Minko とのトップ対決を控えたこの日、再び市場に顔を出してみます。上の写真は動物のぬいぐるみに巻き付けるマフラーのようなものらしく、ハンガリーで一般的な名前が入っています。日本だと観光地でのキーホルダーなんかにありますかね。これまで対戦したことのあるハンガリーのマスターたちの名前、Bela(IM Lengyel), Korpa(FM, Bence), Andras(IM Miszaros) なども見つかります。
こちらは牛乳屋さん。リッター20フォリント(約9円) という驚くべき価格で販売しています。お客さんは、ペットボトルを持参して牛乳を汲んでもらっていました。カッテージチーズになると、値段が50倍に膨れ上がるところも面白いです(笑)
今月のFS でWesterberg に敗れてから、またCatalan を指してみようと考えていました。もともとCatalan の勝率が悪かったり、嫌なラインがあって指すのをやめたわけではないのです。
まさかの今年のJapan League の三ツ矢さんとの試合と同じ変化になりました。Minko ならばメインの8... Bd7 と指すと思い、こちらはほぼチェックしていませんでした。
ここで三ツ矢さんとの試合と手を変えます。d4 にナイトが跳ぶ展開は歓迎なので、dxc5 は挟まずに単純にポーンを取り返しておきます。この形は、うまくいけば白が白マスビショップの働きの差で明確なアドバンテージを得られるはずなのですが、ここからちょっとした勘違いがありました。
e2-e4 とナイトを追い返す手が良いのか確信が持てず、躊躇してしまうような点が、ちゃんとしたマスターから見て、まだ私の甘いところなのでしょう。12. e4! Nb4 13. Qc3 cxd4 14. Nxd4 Nb6 15. Nxb6 Qxb6 16. Be3! (白マスビショップのダイアゴナルこそ一時的に塞いでしまいましたが、ピースの展開の差で白の大きな優勢は明らかです。) 16... Qa5 17. Bf3! Bf6 18. Nb3 Bxc3 19. Nxa5 Bxb2 20. Rab1 Bc3 21. Bc5+- ふぅむ。チェスとはこうして勝つのですね... 勝負は一瞬で決まっていました。
この手も面白いと思って指してみたのですが、ベストでありません。アンパッサンは誘われているような気がしたのですが、やはり白は取るべきです。14. axb6! N7xb6 15. Nxb6 Qxb6 16. Nc6 Bc5 17. e4! (このようにピースを取り合うようにぶつける形が果たして良いのか、確信が持てませんでした。) 17... Nb4 18. Nxb4 Bxb4 19. Be3!+/- やはりe2-e4 からナイトを追い返すことは、e3 で黒マスビショップが使えるようになるため、白のメリットが大きいようです。
黒として安全なチョイスだと思います。私が他に読んでいたのは、16... Rb8!? 17. Bxd5 exd5 18. Be3! (18. Ne3?! Rxb6 19. Nxd5 Re6 20. Nxe7+ Rxe7 21. Be3= こちらは明確にイコールです。) 18... Bd8 19. Nb4 Bxb6 20. Bf4! Ra8 21. Nxd5+/=
ここでMinko からオファーをされ、しばらく同色ビショップ(またもや!) とルークのエンドゲームで、白にチャンスがあるのかを考えました。結論として、19. Bxd5 Bxd5 20. Rxd5 Bxb6 21. Rd6 Rfb8 22. Bf4 f6 は黒に問題がないだろうと判断し、これを受けます。しかし、Minko からは、これは続けるべきなのではないかと言われました。黒はタイミングを見てa6-a5-a4 とクイーンサイドのポーンを進めるプランが簡単で、実際コンピュータの評価も白優勢から次第にイコールに切り替わるのですが、負けるリスクが低いならば、やはり続けるものなのかもしれません。
一方でこの日、隣のボードは衝撃的なことが起こりました。私の試合よりも早く終わったので、こちらもドローかと思いきや...
