2013/07/20

Saturday Lecture on July Report


今日は池上でレクチャーをこなしてきました! 参加者の皆さん、お疲れ様です。今日は個人的には悪くない出来だったと思いますが、相変わらずタイムキープは下手なまま... もう少し2時間、テンポ良くこなせるように頑張ります。

一つ、タイムアップにより扱えなかったゲームをご紹介しておきましょう。私が中学生の頃に並べ、感銘を受けたゲームです。

Albin, Adolf - Shipley, Walter Penn
New York, 1894

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bc4 Bc5 4. c3 Nf6 5. O-O O-O 6. d4 exd4 7. cxd4 Bb6



白はセンターポーンを2つ伸ばすことで、c5, d5, e5, f5 を抑える、理想的なポーンの並びを実現します。しかし、それをあえてすぐに崩し、相手のナイトをアタックして、f6, c6 からナイトを追い払います。

8. d5 Ne7 9. e5 Ne8


9... Ne4? 10. Bd5!+-, 9 ... Nh5? 10 .g4!+- はいずれもナイトが捕まります。

10. d6 cxd6 11. exd6 Ng6



白は最終的にdポーンを6段目まで押し込むことで、自分の白マスビショップの利きは開きつつ、相手の白マスビショップを封殺します。

12. Bg5 Nf6 13. Nc3 h6 14. Qd3!


ポーンを進めれば、そのポーンが抑えていたマスが弱くなります。ここではあえてg5 のビショップを無視し、g6 のナイトを取りにいきます。

14... hxg5 15. Qxg6 Nh7 16. Nd5!


d5 のマスが使えるのは、d5-d6 とポーンを進めたおかげです。ポーンを進めれば、そのポーンのいたマスが活用できるようになる、というのは今日のレクチャーで扱った大切なテーマの一つです。

16... fxg6 17. Ne7+ 1-0



最後はビショップとナイトによるメイト。問題なく見えますかね?

来月のレクチャーは8月31日の予定です。午後のサタデートーナメントがないため、レクチャー自体を午後からにするという案も出ています。こちらは詳細が決まり次第、またブログでお知らせしますね。それでは、私がハンガリーに戻る前、最後のレクチャーもよろしくお願い致します!


今日のおまけ。たまたま蒲田のお祭りに遭遇しました。13年蒲田に通って、神輿も屋台も初めて見ます(笑)

2013/07/18

Back to Hungary


昨晩、ブダペストのFirst Saturday オーガナイザー、Laszlo Nagy さんから「ハンガリーには、いつ帰ってくるんだ?」と質問を受けました(笑) 最近、日本でもよく聞かれますので、良い機会だと思い、ここでお答えしておきましょう。私は今年の9月頭のFirst Saturday から、ハンガリーに戻るつもりです。出発は、9月4日か5日のどちらかにする予定です。

3月に帰国して以来、メインとして考えていた3つのトーナメント、全日本選手権、アジアインドア、ジャパンリーグのうち、2つはすでに消化しました。ならば、8月のジャパンリーグが終わり次第、ハンガリーに戻るのが適切だと考えています。向こうにいる期間はあまり考えていないのですが、ノームが取れ次第、日本に帰国するつもりです。最低で1ヶ月、最長でビザが切れる3ヶ月といったところでしょうか。(3ヶ月試合をして、ノームが取れないケースはあまり考えたくないです...)

再びハンガリーの生活がスタートするのはとても楽しみですが、今年2月に後一歩まで迫りながら取り損ねた、3つ目のノームを取らなければいけないというプレッシャーもあります。しかし、そういったものとの戦いも楽しみの1つと考え、3度目のハンガリー生活に臨もうと思います。日本の皆さんには、また応援をお願いするとともに、ハンガリーでお世話になった皆さんとの再会を楽しみにしています。

最後に昨日、Laszlo さんから送られてきた、ハンガリーのノームトーナメント情報をお知らせしておきます。もし、私と一緒にハンガリーのトーナメントに参加したいという方がいらっしゃれば、まずは私にご相談ください。9月以降、観光で遊びに来る方も歓迎しますよー。


“FIRST SATURDAY”

