2011/11/30

第一回小島チェススクール


本日、松戸チェスクラブ主催で、小島チェススクールの第一回レクチャーが行われました。平日の夜ということで果たして参加者が集まるのか、少し心配しましたが、最終的に9名の方が足を運んでくれました。本日お越し下さった皆さん、ありがとうございました。

初回のテーマは、ポーンの働きとそれに伴うピースの使い方にしました。初心者にとっては難しい点もあったかと思いますが、松戸チェスクラブの田畑さんからは終了後に、「少し簡単だったね」と意外なお言葉。難易度は人それぞれだったと思いますが、参加者からは満足、また次回も参加したいとの声が聞こえたので、一安心しています。

次回は来週12/7(水)の18時からです。テーマはアウトポストにしようと今のところ考えているので、なるべく早く松戸チェスクラブのHPで、正式に情報を公開させていただきます。また次週も北千住でお待ちしていますので、よろしくお願い致します。

松戸チェスクラブ

2011/11/29

Breaking the Dragon's tusk

Chees.com で通信チェスを始めて、そろそろ2か月がたとうとしています。以前も少し触れましたが、このサイトで面白いのはオープニングを限定したトーナメントがあることで、私は現在、Sicilian Dragon, Caro-Kann, Caro-Kann Advanced, Nimzo-Indian の4つのオープニングのトーナメントを、同時進行中です。今日はそんな中から、Sicilian Dragon のトーナメントでの一戦をご紹介します。

Shinya_Kojima (2043) - rcbasadre (1898)
Chess.com Slay and Unslaying Dragon - Round 1

1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 g6 6. Bc4!?



スウェーデンのGM Jonny Hector がこのラインで高い勝率を残しているのを見て以来、是非指してみたいと思っていました。ちなみにDragon 限定のトーナメントのため、5...g6 までの局面がすでに用意されており、6. Bc4 が第一手目扱いとなります。

6... Bg7 7. O-O O-O 8. Re1 Nc6 9. Nb3!?



Hector の得意な変化は9. Bb3 Bd7 10. Bg5!? という、Bc4 のメインに近いアイディアですが、私はここでナイトを退く珍しい変化を試してみました。b3のマスをナイトで埋めてしまうのは、ビショップが退けなくなるため変に見えるかもしれませんが、ビショップはf1に向かえば何ら問題はありません。

9... a6 10. Bg5 Be6 11. Nd5 b5 12. Bf1 Ng4?!


e5のマスを抑えに行くアイディアは理解できますが、g4はナイトの位置としてやや不安定です。このような形では、ゆっくりとe7へプレッシャーをかけ続けながら手を探します。12... Bxd5 13. exd5 Ne5=

13. c3 Rc8?



自然に見えるこの手がかなり悪く、白の優勢を確信しました。本譜の手順でクイーンサイドが崩壊します。
13... h6 14. Bh4 Re8 15. a4+/=

14. a4! bxa4 15. Rxa4 a5 16. Nxa5+-



e7にプレッシャーがかかっているため、黒はこのナイトを取ることはできません。後は押せ押せです。

18 Bxd5 17. exd5 Nce5 18. Ba6 Rc5 19. Nb7 Qb6 20. Nxc5 Qxc5 21. Rxg4 Nxg4 22. Qxg4 Qxd5 23. Bxe7 Rb8 24. Bc4 Qd2 25. Bxf7+ Kh8 26. Rd1 Qxb2 27. Bxd6 Rd8 28. Bxg6 Qxc3 29. Qh4 1-0



進行中のSicilian Dragon トーナメントの状況は以下のリンクから確認できます。このまま全勝優勝を目指します!

Slay and Unslaying Dragon - Round 1

2011/11/28

ワールドユース終了


つい先日、ブラジルでのワールドユースが終了しました。日本人参加者は5名中2名がハーフを達成し、その中でも日本から参加した中学生の阿部君は、2000台から勝ち星を挙げてレイティングを10弱稼ぎました。今年、国内ではやや調子の振るわなかった彼ですが、ブラジルでの好成績を活力として、また来年も頑張って貰いたいと思います。日本人5名の結果は以下のリンクから確認できます。

Chess Results

阿部君、帰国後はまたトレーニングを共にしましょう。ブラジルでの話も楽しみにしています!

2011/11/26

Complicated Chess Puzzles

先日紹介したGrandmaster Chess Strategy を読みおわって以降は、パラパラと複数の本を読みながら、様々なポジションの勉強をしています。そこで今日は、最近見たいくつかの面白いポジションをご紹介します。すでに慶應チェスクラブのトレーニングの場などで披露していますが、皆さん頭を悩ませているようです。

Black to move and win
Difficulty ★★
Boost Your Chess 1 より

White to move and win
Difficulty ★★★★★
Studies for Practical Players より

White to move and draw
Difficulty ★★★★★
Mastering Positional Chess より

正直、下の2問を自力で解くのはほぼ不可能だと思いますが、答えを知った時は、なるほど!と思うでしょう。勇敢な方は是非この週末、チャレンジしてみてください。


2011/11/25

Play Like Sveshnikov - SS part12 -

Game8

- White plays 13.h4 -


Wyss, J (SUI,2181) - Kojima, S (JPN,2205)
WCh-University 2008 (9)


