- White plays 7.a4 -
Game3
Canda, D. (NCA,FIDE 2289) - Kojima, S. (JPN,FIDE 2272)
Dresden Olympiad
1. e4 c5 2. Nf3 Nc6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 e5 6. Ndb5 d6 7. a4!?
7.Nd5 に比べれば指される頻度はかなり少ないですが、黒のb7-b5 を防ごうといアイディアは理解することができます。7...a6 8. Na3 Bg4! 9. f3
白にfポーンを突かせ、g1-a7のダイアゴナルを弱くするのが、8...Bg4 の狙いです。
この点で8...Be6 よりも優れていると私は考えます。
9...Be6 10. Bc4 Be7
10... Rc8 11. O-O Nb4 12. Nd5 Nbxd5 13. exd5 Bd7=
/Xie J (2530) - Kramnik, V (2775) / Amber-rapid 1996/ 0-1
11. O-O O-O 12. Be3 Rc8 13. Nd5 Bxd5 14. exd5 Nb8
Game2 と同じポーンストラクチャー、ナイトのマヌーヴァリングになりました。異なるのは黒がダブルビショップを失っていることですが、黒には特に弱点がなく、満足なポジションだと言えます。
15. Qd2 Nbd7 16. Kh1
どのように手を作るか悩むポジションですが、私は時間をかけ、以下のような構想を思い付きました。
16...Nh5!?
Game2でも見た通り、白がexd5 としたポーンストラクチャーでは、e5,f5 のポーンの形が強力なので、17...f5 を突く準備をします。もちろん1ポーンは捨てる覚悟です。
17. g4!? Nf4! 18. Bxf4 exf4 19. Qxf4 Ne5
King's Indian でもたまに見られる1ポーンサクリファイスです。
e5 のポーンがいなくなったことによるメリットは主に3つ考えられます。
1. e5のマスが使えるようになった。
2. h8-a1のダイアゴナルが使えるようになった。
3. eファイルがオープンになった。
黒はもちろん、これら全てを利用して戦います。
20. Be2 Bf6 21. c3 Re8 22. Qd2 g5!?
かなり怪しく見えますが、白のf3-f4,g4-g5 を防ぐにはどうしたものかと思い、捻り出した一手です。他の候補手もあげておきましょう。
22...g6!? 23.f4 Nd7 24.g5 Bg7 25.Rae1 Nc5 26.Bg4+/=
22...Bh4!? (狙いはRae1 を防ぐ) 23.f4 Nd7 24.g5 Nc5 25.Qc2 Rc7 26.Nc4 Rce7 27.Bf3+/=
23. f4!
黒にNe5-Ng6,Bf6-Be5 とさせてしまうと、黒マスのコントロールでポーンの代償は十分なので、それを防ぎます。
23...Ng6 24. f5?
ここは明らかに判断ミスです。24.fxg5! Bxg5 25.Qc2+/= ならば、
黒はナイトとビショップを良い位置で使えますが、その代わりにポーンストラクチャーが悪いため、白が優勢だと判断できます。
24...Nf4
黒マスを支配する黒のナイト、ビショップ働きは白よりも遥かに良く、1ポーンの代償は十分です。25. Bf3 Qa5 26. Nc2 Re7 27. Rfe1 Rce8 28. Rxe7 Rxe7 29. Ne3 b5 30. Nf1 bxa4 31. Ng3 h6 32. Ne4 Be5 33. f6?!
このポーンは将来的にターゲットになってしまうため、f5に残しておくほうが良いでしょう。
33...Rb7! =/+
ピースで固まって閉じているセンターのファイルよりも、開いた端のファイルでルークを使うべきです!34. Ng3 Qb5 35. Qc2 Qxb2?!
ここは焦りすぎです。先に取るべきは、f6のポーンでした。35...Bxf6! 36.Nf5 Qxb2 37.Nxh6+ Kf8 38.Qxa4 Qxc3 -+ ならば順当に黒が勝てそうです。
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