5月最終日の今日、日吉の公式例会に参加してきました。88年の同期対決が続き、初戦は弘平くんとドロー、2戦目は桑田くんに勝ちでした。両方勉強になるエンドゲームだったので、2戦目を公開しておきます。(写真は撮り忘れました...)
ここでdファイルを完全に明け渡してしまうのは、少しリスクがあるように見えます。21... Rcc8 と指すほうが良いでしょう。
白マスビショップを抑え込むことで優位に試合を進めてきた白が、ここで駒得を確定させます。抵抗したい黒は、なんとかh7 のビショップを使えるようにしなければいけません。
ここで伸ばしたポーンが、d6, f6 を抑えることでプラスに働くか、将来的な弱点となりうるかは、判断の難しいところでしょう。28. exf5 Bxf5 29. Rxb7 Bc2 と指すほうが良いのではないかというのは、桑田くんからの指摘ですが、考え直してみてもよく分かりません。来週のトレーニングで、再び考えてみようと思います。
私はこの手が変だと感じました。白のキングは上がる良いマスがないため、7段目でカットオフする必要はあまりありません。それよりも黒は、32... Kf7 から、自身のキングを上げるべきでしょう。
bポーンが進み始めると、白にとってぐっと楽な展開になります。
見落としがちなこの手で勝負を決定づけます。38... Rxc3 39. Rc7 Rb3 40. b7+- でも、黒はどうしようもありません。
全日本のゲームを見ていても思いましたが、桑田くんは、「白ならばこれぐらいのアドバンテージで、黒ならばこれぐらいの不満で、十分に戦える」という判断が、非常にうまいプレーヤーだと思います。(序盤で小さなことにこだわりすぎて、ポジションを早々におかしくしてしまうプレーヤーは、この考え方を学んでみると良いでしょう。)それでも、このゲームではもう少し早めに、h7 の抑え込まれたビショップに対する工夫を見せなければいけませんでしたね。私も同じラインを黒で指すため、他人事ではありません。
ただ、オープニングが満足に戦えるレベルであるならば、日本のプレーヤーはしっかりとエンドゲームを勉強するべきでしょう。私も弘平くんとの試合では、時間切迫とは言え、ドローのポーンエンディングを負けにするブランダーを指しました。対する弘平くんも、自分の勝ちに気付かずにブランダーを返すというミスの応酬でした。最もシンプルなはずのポーンエンディングさえ、実際に指してみると難しいものです。6月のレクチャーテーマは、エンドゲームにするべきか思案中です。
最後に、今日の日吉例会参加者の皆さん、お疲れ様でした。主催者の厚彦くん、今日はありがとう。また機会があれば、参加させてもらいます。
Kojima, S (FM, JPN, 2409) - Kuwata, S (JPN, 2141)
Hiyoshi Training (2)
1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nf3 Nf6 4. Nc3 dxc4 5. a4 Bf5 6. Ne5 Nbd7 7. Nxc4 Nb6 8. Ne5 a5 9. Bg5 h6 10. Bh4 e6 11. e4 Bh7 12. f3 Be7 13. Bf2 O-O 14. Be2 Nfd7 15. Nd3 Rc8 16. O-O c5 17. dxc5 Nxc5 18. Nxc5 Bxc5 19. Bxc5 Rxc5 20. Qxd8 Rxd8 21. Rfd1 Rdc8?!
Hiyoshi Training (2)
ここでdファイルを完全に明け渡してしまうのは、少しリスクがあるように見えます。21... Rcc8 と指すほうが良いでしょう。
22. Rd6 R5c6 23. Rad1 Kf8 24. Bb5 Rxd6 25. Rxd6 Nc4 26. Bxc4 Rxc4 27. Rb6
白マスビショップを抑え込むことで優位に試合を進めてきた白が、ここで駒得を確定させます。抵抗したい黒は、なんとかh7 のビショップを使えるようにしなければいけません。
27... f5 28. e5!?
ここで伸ばしたポーンが、d6, f6 を抑えることでプラスに働くか、将来的な弱点となりうるかは、判断の難しいところでしょう。28. exf5 Bxf5 29. Rxb7 Bc2 と指すほうが良いのではないかというのは、桑田くんからの指摘ですが、考え直してみてもよく分かりません。来週のトレーニングで、再び考えてみようと思います。
28... f4 29. Rxb7 Bc2 30. Rb5 Bxa4 31. Rxa5 Bc2 32. Rb5 Rd4?!
私はこの手が変だと感じました。白のキングは上がる良いマスがないため、7段目でカットオフする必要はあまりありません。それよりも黒は、32... Kf7 から、自身のキングを上げるべきでしょう。
33. h4 g5 34. hxg5 hxg5 35. Rb7 Rd2 36. b4!
bポーンが進み始めると、白にとってぐっと楽な展開になります。
36... Bf5 37. b5 Rc2 38. b6!
見落としがちなこの手で勝負を決定づけます。38... Rxc3 39. Rc7 Rb3 40. b7+- でも、黒はどうしようもありません。
38... g4 39. fxg4 Bxg4 40. Rc7 f3 41. b7 f2+ 42. Kf1 1-0
全日本のゲームを見ていても思いましたが、桑田くんは、「白ならばこれぐらいのアドバンテージで、黒ならばこれぐらいの不満で、十分に戦える」という判断が、非常にうまいプレーヤーだと思います。(序盤で小さなことにこだわりすぎて、ポジションを早々におかしくしてしまうプレーヤーは、この考え方を学んでみると良いでしょう。)それでも、このゲームではもう少し早めに、h7 の抑え込まれたビショップに対する工夫を見せなければいけませんでしたね。私も同じラインを黒で指すため、他人事ではありません。
ただ、オープニングが満足に戦えるレベルであるならば、日本のプレーヤーはしっかりとエンドゲームを勉強するべきでしょう。私も弘平くんとの試合では、時間切迫とは言え、ドローのポーンエンディングを負けにするブランダーを指しました。対する弘平くんも、自分の勝ちに気付かずにブランダーを返すというミスの応酬でした。最もシンプルなはずのポーンエンディングさえ、実際に指してみると難しいものです。6月のレクチャーテーマは、エンドゲームにするべきか思案中です。
最後に、今日の日吉例会参加者の皆さん、お疲れ様でした。主催者の厚彦くん、今日はありがとう。また機会があれば、参加させてもらいます。