2008年のユニバーシアードは、私にとって試練のトーナメントでした。2RでモンゴルのFMに勝ったものの、そこからは3連敗、途中でbye にもなりました。この試合は最終戦、最下位ボードでの、互いの意地をかけた一戦です。

1. e4 c5 2. Nf3 Nc6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 e5 6. Ndb5 d6 7. Bg5 a6 8. Na3 b5 9. Nd5 Be7 10. Bxf6 Bxf6 11. c3 Bg5 12. Nc2 Ne7 13. h4


すでに何回もご紹介したアイディアです。h4 のポーンはターゲットになる可能性がありますが、Game7,8 で見てきたようなBg5-Bd8 というビショップの切り替えを防ぐ狙いがあります。

13... Bh6 14. a4 bxa4 15. Ncb4 O-O 16. Qxa4 a5 17. Nxe7+!?



12...Ne7 Introduction でも見た通り、17. Bb5 Nxd5 18. Nxd5 Be6 19. Bc6 Rb8 がメインの変化です。

17... Qxe7 18. Nd5 Qb7 19. Bb5 Rb8!


19... f5?! 20. Bc6 Qxb2 21. O-O Rb8 22. exf5 Bxf5 23. Ra2 +/= ならば白にチャンスのある展開です。

20. c4 Be6 21. Qa3 Rfd8



21... Bxd5 22. exd5 Qe7= とダブルビショップを消してd5 をポーンで埋めるのも、安全な策でした。

22. Rd1 f5 23. Qxa5 fxe4 24. Qc3 Qf7 25. Ba4 Rdc8


この局面では強烈な手が隠されています。
25... e3!! 26. Nxe3 (26. fxe3 Rf8! -/+) 26... Bxe3 27. Qxe3 Rxb2 -/+

26. O-O Bg4 27. Rde1 Be6 28. Rd1 Bxd5


ここで私はしばらく考え、黒にチャンスがある(と評価した)エンドゲームに突入することを決意します。

29. Rxd5 Qxd5 30. cxd5 Rxc3 31. bxc3 =/+



イコールの異色ビショップ+ルークのエンドゲームになりました。eファイルのダブルポーンを解消すれば、eファイルにパスポーンの残る黒にややチャンスがあると判断できます。

31...e3 32. fxe3?!


白はわざわざ、自分のキングを黒のパスポーンから遠ざける理由がありません。ぶつけられたポーンは、黒から取ってくるのを待つべきです。
32. g4 exf2+ 33. Kxf2 Bd2 34. c4 Rb4

32... Bxe3+ 33. Kh2 Bd2 34. c4 e4


黒は理想的な形でパスポーンを作り、ビショップとルークも良い位置にいます。理論的にも経験的にも、黒には十分に勝つチャンスがあると言えます。しかし、白にもきちんと反撃があり、また黒の正しい筋を見つけるのも簡単ではないため、見た目ほど価値は容易ではありません。

35. Bd7 g6 36. Be6+ Kh8 37. Rf7 h5


白がBg4 からパスポーンを止めるのを妨害するための手です。

38. Kg3 Rb3+ 39. Kf2 Be3+ 40. Ke2 Bc5



白のキングがようやくパスポーンを止めにセンターにやってきましたが、黒はうまくキングの動きを制限します。

41. g4 Rb2+ 42. Kf1 hxg4?!


42...e3?! 43.Rf8+ Kg7 44.Rf7+= (44...Kh6?? 45.h5#)

私は上記のパペチュアルチェックを外すために、ポーン交換に応じなければいけないと考えましたが、ここでコンピュータは思いもよらない手で黒の勝ちを示しました。
42... g5!! -+


g6 にマスを作ることでパペチュアルチェックを外せば、あとはeポーンを突くのみです。
43. Rf8+ (43. gxh5 e3-+, 43. hxg5 e3-+ )43... Kh7 44. Rf7+ Kg6 45. gxh5+ Kxh5 46. Bf5 Rf2+ 47. Ke1 gxh4 -/+

43. Bxg4 Rb1+ 44. Ke2?!


44. Kg2!= ならば、白はhポーンを守りドローに持ち込めそうです。

44... Rh1 45. Rf4 e3 46. Bf3?