展開に勝る白は、一時的にポーンを取らせてもセンターをこじ開けます。この辺りの手の作り方は、Mark はさすがに上手いと言えます。
Oops! Sean は泥沼、今大会4敗目で、3つ負け越しの最下位に転落しました。チェスは恐ろしいゲームで、レイティングトップのプレーヤーでもこういったことがありえます。
10/19 16:30 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Farkas, T (IM, SRB, 2257) 1/2-1/2
10/20 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - FM Lyell, M (FM, ENG, 2259) 1-0
10/21 09:00 Meszaros, A (IM, HUN, 2299) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/21 15:00 Erdely, T (IM, HUN, 2144) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 0-1
10/22 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Hajnal, Z (IM, HUN 2346) 1/2-1/2
10/23 15:00 Vamos, V (HUN, 2175) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/24 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Minko, V (FM, RUS, 2312) 1/2-1/2
10/25 15:00 Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
10/26 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sarosi, Z (IM, HUN, 2272)
Minko は3つ勝ち越しをキープで、残りHajnal, Lyell, Vamos に2勝1ドローならば、3つ目のノームを獲得となるそうです。Vamos もまだ負けなしですし、残りの2人も今大会は調子が良いので簡単ではなさそうです。ロシアの少年にとっては、正念場のあと3戦となりそうですね。
私は残るところ、後は2試合です。3連勝中のうえ、今大会絶不調のSean には勝っておきたいところですが、果たしてどうなるでしょうか。4つ目のノームは消えたので、レイティングはなるべく持って帰りたいと思います。
こちらは牛乳屋さん。リッター20フォリント(約9円) という驚くべき価格で販売しています。お客さんは、ペットボトルを持参して牛乳を汲んでもらっていました。カッテージチーズになると、値段が50倍に膨れ上がるところも面白いです(笑)
Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Minko, V (FM, RUS, 2312)
CAISSA 2013 October IM (7)
1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 e6 4. g3!?
CAISSA 2013 October IM (7)
今月のFS でWesterberg に敗れてから、またCatalan を指してみようと考えていました。もともとCatalan の勝率が悪かったり、嫌なラインがあって指すのをやめたわけではないのです。
4... Be7 5. Bg2 dxc4 6. O-O O-O 7. Qc2 a6 8. a4 Nbd7!?
まさかの今年のJapan League の三ツ矢さんとの試合と同じ変化になりました。Minko ならばメインの8... Bd7 と指すと思い、こちらはほぼチェックしていませんでした。
9. Nbd2 c5 10. Nxc4!?
ここで三ツ矢さんとの試合と手を変えます。d4 にナイトが跳ぶ展開は歓迎なので、dxc5 は挟まずに単純にポーンを取り返しておきます。この形は、うまくいけば白が白マスビショップの働きの差で明確なアドバンテージを得られるはずなのですが、ここからちょっとした勘違いがありました。
10... Nd5 11. Rd1 Qc7? 12. a5?!
e2-e4 とナイトを追い返す手が良いのか確信が持てず、躊躇してしまうような点が、ちゃんとしたマスターから見て、まだ私の甘いところなのでしょう。12. e4! Nb4 13. Qc3 cxd4 14. Nxd4 Nb6 15. Nxb6 Qxb6 16. Be3! (白マスビショップのダイアゴナルこそ一時的に塞いでしまいましたが、ピースの展開の差で白の大きな優勢は明らかです。) 16... Qa5 17. Bf3! Bf6 18. Nb3 Bxc3 19. Nxa5 Bxb2 20. Rab1 Bc3 21. Bc5+- ふぅむ。チェスとはこうして勝つのですね... 勝負は一瞬で決まっていました。
12... cxd4 13. Nxd4 b5 14. Nb6?!