MONTHLY CHESS TOURNAMENTS
for GM-, IM-norms and FIDE ELO,
B U D A P E S T, Hungary,
in the hotel MEDOSZ
www.firstsaturday.hu
IO Nagy László, mobile: +36-30-230-1914
e-mail: firstsat@hu.inter.net

*************************

“CAISSA”

monthly chess tournaments, K e c s k e m e t, (Hungary) for norms and FIDE ELO,
www.caissachessbooks.com

Org.: Dr. Erdélyi Tamás
tel: +36-30-271-3338
e-mail: caissa@t-online.hu

Round Robin System (10-12 players)
Double Round Robin (6-8 players)



2013/07/17

Training with Uesugi Family


ドレスデンオリンピアードのビデオを背景に。

今日は上杉家に急遽お邪魔し、私と同じFM タイトルを持つ晋作くんとトレーニングを行いました。3-0 を10局ほど指しましたが、結果は聞かないでください(笑) 晋作くんも来月にアメリカで開催される大会で、久々の公式戦復帰となるそうなので、このままさらに調子を上げていってほしいと思います。

韓国からの帰国後、上杉家の皆さんには大変お世話になりました。昨年は私のハンガリー留学があったため、晋作くんとは1月の松戸チェスクラブ選手権以来に会い、この1週間ほどで楽しい交流が持てたと思います。先月から始まった彼のHP も好調のようですし、今日はKindle でのチェス本も出版したそうで、これから本格的にチェスに戻ってくることを願っています。

晋作くんは明日の夕方、愛しの彼女が待つアメリカに帰るそうなので、また次の来日の機会を楽しみにしています!
そのときまで Good Luck!


晋作くんの父親、和哉さんからは将棋の手ほどきを受けました。

2013/07/16

Summer Open 2013 Day2


今年のサマーオープンは、昨日2日目の3試合が行われ、私は無事に3連勝! 大先輩の松尾さんとは残念ながらペアリングが組まれませんでしたが、それは次の大会でのお楽しみにとっておくことにしましょう。ひとまずは今年の国内公式戦での単独初優勝に、胸をなでおろしています。

1R 小島慎也 (2409) - 杉本公一 (1962) / 1-0 / a6 Slav
2R 堀江貴広 (1800) - 小島慎也 (2409) / 0-1 / Queen's Pawn Opening
3R 小島慎也 (2409) - 権田源太郎 (2042) / 1/2-1/2 / Nimzo-Indian
4R 神田大吾 (1775) - 小島慎也 (2409) / 0-1 / Caro-Kann Advanced
5R 小島慎也 (2409) - 山田弘平 (2219) / 1-0 / Fianchetto Grunfeld
6R 内田成美 (1828) - 小島慎也 (2409) / 0-1 / Caro-Kann Advanced

Kojima, S (FM, JPN, 2409) - Yamada, K (JPN, 2219)
Summer Open 2013 (5)

1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. Nf3 Bg7 4. g3 d5 5. Bg2 Nc6 6. O-O dxc4 7. Na3 Bg4?!



ここはビショップが最初に出るマスとして、若干不自然でした。f3 をとった後の、d4 のポーンとb7 のポーンの交換は白に有利なため、7... O-O 8. Nxc4 Be6 9. b3+/= と進める展開が自然でしょう。

8. Nxc4 O-O 9. Nce5 Nxe5 10. Nxe5 Bc8


ひとまず、白マスのロングダイアゴナルを開きつつ、ビショップを退かせて白は満足です。ここから他のピースを含めたセットアップを考えます。

11. b3 Nd7 12. Nf3 Nb6 13. Bb2 a5 14. Qc2 c6 15. Rfd1 h6 16. Ne5!



将来的にb3 に残るポーンを攻撃されるのは面倒なので、それをサポートするようにナイトの位置を切り替えます。

16... Be6 17. Nd3 a4 18. Nc5 axb3 19. axb3 Rxa1 20. Rxa1


ここはどちらで取るか少し迷いましたが、ビショップがa1に退いても何もできないので、新しいルークの使い道を考えます。

20... Bc8 21. e3 Qc7 22. Nd3 Rd8 23. Rc1 Qb8 24. Qc5 Nd5 25. e4 Nf6 26. Qb6?!



