2019/01/27

International Chess Festival in Leányfalu 2019 R5


待ち望んだXu Yi との7年ぶりの対戦です。ここまで結果は1敗2ドローですが、互いにレイティングが2100、2200台だった頃の話です。2年前のジャパンリーグで再会し、彼もGM ノームを目指して転戦していることを知ってから、どこかで当たる予感はしていました。

Kojima, S (IM, JPN, 2393) - Xu, Y (IM, CHN, 2528)
International Chess Festival in Leanyfalu 2019 (5)

1. Nf3 d5 2. d4 e6 3. c4 a6!?



Xu Yi は前日のHorvath戦で惜しくも勝ちを逃し、GMノーム獲得に余裕がなくなってきました。私との試合がドローでも十分であるならば、メインレパートリーであるRagozin を使うつもりだったと試合後に教えてくれました。実際には、ここは黒でも勝ちを目指すために、a6 QGD です。

4. cxd5 exd5 5. Nc3 c6!?


先月モンテネグロで2試合指した5... Nf6 の変化に比べ、ここで黒はもう1手待って白の黒マスビショップの位置を見極めます。f4 とg5 どちらにビショップがきても、それぞれd6、e7 に黒マスビショップを出して交換を狙うでしょう。そこで私もクイーンを動かして1手待ちます。

6. Qc2!? Bd6 7. Bg5 Ne7 8. e3



私は白を持ちながら、Caro-Kann Exchange の黒番での指し方をイメージしていました。(1. e4 c6 2. d4 d5 3. exd5 cxd5 4. Bd3 Nc6 5. c3 Qc7 6. Ne2 Bg4) この変化だと思えば、8. Bxe7!? Bxe7 (8... Qxe7? 9. Nxd5!) 9. e3 Bg4 も少しは考えましたが、白がアドバンテージを求める指し方ではないでしょう。

8... f6 9. Bh4 Bf5 10. Bd3


ポーンストラクチャーの観点から、白は白マスビショップを取っておきたい気持ちもありましたが、ここでクイーンが動き直すのも癪だと感じました。両ビショップを捌いたうえで、どんなナイトのマヌーバリング勝負ができるか試してみることにします。

10... Bxd3 11. Qxd3 Nd7 12. Bg3 Nb6 13. Bxd6 Qxd6 14. O-O O-O 15. Rfc1 Qe6 16. Nd2



白のナイトが目指すのは当然c5 のマスです。白マスビショップが残っている状況ではありますが、このポーンストラクチャーでの指し方は何度も経験があります。c5 にナイトを刺したうえで、マイノリティーアタックができれば白は理想的でしょう。

16... Nf5 17. Nb3 Nd6!


対する黒はd6 がナイトのベストスクエアです。b5 を抑えることで、将来的な白のマイノリティーアタック、b2-b4-b5 を牽制しつつ、c4, e4 に跳びこむチャンスを作っておきます。特にc4 への跳び込みの意味合いは強く、白が迂闊にb2-b4 を突いてc4 をアウトポストにしてしまうと、Nd6-Nc4, b7-b5 から黒はナイトをc4 に刺すことができます。こうした展開を考えると、やはり白マスビショップをキープしておいたほうが、白は指しやすかったと思えます。

18. Nc5 Qf7 19. Nb1!?



もう1つのナイトをどうするか悩み、c4, e4 をカバーできるd2 に組み直すことにしました。Nd2-Nb3 からc5 に向かうことも、Nd2-Nf3(or Nf1) としてキングの守りに使うことも考えられます。

19... Rfe8 20. Nd2 Rad8 21. Rc2 Nd7 22. Nxd7


ここは思い切って、22. Rac1 Nxc5 23. dxc5!? Nb5 24. Nb3 Nc7 25. Nd4= とポーンストラクチャーを変える選択肢もありました。

22... Rxd7 23. Rac1 h5!