これではプロモーションを止めるため、ビショップを捨てなくてはいけません。
46. Re4 Rxh4-/+ とhポーンを諦めなければ、苦しい局面ながらまだ白は試合を続けられます。

46... Rh2+ 47. Kd3 Rd2+ 48. Ke4 e2 49. Bxe2 Rxe2+ 50. Kf3 Rf2+ 51. Kg4 Rxf4+ 52. Kxf4 Kg7 53. h5 gxh5 0-1



こちらの連載は久々の記事更新となりました。このゲームで12...Ne7 の試合解説は終わりとし、次回はこのラインのまとめに入ります。そして、その後は別のラインへと突入です。

2011/11/24

Chess Cafe Report

昨日は慶應義塾大学最大の学祭である、三田祭に顔を出してきました。先日のブログでも記事を出した通り、慶應チェスクラブの現役たちは、チェスを楽しめる喫茶スペースを大教室の一部に設けていました。




昨年に引き続き、チェスクラブの展示は盛況だったようでなによりです。お客さんの半数はルールを知らず、その場でルールブック片手に、部員から指導を受けているようでした。こういった機会にチェスを覚え、興味を持ってくれる人が増えると嬉しいですね。


打ち上げは16名ほどでイタリアンレストランへ。そこで桑田君、中村君ら四年生の引退と、クラブの代表を二年の古谷君が引き継ぐことが発表されました。しかし引退とは言え、四年生のほぼ全員は院進学のため、来年以降も慶應には残ることになります。三年生以下現役のメンバーは、困った時には先輩の力を借りつつ、今後もチェスクラブの活動を頑張って下さい。

2011/11/22

Grandmaster Chess Strategy


すでに右側のBooks 欄では数ヶ月前からリンクを貼っていますが、New in Chess から出版されている、Grandmaster Chess Strategy を今日はご紹介します。Behind the Scene で7月に紹介されて以来、私も少しずつ読み進めてきましたが、今月に入り、ようやく全て読み終えました。とても充実した80ゲームでした。

内容は一貫してスウェーデンのGM Ulf Andersson の試合解説で、彼のPositional Play からアマチュアが何を学べるか、という副題が、まさにこの本のテーマそのものとなっています。日本人は全体的に、Tactical Play の勉強が中心で、しかもそちらのほうが好きな人が多いと言えます。そのため、Positional Play は日本人の苦手分野で、克服すべき点だと私は考えています。試合の途中でどのように手を作って良いか分からなくなる、気付くと自分が悪くなっている、各上相手に丁寧に指されて負けることが多い、などの悩みを抱えている方には、是非読んでいただきたい一冊です。

Andersson, Ulf (2560) - Robatsch, Karl (2435)
FRG-ch int

1. Nf3 Nf6 2. c4 c5 3. g3 b6 4. Bg2 Bb7 5. O-O g6 6. b3 Bg7 7. Bb2 O-O 8. Nc3 d5 9. Nxd5 Nxd5 10. Bxg7 Kxg7 11. cxd5 Qxd5 12. d4 cxd4 13. Qxd4+ Qxd4 14. Nxd4 Bxg2 15. Kxg2 a6 16. Rac1 Ra7 17. Rc2 Rd8 18. e3 e5 19. Nf3 f6


20. g4!


このようなエンドゲームでgポーンを伸ばすアイディアは、私もこの本で初めてきちんと勉強しました。マレーシアではGM 相手に同じようなアイディアを使い、成功しています。

20...Rd6 21. Rfc1 Nd7 22. Rc6 Rxc6 23. Rxc6 Kf7 24. Nd2 Ke7 25. Ne4 Rb7 26. b4 Rb8 27. Nc3 f5 28. Nd5+ Kf7 29. Kg3 h5 30. gxf5 gxf5 31. Rd6 Rb7 32. Kh4 Kg7 33. Kxh5 1-0


2011/11/21

Tokyo Open Day2

昨夜は少し落ち込んでいたこともあり、更新をさぼってしまいました。東京オープンは久々に崩れてしまい、入賞圏外です。以下、各ラウンドの結果とその内容です。

R4 /W /三阪晋 (2055) /0-1 /Modern Defence

オープニングはかなり予想外でしたが、丁寧に指しているうちにチャンスをつかむことができ、終盤では押せ押せのはずでした。しかし、人生で初の勝勢局面での時間落ちとなり、無念の敗北。三阪さんも観戦者も驚きだったと思います。

R5 /B /唐堂 (1907) /0-1 /Phildor Defence

年末にラスべガスへと行く3人のメンバーとは、これで全ペアリングが組まれたことになります。Stone Wall を外すために1.d4 d6!? を試し、Phildor へと移行したこのゲームは、慣れないポジションに苦労しながらも、なんとか年長者の意地を見せて勝ちきることができました。唐堂君とは渡航前にトレーニングの機会を設け、オープニングの相談などをしてじっくりと準備を進めようと思います。

R6 /W /南條遼介 (2348) /0-1 /Dutch Classical


最終ラウンドは、なんとかトップボードまで復活し、リーダーの南條君との対戦です。いつも通りDutch Classical で始まったゲームは、安全なポーンアップや、クイーントラップなどいくつものチャンスが訪れましたが、それらをことごとく見逃し、敗れてしまいました。勝てば同率優勝もあっただけに、悔しい思いでいっぱいです。結局今年は、南條君に白星を挙げることができませんでした。負けるのは実力が足りないからでしかないので、また鍛え直して、次の対戦の機会を待とうと思います。

Final Standing

1st 南條 5.5P
2-5th 三阪、野口、東芝、吉村 4.5P


2011/11/19

Tokyo Open Day1

今日から二日間、蒲田で東京オープンが開催されています。最近の調子から言えば問題なく全勝・・・といきたいところでしたが、初戦からつまづいてしまいました。以下、1~3Rの簡単な内容です。

