2013/07/08

1st IV League - A New Style Tournament -


韓国から帰国した翌日の7月7日は、日本のFM たちは西でも東でも大忙しでした。南條くんはカザンで開催されるユニバーシアードに参加するため、羽田空港から家に帰らずに、直接ロシアへと旅立っていきました。京都では、羽生さんが池田君のもとを訪れ、京都大学チェスサークルのメンバーも交えながら、トレーニングを行いました。カザンの情報は現地からの連絡を、京都でのトレーニングは池田くんのブログでの報告を待つことにしましょう。

私もこの日は朝からバタバタでした。帰国翌日はゆっくり休みたかったのですが、表参道でのミニトーナメントへの参加が決まっていたのです。この日の試合は、参加者の平均レイティングが2100を超えるハイレベルなラウンドロビンで、今回が初めての開催となります。韓国とは違い(笑)、そちらでは内容の良いゲームができたので、写真を交えて大会の様子をお伝えしようと思います。


IV League と名づけられた今大会の第1回参加メンバーは、以下の通り。全日本チャンピオン経験者3名を含みます。

1. 小島慎也 (2385)
2. 佐野富 (2135)
3. 中村龍二 (2126)
4. 塩見亮 (2107)
5. 井上祥 (2043)
6. 吉村謙治 (1911)


FIDE のレイティングでリストを決め、ラピッド5R の総当りを行いました。私は井上さんとのゲームで最後に緩手がありましたが、他の4試合はとてもうまく指せたと思います。最終戦の佐野さんとのゲームを、簡単にご紹介しておきます。

Kojima, S (FM, JPN, 2385) - Sano, T (JPN, 2135)
1st IV League(5)


1. Nf3 Nf6 2. c4 c5 3. Nc3 e6 4. g3 b6 5. Bg2 Bb7 6. O-O Be7 7. d4 cxd4 8. Qxd4 d6 9. Bg5!



韓国ではクラシカルな9. b3 を試しましたが、こちらのほうが白のプランが分かりやすく、近年の勝率も良くなっています。実戦での投入は5年前の龍二さんとのゲーム以来となります。

9... a6 10. Bxf6 Bxf6 11. Qf4 O-O 12. Rfd1 Be7 13. Ne4 Bxe4 14. Qxe4 Ra7 15. Nd4 Rc7 16. b3


白はビショップを取り返し、長期的なd6 へのプレッシャーでイニシアチブを握ります。盤上に残ったビショップは異色ですが、うまいタイミングでクイーンサイドのアクションを起こせば、白はチャンスを掴めると確信しています。

16... Re8 17. Rd2 Qc8 18. Rad1 Bf8 19. Qb1 Nd7 20. e3 Qb8 21. a4 Ne5 22. h3 Qc8 23. Kh2 Rc5 24. Rc2 Qc7?



ごくごく自然な一手にも見えますが、白にクイーンサイドでのポーン突きのチャンスを与えてしまいます!

25. f4! Nd7 26. b4! Rh5


26... Rxc4?? 27. Rxc4 Qxc4 28. Rc1 ならば、黒のクイーンは生還できません。

27. g4 Rh6 28. g5 Rg6 29. h4 e5 30. h5 exd4 31. hxg6 hxg6 32. Rxd4 Rxe3 33. Qg1 Re8 34. Bd5! a5 35. Kg3! 1-0



ここで佐野さんの時間が落ちましたが、hファイルにヘビーピースを2つまわすメイティングアタックを止める、うまいすべが黒にはありません。4R まで4連勝で、この試合の始まる前から1位が決まっていましたが、この白星で完全優勝です!


お昼ごはんは、みんなで近くのハンバーガーショップへ。


今大会は、サッカーと同じ勝ち点3のソフィアルールを採用しました。ドローを減らしてトーナメントを盛り上げる狙いがあります。


全体の勝敗はこんな感じ。全15ゲームの棋譜は、pgn 形式で参加者に配布済みです。


2位3位のタイブレークは、3-2 を2試合で決めます。結果は佐野さんがストレート勝ちでした。

井上さんの企画によってスタートしたIV League は、今後もゲストを交えて拡大していこうと考えています。会場の立地も素晴らしかったですし、良いトレーニングの場として確立していけそうです。次回の開催は8月末の予定ですので、参加者の皆さん、よろしくお願い致します!

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