2011/12/31

The last night at Las Vegas

North American Open が終了し、ラスベガス最後の夜を迎えました。ショーは人気が高すぎてチケットが取れそうになかったため、予定通りカジノへ。私はBig Six 、吉村先輩はポーカーゾーンへと、夢を抱いて消えて行きました。

理論上は勝ち続けられる方法を昼間に思い付いた私は、それをいざ実践へと移しましたが、開始から2時間後、ディーラーの変更により儚くも敗れ去りました。こうなった以上、私の分まで吉村先輩が勝ってくれることを祈るのみです。おそらく、もっと真面目にチェスをやれという神さまのお告げなんでしょうね。

カジノの話はさておき、未公開のラスベガスでの写真を少しだけアップしようと思います。

敗北の悔しさに唇をかみしめる唐堂君

before

After

吉村先輩は4R で対戦したAmanda さんがお気に入りのようです。

4R のKleiman,J とのゲームの様子。両者頭を抱え過ぎです。

American Open のオーガナイザー、Ong 氏とお知り合いになりました。

GM Friedel,J (右)はこの風貌で、1986年生まれというのは本当でしょうか。

イグアナさん

ホテルロビーでの集合写真です。

ポールとは来年もラスベガスでの再会を願って、午後早くに別れました。それぞれ新しい目標を胸に、いよいよ2012年を迎えます。

2011/12/30

North American Open Day4

今日でNorth American Open が終了しました。最終日はいつもより1時間早い開始時間で、夜の11時から午前4時まではブリッツトーナメントと、ハードなスケジュールでした。まずはレギュラートーナメントの結果から。

Kretchetov,A (2408) - Kojima,S (2330) 1/2-1/2

1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 c6 4. e3 g6 5. Nc3 Bg7 6. Be2 O-O 7. O-O dxc4 8. Bxc4 Nbd7 9. h3 c5 10. Qe2 cxd4 11. exd4 Nb6 12. Bb3 Nbd5 13. Re1 b6 14. Bg5 Bb7 15. Rad1 Nxc3 16. bxc3 Ne4 17. Qd3 Nxg5 18. Nxg5 e5 19. Nxf7 Rxf7 20. dxe5 Qxd3 21. Rxd3 Bc6 22. Rd6 Rc8 23. Be6 Rcc7 24. Rd8+ Bf8 25. f4 Kg7 26. Bxf7 Kxf7 27. g4 Be7 28. Rh8 Kg7 29. Rb8 Bd7 30. Rf1 Bb5 31. Rf3 Rd7 32. f5 Bh4 33. Rc8 Rd1+ 34. Kg2 Rd2+ 35. Kg1 Rd1+ 1/2-1/2


Kojima,S (2330) - Kavutskiy,K (2366) 1/2-1/2

1. Nf3 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3 d5 4. d4 Bb4 5. Bg5 Nbd7 6. cxd5 exd5 7. e3 c5 8. Bd3 Qa5 9. Qc2 c4 10. Bf5 O-O 11. O-O g6 12. Bxd7 Nxd7 13. Nd2 Re8 14. e4 Nb6 15. Nb3 Qa6 16. Nc5 Qa5 17. Nb3 Qa6 18. Nc5 Qa5 19. Nb3 1/2-1/2


ようやく私の写真が手に入りました。

Plotkin,D (2191) - Iinuma,P (2125) 0-1
Iinuma,P (2125) - West,V (2175) 1-0


Levine,V (2140) - Yoshimura,K (UR) 1-0
Rubinstein-Salzedo,S (2022) - Yoshimura,K (UR) 1/2-1/2

Tang,T (UR) - Heywood,B (2000) 1-0
Gustafsson,A - (1923)Tang,T (UR) 1/2-1/2

そして、7R終了しての獲得ポイントは以下の通りです。

小島慎也 3.5/7 (Open Section)
飯沼ポール 4.5/7 (Under 2300)
吉村謙治 2.5/7 (Under 2300)
唐堂 4/7 (Under 2100)

そして夜はブリッツトーナメントです。吉村君は疲れていて参加をパスしましたが、残り3人でチャレンジ。まさか午後10時に部屋を出て、戻るのが午前4時になるとは思いませんでした。5分指し切りで同じ相手と白黒を持ち、2戦します。私は10戦して7Pでした。

唐堂が初戦で対戦したGriffith 君は、春乃のサンディエゴ時代の友人だそうです。

こちらはそろそろ午前5時になり、流石にへとへとです。明日はラスベガスの休日を満喫し、元旦の午後に帰国します。皆さま、良いお年を!