R1 /B /青木康祐 (1923) /1/2-1/2 /Caro-Kann Advanced

札幌の青木さんとは2年ぶりの対戦です。(今は東京で仕事をしていると聞いています。)序盤から私が優勢に試合を進め、誰もが黒勝ちだと思っていたでしょうが、事件が起こりました。勝てると計算した4ポーンピースがうまくいかず、最終的には何とかドローに持ち込む形に。反省の多い試合でした。

R2 /W /原下誠 (1457) /1-0 /Queen's Gambit Declined

原下さんとは初対戦、そして初めてのQGDメインラインです。ビショップとナイトを早々に交換する序盤は準備通りで、黒が消極的に組んでいる間に、厚いセンターを築くことに成功しました。その後はセンターポーンを押し上げてプレッシャーをかけ、パスポーンの力で問題なく勝つことができました。一つ前に試合を優勢から落としているため、最後まで油断せぬよう心がけました。

R3 /B /吉村謙治 (1928) /0-1 /Semi-Slav Shavalov Gambit

2R終了時点で2連勝は南條君、野口さん、吉村君の3人でした。私は2Rの勝ちで2番ボードまで這いあがり、吉村君との対戦です。1Rで中川さん相手に苦戦していたのを見て、久々のSemi-Slav をチョイスしてみましたが、予想外のg4! Shavalov Gambit が来ました。このオープニングには、2008年のWMSG でさんざんGMに負けた痛い思い出がありましたが、そこから学んだことを生かし、無事に勝つことができました。年末のラスベガスに向け、彼とはSemi-Slav 対策をもう少し話し合おうと思います。

3Rの1Bはリスト2-3対決、南條-野口戦が繰り広げられていました。南條君がどこでミスをしたかは分かりませんが、野口さんが勝勢のエンドゲームに突入!ところが、時間切迫により悲劇的な逆転が起こり、南條君が3連勝でトップに立ちました。やはり勝負は最後まで分からないもの。明日も(明日は?)気を抜かずゲームに取り組もうと思います。

Standing


3P 南條
2.5P 小島、三阪、古谷、篠田

Next Pairing


1B 古谷-南條
2B 小島-三阪
3B 篠田-東芝

2011/11/18

学生選手権2011

すでにいくつかのブログで扱われていますが、年末の学生選手権のスケジュールが、ようやく公開されました。以下は学生チェス連盟のブログからの転載です。

【日時】2011年12月28日(水)-29日(木)
【会場】国立オリンピック記念青少年総合センター
     センター棟 503号室・504号室
【形式】6R完全スイス式
【タイムコントロール】60分+30秒/手
【参加資格】JCA会員の大学生、大学院生
【参加費】1000円

【参加申し込み】
12/21(水)までにメールでお申し込み下さい。
メールアドレス:students.chess@gmail.com
12/22(木)以降の申し込みは、R1をbyeとすることがあります。

【備考】
・チェスセット、チェスクロックをお持ちの方はご持参下さい。
・JCA公式戦です。JCA未加入の方は、予め入会手続きを完了しておいて下さい。
・プレイヤーリストはJCAレーティング(S80)に準拠して作成します。
・自己申告のbyeは、初日のみ1/2ポイントが与えられます。
・集合時刻に不在の場合、R1をbyeとすることがあります。
・タイブレークは 1.Buchholz、2.Median Buchholz、3.Progress、4.Rating Sumの順です。
・優勝者は2012年5月に行われる全日本選手権の参加資格を得ます。優勝者が既に全日本選手権の参加資格を取得している場合は、権利が繰り下がります。

【オーガナイザー】
学生チェス連盟代表 篠田 太郎

【スケジュール】

12/28(水)
 9:40 集合
 10:00~ R1
 13:50~ R2
 17:00~ R3

12/29(木)
 9:30~ R4
 13:20~ R5
 16:30~ R6
 19:30~ 表彰式

※進行状況により変更があります。


私も今年からこの大会への参加資格を失い、少々感慨深いです。大学一年で馬場さん、南條君を破って全勝優勝し、これは四年間いけるなと内心思ったことも、その後、山田君に二年連続でその夢を阻まれたことも、今では良い思い出となっています。最後のチャンスであった昨年は運営に徹したため、試合ができなかったことは少し残念ですが、その分、色々と勉強になりました。

ところで、今年は学生チェス連盟代表の篠田君が主導で、学生選手権のレギュレーションを変えようという動きもあったようです。しかし、上記の内容を見る限りは変化はなさそうですね。学生選手権のようなJCA公式戦でありながら、学生主体で運営するトーナメントでは、どんどんプレーヤーの意見を取り入れ、その時代にマッチした形式に変化させていくべきでしょう。今年の参加メンバーで相談し、来年からは多少変えていくとも聞いています。

