2013/08/29

FIDE World Cup 2013 - Final Pairing -


ノルウェーのトロムソで行われているチェスのワールドカップも、昨夜、最後の2人まで絞られ、いよいよ決勝が始まります。ここまで残ったのは、元世界チャンピオンのKramnik と若手のAndreikin, ともにロシアのプレーヤーです。トロムソと言えば、来年のオリンピアード開催地であるため、大規模なチェストーナメントを開催して問題ないかのチェックも兼ねているのでしょう。

この大会は128名の世界中のプレーヤーがノックアウト形式で勝ち進むという、チェスの世界では珍しいスタイルです。世界選手権を控えたAnand, Carlsen がいないのは当然としても、他の強豪たちが揃って出場しているということで、開始前から大きな注目を集めていました。惇多くんは、我が家に泊まりに来たジャパンリーグ直前の夜に、誰が最後まで残るか予想をしていたほどです。そして蓋を開けてみると、1R からPolgar, Nepomniachtchi といった有名どころが消えるという波乱ぶりで、観戦している側としてはハラハラドキドキの展開が続いています。

昨日までで終了したセミファイナルでは、Kramnik (RUS) - Vachier-Lagrave (FRA)、Andreikin (RUS) - Tomashevsky (RUS) の両ペアリングで、ともにドローが続き、クラシカルからラピッドへと決着が持ち越しになります。そしてKramnik が黒番でVachier-Lagrave を破り、Andreikin が白番でTomashevsky を破って、決勝進出を決めました。

Vachier-Lagrave, M (GM, FRA, 2719) - Kramnik, V (GM, RUS, 2784)
World Cup 2013 (6.3)

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. d4 exd4 4. Nxd4 Bb4+!? 5. c3 Bc5 6. Be3 Bb6 7. Bd3 Nf6 8. O-O O-O 9. Nxc6 bxc6 10. e5 Nd5 11. Bd2 d6 12. c4 Ne7 13. Qc2 Ng6 14. exd6 cxd6 15. Nc3 Qh4 16. Rae1 Ne5 17. Re4?! Qh5 18. Be2?!


18... Qg6 19. Qd1 Bh3! 20. Bf3 Bf5 21. Rh4 Bc2! 22. Qxc2 Nxf3+ 0-1


もう一つのペアリングで姿を消したTomashevsky も、4R ではロシアの先輩、Morozevich との壮絶なマッチを制し、今大会中に世界中から大きく注目されました。決勝がKramink - Tomaschevsky にならなかったのは少し残念ですが、ベスト4 でも立派すぎる戦績です。今後の彼の活躍に期待することにしましょう。

決勝のKramnik - Andreikin は、今日1日の休みを挟み、明日金曜の日本時間夜10時スタートです。私は俄然Kramnik 派ですが、若手の台頭を期待する人も多いかと思います。おそらくクラシカルでは決着がつかず、タイブレークまでもつれるとは思いますが、皆さんで決勝の行方を見守りましょう!

World Cup 2013 Live Game

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