この手も面白いと思って指してみたのですが、ベストでありません。アンパッサンは誘われているような気がしたのですが、やはり白は取るべきです。14. axb6! N7xb6 15. Nxb6 Qxb6 16. Nc6 Bc5 17. e4! (このようにピースを取り合うようにぶつける形が果たして良いのか、確信が持てませんでした。) 17... Nb4 18. Nxb4 Bxb4 19. Be3!+/- やはりe2-e4 からナイトを追い返すことは、e3 で黒マスビショップが使えるようになるため、白のメリットが大きいようです。
14... Qxc2 15. Nxc2 N7xb6 16. axb6 Bb7
黒として安全なチョイスだと思います。私が他に読んでいたのは、16... Rb8!? 17. Bxd5 exd5 18. Be3! (18. Ne3?! Rxb6 19. Nxd5 Re6 20. Nxe7+ Rxe7 21. Be3= こちらは明確にイコールです。) 18... Bd8 19. Nb4 Bxb6 20. Bf4! Ra8 21. Nxd5+/=
17. Ne3 Bc5! 18. Nxd5 exd5 1/2-1/2
ここでMinko からオファーをされ、しばらく同色ビショップ(またもや!) とルークのエンドゲームで、白にチャンスがあるのかを考えました。結論として、19. Bxd5 Bxd5 20. Rxd5 Bxb6 21. Rd6 Rfb8 22. Bf4 f6 は黒に問題がないだろうと判断し、これを受けます。しかし、Minko からは、これは続けるべきなのではないかと言われました。黒はタイミングを見てa6-a5-a4 とクイーンサイドのポーンを進めるプランが簡単で、実際コンピュータの評価も白優勢から次第にイコールに切り替わるのですが、負けるリスクが低いならば、やはり続けるものなのかもしれません。
一方でこの日、隣のボードは衝撃的なことが起こりました。私の試合よりも早く終わったので、こちらもドローかと思いきや...
15. d5!
展開に勝る白は、一時的にポーンを取らせてもセンターをこじ開けます。この辺りの手の作り方は、Mark はさすがに上手いと言えます。
15... exd5 16. Rad1 Qb4??
17. Nxd5! 1-0
Oops! Sean は泥沼、今大会4敗目で、3つ負け越しの最下位に転落しました。チェスは恐ろしいゲームで、レイティングトップのプレーヤーでもこういったことがありえます。
10/19 16:30 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Farkas, T (IM, SRB, 2257) 1/2-1/2
10/20 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - FM Lyell, M (FM, ENG, 2259) 1-0
10/21 09:00 Meszaros, A (IM, HUN, 2299) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/21 15:00 Erdely, T (IM, HUN, 2144) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 0-1
10/22 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Hajnal, Z (IM, HUN 2346) 1/2-1/2
10/23 15:00 Vamos, V (HUN, 2175) - Kojima, S (FM, JPN, 2344) 1/2-1/2
10/24 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Minko, V (FM, RUS, 2312) 1/2-1/2
10/25 15:00 Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
10/26 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sarosi, Z (IM, HUN, 2272)
+3 Minko
+2 Kojima, Hajnal, Lyell
+-0 Vamos, Sarosi
-1 Meszaros,
-2 Farkas
-3 Erdely, Sean
+2 Kojima, Hajnal, Lyell
+-0 Vamos, Sarosi
-1 Meszaros,
-2 Farkas
-3 Erdely, Sean
Minko は3つ勝ち越しをキープで、残りHajnal, Lyell, Vamos に2勝1ドローならば、3つ目のノームを獲得となるそうです。Vamos もまだ負けなしですし、残りの2人も今大会は調子が良いので簡単ではなさそうです。ロシアの少年にとっては、正念場のあと3戦となりそうですね。
私は残るところ、後は2試合です。3連勝中のうえ、今大会絶不調のSean には勝っておきたいところですが、果たしてどうなるでしょうか。4つ目のノームは消えたので、レイティングはなるべく持って帰りたいと思います。
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