最後に今年の優勝争いですが、88年代の南條君、山田君、桑田君が本命と見て間違いはないでしょう。ここに現チャンピオンの佐藤要君を始め、より若い世代がどこまで食らいついていけるか、楽しみにしたいと思います。私はラスベガスのトーナメントに参加するため、学生選手権当日に顔を出すことはできませんが、遠くアメリカからその結果を見守っています。

2011/11/16

Chess Cafe - 三田祭展示 -


今週末の日曜から来週水曜までの四日間、慶應義塾大学三田キャンパスで、毎年恒例の三田祭が開催されます。私が所属していた慶應チェスクラブも、昨年同様、展示を出すそうです。タイトルの通り、今年はチェスの対局や指導だけでなく、飲み物の販売も行うとのこと。慶應チェスクラブのブログでも、併せて情報をご確認ください。

Keio University Chess Club

私が大学2年の頃に桑田君らと復活させた慶應のチェスクラブが、後輩を増やしつつ、こうして現在も元気に活動していることは、大変嬉しく思います。私は今週末の東京オープンに参加する予定なので日曜は無理ですが、最終日の水曜に顔を出そうと思います。皆さんも四日間のうち都合の付く日程があれば、是非足を運んでみてください。

Birthday Party

すでに日付は変わってしまいましたが、特別な1日だったため、記事を書こうと思います。2011/11/15 は私の23回目の誕生日でした。自由が丘のチェス教室が終了後、慶應チェスクラブの活動拠点である、日吉キャンパスに向かいました。

日吉キャンパスには、誕生日が14日の桑田君、16日の山本君ら、88年世代がたくさん駆け付けてくれました。連絡なしに普段は顔を出さない先輩が集まったので、後輩たちはさぞ驚いたでしょう。キャンパスでは8時に追い出されるまで、チェスやロールケーキの回し食いなどを楽しんでいました。


食事の場は日吉のHUB を選びました。HUBでは、千原君と中村君からプレゼントを貰えたのは良かったのですが、慣れない酒には大苦戦です。ルーレットで引いたアックスポンバーというカクテルは、他の選択肢に比べれば安全だったそうですが、普段酒を全く飲まない私には厳しかったです。誕生日にアルコールということで、20歳の誕生日にドレスデンでビールを飲んだことを、少し思い出しました。


HUB にいたのは2時間程で、滞在の後半はダーツを楽しみました。店を出てからは私の提案で、本屋に行って1500円以内で買い物をし、戦利品を交換し合うという、よくわからないイベントを実施しました。(普通は誕生日ではなく、クリスマスの席でやりますね。)私はこの8年間に読んだ小説の中で最も好きな、山本文緒の恋愛中毒と、原作者と多少の縁があるブルーバックスの、マンガで読む「分かりやすい表現」の技術をチョイス。ランダムにプレゼント交換をした結果、ゲットしたのは、汐口君でした。




今日は慶應チェスクラブの皆さん、わざわざ集まってくれてありがとう。ここ数年間でも、最高に楽しい誕生日でした。

また一つ歳を取ったことで、気を引き締めて万事に臨んでいこうと思います。ラスベガスからの帰国直後や、HP開設一周年にも同じことを書きそうですが、これからまた一年間、皆さんの温かい声援を頂ければ嬉しいです。今後ともよろしくお願い致します。

2011/11/13

Swiss Manager for every Japanese chess player

この度、ChessResults に即進行状況をアップできるペアリングソフト、Swiss Manager のアカウントが日本国内において、無料で使えることになりました。従来のSwiss Perfect に比べ、試合の結果や次のペアリングがすぐに分かるSwiss Manager の使用は、プレーヤーにとって大変ありがたいものだと言えます。今回の話は、ソフト開発者のHeinz Herzog さんと、奥様の滝田さんのご厚意によるもので、私と函館チェスクラブ代表の山田さんが前々から進めていました。

Heinz さんらは以前から日本のチェス大会に顔を出し、どうにかしてSwiss Manager を日本国内で普及させたいと思案していたそうです。そこに山田さんが連絡を取り、函館では早くからSwiss Manager を導入していました。さらにはつい先日、私がHeinz さんにコンタクトを取ったことで、Swiss Manager の東京進出となりました。実際に使用されるのは、年末に開催される全日本学生選手権の予定です。

先日、慶應チェスクラブにHeinz さんが遊びに来て下さいました。
Heinz さんはオーストリアの元ジュニアチャンピオン!チェスは5年ぶりだそうですが、大変強かったです。

以前は英語入力しかできなかったSwiss Manager も、最近になって日本語入力が可能となり、大変使いやすくなったそうです。(Chess Results の言語も日本語が選択できるようになっていることに、皆さんお気づきでしょうか?)私も実際にこれからいじってみて、その感触を確かめてみようと思います。もちろん使い勝手が良ければ、全国のチェスクラブの代表と相談して、普及を進めさせていただきます!

