2013/10/27

CAISSA 2013 October IM 9th round - A Sicilian Type Position -


野生のきのこ発見!

CAISSA 最終日のこの日、9月同様にIM Sarosi に白を持って戦います。すでに前日のSean 戦勝利でレイティングプラスを確定させていますが、最後を勝てば+16.5、ドローで+9、負ければ+1.5 なので、この日の結果次第でプラスの幅は大幅変動します。もちろん、ここまで来て負けるわけにはいきません。

Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sarosi, Z (IM, HUN, 2272)
CAISSA 2013 October IM (9)

1. Nf3 b5!?



これはまさかのSt. George になる予感(笑) 1. e4 a6!? や、1. d4 a6!? から入る手順が多いですかね。

2. e4 a6 3. d4 Bb7 4. Bd3 e6 5. a4!?


私の好きなアイディアです。早めにクイーンサイドから崩す手を入れておくことで、b5-b4 を突かせ、c4 のマスを使えるようにしておきます。

5... b4 6. O-O c5 7. dxc5!?



7. Nbd2 とナイトを展開する手もあると思いますが、私はc5 に来たビショップをターゲットにするプランをメインに考えます。(e4-e5, Nd2-Ne4 など)

7... Bxc5 8. Nbd2 d6 9. Nc4 Ne7 10. Ng5!?


黒は白のe4-e5 を警戒してセットアップを決めますが、f6 にナイトが来なかったことを見た私は、少し早めにキングサイドで仕掛けることを決めます。

10... Ng6 11. Qh5 Nd7 12. Kh1?



ところがこれが緩手でした。黒のNd7-Nf6 のディフェンスが来る前に、白はさらなるアタックを仕掛けなければアドバンテージをキープできません。12. e5! Bd5! (12... Ndxe5? 13. Nxe5 dxe5 14. Nxe6+/- 白マスビショップのダイアゴナルを開いたことで、このタクティクスが生まれるのがポイントです。) 13. exd6 13... Nf6 14. Qe2 Bxd6 15. g3+/= 確かにこれならば、白の指しやすいポジションが続きそうです。

12... Nf6 13. Qe2 O-O 14. f4 h6!


地味な一手ですが、ここでナイトを追い返すのが非常に良いアイディアです。最初はf2-f4 突けたことで満足しようと思っていましたが、ナイトを退こうとしてそう簡単ではないことに気づきます。それでも、白はナイトを退くほかありません!

15. Nf3


15. e5? hxg5! 16. Bxg6 fxg6 17. exf6 Qxf6-+, 15. Nxe6? fxe6 16. e5 Nh4!-+ これらの変化では、白は戦えません。

15... d5?!



この手は一般的には有効ですが、このポジションに限って言えば、白にとってありがたいと思っていました。15... Bxe4! 16. Bxe4 Nxe4 17. Qxe4 d5 18. Qe2 dxc4 19. Qxc4 Qd6=/+ このようにピースを2組捌いたうえで、白のセンターポーンを破壊するのが黒としてはベストでしょう。勝負はまだここからですが、白のアドバンテージは完全に消え、黒が指しやすいことは明らかです。

16. exd5 exd5 17. Nce5 Nxe5 18. fxe5?!


黒から緩手を貰い、まだまだ勝負はわからないだろうとなったポジションで、再び私の判断ミスです。冷静に考えれば、ラインを開くよりも長期的なターゲット(e5 の孤立ポーン) を作らないほうが重要であることに気づきそうですが、この時は恥ずかしながら、どちらで取り返すのがベターなのか分かりませんでした。18. Nxe5 Qc7 19. Be3 Ne4=

18... Ne4 19. a5 f6?!



fファイルを開くことは黒のプラスになりそうですが、白の最大の弱点である孤立ポーンを解消させてしまうことにもあります。19... Re8 20. Be3 Qc7=/+

