2014/11/20

Japan Open Tournament Preview Vol.2

秋のチェス界のビッグイベント、ジャパンオープンまであと2日と迫りました。エントリーリストを見ると、上位のメンバーは以下の通りでしょうか。

小島慎也 2441
Del Toledo, James Mann (IM FIDE 2388)
Averbukh, Alex 2294
Bibby Simon 2264
塩見亮 2215


前に伝えた通り、ブラジルのIM James Mannさんはジャパンオープンに参加します。星野さんからの連絡によれば、彼は明日日本に到着するとのこと。時差の影響なく、思い切りプレーできると良いですね。ブラジルの代表GM たちとも渡り合う彼と、試合ができることを楽しみにしています。

Diamant, A (FM, BRA, 2376) - de Toledo, J (IM, BRA, 2396)
73 Campeonato Brasileiro - Final 2006 (9)

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 a6 4. Ba4 Nf6 5. O-O Be7 6. Re1 b5 7. Bb3 d6 8. c3 O-O 9. h3 Nb8 10. d4 Nbd7 11. Nbd2 Bb7 12. d5 c6 13. dxc6 Bxc6 14. Bc2 Qc7 15.
Nf1 Rfe8 16. Ng3 Bf8 17. Bb3 Nc5 18. Bc2 Qb7 19. Qe2 d5!=/+


20. exd5 Bxd5 21. Bg5 Nfd7 22. Rad1 h6 23. Be3 Rad8 24. Bb1 g6 25. Nh4 Nf6 26. Qc2 Ne6 27. Qc1 g5 28. Rxd5 Qxd5 29. Nhf5 Nf4 30. f3 Re6 31. Qc2 h5 32. Kh2 h4 33. Bxf4 hxg3+ 34. Bxg3 Qd2 35. Qb3 Nh5 36. Re4 Nf4 37. Bxf4 gxf4 38. a4 Qf2 39. Ne3 Rd2 40. Ba2 Rxb2 41. Qd5 Rxa2 42. axb5 Rg6 0-1


他にも、中部快速は残念ながらキャンセルとなったSimon や、トロムソのチームメイトであるAlex の名前も確認できます。南條くんや羽生さんは不参加ですが、今年も上位勢のメンツは厚そうですね。現在のエントリーは35名だそうですので、もう少し伸びてもらえればと思います。

ジャパンオープンエントリーリスト

そして、明日からは三田祭がスタートします。土曜から月曜日はジャパンオープンであるため、私は明日の13時頃に顔を出すつもりです。また、明日の夜には1つ、発表できることがありますので、そちらの記事もお楽しみに! それでは明日、三田祭にに行く人は慶應三田キャンパスでお会いしましょう。後輩たちは4日間、頑張って下さいね。

2014/11/17

A Birthday Weekend


Photo by Kawanaka

先週土曜日、11月15日には池上のチェスセンターで、Kasparov のゲームを扱ったレクチャーを行ってきました。Kasparov の見せる攻撃的なピースのプレーは、多くのチェスファンを魅了しているでしょう。レクチャーで扱わなかったゲームを1つ載せておきます。


Kasparov,G - Leko,P/ Linares 2001(6)
Position After 20... Qxa4

21. c5!


Kasparov はまず、閉じた白マスビショップのラインをこじ開け、ディスカバードアタックを狙います。

21... Qb4?! 22. Ne4!



ビショップの次に意識を向けるのはナイトです。このナイトは、白のセンタポーンと合わせて芸術的なコンビネーションを生み出します。

22... Qxb2 23. cxd6 Bf8 24. c3! f5 25. d7 Red8 26. d6+ Kh8 27. Nc5 Bc6 28. Nd3!