Swiss Manager 公式HP (http://swiss-manager.at/)

2011/11/12

A nice victory for Germany

昨夜のETCC、最終戦のトップボードは、ドイツがアルメニアを2.5-1.5 で降しました。その結果、長かったETCC は、ドイツの逆転優勝で幕を閉じました。ハンティマンシスクオリンピアードは、ベストのメンバーで臨むことができず、不本意な結果に終わったドイツにとって、今回の勝利は大変価値のあるものだったと言えるでしょう。ドイツの詳しい戦績はこちらから。

ドイツはロシアに次いでマスター数が多く、世界でも強豪国の一つです。しかし、国のトップ数人を見れば、2700台はNaiditsch 一人だけであり、世界のスーパースターを複数抱える、ロシア、ウクライナ、アゼルバイジャン、アルメニアなどを抑えての今回の優勝は、周囲の予想を大きく裏切るものだったと思います。事実、ドイツの今回のスタート順位は38チーム中10位で、優勝を狙うには簡単な位置ではありません。

ドイツが勝てた要因は色々あるでしょうが、5Rでブルガリアに3-1で大敗した後も、崩れることなく粘り強く指せたことは、特に大きかったと思います。特に最後の3戦は全て、2.5-1.5の肉薄した勝利であり、しかも勝った試合は全て黒です!私が特に興味を持った試合を、ここではご紹介したいと思います。

Vajda, L (2584,ROM) - Fridman, D (2661,GER)
18th European Teams (7)

1. e4 e6!?


ドイツのFridman と言えば、Khenkin,Dautov に並ぶCaro-Kann の名手ですが、ここではFrench を選択してきました。
おそらく副将のGM Georg Meier と、レパートリーを合わせてきたのでしょう。

2. d4 d5 3. Nc3 Nf6 4. e5 Nfd7 5. f4 c5 6. Nf3 Nc6 7. Be3 Qb6 8. Na4 Qa5+ 9. c3 b6!?



French ではよく見られる手で、働きの悪い白マスビショップの交換を狙います。
9...cxd4 10.b4 Nxb4!? 11.cxb4 Bxb4+ 12.Bd2 Bxd2+ 13.Nxd2 0-0 も面白い変化です。

10. Kf2?!


ありえない手ではないですが、白マスビショップの交換に応じるのは、黒の望む展開です。
10.Bd2 と退く手がベストだったと思います。

10... Ba6 11. dxc5 Bxf1 12. b4 Be2 13. Kxe2 Qb5+ 14. Kf2 bxc5 15. a3 a5 16. bxc5 Nxc5 17. Bxc5 Bxc5+ 18. Kg3 Ba7 19. Rb1 Qc4 20. Qb3 Qe4 21. Qb7 O-O!



黒はピースを捨てて、不安定な白キングを攻めます。f4のポーンが落ちるのがポイントです。

22. Qxc6 Be3 23. Kh3 Qxf4 24. Rhf1 Qh6+ 25. Kg3 Rac8 26. Qd7 Rc4 27. h4 Qf4+ 28. Kh3 Qg4+ 29. Kh2 Rxa4 30. g3 Rxa3 31. Ng5 Ra2+ 32. Kh1 Rf2 33. Rxf2 Bxf2 34. Qd6 Qxg3 0-1



ドイツは最終戦も、Georg Meier がMovsesian にFrench で勝ったことで、逆転優勝をもぎ取りました。他にもまだまだ面白い試合は隠れていると思いますので、これから発掘作業に入りたいと思います。ドイツの優勝記事と、棋譜のダウンロードはChessBase (http://www.chessbase.com/newsdetail.asp?newsid=7667)からどうぞ。

2011/11/11

Germany beats Azerbaijan!

昨夜、記事を書いたばかりのETCC に、さらなる動きがありました。7R終了時点で3位だったドイツが、トップを走るアゼルバイジャンを2.5-1.5 で沈め、順位が入れ替わったのです。2位のアルメニアも勝ったため、8R終了時点での順位は

 1位 アルメニア
 2位 ドイツ
 3位 アゼルバイジャン

となりました。さらに面白いことに、最終ラウンドのトップボードは、ドイツ-アルメイニアというペアリングです!勝ったチームが優勝するということで、両チームのプレーヤーたちには大きなプレッシャーがかかっているでしょう。

すでに大将戦の、Naiditsch-Aronian はドローで手を打ったようですが、他の3ボードは現在進行中です。今夜はしばらくChessBomb で様子を見守ることになりそうです。

Naiditsch, A (2712,GER) - Aronian, L (2802,ARM)
18th European Teams (9)

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 Nf6 4. O-O Nxe4 5. Re1 Nd6 6. Nxe5 Be7 7. Bf1 Nxe5 8. Rxe5 O-O 9. d4 Bf6 10. Re1 Re8 11. Rxe8+ ½-½



2011/11/10

European Team Chess Championship 2011

ここのところ、ギリシャで行われているEuropean Team Chess Championship 2011 の結果とゲームを、毎日チェックしています。9R中、7Rまでが終了し、いよいよ大詰めを迎えるところです。昨日はトップボードでブルガリアが、アゼルバイジャンに3.5-0.5 で敗れる波乱があり、最後まで勝負の行方は分かりません。7R終了時点の順位は、