すぐにポーン取る手には、Rd8-Re8 からのカウンターが入るので面白くありません。26. d5! (黒マスビショップのダイアゴナルを開く好手! 頭にはあったのですが、これで決定的なアドバンテージが掴めるとは気づいていませんでした。) 26... Bd7 27. Be5 Qc8 28. Qxe7+-

26... Bg4 27. f3 Be6 28. Nf4 Bd7 29. e5 Nd5 30. Nxd5 cxd5 31. Rc7


持ち時間のほとんどない中、こうして7段目にルークが入れば、何かしらのチャンスを作れるだろうと考えました。

31... Bc6 32. e6!?



白は単純にポーンを取りにいっても、32. Rxe7 Bf8 33. Rc7 Qa8! からのカウンターに少し困るだろうというのが、私と弘平くんの共通見解です。

32... Bf6 33. Bh3 Qa8!


正直に言えば、d8 のルークを浮かせてしまうために、このaファイルからのカウンターは成立しないだろうと思っていました。ところが...

34. b4 Qa2!! 35. Rxc6 Qxb2 36. exf7+ Kg7 37. Rxf6! Qb1+??



黒はf6 のビショップを切られたために、攻めが完全に消えたと勘違いしてしまったか、最後の最後で間違えてしまいます。37... exf6 38. Qxd8 Qxd4+ 39. Kg2 Qd2+ 40. Kf1 Qd1+ 41. Kf2 Qd2+= と進めれば、パペチュアルチェックでドローでした。

38. Bf1 1-0


黒マスさえ抑えられなければ、白はキングを逃がすことができます。弘平くんにとっては、実にもったいないゲームでした。

ハンガリーから帰国して4ヵ月半、日本の公式戦では初優勝ですが、直前の韓国での戦績が振るわなかったため、喜んでばかりもいられません。また気を引き締めて、次の公式戦、Japan League に備えようと思います。それでは皆さん、また来月試合会場でお会いしましょう。


10代から30代まで年齢は様々ですが、こうして見ると学級会のようです(笑)

2013/07/14

Summer Open 2013 Day1


昨晩は同級生の汐口くんと午前3時過ぎまでチャットをしており、就寝間際にこう思いました。「奇跡的に起きられたら、サマーオープンに行こう。」

こうして全く予定外の大会参加となりました。他の参加者は皆さん、「えっ?参加しないって言ってたじゃん!」といった反応でした。気まぐれですみません。

Horie, T (JPN, 1800) - Kojima, S (FM, JPN, 2409)
Summer Open 2013 (2)

1. Nf3 Nf6 2. g3 d5 3. Bg2 c6 4. d4 Bf5 5. O-O h6 6. Nbd2 Nbd7 7. c4 e6 8. b3 Bd6 9. Bb2 O-O 10. Rc1 a5 11. a3 Qe7 12. c5 Bc7 13. b4 axb4 14. axb4 Ne4 15. Qb3 e5 16. dxe5 Nxe5 17. Nxe4 Bxe4 18. Qc3 Rfe8 19. Nh4 Bxg2 20. Kxg2 f6 21. Nf5 Qd7 22. Ne3 Ng4!



このポジションで、黒の大きな優勢を確信しました。ルークはやはり、オープンファイルでその力を最も発揮します。

23. Nxg4 Qxg4 24. Rfe1 Ra4! 25. e4 Be5 26. Qb3 Bxb2 27. Qxb2 Rxe4!



かなり難しいですが、このポーンが取れるとしっかり読みきり、24手目からの流れを決めました。

28. f3 Rexb4 29. Qc2?


この手では黒は単なる2ポーンアップですので、後は簡単です。最も難しい変化は、29. Re8+ Kf7 (29... Kh7?? 30. Qc2+ Qg6 31. Rh8+!+-) 30. Qe2 Qd7 31. Re1 Re4! 32. fxe4 Qxe8 33. Qh5+ g6 34. Qxh6 Rxe4-/+ ですが、こちらも順当に行けば、黒が勝つでしょう。

29... Qd7 30. Qg6 Rb2+ 31. Kg1 Ra8 32. Ra1 Rd8 33. g4 Qc7 34. Qh5 Qf4 35. Re7 Kh8 36. Rae1 Qxf3 37. Re8+ Rxe8 38. Rxe8+ Kh7 39. Qf5+ Qxf5 40. gxf5 Rc2 41. Rb8 Rxc5 42. Rxb7 d4 43. Rd7 Rd5 44. Rxd5 cxd5 0-1



e4 を取りにいったポジションは、なかなか面白かったと思います。あそこでポーンを取らなければ、黒が勝つのはもっと大変だったでしょう。

サマーオープン初日はこの試合を含め、2勝1ドローという戦績でトップタイにいます。他に2.5P で並んでいるのは、他に山田くん、松尾さん、権田さん、神田さんの4名で、2日目は午前中から、この上位陣同士でのつぶし合いとなります。


中高の13代上の先輩、松尾さんと。


夕飯はインドカレー屋に足を運びました。ナンがでかい!