ナイトは忙しく飛び回り、ポーンを回収してさらなるマスを目指します。

28... Qxc3 29. Nxe5 Be4 30. Nf7+ Kh7 31. Ng5+ Kh8 32. Nxe4 fxe4 33. Qd5+-



最終的にナイトはディフェンスのかなめであるビショップを消し去り、勝負ありです。

33... Kh7 34. Qg8+ Kg6 35. Bf7+ Kf6 36. Bd5 1-0



Photo by Makita

そして、この日は私の26歳の誕生日でした。この2年、ブダペストで誕生日を迎えてきましたので、日本で皆さんに直接お祝いの言葉をいただくのは3年ぶりです。Facebook やメールでも、多くのメッセージをありがとうございました! これからも頑張ってチェスを続けていきますので、あらためてよろしくお願いします。プレゼントもジャパンオープンで受け取りますので、ご自由にどうぞ(笑)


さらに翌16日は、上野公園でチェスの対局、撮影を行ってきました。こちらは東京芸術大学の学生さんの依頼で、空間作りをテーマとした卒業制作のお手伝いです。私が依頼されたチェスのレッスンや対局はその一部で、他にはバンドやカフェ、相撲や占いなどをやっている日もあります。そしてそれら全ての道具が残っているため、非常に不可思議な空間でのチェスとなりました(笑) 依頼者の卒業制作発表は1月末だそうですので、それまでに私も帰国して、見に行きたいですね。

それでは皆さん、次は今週末のジャパンオープンか三田祭でお会いしましょう。私は三田祭には、初日の21日(金)、午後の早い時間に顔を出すつもりです。

2014/11/14

Sochi 2014 Carlsen vs. Anand Vol.1


世界チャンピオンのタイトルを争う2人、Chess News より

現在、ロシアのソチで世界チャンピオンの座をかけたマッチが行われています。Carlsen とAnand によるマッチは2回目ですが、今年は昨年とは立場が逆で、Anand が挑戦者です。2戦目でCarlsen が見事な勝利を収めたことで、今回も何事もなくCarlsen が勝つかと思ったファンも多いでしょう。ところがインドの虎は3戦目で牙をむきます。

Anand, V (GM, IND, 2792) - Carlsen, M (GM, NOR, 2863)
Sochi (3)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 d5 4. Nc3 Be7 5. Bf4 O-O 6. e3 Nbd7 7. c5 c6 8. Bd3!?



Queen's Gambit Bf4 Variation は、私も白で愛用する変化です。黒の6... Nbd7 に対してクイーンサイドのポーンを固めるのは、古くからある白のプランですが、8手目は私にとって少し意外でした。ここで8. h3 と指せば、黒のBc8-Ba6 のアイディアに対して、白は1テンポ得でビショップを交換できるためです。

8... b6 9. b4 a5 10. a3 Ba6


使いづらいc8 のビショップを、このように交換しにいくのは黒としてロジカルなアイディアです。

11. Bxa6 Rxa6 12. b5!? cxb5 13. c6 Qc8!



13... Nb8? 14. c7+- はダメなので、黒はこの手以外にありえません。この変化は研究がだいぶ進み、黒もなんとかさせることが分かっていますが、それでもc7 に刺さった白のポーンは、実戦的には黒にとって嫌な存在であることは間違いないと思います。

14. c7 b4 15. Nb5 a4! 16. Rc1 Ne4 17. Ng5!?


最初、棋譜を並べていては、この手は何事かと目を疑いましたがよく考えてみれば、e4 のナイトとe7 のビショップが消えれば、Nb5-Nd6 が決定的になることが分かります。ナイトを交換するだけならば、17. Nd2 もありますが、それには17... Nc3!? とポーンを返す手で、黒は大きな問題がなさそうです。

17... Ndf6 18. Nxe4 Nxe4 19. f3 Ra5?



上記と同じく、19... Nc3 20. Nxc3 bxc3 21. Rxc3 b5 と指し、ポーンを返してしまうのが安全策だったでしょう。この変化はストレートに白が良くなります。

20. fxe4 Rxb5 21. Qxa4 Ra5 22. Qc6 bxa3 23. exd5 Rxd5 24. Qxb6 Qd7 25. O-O Rc8 26. Rc6!