2011/12/29

North American Open Day3

今日は昨日と一転、全員イマイチの結果になりました。

Kleiman,J (2450) - Kojima,S (2330) 1-0

1. e4 c6 2. Nc3 d5 3. Nf3 Bg4 4. h3 Bxf3 5. Qxf3 e6 6. a3 Nd7 7. d3 g6 8. g3 Bg7 9. Bg2 Ne7 10. O-O Qb6 11. Qe2 O-O 12. Kh1 d4 13. Nb1 e5 14. Nd2 Rae8 15. c3 c5 16. Nc4 Qa6 17. cxd4 cxd4 18. Bd2 Qe6 19. a4 Nc5 20. Bb4 Rc8 21. f4 f5 22. Bxc5 Rxc5 23. fxe5 Bxe5 24. b4 Rxc4 25. dxc4 Bxg3 26. Qd3 Bc7 27. Qxd4 Be5 28. Qxa7 Bxa1 29. Rxa1 f4 30. Qd4 f3 31. Bf1 Nc6 32. Qd5 Qxd5 33. cxd5 Nxb4 34. Rc1 Re8 35. Rc4 Na6 36. Kg1 Nb8 37. Rb4 Nd7 38. Bb5 Rd8 39. Bxd7 Rxd7 40. Kf2 1-0


Kojima,S (2330) - Shaw,T (2194) 1/2-1/2

1. Nf3 Nf6 2. c4 c5 3. Nc3 e6 4. g3 b6 5. Bg2 Bb7 6. O-O Be7 7. d4 cxd4 8. Qxd4 a6 9. Rd1 d6 10. b3 Nbd7 11. e4 Qc7 12. Ba3 Nc5 13. e5 dxe5 14. Qxe5 Rc8 15. Qxc7 Rxc7 16. Ne5 Bxg2 17. Kxg2 Ncd7 18. Nxd7 Nxd7 19. Bxe7 Kxe7 20. Rd4 b5 21. Re1 Nb6 22. Nd5+ Nxd5 23. cxd5 Rd8 24. Rg4 Rxd5 25. Rxg7 Rc2 26. Rxh7 Rdd2 27. Rf1 Rxa2 28. h4 Rab2 29. g4 Rd4 30. g5 Kf8 31. Kg3 Rxb3+ 32. f3 Rd5 33. g6 fxg6 34. Rc1 Kg8 35. Ra7 Rf5 36. Rc8+ Rf8 37. Rxf8+ Kxf8 38. Rxa6 Ke7 39. Rb6 Rb1 40. Kg4 Kf6 41. Rb8 b4 42. Rb5 b3 43. Kg3 b2 44. Kg2 e5 45. Rb8 Ke6 46. Rb7
1/2-1/2


4R はうまく指してチャンスも作ったはずでしたが、重要な局面での読みがダメでした。5R もすぐに劣勢になり、簡単なドローチャンスを逃した後は相手のミスに助けられました。どうも波に乗れないですね。

現在、オープンセクションのトップはスペインのGM Vallejo Pons (右)

Brown,M (2296) - Iinuma,P (2125) 1-0
Iinuma,P (2125) - Parker,A (2241) (試合進行中)

Mateer,A (2161) - Yoshimura,K (UR) 1-0
Yoshimura,K (UR) - Iyenger,U (2115) 1/2-1/2