2013/07/13

27th Summer Universiade in Kazan vol.2


私は冬のロシアしか知りませんが、写真を見る限り、夏は暑そうです。それにしても変な人が(笑)

要くんからロシアの写真が再び届いたので、今日はカザンユニバーシアードの続報です。昨日までで2/3 の6R までが終了し、日本から参加している2人はかなり苦戦しています。

Sjugirov (GM, RUS, 2647) - Nanjo, R (CM, JPN, 2299)
27th Summer Universiade (3)

1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. Bb5+ Nd7 4. d4 cxd4 5. Qxd4 Ngf6 6. Bg5 e6 7. c4 Be7 8. Nc3 O-O 9. Bxd7 Qxd7 10. O-O a6 11. Rfd1 Rd8 12. Qb6 Qc6 13. Qxc6 bxc6



南條くんは今年のカペルで優勝したロシアの若きGM、Sjugirov と3R で激突しました。クイーン交換をして黒は少し楽になったかに見えましたが、ここからの白の指し方には舌を巻きます。

14. e5! dxe5 15. Rxd8+ Bxd8 16. Rd1 Be7 17. Nxe5 Bb7


黒は弱点となったc6 を苦しい形で守らざるをえませんが、白は追撃の手を緩めません。

18. Na4! Kf8 19. Be3 Ne4? 20. f3 Nf6



このテンポロスは大きな痛手でした。白は黒マスから黒陣にピースを侵入させ、決定的なアドバンテージを得ます。

21. Bc5! Rb8 22. Nd7+ Nxd7 23. Rxd7 Bxc5+ 24. Nxc5 Bc8 25. Rc7 Ke8 26. b3 e5 27. g4 h5 28. h3 hxg4 29. hxg4 a5 30. Kf2 a4 31. Nxa4 e4 32. Nc5 exf3 33. Kxf3 g6 34. Kf4 f6 35. Rh7 Kd8 36. g5 fxg5+ 37. Kxg5 Ra8 38. Ne6+ 1-0



これがロシアでも上位のGM の実力です。ゲームを見ていて、私も南條くんも、まだまだこれからだと実感しました。


GM Sjugirov と対戦する南條くん


今年のカペルから。優勝したSjugirov と、小林くん、三村くんの記念撮影です。

南條くんはこの後も調子が上がらず、ここまで2/6 と2つ負け越しています。やはり韓国との連戦は厳しいようですね。最後の3試合は少しでもポイントを獲得できることを願っています。

そして要くんはさらに厳しい戦績で、4連敗スタート後、ドローと勝ちで、ここまで1.5/6 となっています。Twitter では、進撃の巨人パロディネタに走らなければ、心のバランスが保てないほどショックなようです。私も昨年、ハンガリーで経験がありますが、4連敗はとても苦しいものです。それでも1つの白星や盤外の出来事で気分はずっと楽になるものですので、彼にも後半3試合をきっちりと戦い抜いて、帰国してほしいと思います。


写真を見る限り、食事はおいしそうです。

27th Summer Universiade in Kazan Chess Results

2013/07/11

Encounter with Presidents

韓国での大会期間中、試合会場から宿泊棟に戻る我々に、謎の黒服のオジサンが声をかけてきました。いわく、今度日本に行くから情報が知りたいんだけど、とのこと。南條くんが詳しく話を伺ってみたところ、彼らはAsian Chess Federation の会長のHisham Al-Taher 氏と、その取り巻きたちでした。