 1位 アゼルバイジャン
 2位 アルメニア
 3位 ドイツ

となっています。レイティングを考えれば、ドイツはかなり頑張っていると言えるでしょう。移籍したMovsesian が、昨日ようやく仕事をしたアルメニアも、 早くアゼルバイジャンを捕まえたいところですね。ちなみにオリンピアード優勝チームのウクライナは、今回はボロボロ。現在は26位に沈んでいます。ちょっと信じがたいです。

ここまで見ていて面白かったのは、以下のゲームです。この結果が、最終的なアゼルバイジャンとアルメニアの明暗を分けることになるかもしれません。

Guseinov, G (2636,AZE) - Sargissian, G (2671,ARM)
18th European Teams (2)

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 Nf6 4. O-O Nxe4 5. Re1 Nd6 6. Nxe5 Be7 7. Bf1 Nxe5 8. Rxe5 O-O 9. Nc3 Bf6 10. Re1 c6 11. d4 Nf5 12. d5 d6 13. Bd3 Be5 14. Be4 Bd7 15. Qd3 Qf6 16. g4 Nh4 17. g5 Qd8 18. Bxh7+ Kh8 19. Re4 Ng6 20. Bxg6 fxg6 21. dxc6 bxc6 22. Qc4 d5 23. Nxd5 cxd5 24. Rh4+ Kg8 25. Qxd5+ Rf7 26. Qxe5 Qc8 27. Be3 Qxc2 28. Rc1 Qe2 29. Qd5 Re8 30. Rf4 Be6 31. Qc6 Rd7 32. h3 Qh5 33. Qxe6+!!


33... Rxe6 34. Rc8+ Kh7 35. Rff8 Qd1+ 36. Kg2 Qd5+ 37. f3 Rd8 38. Rcxd8 Qxd8 39. Rxd8 Rxe3 40. Kf2 Re5 41. h4 Ra5 42. a3 Ra4 43. Kg3 Rc4 44. Ra8 Rc7 45. b4 1-0


その他の情報は公式サイト(http://euro2011.chessdom.com/)から、ライブ中継はChessBomb(http://livechess.chessdom.com/site/) からどうぞ。残りの2Rも目が離せません。

2011/11/09

Tactics Problems at Chess.com

私のChess.com のタクティクスレイティングは現在、2602となっています。一時は2690まで上がりましたが、2700の壁がとても厚く、油断しているうちに、あれよあれよとレイティングが下がってしまいました。今回はそんなChess.com の2500-2600レベルの問題をいくつかピックアップしたので、興味のある方は是非挑戦してみてください。

White to move

White to move

White to move

難しくて全く分からないという人も、2600レベルってこんなもの?と思う人もいるでしょう。おそらくこの3問は私も解けたので、2500-2600レベルの問題の中では、簡単なほうなのかもしれません。

2011/11/08

中部快速オープン Games and Comments part2

中部快速オープンレポートの後半です。まずはR4のゲーム内容から。

R4/ W/ 塩見亮 (2161)/ Draw/ Sicilian Alapin



塩見さんとは例年よりも多く試合をしています。今年5試合目の今回は、白番で久々にSicilian Alapin を使ってみました。途中怪しく1ポーン、続いてビショップをサクリファイスしてみました。黒のピースが使いづらいことを考えれば、長期的な代償があったと思います。


しかし時間切迫により、ありえないブランダーが私から飛び出て、一気に敗勢に。最後はお互い時間がなく、ドローで手を打ちましたが、丁寧に続けてれば塩見さんが勝ったと思います。どうも今年の塩見さんとのドローの試合は、内容がイマイチです。ともあれ、負けの試合を拾ったことで、互いに3.5/4 で優勝への望みをつなげます。

R5/ B/ 馬場雅裕 (2240)/ Win/ French McCutcheon



そして例年よりさらに多いのが、馬場さんとの試合です。公式戦では今年6回目の対戦で、夏以降は黒が多くなっています。
名古屋オープン同様、優勝するためには最大のライバルを黒で降すしかありません。

Baba, M (2240) - Kojima, S (2387)
Chubu Rapid (5)

1. d4 e6 2. e4 d5 3. Nc3 Nf6 4. Bg5 Bb4!?



French Defence McCutheon Variarion です。ブリッツやネット上での対戦を含め、初めて指しました。
黒で勝ちにいくには、良いチョイスだと考えます。

5. e5 h6 6. Bd2 Bxc3 7. bxc3 Ne4 8. Qg4 Kf8 9. Bd3 Nxd2 10. Kxd2 c5 11. h4 c4 12. Bf1!?



このようなポーンストラクチャーでは白マスビショップが使いづらいため、(Be2-Bh5 という使い方もあります。)
一旦戦場から退け、e2をナイトが跳ぶマスとして活用します。

12... b5 13. Rh3 Nc6 14. Ne2 a5 15. a3 Bd7 16. Rf3 16... Ne7 17. Ng3 b4!



私はここが仕掛け時だと判断しました。McCutheon に限らず、このようなポーンストラクチャーでは典型的なブレイクです。

18. Nh5


ポーンを捌く18. axb4 axb4 19. Rxa8 bxc3+ 20. Rxc3 Qxa8 =/+ ならば、
黒がクイーンサイドの突破によるアドバンテージを持ちます。

18... bxc3+ 19. Kc1?!


