CAISSA 最終日のこの日、9月同様にIM Sarosi に白を持って戦います。すでに前日のSean 戦勝利でレイティングプラスを確定させていますが、最後を勝てば+16.5、ドローで+9、負ければ+1.5 なので、この日の結果次第でプラスの幅は大幅変動します。もちろん、ここまで来て負けるわけにはいきません。
Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sarosi, Z (IM, HUN, 2272)
CAISSA 2013 October IM (9)
1. Nf3 b5!?
CAISSA 2013 October IM (9)
これはまさかのSt. George になる予感(笑) 1. e4 a6!? や、1. d4 a6!? から入る手順が多いですかね。
2. e4 a6 3. d4 Bb7 4. Bd3 e6 5. a4!?
私の好きなアイディアです。早めにクイーンサイドから崩す手を入れておくことで、b5-b4 を突かせ、c4 のマスを使えるようにしておきます。
5... b4 6. O-O c5 7. dxc5!?
7. Nbd2 とナイトを展開する手もあると思いますが、私はc5 に来たビショップをターゲットにするプランをメインに考えます。(e4-e5, Nd2-Ne4 など)
7... Bxc5 8. Nbd2 d6 9. Nc4 Ne7 10. Ng5!?
黒は白のe4-e5 を警戒してセットアップを決めますが、f6 にナイトが来なかったことを見た私は、少し早めにキングサイドで仕掛けることを決めます。
10... Ng6 11. Qh5 Nd7 12. Kh1?
ところがこれが緩手でした。黒のNd7-Nf6 のディフェンスが来る前に、白はさらなるアタックを仕掛けなければアドバンテージをキープできません。12. e5! Bd5! (12... Ndxe5? 13. Nxe5 dxe5 14. Nxe6+/- 白マスビショップのダイアゴナルを開いたことで、このタクティクスが生まれるのがポイントです。) 13. exd6 13... Nf6 14. Qe2 Bxd6 15. g3+/= 確かにこれならば、白の指しやすいポジションが続きそうです。
12... Nf6 13. Qe2 O-O 14. f4 h6!
地味な一手ですが、ここでナイトを追い返すのが非常に良いアイディアです。最初はf2-f4 突けたことで満足しようと思っていましたが、ナイトを退こうとしてそう簡単ではないことに気づきます。それでも、白はナイトを退くほかありません!
15. Nf3
15. e5? hxg5! 16. Bxg6 fxg6 17. exf6 Qxf6-+, 15. Nxe6? fxe6 16. e5 Nh4!-+ これらの変化では、白は戦えません。
15... d5?!
この手は一般的には有効ですが、このポジションに限って言えば、白にとってありがたいと思っていました。15... Bxe4! 16. Bxe4 Nxe4 17. Qxe4 d5 18. Qe2 dxc4 19. Qxc4 Qd6=/+ このようにピースを2組捌いたうえで、白のセンターポーンを破壊するのが黒としてはベストでしょう。勝負はまだここからですが、白のアドバンテージは完全に消え、黒が指しやすいことは明らかです。
16. exd5 exd5 17. Nce5 Nxe5 18. fxe5?!
黒から緩手を貰い、まだまだ勝負はわからないだろうとなったポジションで、再び私の判断ミスです。冷静に考えれば、ラインを開くよりも長期的なターゲット(e5 の孤立ポーン) を作らないほうが重要であることに気づきそうですが、この時は恥ずかしながら、どちらで取り返すのがベターなのか分かりませんでした。18. Nxe5 Qc7 19. Be3 Ne4=
18... Ne4 19. a5 f6?!