Hisham Al-Taher 氏は7/9 に来日し、JOC の竹田会長と会う約束でした。私は帰国してすぐに、渡井さんにも彼らと会うよう連絡を取り、どうなったかの連絡待ち状態に入ります。そして先ほど、彼からメールが届き、以下のリンクに記事が出ていると教えてもらいました。

http://alroeya.com/node/37553
http://www.albayan.ae/sports/all-games/2013-07-11-1.1920371

私はアラビア語は分からないので、記事の内容までは読めませんが、少なくとも3人が無事に対談を済ませたことは理解できました。これには最初に話を持ちかけられた南條くんも、ロシアで一安心しているのではないかと思います。Hisham Al-Taher 氏の要望は、アジア各国でのチェスの活性化だと予想していますので、今回の来日と対談が、日本のチェスにとってプラスになるよう願っています。次に渡井さんに会ったときは、どんな話をしたのか聞いてみることにしましょう。

あとアラビア語の分かる方は、ざっと何が書いてるのか教えてくださいな!(笑)

2013/07/10

Saturday Lecture on July 20th


Nakamura, R - Kojima, S
Black to move

韓国のことで最近まで頭がいっぱいでしたが、来週末には池上でのレクチャーが迫っています。今月のレクチャーのテーマは、単純なようでなかなか奥の深い、ポーンの前進とします。

【日時】 2013年7月20日(土) AM 10:00~12:00
【会場】 チェスセンター(最寄駅:池上駅)
【形式】 レクチャー+質疑応答
【テーマ】 Advance of the Pawn
【テーマ詳細】

ポーンという駒は他のピースと違い、一度前進すると戻ることができません。さらには、その位置によって働きを大きく変えるため、動かすときは慎重にならなくてはいけません。今回のレクチャーではポーンの前進をテーマに、ポーンの位置や働き、他の駒との連携などについて考えていこうと思います。いつも通り、実戦から良いポーンの前進と悪いポーンの前進の例を取り上げ、ご紹介する予定です。

【参加費】 1000円
【参加資格】なし
【対象】 レイティング2000未満

今月は午後のサタデートーナメントがないため、参加費は一律1000円となります。皆さん、よろしくお願い致します。それでは来週末、池上でお会いしましょう!

2013/07/09

27th Summer Universiade in Kazan vol.1


要くんから届いた写真では、南條くんの元気の良さが伝わってきます。

昨日の記事でも軽くお伝えしたとおり、ロシアのカザンで夏季のユニバーシアードがスタートを切りました。様々な種目で大学生、大学院生がメダルを争うこの大会には、チェス競技に2人の日本人選手が参加しています。

南條遼介(CM, JPN, 2299)
佐藤要(JPN, 2038)


韓国での試合を終えたばかりの南條くんと、現学生チャンピオンの要くんが、リスト上位がGM で埋まるこのハードな大会に挑みます。Chess Bomb では、早速南條くんのゲームが中継されていたので、途中局面をご紹介しておきましょう。

Ma, Q (GM, CHN, 2584) - Nanjo, R (CM, JPN, 2299)
27th Summer Universiade (1)


1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 Nf6 4. d3 Bc5 5. c3 O-O 6. Nbd2 Re8 7. O-O a6 8. Ba4 Ba7 9. Re1 d6 10. Nf1 b5 11. Bb3 Be6 12. Ng3 Ne7 13. Nh4 Nd7 14. Bc2 c5 15. Qf3 Nf8 16. Nhf5 Nxf5 17. exf5 Bd7 18. Nh5 f6 19. Bb3+ Kh8



南條くんは、初戦で中国の新鋭、まーくんと対戦です。私が前に見たときは2300台だったはずなんですが、いつのまにか2600を超えそうです...

Twitter では、これは南條くんのゲームではないのでは?という書き込みも見ましたが、彼は確かにRuy Lopez Berlin を研究しており、Chess Results でのペアリングをチェックしても、これが彼のゲームで間違いありません。ちなみに、すでに相当押し込まれて苦しいように見えます。