このポジションは2008年に指されたTomashevsky - Riazantsev とほぼ同じ形です。(その試合では、8. h3 と指したため、白のポーンがh3 にあります。) この試合での白の勝ち筋をAnand は研究していたのでしょう。Carlsen がNe4-Nc3 からのポーンの返しを見落としたのか、指さなくても大丈夫だと読んだのかは分かりませんが、この試合はAnand の研究が生きたゲームでした。

26... g5 27. Bg3 Bb4 28. Ra1 Ba5 29. Qa6 Bxc7 30. Qc4 e5 31. Bxe5 Rxe5 32. dxe5 Qe7 33. e6 Kf8 34. Rc1 1-0



Carlsen とAnand のマッチは、2-2 のスコアで全体の1/3 である4戦を終え、今日が5戦目です。Anand が再び白を持つ今夜の試合も、なかなか面白い展開になっているので、是非チェックしてみてください!

Sochi 2014

2014/11/12

The Highest Level Training in Japan in November 2014


今日は4か月ぶりとなる、羽生さんとのトレーニング日でした。みすずのイベントやIVL での対戦、そしてGreg との交流会もあったので、そんなに間が空いた気はしていませんでした。しかし考えてみれば、8月は半月、オリンピアードもありましたし、羽生さんもお忙しいですからね。私が先に黒を持ち、いつも通りラピッド 2局のスタートです。

Habu, Y (FM, JPN, 2415) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)
Training (1)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nc3 Nf6 4. Nf3 e6 5. Bg5 dxc4 6. e4 b5 7. e5 h6 8. Bh4 g5 9. Nxg5 hxg5 10. Bxg5 Nbd7 11. exf6 Bb7 12. g3 c5 13. d5 Nxf6!?



羽生さんとの2回目のSemi-Slav Botvinnik Variation ですが、今度は私が黒です。5年ほど前に見つけたこのラインは、黒が十分に戦えると信じています。もちろん、メインの13... Qb613... Bh6 も有望な手です。

14. Bg2 Be7 15. O-O Nxd5 16. Bxe7 Kxe7 17. Nxb5 Qb6 18. Na3 Rh4 19. Qf3!?


これは私にとって予期せぬ手でしたが、実戦例もあるようです。最もポピュラーな変化は、19. Qd2 Nf4! 20. Nxc4 Qa6 21. Rfc1 と進むもので、これまでうろ覚えではありましたが、今日の羽生さんとの検討の中で、お互いばっちりと理解できました。ちなみに私は最初、19... Nf4 からRh4-Rxh2+ で勝ちだと思っていましたが、クイーンにb7 のビショップを取られる手は、チェックなのでした(笑)

19... Rg8! 20. Rac1 Qa6 21. Rfd1 c3! 22. Rxd5!



羽生さんは「ここはもうエクスチェンジサクリファイスをするしかないでしょう」とおっしゃっていましたが、そうしなければ黒が大きく優勢であるということを瞬時に見抜くのはさすがだと思います。とは言え、ここは黒も21... c3 以外にうまい手がないため、このサクリファイスを受け入れなければなりません。

22... Bxd5 23. Qxc3 Bxg2 24. Qxc5+ Kf6!?


ここは時間のない中、キングが上がる決断をしました。2ポーンエクスチェンジのマテリアルのエンドゲームでの正確な形勢判断は、私の苦手とするところです。24... Qd6 25. Qxd6+ Kxd6 26. Kxg2 このポジションはこのゲームの検討戦でのメインでしたが、なかなかこの先の変化は難しくなりそうです。

25. Qc3+ Ke7 26. Kxg2 Qb7+



ここでは、黒はドローで満足すべきだったでしょう。しかし、シンプルな手順が分かりませんでした。26... Qe2! 27. Qc5+ Kf6 28. Qc3+= 黒からQe2-Qg4-Qh3+ がある以上、ドローを避けることはできないでしょう。

27. Kg1 Rb4?


この試合、お互いにとって初めてといえる悪手で大きく形勢は傾きました。27... Qd5! ならば、まだ勝負はわかりません。

28. b3 Rd8 29. Nc4+/- Rd5 30. Ne3 Rd6 31. Qe5 Kd7 32. Qf6 Ke8 33. Nf5 exf5 34. Qxd6 Re4 35. Rd1 1-0



2ポーンエクスチェンジというマテリアルであっても、ナイトが安定したマスを確保したうえで、不安定なキングを攻めて白はチャンスを得ました。クイーン交換からのエンドゲームに思い切って跳びこめなかったことと、確実なクイーンでのカウンタープレーでドローチャンスを逃したことは、このゲームの反省点です。