Ho,D (1951) - Tang,T (UR) 1/2-1/2
Tang,T (UR) - Li J Mau,S (1939) 0-1

明日はもう最終日です。トーナメント後は日付変更直前からの、ブリッツトーナメントに参加する予定です。ここまでくれば、悔いの残らないようにベストを尽くすのみです。


2011/12/28

North American Open Day2


今日から各セクションの3日コースが始まり、会場はさらにヒートアップしてきました。私たちは4人とも勝ちがあり、まずまずの出来と言えるでしょう。まずは私の結果と棋譜から。

FM Rodriguez,E (2382) - FM Kojima,S (2330) 1-0

1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 c5 4. dxc5 Nc6 5. Bb5 e6 6. Qg4 h5 7. Bxc6+ bxc6 8. Qa4 Qc7 9. Be3 Nh6 10. Nd2 Nf5 11. Nb3 Nxe3 12. fxe3 Bd7 13. Nf3 g5 14. O-O Bh6 15. Qd4 g4 16. Ne1 Bc8 17. Nc1 Ba6 18. Ncd3 O-O-O 19. a4 Qe7 20. b4 Bc4 21. Rf6 Bg5 22. b5 Bxf6 23. exf6 Qb7 24. Ne5 cxb5 25. axb5 Bxb5 26. c6 Qb6 27. Rxa7 Qxd4 28. exd4 Rdf8 29. N1d3 Bxd3 30. cxd3 Kb8 31. Rb7+ Kc8 32. Nd7 1-0


FM Kojima,S (2330) - Semyonov,V (2060) 1-0

1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 c6 4. Nc3 a6 5. a4 g6 6. e3 Bg7 7. Be2 O-O 8. O-O Bg4 9. Qb3 Ra7 10. cxd5 cxd5 11. h3 Bxf3 12. Bxf3 e6 13. Bd2 Nc6 14. Rfc1 Re8 15. Be1 Qd6 16. a5 Raa8 17. Na4 Rab8 18. Nb6 Bf8 19. Rc2 Be7 20. Rac1 Nd7 21. Nxd7 Qxd7 22. Be2 Rec8 23. Qa4 Kg7 24. b4 Ra8 25. g3 Bd8 26. Kg2 h6 27. h4 Qe7 28. Bxa6 Rxa6 29. b5 Raa8 30. bxc6 bxc6 31. a6 Bb6 32. Rxc6 Rxc6 33. Rxc6 Qd7 34. Qb5 Bd8 35. Qb7 Ra7 36. Qxd7 Rxd7 37. Bb4 Ra7 38. Bc5 Ra8 39. a7 h5 40. Kf1 Bf6 41. Rc7 1-0


私ではなく、唐堂の朝食です。

リンゴをチョコレートでコーティングした謎のお菓子を発見。

ショップはこんな感じです。フィラデルフィアに比べ、やや高めかも。

そしてU2300 にエントリーしていたポールは、初日の負けを受けて4日コースをリタイアし、3日コースに切り替えました。これもアメリカのトーナメントならではと言えます。

Iinuma,P (2125) - Dorobanov (2254) 0-1
Clawitter (2190) - Iinuma,P (2125) 0-1
Iinuma,P (2125) - FM Small,G (2297) 1-0

ポールはU2300リスト1のFMに勝利。FMからの勝ち星は初めてだそうです。(日本ではありましたが・・・)ポールおめでとう!

Williams,J (2135) -Yoshimura,K (UR) 0-1
Yoshimura,K (UR) -Xia,Y (2149) 1/2-1/2

Tang,T (UR) - Sakurai,H (2004) 1/2-1/2
Cen,K (2003) - Tang,T (UR) 0-1

吉村君と唐堂君も今日はきっちり1.5Pを取っています。全員ポイントがハーフ以上なので、明日の当たりは厳しくなるでしょう。私はリスト上位のIM かFM との対戦になりそうです!

