1 Rbg2+ 35. Kf1 Qa6+ 0-1
途中でピースも取って最後はメイトになりました。今年も黒で無事に白星スタートを切れて一安心です。11/02 13:00 R1 Kato, A (JPN, 1668) - Kojima, S (IM, JPN, 2306) 0-1
11/03 10:00 R2 Kojima, S (IM, JPN, 2306) - Okabe, Y (JPN, 1862)
11/03 15:00 R3
11/04 10:00 R4
11/04 15:00 R5
11/05 10:00 R6
11/05 15:00 R7
Japan Open 2023 R2 Pairings
Japan Open 2023 R2 Live Games
初日は45人が勝ちで、アップセットもちらほらあったようです。私は2試合目はユースチャンピオン、岡部くんとの対戦です。今年4回目で全て白...何を指すかはこれから考えます。それでは皆さん、2日目もよろしくお願いいたします。
ラベル:
London System,
国内大会
2023/11/01
エヴァーグリーン・ゲーム発売
本日、11月1日にポプラ社からチェスを題材とした小説『エヴァーグリーン・ゲーム』が発売されました。著者は石井仁蔵さんで、こちらの作品でデビューし、ポプラ社小説新人賞を獲得されています。正式な発売日は今日のはずですが、場所によっては昨日、本屋に並んでいたようです。私はチェスの監修をさせていただいた関係で、数日前に見本誌をいただきました。
エヴァーグリーン・ゲームというタイトルは、Adolf Anderssenが1852年に指したゲームの通称からきています。全編に渡りチェスが登場し、4人の男女がチェスを通じて関わり、生きていく様子を描いています。あまり内容についてここでは詳しく書きませんが、私はいただいた原稿を夢中になって一晩で読ませていただきました。興味を持って下さったかたは、ぜひお手に取ってみてください。
また作中のチェスの描写、表現などは細かくチェックしたつもりですが、気になる点があれば今後の参考にさせていただきますので、私か出版社までご意見をいただけると嬉しいです。それではポプラ社の新作『エヴァーグリーン・ゲーム』をよろしくお願いいたします。作品の詳細については、以下の特設サイトをご参照ください。
エヴァーグリーン・ゲーム(ポプラ社特設サイト)
エヴァーグリーン・ゲームというタイトルは、Adolf Anderssenが1852年に指したゲームの通称からきています。全編に渡りチェスが登場し、4人の男女がチェスを通じて関わり、生きていく様子を描いています。あまり内容についてここでは詳しく書きませんが、私はいただいた原稿を夢中になって一晩で読ませていただきました。興味を持って下さったかたは、ぜひお手に取ってみてください。
また作中のチェスの描写、表現などは細かくチェックしたつもりですが、気になる点があれば今後の参考にさせていただきますので、私か出版社までご意見をいただけると嬉しいです。それではポプラ社の新作『エヴァーグリーン・ゲーム』をよろしくお願いいたします。作品の詳細については、以下の特設サイトをご参照ください。
エヴァーグリーン・ゲーム(ポプラ社特設サイト)

























