お昼ご飯は近くでオムライス。先日ブログで情報を出した、国際将棋フォーラムのことや年末の大会のことを話していました。やはり静岡には私も行きたいですね(笑) チェス界の誰か、現地に行ってレポートをよろしくお願いします! それでは続いて、午後の試合へ。

Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Habu, Y (FM, JPN, 2415)
Training (2)

1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. Nc3 Bg7 4. e4 d6 5. d4 O-O 6. Be2 e5 7. O-O Nc6 8. d5 Ne7 9. b4 Nh5 10. Re1 f5 11. Ng5 Nf6 12. f3



今日は気分を変えてBayonet を指してみました。現在はFianchetto を採用していますが、私はBayonet をかつてメインのKing's Indian 対策としており、高い勝率を残していました。日本でBayonet を指すプレーヤーは、不思議と12. Bf3 からのエクスチェンジサクリファイスラインが好きなようですが、私はこちらの12. f3 を愛用しています。

12... c6 13. Be3 Bh6


この変化は3年前、チーム選手権で国府さんと指したことがあり、その時にしっかり勉強しました。私としては、Bg7-Bh6 のラインは白がやや良くなるため、12... Kh8!? のラインが、黒としては楽しみがあるのではと、試合後に羽生さんと話をしています。

14. h4 Nh5?



ここは黒としては、cポーンを先に交換しておかなければいけません。c4-c5 はBayonet において最も警戒すべき白の攻めであり、センターと白マスビショップの利きを同時に開かれは厳しい展開となります。14... cxd5 15. cxd5 f4 16. Bf2 Bxg5 17. hxg5 Nh5

15. c5!+/- dxc5 16. bxc5


羽生さんはナイトを捨てるつもりで本譜の手を指したそうですが、16. d6 cxb4 17. Qb3+ Kg7 18. Qxb4! Ng8 19. exf5 gxf5 20. Rad1+- 白にはこうしてナイトを無視し、ポジションを完全に抑え込む選択肢もありました。ルークに支えられたセンターのパスポーンは強力で、白のポジショナルアドバンテージが決定的であることは明らかです。

16... fxe4 17. fxe4 cxd5 18. Nxd5 Nxd5 19. Qxd5+ Qxd5 20. exd5+/-



私は、白のアドバンテージはこれで十分だと思いました。dファイルのパスポーンは白にとって強力な武器なので、これを脅しに使いつつ、他のポイントでも手を作りにいきます。

20... Nf4 21. Bc4 Bxg5 22. hxg5 Rf5 23. Rab1!+-


白はg5 を落としても、b,e ファイルを支配したルークの力で勝負を決めにいくことができます。黒はクイーンサイドのピースが出せないことが、ここにきて響きます。

23... Rxg5 24. Bxf4 exf4 25. Re8+ Kg7 26. Kf2!



白としては何を指すか迷うところではありますが、焦らずにキングが上がってf3 のマスを抑えれば、黒は何もできないと判断しました。

26... b6 27. c6 Kf7 28. Rbe1 1-0


白はすっきりと勝てて一安心。羽生さんとのラピッドは、ここまで完全に五分の勝率で、今年のトレーニングを終えています。羽生さんとの次のトレーニングは、私がハンガリーから帰国する来年以降になりそうですね。羽生さん、今年も1年、ありがとうございました!


そして今日は、羽生さんからNew In Chess Yearbook 78をお借りしました。8年前の号ですが、羽生さんとPeter Wells のゲーム解説が載っています。日本のプレーヤーならば、一度は並べたことがあるかもしれませんね。


最後はおまけ。羽生さんが「最近、ここ並んでるんだよね」と紹介してくれた自由ヶ丘駅前の店は、私も噂に聞いていたチーズタルトの専門店でした。20分ほど並んで6個購入。そのままでも美味しいですが、冷凍庫で凍らせるのもおススメのようです。