その他の大会情報、ライブゲームなどは以下のサイトからチェックしてみてください。私も大会期間中は、彼らのゲームと結果を常に見るようにしたいと思います。

27th Summer Universiade in Kazan
Chess Results
Chessbomb


他国のメンバーと。皆さん楽しそうで何よりです。


会場をチェックする南條くん。


最後はおまけ。私はアメリカから帰省中の、上杉くんと会っていました。

2013/07/08

1st IV League - A New Style Tournament -


韓国から帰国した翌日の7月7日は、日本のFM たちは西でも東でも大忙しでした。南條くんはカザンで開催されるユニバーシアードに参加するため、羽田空港から家に帰らずに、直接ロシアへと旅立っていきました。京都では、羽生さんが池田君のもとを訪れ、京都大学チェスサークルのメンバーも交えながら、トレーニングを行いました。カザンの情報は現地からの連絡を、京都でのトレーニングは池田くんのブログでの報告を待つことにしましょう。

私もこの日は朝からバタバタでした。帰国翌日はゆっくり休みたかったのですが、表参道でのミニトーナメントへの参加が決まっていたのです。この日の試合は、参加者の平均レイティングが2100を超えるハイレベルなラウンドロビンで、今回が初めての開催となります。韓国とは違い(笑)、そちらでは内容の良いゲームができたので、写真を交えて大会の様子をお伝えしようと思います。


IV League と名づけられた今大会の第1回参加メンバーは、以下の通り。全日本チャンピオン経験者3名を含みます。

1. 小島慎也 (2385)
2. 佐野富 (2135)
3. 中村龍二 (2126)
4. 塩見亮 (2107)
5. 井上祥 (2043)
6. 吉村謙治 (1911)


FIDE のレイティングでリストを決め、ラピッド5R の総当りを行いました。私は井上さんとのゲームで最後に緩手がありましたが、他の4試合はとてもうまく指せたと思います。最終戦の佐野さんとのゲームを、簡単にご紹介しておきます。

Kojima, S (FM, JPN, 2385) - Sano, T (JPN, 2135)
1st IV League(5)


1. Nf3 Nf6 2. c4 c5 3. Nc3 e6 4. g3 b6 5. Bg2 Bb7 6. O-O Be7 7. d4 cxd4 8. Qxd4 d6 9. Bg5!



韓国ではクラシカルな9. b3 を試しましたが、こちらのほうが白のプランが分かりやすく、近年の勝率も良くなっています。実戦での投入は5年前の龍二さんとのゲーム以来となります。

9... a6 10. Bxf6 Bxf6 11. Qf4 O-O 12. Rfd1 Be7 13. Ne4 Bxe4 14. Qxe4 Ra7 15. Nd4 Rc7 16. b3


白はビショップを取り返し、長期的なd6 へのプレッシャーでイニシアチブを握ります。盤上に残ったビショップは異色ですが、うまいタイミングでクイーンサイドのアクションを起こせば、白はチャンスを掴めると確信しています。

16... Re8 17. Rd2 Qc8 18. Rad1 Bf8 19. Qb1 Nd7 20. e3 Qb8 21. a4 Ne5 22. h3 Qc8 23. Kh2 Rc5 24. Rc2 Qc7?



ごくごく自然な一手にも見えますが、白にクイーンサイドでのポーン突きのチャンスを与えてしまいます!

25. f4! Nd7 26. b4! Rh5


26... Rxc4?? 27. Rxc4 Qxc4 28. Rc1 ならば、黒のクイーンは生還できません。

27. g4 Rh6 28. g5 Rg6 29. h4 e5 30. h5 exd4 31. hxg6 hxg6 32. Rxd4 Rxe3 33. Qg1 Re8 34. Bd5! a5 35. Kg3! 1-0



ここで佐野さんの時間が落ちましたが、hファイルにヘビーピースを2つまわすメイティングアタックを止める、うまいすべが黒にはありません。4R まで4連勝で、この試合の始まる前から1位が決まっていましたが、この白星で完全優勝です!


お昼ごはんは、みんなで近くのハンバーガーショップへ。


今大会は、サッカーと同じ勝ち点3のソフィアルールを採用しました。ドローを減らしてトーナメントを盛り上げる狙いがあります。


全体の勝敗はこんな感じ。全15ゲームの棋譜は、pgn 形式で参加者に配布済みです。


2位3位のタイブレークは、3-2 を2試合で決めます。結果は佐野さんがストレート勝ちでした。

井上さんの企画によってスタートしたIV League は、今後もゲストを交えて拡大していこうと考えています。会場の立地も素晴らしかったですし、良いトレーニングの場として確立していけそうです。次回の開催は8月末の予定ですので、参加者の皆さん、よろしくお願い致します!

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