10月のFIDE レイティング更新により、4年ぶりに2800台に復帰したプレーヤーがいます。それがブルガリアのGM Topalov Veselin です。Topalov は現在、レイティングが2800ジャスト、世界ランキングは3位につけています。
私が初めてTopalov を意識したのは、10年程前でしょうか。World Cup ではKasimdzhanov に準決勝で敗れて姿をしましたが、間違いなく2004-2006年にかけて、Topalov は絶頂期を迎え、世界でも最注目のプレーヤーの一人でした。2005年のLinares は、Kasparov が出場した最後の公式大会でしたが、その最終戦、Kasparov に土をつけたのがTopalov であり、その存在感を大いにアピールしたことを、今でもよく覚えています。
Topalov, V (GM, BUL, 2757) - Kasparov, G (GM, RUS, 2804)
Linares 22nd (14)
1. e4 c5 2. Nf3 Nc6 3. Nc3 e5 4. Bc4 d6 5. d3 Be7 6. O-O Nf6 7. Nh4 Nd4 8. g3 Bg4 9. f3 Be6 10. Bg5 Ng8 11. Bxe7 Nxe7 12. f4 exf4 13. Bxe6 fxe6 14. Rxf4 Kd7 15. Nf3 Rf8 16. Rxf8 Qxf8 17. Nxd4 cxd4 18. Ne2 Qf6 19. c3 Rf8 20. Nxd4 Nc6 21. Qf1 Qxf1+ 22. Rxf1 Rxf1+ 23. Kxf1 Nxd4 24. cxd4 d5?
25. Kf2 Ke7 26. Kf3 Kf6 27. h4 g6 28. b4 b5 29. Kf4 h6 30. Kg4 1-0
Linares 22nd (14)
Kasparov にとっては、ポーンエンディングでミスが出て悔いの残る最終戦だったと思いますが、それでもこのLinares はKasparov が優勝しています!
2005年は他にも、Sofia MTel Masters、San Luice で優勝、年が明けた2006年頭のCorus も、Anand とタイでトップでした。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだったTopalov ですが、Kramnik とのマッチで様々なトラブルがあってKramnik ファンから敬遠されるようになり、近年も多少は戦績を落としていました。しかし、今年はOlympiad での1B ボード賞を獲得するなどの活躍を見せ、2800への復帰を果たしたのです。
現在、世界のトップはCarlsen とCaruana が引っ張る形になっていますが、2005年以前にKasparov と争っていたプレーヤーたち、Anand, Kramnik, Topalov たちも、まだまだ負けてはいられないはずです。2005年のMTel Masters のような、Topalov が無双する大会も、再び見られることを楽しみにしています。
7 件のコメント:
COM山先生に聞いたところ 21...Qxf1の評判が悪いようです・・▼o・~・o▼ 汗
どうでしょう。ドローに持ち込めるのであれば、ポーンエンディングにしてしまうのも、一つの手段ですからね。検証します。
おお、南條くん、やりましたね! 朗報です。
27 h4 が疑問手でKg4のほうが良く 27...g6 が決定的な悪手で ...h6だとドローらしいです・・・?▼o・~・o▼ 謎
小島さんの活躍とブログをいつも楽しみにしています。はじめてコメントいたします。
小島さんのブログによくFIDEレートというのが出てきますが、どのようにしたらFIDEレートを
取れるのでしょうか?今後のブログで、その辺も詳しく教えていただければ幸いです。
小島さんの今後の活躍、IM獲得を心待ちにしております。
初めまして。コメント、ありがとうございます!
FIDE レイティングは、世界チェス連盟の定める公式戦で試合を行うことで獲得できます。日本国内では、5月の全日本選手権、8月のジャパンリーグのみがFIDE 公式戦となります。海外では毎日、どこかしらで公式戦が行われており、こちらのブログで最近扱ったものであれば、オリンピアード、ワールドユース、マレーシアオープンなどが、それにあたります。
今夜は南條くんのタイトルについての記事を書くつもりです。私も早く、IM が取れるよう頑張ります!
そうですね。私の手元の解説でも、そうなっています。シンプルそうに見えるポーンエンディングも、なかなか奥が深いです。
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