2014/11/11

FM Yoshiharu Habu vs. GM Peter Heine Nielsen


日本将棋連盟にも情報が掲載されたので、こちらでも発表してしまいましょう。来月の12月に静岡で開催される第6回国際将棋フォーラムにて、羽生さんとデンマークのトップGM Peter Heine Nielsen の公開チェス対局が行われます。Nielsen は昨年も来日し、上智大学チェスサークルの協力で、リトアニアのGM Viktorija Cmilyte(現在、Nielsen の奥さんです) と一緒に、同時対局イベントを開催しています。ちなみにNielsen は、今回の国際将棋フォーラムのデンマーク代表選手でもあります。


Cmilyte、Nielsen と、2人から同時対局でドローを取った南條くん

羽生さんとNielsen の対局イベントは、12/7(日) に開催されます。解説はピノーさんと、そして佐藤康光九段と発表されており、こちらもとても楽しみな情報になっていますね。佐藤九段といえば、10年以上前にフランスのGM Joel Lautier が来日した際、羽生さん、森内さんとともに、3面同時対局を行ったプロ棋士です。その棋譜を見る限り、チェスも相当な実力だと思います。Lautier の来日以来、日本のチェスイベントに佐藤九段が登場するのは初めてのことでしょう。


昨年の同時対局イベントでのNielsen

私はハンガリーにいるために、この時期、静岡に行くことはできませんが、時間の取れたチェスファンは是非静岡まで足を運んでいただければと思います。メインとなる国際将棋フォーラムの将棋対局には、スイスのGM Pelletier 、ブラジルのIM Mann De Toledo、モンゴルのFM Genden たちの名前も確認できます。将棋ファン、チェスファンにとって、非常に興味深いイベントになると思いますので、盛り上がることを遠くハンガリーから期待しています!

第6回国際将棋トーナメント」代表選手


2014/11/09

A Busy Sunday


今日は移動の多い、あわただしい1日でした。午前中は大崎のバイリンガルチェスクラブから、茗荷谷のお茶の水女子大学へ。私がチェスを教えている、カナダ人の男性を連れていきました。お茶の水女子大学チェスサークルの出展は、教室1室を丸々借りて、ボードを6~8つほど用意していましたかね。お客さんに対してのお菓子のサービスも、良い心遣いだったと思います。お茶の水女子大学チェスサークルの皆さん、2年連続での徽音祭出展、お疲れ様でした!


photo by Yumiko Hiebert

正午過ぎに現れた弘平くん、蒔田くんとバトンタッチし、次は茗荷谷のお隣、後楽園へ。私のブログでは告知していませんでしたが、今日は大江戸チェスクラブ主催の大江戸スカイオープンが、後楽園の文京シビックセンターで開催されました。スカイオープンの売りは、駅前にある高層タワーの26階という好ロケーションでの試合です。私も10年ほど前、東京チェスの会の大会会場として、足を運んだきりでしたので、とても懐かしかったですね。こちらの大会も参加者が40名を超え、前年以上の盛況だったようでなによりです。


後楽園の後は渋谷でレッスンをし、その後は池上のチェスセンターへ。こちらも告知していなかったのですが、先週のGreg に引き続き、アメリカのIM Dmitri Shneider が金曜から来日中だったのです。IVL メンバーにも声をかけましたが、結局集まったのはAlex、南條くん、そして私だけでした。遅れていった私はDmitri とブリッツを2局指し、白で勝ち、黒で負けという結果です。両方内容は良かったのですが、南條くん、Alex と散々指して、Dmitri はお疲れ気味でしたので、実力だけで勝ったわけではないですね(笑)

現在は香港で仕事をしているというDmitri は、今夜の便で帰国するそうです。短い交流でしたが、強豪IM と指せて嬉しかったです! 今回のように月に3人のIM が、相次いで来日するのは初めてのことでしょうかね。次はJapan Open まで、ブラジルのIM James Mann De Toledo の来日を待ちましょう!