このような状況で黒が手を作るのはキングサイドだと知っていましたが、実際にどれくらいの脅威になるかは未体験でした。黒はd6 のナイトの力でクイーンサイドからのマイノリティーアタックを止めているのであれば、遠慮なくキングサイドの攻めを考えることができます。

24. a4 h4 25. h3 g5 26. Re1


ここは少し押されていると感じ、cファイルにこだわらずにプレーすることにします。e3-e4 の実現は簡単ではありませんが、なにかしら反撃を見せておかなければ潰されてしまいます。

26... Rde7



26... Qh5 27. Qe2 Qxe2 28. Rxe2 Rg7=/+ で黒が少し良いとコンピュータは評価しますが、クイーンを消して十分なアタックを作れるか、人間の感覚では疑問にも思えます。

27. Nf1 Kg7 28. Nh2 Qe6 29. Ng4!


黒のd6 のナイトに対抗すべく、見つけたマスがこのg4 です。f6-f5 ならば当然e5 に跳び込みますし、もっと早くg4 を抑えようとf6-f5 を突いても、Nh2-Nf3-Ne5 というルートがありました。g4 のマスに到達したナイトは、黒のキングサイドのポーンを伸びづらくし、ディフェンスに大いに役立っています。

29... Ne4



私は試合後、f7 にナイトを退き、f6-f5 の準備をするのはどうかとXu Yi に問いかけました。これには29... Nf7 30. f3 f5 31. Nf2 Nd6 とするつもりでした。私は少し押し込まれてて悪いかとも思っていましたが、黒もe3-e4 を止めるためにこれ以上ピースのポジションを改善しづらく、ドローになるのではないかと意見を貰っています。

30. f3 Ng3


g3 を弱めるのは少し変にも思えますが、このナイトの跳び込みを私はさほど気にしていませんでした。30... Nd6 と退き、マイノリティーアタックに備えられた場合、またどうするかがより私の課題でした。

31. b4!


d6 からナイトが離れたことで、b4-b5 のマイノリティーアタックのチャンスがようやく生まれました。黒はこれを止めるため、e3 のアタックに集中することができません。

31... Qd6 32. Rb2 Ra8 33. Rc1 Rc7 34. Qb1 Re8 35. Qd3 Ra8 36. Qb1 Re8 37. Qd3 1/2-1/2



白が勝ちを目指すのであれば、b4-b5 にこだわるべきですが、aファイルが開いて黒に反撃のチャンスを与える展開になれば、g3 に刺さったナイトや黒マスの弱さにより、リスクが高いと判断しました。ここでXu Yi のオファーを受けて、ゲームをドローで終えています。

1/22 14:30 R1 Horvath, A (GM, HUN, 2508) - Kojima, S (IM, JPN, 2393) 1-0
1/23 14:00 R2 Varga, Z (GM, HUN, 2439) - Kojima, S (IM, JPN, 2393) 1/2-1/2
1/24 14:00 R3 Kojima, S (IM, JPN, 2393) - Audi, A (FM, IND, 2322) 1-0
1/25 14:00 R4 Chan, K (MAS, 2228) - Kojima, S (IM, JPN, 2393) 1/2-1/2
1/26 14:00 R5 Kojima, S (IM, JPN, 2393) - Xu, Y (IM, CHN, 2528) 1/2-1/2
1/27 14:00 R6 Kojima, S (IM, JPN, 2393) - Mahalakshmi, M (WIM, IND, 2218)
1/28 14:00 R7 Krstulovic, A (FM, HUN, 2332) - Kojima, S (IM, JPN, 2393)
1/29 14:00 R8 Kojima, S (IM, JPN, 2393) - Kantor, G (IM, HUN, 2514)
1/30 14:00 R9 Aczel, G (GM, HUN, 2551) - Kojima, S (IM, JPN, 2393)

+4 Horvath
+1 Aczel, Xu, Kantor
+-0 Varga, Kojima, Krstulovic
-2 Chan, Mahalakshmi
-3 Audi

International Chess Festival in Leányfalu GM Section


Horvath は好調だったKrstulovic を破り、この大会4勝目です。他の2500台3人がまだ1つ勝ち越し止まりであることを考えれば、完全に独走状態と言えます。そして私は休憩日を取りやめ、最終戦の予定だったMahalakshmi との試合を今日行うことにしました。レイティング最下位の彼女に勝って、今度こそ勝ち越し状態に入りたいですね。

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