2015/11/18

The Highest Level Training in Japan on 16th November


チェスベースの不調でブログの更新が遅くなりました。2日前の16日、今月2回目となる羽生さんとのトレーニングを行ってきました。羽生さんは2回のトレーニングにiVL、そして今週末のジャパンオープンと、今月は非常にチェスに精力的です。午前中に指した、私が白番のゲームをご紹介します。

Kojima, S (IM, JPN, 2400) - Habu, Y (FM, JPN, 2398)
Training (1)

1. Nf3 Nf6 2. c4 c5 3. Nc3 b6 4. g3 Bb7 5. Bg2 g6 6. O-O Bg7 7. d4 cxd4 8. Qxd4 d6 9. Rd1 Nbd7 10. Be3 Rc8 11. Rac1 a6 12. b3 O-O 13. Qh4 Rc7 14. Bh3 Qb8 15. Bh6 b5 16. Bxg7 Kxg7 17. Bxd7 Rxd7 18. cxb5 axb5 19. Qb4 Bxf3 20. exf3 Qb7!?



ここまでは2年前に、GM Gordon と指した変化と同じです。Gordon はここでb5 を守ってきましたが、羽生さんはf3 との取り合いを選びました。私は将来的に、白の2コネクテッドパスポーンは武器になると信じ、この誘いに応じて勝負です。

21. Nxb5 Qxf3 22. a4 Rb8 23. Qc3 Qh5 24. Nd4


b5 のナイトは白のパスポーンをブロックしてしまっているので、ベストの位置だと思われるc6 に切り替えに行きます。

24... e5 25. Nc6 Rc8 26. b4 Ng4 27. h4 g5 28. Kg2?!



これは予想していた手ではありましたが、将来的にf3 のマスにポーンを置くか、クイーンを置くかで迷い、どちらも選べるように進めました。実際にここでどちらかに絞っておけば、本譜のような流れにはならなかったでしょう。28. f3 Nf6 29. hxg5 Qxg5 30. Kf2+/= これは安全に、白が優勢でしょう。また、28. Qf3! gxh4 29. Rc4 Nf6 (29... f5 30. Nxe5! hxg3 31. Qxg3+/-) 30. Qxh5 Nxh5 31. gxh4+/- このようにクイーンを交換しておいても、白は⒉コネクテッドパスポーンを持つ有利なエンドゲームを迎えていたでしょう。

28... gxh4 29. Rh1 Qf5 30. f3?


私はクイーン交換をしたエンドゲームが勝ちになるか確信が持てず、こちらを選択してしまいました。30. Qf3! Qxf3+ 31. Kxf3 f5 32. b5 33. gxh4 d4 34. a5 d3 35. a6 e4+ 36. Kg2! (36. Kg3 d2 37. Rcd1 Kf6=/+) 36... d2 37. b6! dxc1=Q 38. Rxc1 Kf6 39. b7 Rg8 40. b8=Q Rxb8 41. Nxb8+/- このように先にプロモーションを許しても、白は必ずプロモーションを後でできるうえ、パスポーンも残すことができます。ここまで読み切るのは無理ですが、それでも2コネクテッドパスポーンの力を信じるべきでした。

30... Rxc6!!



これしかないと言われればないのですが、黒の反撃はすぐに途切れるものだと思っていました。これを過小評価していなければ、クイーン交換を実行していたでしょう。

31. Qxc6 Ne3+ 32. Kf2 Qd3 33. Qc3 hxg3+ 34. Kxg3 Qe2 35. Rhg1


これは自然な手にも見えましたが、検討では35. Rcg1!? Kf6 36. Rh6+ Ke7 37. Rxh7 Nf1+ 38. Rxf1 Qxf1 39. Qe3= このようにh7 のポーンを取るチャンスを残すアイディアも出ました。これならば、形勢は互角だったでしょう。それでも黒は悪くないということは、エクスチェンジサクリファイスは十分に成立していたということです!

35... Kf6 36. Rce1 Nf5+ 37. Kh3 Qf2 38. b5?



これは黒の次の手が見えておらず、ひどい手でした。fポーンを突く手は見えていながら、すぐに捨てるのを渋ってしまいました。38. f4 Qxf4 39. Rg4 Qf2 40. Ree4=

38... Rd8!-+ 39. f4 Qh4+ 40. Kg2 Rg8+ 41. Kf1 Qxf4+ 42. Ke2 Qh2+ 0-1


相変わらず羽生さんの、勝負所でのこれしかないという1手を選び取る勝負強さと、その後のプレーの正確さには驚かされます。ジャパンオープンでも力強いプレーを見せてもらいたいですね。久々に羽生さんと一緒に参加する国内公式戦、とても楽しみにしています。


昼ご飯は久々の焼肉でした。年末に公開される、チェスの映画に関する話題が多かったですかね。

0 件のコメント:

コメントを投稿

Copyright © 2011 Shinya Kojima All rights reserved.