2011/12/27

North American Open Day1


いよいよ今日からラスベガスで、North American Open がスタートです。初日1試合だけの今日は、午後早くにポールとの合流し、夕方からの試合に備えました。それぞれのエントリーセクションは、

Open: 小島
Under 2300: 飯沼、吉村
Under 2100: 唐堂

となっています。そして初戦の結果は以下の通りです。

Kojima,S (2330) - Tamayo,R (UR) 1-0
Iinuma,P (2125) - Heung,C (2258) 0-1
Yoshimura,K (UR) - Kudyavtsev,V (2186) 0-1
Huay,D (2001) - Tang,T (UR) 1/2-1/2

私はOpen Section の最下位ボードでURと対戦、あまりに楽勝でした。リストはUSCFレイティングによって決められており、1つずれていれば、1B でリストトップのVallajo Pons との対戦だったようです。

Kojima, S (2330) - Tamayo, R (UR)
North American Open (1)

1. Nf3 d5 2. d4 g6 3. c4 c6 4. cxd5 cxd5 5. Nc3 Bf5 6. Qb3 Qd7 7. Ne5 Qc8 8. e4 f6 9. exf5 fxe5 10. Bb5+ Nc6 11. Nxd5 exd4 12. Bf4 Qxf5 13. Nc7+ Kd8 14. Nxa8 Qe4+ 15. Be2 b6 16. Qf3 Qxf3 17. Bxf3 Nb4 18. O-O-O Nxa2+ 19. Kb1 Bg7 20. Kxa2 e5 21. Bg5+ Kc8 22. Rc1+ Kb8 23. Rc7 Bh6 24. Rhc1 Nf6 25. Rb7+ Kxa8 26. Bxf6 Bxc1 27. Rxb6+ 1-0


吉村君はドローのチャンスがある局面で、冷静になれず、焦って指してしまい負け。ポールは2手目でギャンビットをし、5時間半を超えるタフなゲームになりましたが、最終的に負け。唐堂君は負け局面で相手が間違え、ドローを拾いました。明日からは1日2試合が3日間続く、厳しいスケジュールとなりますが、3人の勝利を期待しています。





2011/12/26

Christmas Night at Las Vegas

17時間の時差を入れ、長い長い12/25が終わりました。日本から発った3人は無事にラスベガスに到着しています。試合は明日からなので、今日は写真を交えた簡単な報告にします。

トランジットのロサンゼルス空港から1枚

ラスベガスの空港は到着してすぐにスロット台が!

午後2時過ぎにラスベガスに到着した私たちは、すぐにタクシーで会場となるHotel Bally's へ。お借りしたガイドブックで少しは予習していましたが、ラスベガスのホテルはすごいですね。一歩入ると奥が見えないほどのカジノが広がり、どちらに進んで良いのかも分かりません。

カジノは撮影禁止なので、ギリギリその手前のジュエリーゾーンをパシャリ

チェックイン後は、午後6時半頃まで仮眠を取り、それから夜の街散策へ。私は他のホテルの位置確認と夕飯の確保ぐらいの軽い気持ちでしたが、クリスマス当日のラスベガスはとにかく人、人、人!考えてみれば当たり前ですね。3時間かけて、歩いていける範囲のホテルを5つほど回りました。

ホテルパリスのエッフェル塔。ラスベガスにパリの空間が出現です。

こちらは有名なべラージオの巨大噴水。人の波で写真を撮るのも一苦労でした。

ヴェネツィアンにはガラス球でつくられた巨大クリスマスツリーがありました。

ヴェネツィアン内の天井画です。こちらもすごい!

