昨日は久々に、羽生さんとのトレーニングに臨んできました。8月にJapan League、名古屋オープンの連続優勝と好調だったため、そろそろ羽生さん相手の連敗も止めたいところでしたが、黒番では肝心なポジションでブランダーが出てしまい、あえなく負け。局面が見えていません。そして昼食後の午後の試合は、またいつもとは違った感じのゲームになりました。
Kojima, S (IM, JPN, 2400) - Habu, Y (FM, JPN, 2398)
Training
1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 e6 4. Nc3 Bb4!?
Training
羽生さんが黒を持ってQueen's Gambit Ragozin を指すのを見るのは、今回が初めてです。Semi-Slav やKing's Indian の他にも、黒番で使える強力なレパートリーを模索しているようです。
5. Bg5 Nbd7 6. cxd5 exd5 7. e3 c5 8. dxc5!?
これまで私が白を持って指したゲームでは、8. Bd3 c4 9. Bf5 Qa5 10. Qc2 O-O 11. O-O Re8 12. Nd2 g6 13. Bxd7 Nxd7 14. e4!? と進めて、2ゲームドローになっています。今回はこうした大人しいメインラインではなく、少し冒険してみようと思っていました。
8... Qa5 9. Rc1 O-O 10. a3 Bxc3+ 11. Rxc3 Ne4 12. b4 Nxc3 13. Qa1 Qa4 14. Qxc3 a5 15. b5 Nxc5!?
数年前、私も初めて見たときはこれは何なのかと目を疑いました。白がエクスチェンジを捨て、黒がピースを捨て返すこの激しい変化は、詳しく知らなければキャスリングの遅い白が一瞬で潰れてしまうでしょう。
16. Qxc5 Bd7 17. Be2!
試合後の検討戦では、17. Qc3!? Rac8 18. Qa1 Bxb5 19. Nd4 Bxf1 20. Rxf1+/= という変化を考えましたが、17. Be2 はそれよりも、白が良いのではないかと思います。
17... Rfc8 18. Qd4?
しかし、これがひどい手で、白は全てのアドバンテージを放棄してしまうことになります。18. Qxd5! Rc1+ 19. Bd1 Qxb5 (19... Bxb5 20. Kd2!! が私の見落とした手で、ビショップでb6 を取られたうえでキャスリングできないのは、かなり白がまずいと思ってしまいました。) 20. Qxb5 Bxb5 21. Nd4+/- このように進めば、白は2ピースルークで優位に試合を進めることができたでしょう。
18... Rc1+ 19. Bd1 Qxb5 20. Qd2 Rac8 21. Nd4 Qb1?!
ここは羽生さんに緩手が出ます。21... Qc4! 22. Ne2 Ra1 23. O-O Bb5!=/+ ならば、黒は全ての駒がよく働き、白にプレッシャーをかけている状態になります。
22. O-O??
それにしても、このブランダーはひどすぎました。きちんと確認をしたつもりでしたが、大事なところで読み抜けがあります。22. Ne2! であれば、勝負はまだまだ分かりません。
22... Ba4 23. Be2 Rxf1+ 24. Bxf1 Rc1 0-1
25. Qe2 Re1 でゲームオーバーです。負けは悔しいものですが、なかなか指す機会の無かったオープニングを試せましたし、サイドラインも色々と一緒に考えることができました。他にもa6 Slav や、Queen's Gambit Bf4 ラインでも、アイディアをお互いに出しあって勉強ができました。いつも思うのですが、一体いつチェスの勉強をしてるんでしょうか...
お昼ご飯は、最近のトレーニングで定番の沖縄料理。今回は映画や登山、他の店の沖縄料理など、チェスや将棋と関係ないことも多かったですかね(笑) また近く、羽生さんと指せる機会を楽しみにしています。
2 件のコメント:
いつも楽しくブログ読ませて頂いております。
羽生さんの影響でチェスに興味を持ったのですが、序盤からさっぱりわかりません。
序盤の定石などをブログに載せていただけたら、とてもありがたいです。
チェス初心者さん、ブログのチェックとコメント、ありがとうございます! 序盤の流れは細かく解説している記事もあるので、よかったら探してみてください。この試合のオープニングは、Queen's Gambit Ragozin と呼ばれるものですので、それで検索すれば、色々な説明も出でくると思います。
今後とも、よろしくお願い致します!
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