今日のレクチャーは、過去最多の22名の参加者でした。20名を超えると席も足りず、チェスセンターでは手狭に感じましたね。参加者の皆さんには感謝しつつも、やや見えづらい位置になってしまった方には、申し訳なく思います。うまく工夫しますので、来月以降も盛況だと嬉しいですね。
今月はアジア初のチャンピオン、インドの Anand のゲームでした。白番1つ、黒番2つのゲームを並べましたが、私がチェックした Anand のゲームの中には、他にも沢山ご紹介したい、勉強になるポジショナルプレーがいくつもありました。その一部を、ここで紹介しておきましょう。
18...b5!
ダブルビショップを持つ白は、それをいかすためにc3-c4 と突きたいところですが、黒はここでbポーンを伸ばすことで、それを防ぎます。19. Bxb5 Qb8! と指せるのがさらなるポイントで、黒は両ビショップとh2 をターゲットにすることで、ポーンを取られないようにします。
ここは次にBxf6-Nxh7 のコンビネーションにどう対応するか迷うところですが...
17... Kh8!
この手は少し思いつきにくいかもしれません。私は最初、Rf8-Rd8 でなにがいけないのか分かりませんでしたが、17... Rfd8?! 18. Bxf6 gxf6 19. Bxh7+! Kg7 20. Be4! という手筋があり、白はポーンを掠め取ることができます。そこでh7 に先にキングを避けておくことで、h7 をビショップで取られた際に、チェックがかからないようにしておきます。これで黒が優勢になるわけではないですが、18. Bxf6 gxf6 19. Ne4 Bxe4! 20. Bxe4 Ra7= でも問題ないならば、黒は満足に指し続けることができるでしょう。
今日は派手なタクティクスのゲームもありましたが、こうした気づきにくく、細かいプレーができることも、Anand のチェスの魅力といえるでしょう。皆さんも、Anand のお気に入りのゲームがあれば、是非私にも教えてほしいと思います。
来月のレクチャースケジュールは未定ですが、必ず時間を作るつもりですので、また来月もよろしくお願い致します。世界チャンピオンシリーズも最後で、次はいよいよ Carlsen ですかね。
そして今日はバレンタインデーでしたね。チェス関係者からは、チェスピース型のチョコを貰ったという報告が多くありましたが、こちらも人気の惑星チョコを、チームメイトの長谷川さんから貰いました。ありがとうございます!
2 件のコメント:
Radjabov って誰やねん▽o・~・o▽ ということで調べましたところアゼルバイジャンの人で1987年生まれ 最年少でFIDE Top 100に入ったそうですよ▼o・~・o▼上記のゲームの時点では14歳か15歳だったんですねぇ・・・恐ろしい・・▼o・~・o▼
http://en.wikipedia.org/wiki/Teimour_Radjabov
ラジャボフはアゼルバイジャンを率いるGM で、ここ10年以上、世界トップクラスのプレーヤーとして活躍していますよ。2003年頃でしょうか、カスパロフに黒番で勝ったゲームは話題になりました。
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