2014/11/08

学祭シーズン 2014 Autumn


3年前の三田祭での、チェスクラブ出展

11月は各大学で学祭のシーズンとなります。チェスサークルのある首都圏の大学も、各学祭でチェスのできるブースを出展しているところが多いようですね。各大学の学祭スケジュールについては、こちらのブログの記事が分かりやすいと思います。先週末に終わった、上智大学のソフィア祭とつくば大学の雙峰祭のレポートも、最新の記事から読むことができます。

私は名古屋遠征のために、ソフィア祭には行けませんでしたので、明日はお茶の水女子大学の徽音祭に、昼前にでも顔を出してみようかと思っています。明日、お茶の水女子大学に行く予定の人は、茗荷谷でお会いしましょう。月末の三田祭は、ジャパンオープンと開催日程がかぶっているために今年も行けそうにないのが残念です。三田に顔を出す予定の人は、後輩たちのことをよろしくお願い致します。

11/8-9 お茶の水女子大学(茗荷谷)
11/21-24 慶應義塾大学(三田)
11/22-24 東京大学(駒場東大前)

2014/11/06

Chess Tactics Calculation Vol.1

今日は中部快速のゲームから、1つポジションをお見せするので、白番で何を指すか考えていただきたいと思います。最終戦の石井さんとのゲームです。

Kojima, S (FM, JPN, 2441) - Ishii, I (JPN, 1929)
Chubu Rapid Open (6)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nf3 Nf6 4. Nc3 e6 5. e3 Nbd7 6. Qc2 Bd6 7. Bd3 dxc4 8. Bxc4 O-O 9. O-O e5 10. Bb3 exd4 11. exd4 Nb6 12. Bg5 h6 13. Bh4 Bg4 14. Ne5 Bd7 15. Rfe1 Rc8



ドローでも優勝が決まる最終戦でしたが、私はここで何か手があるだろうと時間を使いました。調べてみると色々と手があるようですので、実際に私が指した手を当てることにこだわらず、自由に考えてみてください。答えはコメント欄にどうぞ。お待ちしています。

2014/11/05

Japan Open 2014 Tournament Preview


私にとってのJapan Open は、やはり3年ぶりです。

まだ少し先ですが、今月の22-24日には蒲田でJapan Open が開催されます。サマーオープン以来、東京の公式戦からは足が遠ざかっていた私ですが、Japan Open は今のところ、参加する予定です。ハンガリーにいたために、この2年間はヨーロッパから結果を見守るだけでしたので、今年は参加ができて嬉しいです。3年前の写真を見ていて思い出したのですが、その際は7.5/8 で私が優勝したのでした。

そして今年のJapan Open には、ゲストプレーヤーが参加します。それがブラジルの元準チャンピオンである、IM James Mann De Toledo さんです。James Mann さんは、ブラジルでチェスをしている日本代表の女子メンバー、星野華怜のコーチを務めるプロチェスプレーヤーです。今回、彼は12月の国際将棋フォーラム参加のために来日しますが、日本のチェスプレーヤーとの交流のために滞在日程を伸ばし、2週間前のJapan Open にも参加を決めてくれました。この3年程は公式戦をしていないようですが、FIDE レイティング2388 の実力は本物でしょう。私もJapan Open での対戦を楽しみにしています! James Mann さんを紹介してくださった星野さんにも、深く感謝致します。

Japan Open は、全日本選手権の出場権利もかかった大きな大会ですので、日本の上位勢が集まることも期待しています。それでは皆さん、2週間半後に蒲田でお会いしましょう!

2014/11/04

中部快速オープン 2014 Tournament Report


3連休最終日の祝日は、中部快速オープンに参加するため、名古屋に遠征に行ってきました。事前に同行者を募り、今回は同期の三村くんと一緒に参加することに。大会前日の日曜夕方に、新幹線で東京から名古屋に向かいました。前回が横浜からバスで名古屋へ移動、そして大会後、河口湖へバスでさらに移動であったことを考えれば、今回は楽な遠征でした。

今年の中部快速オープンは、ビビーさんこそ直前のキャンセルでしたが、2000オーバーが5人、1900台が3人と上位勢のレイティングが高かったです。Aクラスの設定も、1700未満から1850未満まで引き上げられました。私は勝田くん、木下さん、北上さんに3連勝後、東芝さんとの全勝対決も制して、4R で単独トップに立ちました。どの試合を出すか迷いましたが、優勝を確実に決めるために大切だった、5R の古谷くんとの試合を公開しておきます。

Furuya, M (JPN, 1976) - Kojima, S (FM, JPN, 2441)
Chubu Rapid Open (5)

1. e4 c6 2. c4 d5 3. cxd5 cxd5 4. exd5 Nf6 5. Nc3 Nxd5 6. Nf3 Nxc3 7. bxc3 g6 8. Bc4!?