日本ではクリスマスと言えば、イブに恋人同士で過ごすのがメイン、というイメージがありますが、こちらでは25日に家族で過ごすイベント、という印象を受けました。若いカップルはさほど多くなく、私たちのような男だけのグループ、小さな子供を連れた家族、老夫婦など、街を歩く顔ぶれは様々でした。

そして肝心の試合は26日、午後6時からです。エントリーや参加者の確認はまだできていないので、試合前にきっちりと行おうと思います。クリスマスは終わりましたが、ポールの到着を待って、私たちのグループはこれから本番を迎えます。

2011/12/24

ラスベガス出発前夜


いよいよ明日、ラスベガスに向かって発ちます。そこで今夜はトーナメント詳細の確認と、参加メンバーの紹介をします。

【大会名】North American Open
【会場】Hotel Bally's
【形式】7R Swiss System
【タイムコントロール】40手120分+60分+初手より1手5秒delay
【スケジュール】12/25(日) 日本発、現地着
12/26(月) R1 6:00 p.m
12/27(火) R2 11:00 a.m, R3 6:00 p.m
12/28(水) R4 11:00 a.m, R5 6:00 p.m
12/29(木) R6 10:00 a.m, R7 4:30 p.m
12/30(金) free day
12/31(土) 現地発
01/01(日) 日本着

このNorth American Open へ一緒に参加するのは、私を含め日本から3人、ハワイから1人です。

吉村謙治: 87年生まれのチェスプレーヤーで一番の良心と言われますが、最近はアダルトチーム期待のルーキーでもあります。今チームの頼れる兄貴となるか、一週間過ごす中で見せてもらおうと思います。

唐堂: 2011全日本ジュニアチャンピオン。弱冠15歳ながら、すでにそうは思えない貫録を出しています。吉村君と共に初の海外公式戦ですが、今後日本のチェス界をリードする人材として好成績を期待しています。

ポール飯沼: 2009年全日本選手権4位。かつて大阪大学に留学しつつ、日本でチェスをプレーしていました。2009年Japan League 後は我が家に2泊し、トレーニングを行いました。会うのは2年と数カ月ぶり、とても楽しみにしています。

試合の結果がどうあれ、濃密で忘れがたい年末になることは間違いありません。大会の途中経過は6,7月同様、できる限りこちらのブログで報告しようと思います。それでは皆様、良いクリスマスをお過ごしください!

2011/12/23

国内戦績2011

今日は蒲田でクリスマスオープンが開催されました。私は前日まで迷っていましたが、結局参加を見送ったため、函館チェス大会が今年最後の国内公式戦となりました。年内で残っているのはおそらく、学生選手権のみでしょうね。学生の皆さん、頑張って下さい。

クリスマスオープンは2000台3人が2勝2ドローで、同率優勝でした。

さて、国内での公式戦がすべて終了したため、そのデータを今日は公開しようと思います。つい先日は、馬場さんもBehind the Scene で、今年の戦績を公開していましたね。私は各大会が終わるたび、対戦記録を細かく残していたため、集計はさほど大変ではありませんでした。

試合数: 71 (白: 37、黒: 34)
戦績: 54勝6敗11ドロー
勝率: 83.8%
平均レイティング: 1993
ベストトーナメント: Japan Open
ベストゲーム: Amgalanbaatar-Kojima,S / Japan Chess Championship

今年は初の勝率85%を狙っていましたが、東京オープンの2敗が響いたために、あえなく失敗。それでもなかなか良い数字を残せたと自負しています。参加した国内大会で崩れたのは、全日本と東京オープンぐらいで、他は優勝かそれに近い戦績でした。各大会の戦績はResults ページから確認ができます。

国内レイティング1月から40以上上がり、2400間近となりました。次の更新では少し下がりそうですが、それでも来年には2400に乗せたいと思います。そしてそれ以上に大切なことは、ここのところ失い続けているFIDEレイティングを取り戻すことですね!ラスベガスへの出発は二日後のクリスマスです。

2011/12/22

第三回小島チェススクール


昨日は北千住で、第三回の小島チェススクールが開催されました。参加して下さった9名の皆さん、誠にありがとうございました。今回のテーマは「IQPポジション」ということで、レクチャー前半はIQPにおける白黒の互いの理想的なセットアップを挙げてもらったり、そこからお互いの良い点、悪い点を考えてもらったりしました。

後半は私やGMの実戦から、IQPポジションの考え方や、手の作り方が分かりやすそうなゲームを紹介しました。

Levers,T-Kojima,S Cappelle La Grande 2011
17.Ra3!