20. Be3 Qc7!?


指された瞬間、何かの間違いかと思いましたが、先まで読んでいくと意外と難しいことがわかります。全部読み切ってはいませんでしたが、他にここからどう指すべきなのかわからず、自分の感覚を信じてピース交換を進めます。

21. Bxe4 dxe4 22. Qc4+ Rf7!



黒の最も分かりやすいディフェンスです。c7 のクイーンを守っておくことで、次のBxe3 を有効なスレットにします。22... Kh8? 23. Nh4! Rfc8 24. Qe6!! Bxe3 25. exf6 Bd4 26. f7 Rf8 27. Rad1 Bxb2 28. Rd7+- こちらの変化は難しいですが、Nh4-Ng6 は間違いなく、白のプラスになると信じていました。

23. e6! exf3


23... Re7!? 24. Qxc5 exf3 25. gxf3 Qxc5 26. Bxc5 Rxe6 27. Bxb4 Re2 28. Rac1 Rd8 と指しても黒はポーンの代償がありそうですが、本譜のように安全に指してももちろんOK です。

24. exf7+ Qxf7 25. Qxf7+ Kxf7 26. Rxf3!=



13年で2000局近い対局をこなしていても、まだまだ不思議な手が自分のゲームに登場します。Bxe3fxg2 がダブルスレットになっている白は、このオンリームーブでエクスチェンジを返し、ドローで満足するしかないでしょう。26. Rfe1? fxg2+ 27. Kg1 Bf8-/+

26... Bxf3 27. Bxc5 Be4 28. Bxb4 1/2-1/2


この異色ビショップで決着がつくことはありえないでしょう。ドローで合意して、ブダペストへの帰路につきます。この日行われた、Sean - Vamos, Minko - Lyell の結果は、アンダンテに戻ってからSean に連絡を取って聞きました。

10/19 16:30 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Farkas, T (IM, SRB, 2257) 1/2-1/2
10/20 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - FM Lyell, M (FM, ENG, 2259) 1-0
10/21 09:00 Meszaros, A (IM, HUN, 2299) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/21 15:00 Erdely, T (IM, HUN, 2144) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 0-1
10/22 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Hajnal, Z (IM, HUN 2346) 1/2-1/2
10/23 15:00 Vamos, V (HUN, 2175) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/24 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Minko, V (FM, RUS, 2312) 1/2-1/2
10/25 15:00 Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 0-1
10/26 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sarosi, Z (IM, HUN, 2272) 1/2-1/2

+3 Kojima, Minko, Lyell
+2 Hajnal
+-0Sarosi
-1 Vamos, Meszaros,
-2 Farkas
-3 Erdely,
-4 Sean

なんとMinko はLyell に敗れたようです。私が見て居た限りでは、序盤でMinko が優勢になりましたが、Mark がじりじりと追い上げ、優劣不明になっていました。このゲーム勝ったというのは、若いロシア人にノームを簡単に取らせてなるものかという、ベテランMark の意地なのでしょう。10月のFS はマイナスでしたが、CAISSA では、彼はずいぶんレイティングを上げそうです。一方、リーダーだったMinko は、この大会でのノームはお預け。また次の大会で3つ目のノームを狙うことになります。

Sarosi 戦をドローにした私は、結局勝ち越し3、レイティング+9 で一足早く大会を終えています。現時点でのライブレイティングは2364 まで来たので、2400まではあと36上げる必要があります。来月中にここまで到達するチャンスがあるかどうかは、次のノビサドでの結果次第となるでしょう。1年4か月ぶりのセルビアには、明日の昼の列車で向かい、明後日夕方から試合スタートとなります!


ケチケメートから戻ってきて一夜明けた今日、朝9時にお寿司屋さんから電話を貰い、焼肉パーティーに招待されました(笑) 焼肉のほかにも、押し寿司や卵焼き、ほうれんそうのお浸しなどもあり、なかなか豪華なブランチとなりました。

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