2012/07/09

FS 2012 July 1st round - Young Star -

1R が抜け番だったので、正確には2R からのスタートですが、紛らわしいので1R と表記します。初戦は98年生まれの地元の少年に負け。Misha とも研究していた序盤で、途中良いと思っただけに悔しいです。

Kojima, S (FM, JPN, 2290) - Szajbely, Z (HUN, 2230)
First Saturday 2012 July IM (1)

1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. g3!?


先月まであまりにKing's Indian への勝率が悪いので、思い切ってFianchetto に切り替えます。

3... Bg7 4. Bg2 O-O 5. O-O d6 6. d4 Nbd7 7. Qc2 e5 8. Rd1 Qe7 9. Nc3 a6!?



ナイトよりも先にクイーンとルークの位置を決めるのが、用意していたセットアップです。9...a6 はあまり考えていませんでしたが、黒がc7-c6 と突きづらくなった(b6 のマスが弱まる。)ことをポイントに、プランを考えます。

10. e4 Re8 11. dxe5!?


セルビアでMisha とは、Understanding Chess Move by Move の、Nikolic-Gallagher 戦の研究をしましたしたが、その中であまり早すぎるセンターの交換は、黒にとって好ましいと学びました。しかし、この局面では、e7 のクイーンとe8 のルークの位置がベストではなく、センターを開いてd5 にナイトを運ぶプランが悪いとは思えませんでした。

11... Nxe5 12. Nxe5 Qxe5


12...dxe5 には、Bg5-Nd5 などがあります。私のメインのアイディアとは違い、e5 をクイーンで取り返してきましたが、白の基本的なプランは変わりません。

13. h3 Rb8 14. Bf4 Qe7


14... Qc5 15. b3 b5 16. Be3 Qh5=

15. Rac1



ここは丁寧に指すことを心がけ、将来的なc7 へのプレッシャーを見越してルークをcファイルに回しました。一方、すぐにナイトをセンターに運び、cファイルを開く手も悪くありません。

15. Nd5 Nxd5 16. cxd5+/= 黒はc7 のバックワードポーンがターゲットとなり、白が指しやすいことは明らかです。

15... Be6 16. b3 Nd7 17. Qd2?!


Qd2-Qa5 といったマヌーバリングを見越して指した手でしたが、後には不必要だったと思いました。c2 にいたままe4 を守り、c7 にプレッシャーをかけておくほうがベターでした。

17. Nd5 Bxd5 18. cxd5+/=

17... b5 18. Nd5!?


18. cxb5 axb5 19. Bf1! Bxc3 (19... b4 20. Nb5!+/- ナイトは完全にd5 に向かうものと考えていたので、このアイディアを見落としていました。) 20. Qxc3 Rec8 21. Be3+/=

18... Bxd5 19. cxd5 Nc5 20. Re1 b4!



何もしなければ、白からb3-b4 でナイトを追い払われ、cファイルにルークを重ねられてしまいます。そこで黒はb4 までポーンを進めたうえ、Bg7-Bc3 でcファイルのブロックを図ります。

21.Rc4?!


エクスチェンジを捨てるアイディアが、b5-b4 の前から頭にあり、他のアイディアがうまく思い浮かびませんでした。ベストはセンターポーンの突き捨てです。

21. e5!(白のビショップのダイアゴナルを開くとともに、黒のビショップのダイアゴナルを閉じます!) dxe5 22. Rc4! Qd6?! 23. Be3 Nd7 24. Rc6+/-

21... a5!?

黒はBg7-Bc3 からエクスチェンジを取ってきませんでした。そしてこの21手目のアイディアが理解できず、白は劣勢のポジションに自らを導いてしまいます。

22. Rec1 Bc3 23. R1xc3?


23. Qc2+/= とクイーンを避ければ、白はわずかなアドバンテージをキープし続けます。

23... bxc3 24. Qxc3


正直なところ、c4 にルークを残した形でのエクスチェンジサクリファイスは、白にとって好ましいと、次の手を見るまで考えていました。

24... Rb4!



攻めと守り両方の要であるc4 のルークを交換しにいきます。eファイルを突破されては、ダブルビショップでも抵抗は難しくなります。

25. Rxb4?!


25. e5!(eファイルを閉じるディフェンスの好手) Rxc4 26. Qxc4 dxe5 27. Be3 Nb7 28. Qb5 Nd6 29. Qxa5 ならば、まだドローチャンスがあります。

25... axb4 26. Qxb4 Nxe4 27. a4 g5 28. Be3 Qe5?!


28... Nxg3 29. Qg4 Qe5!=/+ (29... Ne4 30. a5! でアンクリアーというのが、試合中の読みでした。)

29. Qb7?



これが最後の決定的なミスになります。もっと時間を使い、ベストのディフェンスを考えるべきだったと後悔しています。

29. Kh2! f5 (29... Nxg3? 30. Bd4! Nf1+ 31. Kg1+-) (29... Qxd5 30. a5= d5を捨ててもパスポーンを進めれば、ドローチャンスがあるとは読めませんでした。) 30. Qb5 Rf8 ならば、まだ望みがあります。

29... Nxg3 30. Qxc7 Qa1+ 31. Kh2 Ne2 32. f4 Qe1 33. Bb6 Qg3+ 34. Kh1 Nxf4 35. Qc2 Re1+ 36. Bg1 Ne2 0-1


チェスは年齢でやるものではありませんが、これで10歳年下とは驚きです。気を取り直して、今日の試合に臨もうと思います。今日の対戦相手はハンガリーベテランIM の一角、Emil Szalancyi です。

昨日は試合後に西駅から、ブダ側にある奥山のSUSHI にバスで向かいました。この店は奥山さんという日本人が経営している寿司店で、この日はオープン12周年のパーティーが催されました。付き合いの短い私まで招待してもらい、大変恐縮です。そして奥山さん、毎回おいしいお寿司をありがとうございます。


パーティー終了後は、アンダンテの前管理人、近藤さんのギター演奏もありました。私の5月、6月のアンダンテでの生活は、近藤さんの食事に支えられていた(もちろん食事だけではありません!)と言っても過言ではありません。近藤さん、岬さん、2ヶ月間ありがとうございました!近藤さんを初め、多くの方が7月でブダペストを去るのは寂しいですが、私は残り一月半、こちらで頑張っていこうと思います。

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