ジャパンオープン2日目の今日は、3試合とも見落としたが多く、内容はイマイチでした。それでも、青嶋くんと南條くんにドロー、入江さんに勝ちで、トップグループの5/6 につけています。5R の南條くんとの試合は、非常に複雑で見ごたえがあると思いますが、解説を書く時間がないので、6R の入江さんとの試合をご紹介します。
Irie, Y (JPN, 2156) - Kojima, S (IM, JPN, 2457)
Japan Open 2015 (6)
1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Nc5 e5 6. Nxb7 Qb6 7. Nc5 exd4 8. Nb3 Bb4+ 9. Bd2 Nf6 10. Qe2+!?
Japan Open 2015 (6)
ハンガリーでGM との対戦経験もあるラインです。ここでチェックされたらどうしようかと考えていたところ、本当にしてきました。白マスビショップの利きをふさぐのは不自然ではありますが、黒もどちらかのビショップを退くしかありません。
10... Be7!?
10... Be6 11. Bxb4 Qxb4+ 12. Qd2 Qb6 13. Qxd4 Bxb3 14. Qxb6 axb6 15. cxb3 O-O このように進んでも、ピースの展開の早さで、黒は捨てた1ポーンの代償があるでしょう。
11. Nf3 c5 12. Ba5?!
直観的にこれはおかしいと切り捨てていたので、指されて驚きました。黒はc6 にナイトを出した際にビショップをアタックすることができ、テンポを稼ぐことができます。
12... Qd6 13. c3
入江さんは、d4 のポーンを弱くする作戦を選びましたが、ここまで展開が早ければ、ポーンを取る余裕はないと信じ、自然に駒を進めます。
13... Nc6 14. cxd4 cxd4 15. Qb5 Qe6+?
しかし、ここで間違えてしまいます。クイーンチェックは強力に見えますが、d4 の守りが減ってしまううえ、c6 のナイトのピンを外していません。代わりに、15... Bd7! 16. Bd3 Rb8 17. Qa6 Bc8! (この手は検討で見落としていました。クイーンをビショップの守りから遠ざけてしまえば、黒はピースを取ることができます。) 18. Qc4 Nxa5 19. Nxa5 Qb4+-+
16. Be2 Rb8 17. Qa4?
この手を見て、自分が危機を脱したこと、そして勝勢になったことを確信しました。17. Nfxd4! Rxb5 18. Nxe6 Rxb3 19. Nxg7+ (このナイトフォークでビショップを取れるのが、この長い駒の取り合いのミソです。) 19... Kf8 20. Nxf5 Rxb2 21. Bd2+- これで白はダブルビショップをキープしたうえ、ポーンアップで勝勢です。
17... Bb4+!+-
入江さんはこの手を見落としていたのでしょう。b5 ではなく、a4 でクイーンを取れれば、上記のラインと違って黒のルークはアタックされておらず、d4 取りは手遅れになってしまいます。
18. Bxb4 Rxb4 19. Nbxd4 Rxa4 20. Nxe6 Bxe6 21. Rc1
21. Bb5 Re4+ は、チェックでルークが逃げられるため、ピース取りになっていません。
21... Nd4 22. Nxd4 Rxd4 23. Rc7 O-O 24. Rxa7 Bd5 25. f3 Re8 0-1
ここを勝てたことで、1歩リードしていた南條くんとAlex に追いつき、5/6 が4人並んだ状態となっています。
来日以来、27連勝というとんでもない記録を作ってきたTuさんですが、今日は南條くんに負け、小林くんにドローで一歩後退となりました。それでも2番手グループですので、明日の結果次第では、十分に入賞はありえます。
オーストラリアのSimutanyiさんは、私に負けて以降、坂井さん、青嶋くんらに勝ちを含めて4連勝し、トップボードに戻ってきました。久々のチェスだそうですが、ようやく本領発揮と言ったところでしょうか。
明日は3bye の羽生さんも戻ってきて、いよいよ最後の2試合が行われます。ペアリングは、小島-Alex、南條-Simutanyi、羽生-小林、Tu-Andrew となっています。最後の白でしっかり勝ち、混戦のトップグループを抜けたいですね。
先週、27歳の誕生日を迎え、今日はゆみさんから、誕生日プレゼントを貰いました。ハート型のチョコレートです!
0 件のコメント:
コメントを投稿