馬場さんはこの位置もあると試合後に言っていましたが、この後の展開を考えれば、19.Ke1 が正解でした。

19... Rg8 20. Qf4 Nf5 21. g4?



典型的な攻めですが、ここではうまくいきません。c1のキングが負担となります。
21. Rb1 Rb8 22. Rxb8 Qxb8 23. Rxc3 Qb6 -/+

21... g5! 22. hxg5 hxg5 23. Qh2 Nh4?!


ベストの手を逃がしてしましました。
23... Qb6! 24. Rxc3 Qxd4 25. Qh3 (ナイトがまだf5にいるため、本譜と違い、g3のマスにクイーンがいけないことがポイント) 25... Rh8!! -+

24. Rxc3 Qb6 25. Nf6 Qxd4 26. Qg3 Ba4 27. Rb1!?



27. Nxg8 Kxg8 =/+ とエクスチェンジを取るのも、白としては一つの選択肢です。
それでも黒はセンターポーンと、相手の白マスビショップを抑え込んでいることにより、やや優勢のまま試合を進められるでしょう。

27... Rg6


私はf6のナイトがうっとうしかったため、エクスチェンジを自分から切るつもりでしたが、ここではルークをhファイルで活用するアイディアが強力です。27... Rh8! 28. Rb7 Bc6 29. Rb1 Ng6 -+

28. Rb7 Rxf6 29. exf6 Qxf6 30. Re3 Kg7 31. Be2?


黒のポーンが厚いため、やりたくない気持ちも理解できますが、ここはクイーンを交換する一手でした。
31. Qe5 Qxe5 32. Rxe5 Kf6 =/+

31... d4! 32. Re4 d3!



32... Bc6 33. Rxf7+ Qxf7 34. Qe5+ Kh7 でも黒の勝ちです。

33. Bxd3 Bc6


33... cxd3 34. Rxa4 Rd8! -+ 試合中、この手が見えずもう一つの変化に入ります。

34. Rb6 Bxe4?


シンプルな勝ちを読み切れず、1ポーンアップのエンドゲームへと突入します。
34... Qa1+! 35. Kd2 Bxe4 36. Bxe4 Qd4+ -+

35. Bxe4 Rd8 36. Qe3 Ng6 37. Bxg6 Kxg6 38. Rb5 Qa1+ 39. Rb1 Qd4 40. Rb5 Qd1+ 41. Kb2 Qxg4 42. Rxa5 Qd4+ 43. Qxd4 Rxd4



よくやく局面がはっきりしてきました。このルークエンディングは、順当にいけば黒勝ちです。

44. Rc5 f5 45. a4 Rf4 46. a5


46. Re5 Rxf2 47. Rxe6+ Kh5 48. a5 g4 49. Re5 Kg5 -+ でも黒が勝てそうです。

46... Rxf2 47. a6 Rd2 48. a7 Rd8 49. Ra5 Ra8 50. Kc3 g4 -+



あとはキングでサポートをしつつ、コネクテッドパスポーンを進めていきます。

51. Kd4 Kg5 52. Ke3 e5 53. Ra6 e4 54. Ra5 g3 55. c3 Kg4 56. Ra6 f4+!


eポーンを取らせてしまうのが、シンプルな勝ちのアイディアです。

57. Kxe4 Re8+!



キングをパスポーンから遠ざければ、ルークを捨ててもポーンとキングだけで勝つことができます。

58. Kd5 f3 59. a8=Q Rxa8 60. Rxa8 f2 61. Rf8 Kh3 62. Ke4 Kg2 0-1



これで馬場さんには黒でCaro-Kann,Sicilian,French を使って3連勝。次の対戦では何を指すか悩みます。このラウンドで塩見-Averbukh がドローになったため、0.5Pリードで最終戦を迎えます。

R6/ W/ 藤沢寛 (1835)/ Win/ Slav Defence



最終戦の相手は昨年の中部快速に引き続き、藤沢さんです。Slav Defence Geller Gambit で、序盤白にややおかしな手が出るものの、面白い構想でした。


中盤では白にダブルビショップを与えるものの、f2へのプレッシャーで押し続け、1ポーンアップのエンドゲームに。頑張ればドローチャンスもあったと思いましたが、不必要なエクスチェンジ捨てがきたため、無事に黒勝ちとなりました。

こうして全6試合が終了し、最終戦で汐口くんをあっという間に倒した塩見さんが2位、私と塩見さんの試合以外を危なげなく勝ったAverbukh さんが3位入賞となりました。

1st 小島 5.5/6
2nd 塩見 5/6
3rd Averbukh 4.5/6

長かったようで実際は短い1日のトーナメントが、これで終了しました。名古屋まで遠征された皆さん、お疲れさまでした。中部や関西のプレーヤーの皆さんとも久々にお会いすることができ、楽しかったです。

次の私の遠征は、来月頭の函館チェス大会の予定です。冬の北海道と、函館チェスクラブの子供たちとの交流を心待ちにしています。

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