Kramnik,V-Anand,V Dortmund 2001
15.d5!

Franklin,S-Kojima,S Japan League 2010
19...Nce7!

次回のレクチャーは、1/11(水)の18:15からです。内容は決まり次第、こちらと松戸チェスクラブのHPにて公開させていただきます。また次回以降もよろしくお願い致します。

2011/12/20

Concise Chess Middlegames


こちらは7月にアメリカで買ってきた本の中の一冊で、最近パラパラと読み進めています。イングランドのGM, Neil McDonald の著書で、第1章から11章までテーマ分けされたうえで、ミドルゲームの戦い方、考え方が紹介されています。

Adams-Hennigan
第3章 Attacking the King より

冒頭を読んだ限り、解説の仕方はトップGM の試合の途中局面を抜き出し、そこでどのようなアイディアがありうるか、という形が多いようです。上の局面では、14.Ba3 が一見自然に思え、それでも白がやや良いが・・・という導入から、本譜が紹介されます。そして驚くべきことに、ここから4手で白が勝ちます。

さらにこの本の最大の特徴は、10数センチ×10数センチというミニチュアサイズで、ポケットに入れて持ち運べるということです。同じシリーズのエンドゲームはギブアップしましたが、こちらは盤がなくても解説が分かりやすいので、私はコートのポケットに常備して、電車の中などで読んでいます。

2011/12/19

Singapore bites Malaysia

2011 Sarawak Open Chess Championship


おそらく日本では誰も注目していなかったトーナメントが、先日マレーシアで終了しました。最終結果は、シンガポールの期待のジュニア、Foo Benjamin, Eng Andre Jerome の二人が1,2フィニッシュです。私は二人とも面識があり、Foo Benjamin とは2008年のタイで試合をしています。これまでの私の、シンガポールボーイズとの対戦成績は以下の通り。

Kojima,S - Foo,B /1-0 /Thailand Open 2008
Tan,W - Kojima,S /0-1 /Soul Open 2008
Lo Kin Mun,D - Kojima,S /1/2-1/2 /Zone 3.3 2008

シンガポールはアジアの中でも、ジュニアの育成に強く力を入れていると、私は考えています。それを初めて実感したのは、2007年にWorld Youth Olympiad の日本代表コーチとして、シンガポールに渡った際のことでした。向こうではトレーニングの環境が充実しており、力のあるプレーヤーも多かったです。2007 World Youth でシンガポールチームの1ボードを務めた、Chan, Wei Xuan Timothy はすでにIMクラスの実力を持ち、オリンピアードの代表入りも果たしています。さらに後には、アルメニアのAshot Nadanian, グルジアのAzmaiparashvili といった有名なチェスコーチを自国に招いて、ジュニアの育成をしていることを知りました。

今回のトーナメントは2300台が二人しか参加しておらず、さほどレベルは高くありません。それでも10代の少年たちが上位を獲るのは、大変立派なことです。二人は今回の活躍により、レイティングを2200台に上げ、シンガポールジュニアの力をよりアジア各国にアピールするでしょう。私も彼らとの再戦を心待ちにするとともに、日本での今後のジュニア育成にもかかわっていきたいと思います。

ちなみに私たちのよく知る日本人も、このトーナメントに参加していたようですが、それについては詳細を語らないこととします。

2011/12/18

トレーニング+忘年会

今日は新宿で午前中から2時間、吉村君とラスベガスに向けたトレーニングをし、午後には唐堂君を混ぜて、さらに5時間チェス漬けでした。ラスベガスに向けた準備は万全、とは言えないかもしれませんが、あとは現地で全力を尽くすのみです。North American Open は26日夕方から試合開始、25日に日本を発ちます!


