2015/09/17

FIDE World Cup 2015


現在行われている海外大会の中で、最も注目が高いものと言えば、当然、FIDE World Cup でしょう。World Cup は、128名の予選を勝ち抜いたプレーヤーが1名になるまで戦う、チェス界では珍しいトーナメント形式の大会です。一昨年はトロムソ、今年はバクーで開催なので、翌年のオリンピアード開催地が選ばれていますね。

今年はここまで2R を終え、128名のプレーヤーは1/4 の32名まで減っています。2013年の世界チャンピオン挑戦者、イスラエルのGelfand と、2014年のWorld Cup 優勝者、ウズベキスタンのKasimdzhanov は1R で姿を消しました。さらに昨夜は優勝候補の大本命、Aronian が敗れる波乱も起こっています。

World Cup の形式はクラシカルを白黒1試合ずつ指し、それで決着がつかなければ、翌日のラピッドとブリッツに移行します。ラピッド2試合でも決着がつかなければ、ブリッツは最大で4試合、それでもタイのスコアであれば、1発勝負のアルマゲドンです。昨晩はイングランドのAdams とチェコのLaznicka の対戦がもつれにもつれ、9試合目のアルマゲドンに突入しました。

Adams, M (GM, ENG, 2742) - Laznicka, V (GM, CZE, 2676)
FIDE World Cup 2015 (2,9)

1. e4 d5 2. exd5 Qxd5 3. Nc3 Qa5 4. d4 Nf6 5. Nf3 Bf5 6. Bd2 e6 7. Bc4 Bb4 8. Ne5 Nbd7 9. Nxd7 Nxd7 10. a3 Bxc3 11. Bxc3 Qb6 12. O-O O-O 13. d5! Rfd8 14. Qf3 Nf8 15. Rfe1 Bxc2 16. dxe6 fxe6 17. Qg3 Bg6 18. h4!?



18. Rxe6! Nxe6 19. Qe5 Kh8 20. Bxe6 Rg8 21. Bxg8 Rxg8 22. Rd1+- という変化もありそうです。白は異色ビショップで駒数はイコールですが、g7 へのプレッシャーは強力で、非常にアクティブにプレーできます。

18... Qc5 19. Ba2 Qe7 20. Re5 Rd3 21. f3 h5 22. Rae1 Qf7 23. Rxe6!+- Rxc3 24. bxc3 Kh8 25. R6e2 Qf6 26. Re5 c6 27. Qg5 1-0


こうして白で勝たなければいけないゲームを勝ち(ドローならば、黒のLaznicka の勝ち扱いとなるのが、アルマゲドンのルールです。)、Adams が3R へと駒を進めました。今夜は早速、その3R のゲームが行われており、2年前の決勝と同じ、Kramnik - Andreikin が激突するなど、面白いペアリングになっています。最後の1人が決まるまで、しばらく目が離せない戦いが続きそうです!

FIDE World Cup 2015 Live

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