2015/02/10

Chess Lessons from Great Masters

最近、自分のチェスの勉強方法をどうしようかと思い直し、あらためて、ストラテジーやエンドゲームを学んでいます。手元にあるもので面白いなと思い、ここ数日見ているのは、アメリカのGM Seirawan の Winning Chess Strategies、そして元世界チャンピオン、Emanuel Lasker の Common Sense in Chess です。アメリカの元代表でもあるSeirawan の本は、ナイトビショップの差と働き方、ルークの活用などの基礎的な内容が多いですが、解説が丁寧で分かりやすく、非常に面白いです。私はチェスの上達において最も大切なことは、どれだけ基礎を理解できるか、だと思っていますので、それを振り返る意味でも、重宝する1冊です。

Seirawan, Y (GM, 2485) - Vukic, M (GM, 2485)
Nis 1979

1. c4 Nf6 2. Nc3 g6 3. g3 Bg7 4. Bg2 O-O 5. e4 c5 6. Nge2 Nc6 7. a3 a5 8. O-O d6 9. d3 Ne8 10. Be3 Nd4 11. Bxd4! cxd4 12. Nb5


12... Qb6 13. a4 Nc7 14. f4 Na6 15. h3 e5 16. f5 Bh6 17. h4 Bd7 18. Kh2 Nc5 19. Bh3! g5? 20. Nexd4!! exd4 21. Qh5 f6 22. Qxh6 Bxb5 23. axb5 g4 24. Rf4! gxh3 25. Rg4+ Kf7 26. Rg7+ Ke8 27. Qxh7 Kd8 28. b4 Kc8 29. bxc5 dxc5 30. h5 1-0


Lasker の扱う内容は古典だけですが、1900年近くに活躍したプレーヤーたちのゲームからも、私たちが学ばなければいけないことは山のようにあります。100年も前にこうしたチェスの研究がなされ、理論が体系化されていたことには、驚きを隠せません。


White to move and win

皆さんはこのポジションから、白が勝つ方法を見つけることができますか? Endgame Manual にも、逆サイドで載っているポーンエンディングの問題ですが、Corresponding Squares とTriangulation への理解が必要なので、そんなに簡単ではないはずです。答えの分かった方は、コメント欄にどうぞ。

Winning Chess Strategies はあと一息、Common Sense in Chess も今週中には読み終わるでしょう。次はReti のModern Ideas in Chess を読もうかと思います。(1920年のモダンなアイディアですがw) こうした勉強の成果は、すぐにゲームの中で結果に繋がらなくとも、必ずどこかで生きてくるはずです。

15 件のコメント:

Sniper_Boy さんのコメント...

いつも拝見させていただいております。上の問題はなんとか解けました。シンプルな形ですが、結構複雑な手順ですね。

ピカチュウ さんのコメント...

Sniper_Boy 様 先日chess.comで対戦いたしましたピカチュウと申します▼o・~・o▼将棋倶楽部24で怪しい5段であります▽o・~・o▽ 汗 問題はG.walker作 1841年 と本には書いてますがトライアングルの綴りはこれで良いのがが気になります・・・▽o・~・o▽汗

匿名 さんのコメント...

はじめましてチェスを覚えた老人ですあっているか分からないですが、
kf3 kh4 ke3 kg4 h3+ kg3 h4 kxh4 kd4 kg4 ke5 kf3 kxf5 ではないでしょうか。

Shin さんのコメント...

1.Kh3 Kg6 2. Kg2 Kh5 3. Kg3 Kg6 4. Kf3 Kh5 5. Ke2 Kh4 (5...Kg4 6.Ke3 Kh3 Kd4で白勝ち)6. Kd3 Kg4 7.Ke3 Kh3 8.Kd4で白勝ちでしょうか?

Shin さんのコメント...

初見では匿名さんの手筋を考えてみましたが、4...Kxh4 5. Kd4の後に5...Kg4ではなく5...Kg3!とされたら黒勝ちになると思います。5...Kg3 6.Ke5 (6.Ke3 Kg4) Kg4でツークツワンクになり、f4のポーンが落ちてしまうかと。

Shinya_Kojima さんのコメント...

Sniper_boy さん コメントありがとうございます。CHESS HEROZ でも、お世話になっています。いつもブログをご覧いただいているとのことで、光栄です。

ポーン2つ対1つのポーンエンディングは、見た目より複雑なものがとても多くあります。これをすぐに解けるとはさすがですね。

Shinya_Kojima さんのコメント...

ピカチュウさん この問題はEndgame Manual 19p 右下と同じ有名な形ですね。キングが3回動いて同じマスに戻り、手番を渡すTriangulation のスペルは、これで合っているはずです。

Shinya_Kojima さんのコメント...

匿名さん この問題は、すぐにキングがセンターから回ろうとしても、うまくいきません。Shin くんの指摘が正解です。私からも詳しく解説しますね。

Shinya_Kojima さんのコメント...

Shin これは初見はまずいだろう(笑) でも、すぐわかるのはさすがだね。俺も解説を書きます。

1.Kh3!

すぐにキングをfファイルに動かすのではなく、手番を入れ替えることによって、黒キングをhポーンから遠ざけます。

1...Kg6 2. Kg2 Kh5 3. Kg3

これで初期ポジションと同じですが、白番から黒番になっています。白キングは3手使って同じマスに戻ったのに対して、黒は2手で戻るしかないため、手番が入れ替わるのです。このように手番を入れ替えるテクニックを、Triangulation と呼びます。

3... Kg6 4. Kf3 Kh5 5. Ke2!

ここで3段目ではなく、2段目に行くことがポイントです。5... Ke3? Kg4! 6. h3+ Kxh3 7. Kd4 Kg3! は白が勝てず、ドローになってしまいます。ここでのポイントは、hポーンが残っている状態でのe3 とg4 は、互いのキングが先に入ってはいけないということです。白からのKe3 に対しては、黒はKg4 でドロー、黒からのKg4 に対しては、白はKe3 と指して勝ちです。こうした互いの対応するマスを、Corresponding Squares と呼びます。

5... Kh4 6. Kd3 Kg4 7.Ke3! Kh3 8.Kd4+-

白はhポーンを囮にして、f5 のポーンを取りにいくのですが、e3 のマスを単純に使うことができないので、こうした複雑な手順となるわけです。

シーム さんのコメント...

ぁぁ、、遅かったです。。。
仕事中に考えて(ォィw)、やっと白e3と黒g4の呼応点を外す三角法(日本で発刊されている入門書にはこう訳されていたと思います)を発見して、家に帰ってソッコーで書き込もうとしたら既に正解が出ていました。
イライシャ・グレイの気分ですww

ピカチュウ さんのコメント...

uは無いのかと思ったらあるみたいですね・・・▽o・~・o▽ m(_ _)m

http://en.wikipedia.org/wiki/Triangulation_%28chess%29

匿名 さんのコメント...

1minで解答みつけた

Shinya_Kojima さんのコメント...

シームさん shin くんから解答が出たので、私からも早めに解説を出してしまいました。また次回の書き込みをお待ちしていますね!

Shinya_Kojima さんのコメント...

ピカチュウさん mined squares のことがあったので、調べてから書きました(笑)

Shinya_Kojima さんのコメント...

匿名さん それは結構すごいと思います! ポイントが分かる人には、すぐ解けるのかもしれませんね。

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