夜は新大久保に移動して忘年会でした。昨年は我が家で忘年会を行うという暴挙に出ましたが、今年は無難に店を予約、おいしい韓国料理屋でした。今日はいつもの3倍ほどのテンションでしゃべり続け、最後には声が枯れるほどでした。ちょっと早いかもしれませんが、チェス界の皆さん、今年も1年お疲れさまでした。

とりあえず全体写真。奥では後輩が先輩に酒を注がせる様子が・・・

年長組のお二人。いつもお世話になっています。

私が卒業後、慶應チェスクラブを支えてくれた四年生コンビです。

右の人が何か訴えているようですが、誰も聞いていません。

2011/12/15

Looking for the right rook road

今日は昼のトレーニングで、非常に勉強になるルークエンディングが出てきたため、それをご紹介します。解析にはコンピュータを使いましたが、よく分かっていない部分もたくさんあります。明後日の忘年会でのネタの一つになるでしょう。

Position after 49...Ke4

黒はポーンダウンですが、キングの位置が良く、dファイルのパスポーンをサポートできる点が反撃の糸口になりそうです。

50. Re6+!?


すぐにポーンを取りに行く手に対しては、黒は以下の様に指します。
50. Rxh6 d4 51. Kf2 d3 52. Rd6 Rb1 53. h4 g4 54. h5 Ke5 55. Rxd3 Rxb6


これはドローに持ち込めるのではないかと私は考えているのですが、簡単には判断できません。要検討ポジションです。

50... Kd3 51. Kf2 d4!? 52. Kf3


白は実戦的にチャンスの多い変化を選択しました。以下の二つの変化であれば、黒としては問題なくドローに持ち込めます。
52. g4 Kc2 53. Rd6 Kc3=, 52. Rxh6 Kd2=

52... h5 53. g4 h4 54. g3 hxg3 55. Kxg3 Kd2?!



黒はやや難しいラインを選んでしまいました。
55... Rb3 56. Kf2 Kc3 57. Rc6+ Kd3 58. Rd6 Kc4 59. Rg6 Rb2+ ならば特に難しくなく、ドローでしょう。

56. Kf3?!


悪い手ではないですが、黒の応対が簡単になります。黒がより正確に指さなければいけないのは、
56. h4! gxh4+ 57. Kxh4 Rd5 58. b7 Rd8 59. g5 Rb8 60. Rb6 d3 61. g6 Kc2 62. Rc6+ Kb2 63. Rd6 Kc2 64. g7 d2 65. Kg5 d1=Q 66. Rxd1 Kxd1 67. Kf6 Ke2 68. Ke6 Kd3 69. Kd6 Rg8 70. Ke6 Rb8 71. Kd6 Rg8=


という変化でした。最後の形はルークエンディングでは有名なモチーフです。

56... d3 57. Ke4 Rb4+ 58. Kf5 Rb5+ 59. Re5 Rxb6 60. Kxg5 Rd6=



ここまでくればドローにできることは間違いありません。ルークを切らせた後、2コネクテッドパスポーンを追いかけます。

61. h4 Kc2 62. h5 d2 63. Re2 Kd3 64. Rxd2+ Kxd2 65. h6 Ke3 66. h7 Rd8 67. Kf6 Rh8 1/2-1/2



ルークエンディングは、エンドゲームの中でも特に難解です。私もこの試合は何度も並べ直して復習しようと思います。

2011/12/14

第三回小島チェススクール予告

来週水曜は、今年最後の小島チェススクールが開催されます。第三回となる今回のテーマは「IQPポジション」とします。IQPとはIsolated Queen's Pawn の略で、孤立したdポーンを意味します。以下は典型的なIQPポジションです。


レクチャーではIQPという言葉を初めて聞く人のため、その定義と特徴の説明から始め、このようなポジションでは、白黒が互いに何を考えて指していけば良いか、またそれはどうしてかといったことを、実戦を紹介しつつ解説していく予定です。第一回、第二回の内容が分かっていると理解はしやすいと思いますが、初めての方が飛び込みで参加されても、全く問題ありません。皆さんのお越しをお待ちしています。

【日時】2011年12月21日(水) PM 18:15~20:30
【会場】東京芸術センター9階会議室(最寄駅:北千住駅)
【形式】レクチャー+質疑応答
【テーマ】IQPポジション
【参加費】1000円
【参加資格】なし
【主催】松戸チェスクラブ