fファイルを開くことは黒のプラスになりそうですが、白の最大の弱点である孤立ポーンを解消させてしまうことにもあります。19... Re8 20. Be3 Qc7=/+
20. Be3 Qc7!?
指された瞬間、何かの間違いかと思いましたが、先まで読んでいくと意外と難しいことがわかります。全部読み切ってはいませんでしたが、他にここからどう指すべきなのかわからず、自分の感覚を信じてピース交換を進めます。
21. Bxe4 dxe4 22. Qc4+ Rf7!
黒の最も分かりやすいディフェンスです。c7 のクイーンを守っておくことで、次のBxe3 を有効なスレットにします。22... Kh8? 23. Nh4! Rfc8 24. Qe6!! Bxe3 25. exf6 Bd4 26. f7 Rf8 27. Rad1 Bxb2 28. Rd7+- こちらの変化は難しいですが、Nh4-Ng6 は間違いなく、白のプラスになると信じていました。
23. e6! exf3
23... Re7!? 24. Qxc5 exf3 25. gxf3 Qxc5 26. Bxc5 Rxe6 27. Bxb4 Re2 28. Rac1 Rd8 と指しても黒はポーンの代償がありそうですが、本譜のように安全に指してももちろんOK です。
24. exf7+ Qxf7 25. Qxf7+ Kxf7 26. Rxf3!=
13年で2000局近い対局をこなしていても、まだまだ不思議な手が自分のゲームに登場します。Bxe3 とfxg2 がダブルスレットになっている白は、このオンリームーブでエクスチェンジを返し、ドローで満足するしかないでしょう。26. Rfe1? fxg2+ 27. Kg1 Bf8-/+
26... Bxf3 27. Bxc5 Be4 28. Bxb4 1/2-1/2
この異色ビショップで決着がつくことはありえないでしょう。ドローで合意して、ブダペストへの帰路につきます。この日行われた、Sean - Vamos, Minko - Lyell の結果は、アンダンテに戻ってからSean に連絡を取って聞きました。
10/19 16:30 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Farkas, T (IM, SRB, 2257) 1/2-1/2
10/20 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - FM Lyell, M (FM, ENG, 2259) 1-0
10/21 09:00 Meszaros, A (IM, HUN, 2299) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/21 15:00 Erdely, T (IM, HUN, 2144) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 0-1
10/22 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Hajnal, Z (IM, HUN 2346) 1/2-1/2
10/23 15:00 Vamos, V (HUN, 2175) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/24 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Minko, V (FM, RUS, 2312) 1/2-1/2
10/25 15:00 Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 0-1
10/26 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sarosi, Z (IM, HUN, 2272) 1/2-1/2
+3 Kojima, Minko, Lyell
+2 Hajnal
+-0Sarosi
-1 Vamos, Meszaros,
-2 Farkas
-3 Erdely,
-4 Sean
+2 Hajnal
+-0Sarosi
-1 Vamos, Meszaros,
-2 Farkas
-3 Erdely,
-4 Sean
なんとMinko はLyell に敗れたようです。私が見て居た限りでは、序盤でMinko が優勢になりましたが、Mark がじりじりと追い上げ、優劣不明になっていました。このゲーム勝ったというのは、若いロシア人にノームを簡単に取らせてなるものかという、ベテランMark の意地なのでしょう。10月のFS はマイナスでしたが、CAISSA では、彼はずいぶんレイティングを上げそうです。一方、リーダーだったMinko は、この大会でのノームはお預け。また次の大会で3つ目のノームを狙うことになります。
Sarosi 戦をドローにした私は、結局勝ち越し3、レイティング+9 で一足早く大会を終えています。現時点でのライブレイティングは2364 まで来たので、2400まではあと36上げる必要があります。来月中にここまで到達するチャンスがあるかどうかは、次のノビサドでの結果次第となるでしょう。1年4か月ぶりのセルビアには、明日の昼の列車で向かい、明後日夕方から試合スタートとなります!
ケチケメートから戻ってきて一夜明けた今日、朝9時にお寿司屋さんから電話を貰い、焼肉パーティーに招待されました(笑) 焼肉のほかにも、押し寿司や卵焼き、ほうれんそうのお浸しなどもあり、なかなか豪華なブランチとなりました。
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