このPanov ラインを指されるのは、昨年のヨーロッパ遠征最後の地である、スペインのマヨルカ島でのIM 戦以来です。d2-d4, Bf1-Bd3 というセットアップのほうがポピュラーですが、Bf1-Bc4 から、f7 を攻撃するのもありえる作戦です。ただし、c4,c3 に重なった白の駒は、黒からのターゲットにもなりえることに注意が必要です。

8... Bg7 9. O-O O-O 10. Ba3


この2つのビショップの位置は、一昨年ケチケメートで、Hou Qiang から教わりました。その際、彼はf7 とe7 へのプレッシャーは強力で、白が良いと言っていましたが、この試合ではそれをうまくかわして手を作りにいきます。

10... Nc6 11. Re1 Bg4



私としては、この手が生きるようであれば、黒は満足だと思います。(h2-h3 から、単にダブルビショップを放棄させられてしまうようではイマイチ) d2 のポーンを狙われたくない白は、次にd2-d4 とポーンを伸ばしますが、そうすれば今度はc3 が弱くなります。

12. d4 Qa5 13. Qb3!?


思い切ったアイディアです。開いたキング前の弱さをつければ黒にチャンスが、それをカバーしつつ、b7, e7, f7 をダブルビショップで攻撃できれば、白にチャンスができるポジションになります。

13... Bxf3 14. gxf3 Qg5+ 15. Kh1 Qf6 16. Bd5 Rab8 17. Rab1 Rfd8 18. Bxc6?



試合中、最も驚いた手です。古谷くんには試合後、この手を見直すように言っています。キングの守りが不安定な白は、ダブルビショップをうまく使って、それをカバーするのが自然です。ここで白マスビショップを返してしまえば、白は単純にキングの弱さで不利な状況であることが明らかになるでしょう。

18... Qxc6 19. Rxe7 Qxf3+ 20. Kg1 Rd5!


この手が見えて、勝負はほぼ決まったと思いました。黒はルークを大胆にg,f ファイルに回し、アタックとディフェンスの両面で活躍させます。

21. Re3 Rg5+ 22. Kf1 Qg2+ 23. Ke2 Rf5 24. Rf1 Bh6 25. Re7 Qf3+ 26. Ke1 Qd3 27. Re2 Bd2+!



一気に攻勢に出た黒は、そのまま中央に押し戻してきたキングを仕留めます。

28. Rxd2 Re8+ 29. Kd1 Qxf1+ 30. Kc2 Rxf2 31. Bc1 Re1 32. Qa3 Rxd2+ 33. Bxd2 Qf5+ 34. Kb3 Rb1+ 0-1


4年前に私の後輩となって以来、日吉や吉祥寺でトレーニングをしてきた古谷くんですが、意外なことに公式戦は今回が初めてでした。レイティングもこの遠征で2000に乗ったようですね。今回は惜しくも入賞を逃しましたが、次の大会でも頑張って下さい。


1st Place 小島慎也 6/6
2nd Place 北神匠 4/6
3rd Place 木下晃 4/6
4th Place 勝田裕貴 4/6
A Class 1st Place 三村健介 3/6


私は最終戦も勝って、6戦全勝で優勝することができました。8月の名古屋オープンでは、ベトナムのPhan さんに敗れて優勝を逃していますので、今回の結果は素直に嬉しいです。私以外には4勝2敗の北神さん、木下さん、勝田くんがオープンで入賞、三村くんが3勝3敗でAクラス優勝となっています。中部快速オープンに参加した皆さん、お疲れ様でした!


大会後は関東からの遠征組4名で食事へ行き、連夜の味噌カツを食べながら、試合の反省を行いました。また来年以降、時期が合えば名古屋には足を運びたいと思いますので、その際はまた、よろしくお願いします。関東から、もう少し学生も積極的に参加しましょう!

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