2011/12/13

London Chess Classic


昨夜、London Chess Classic の最終ラウンドが行われ、長い戦いの幕が下りました。優勝はTal Memorial では全く冴えなかったKramnik, 2位には最終戦で勝ったNakamura が滑り込みました。

私はライブをChessbomb でずっと追っていましたが、今年は特に明暗がはっきりしたな、という印象です。八戦して、上位は四戦勝ち越しが一人、三戦勝ち越しが二人でした。、一方下位は五戦負け越しが一人、四戦負け越しが一人という結果で、完全に上が下を食い潰していると言えるでしょう。特に最下位に沈んだAdams は、もう若いトップGMたち(だけではないですが)についていけなさそうです。

しかしその一方で、二十代の優勝を阻んだKramnik はベテランとして、まだまだ存在感を示しました。上位四人とドロー、下位四人に勝ち(全員イングランドのプレーヤー)という安定ぶりも、彼らしいと言えばらしいです。2RでShort にFour Knights の超ドローラインを指されながらも、相手のわずかなミスに付け込んで勝ったのが、終わってみれば優勝への足がかりとなったのかもしれません。Kramnik は今回レイティングを14稼ぎ、2800台での争いも、今後さらに白熱しそうです。

Short, N (ENG,2698) - Kramnik, V (RUS,2800)
3rd London Chess Classic (2)

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 Nf6 4. Nc3 Nd4 5. Nxd4 exd4 6. e5 dxc3 7. exf6 Qxf6 8. dxc3 Bc5 9. Qe2+ Qe6 10. O-O O-O 11. Qf3 d6 12. Bg5 Qf5 13. Be7 Qxf3 14. gxf3 a6 15. Ba4 b5 16. b4 Re8 17. Rfe1 Bb6 18. Bb3 Bb7 19. Kg2 d5 20. Re5 c6 21. Rae1 Bc7 22. R5e2 Bc8 23. a4 Bd7 24. Bh4 Rxe2 25. Rxe2 Re8 26. Rxe8+ Bxe8 27. Bg3 Bd8 28. Be5 f6 29. Bb8 Bg6 30. axb5 axb5 31. Kf1 Kf7 32. Ke2 Ke6 33. Ke3 Bb6+ 34. Ke2 Bh5 35. Ba2 g5 36. Bb3 f5 37. Ba2 f4 38. Bb3 Kf5 39. Bd6 g4 40. Kf1 g3 41. fxg3 fxg3 42. Bxg3 Bxf3 43. Ba2 Be3 0-1


2011/12/12

帰京報告+α

昨日は函館から帰京したその足で四ツ谷と新宿を回り、年末のラスベガス大会に共に参加する二人と、トレーニングをしてきました。17日には吉村君、唐堂君と3人で集まって、出発前最後のトレーニングを行うつもりです。

今日は特別なネタもないので、パラパラと函館で撮った写真をアップします。例のごとく特別な観光はしませんでしたが、会場に向かう途中なども、カメラを手離しませんでした。

同時対局の最終試合がどのような結末を迎えるのかを、子供たちが見守ります。

函館山は薄く雪化粧されていました。

函館市内を走る路面電車。今回初めて乗車しました。

こちらが毎年函館チェス大会の会場となる施設、地域交流まちづくりセンターです。

会場には弘平君がオランダでゲットした、Anish Giri 直筆サイン入りボードがありました。

函館と言えば朝市。最終日には早起きをして、朝ごはんを食べに来ました。

いか

最終日は朝から雪が舞っていましたが、9時ごろにはかなり強く降ってきました。

函館チェスサークルのHPでは、早くもChessResults で結果を確認できるようにしたり、棋譜をViewer 付きで公開するなど、大会終了後も積極的に動いています。この辺りは関東のチェスクラブ、サークルも是非見習ってほしいですね。函館チェスサークルの山田さん、色々とお世話になりました!

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