本日、1月分のFIDE 公式戦の集計がすべて終わり、2月のFIDE レイティングが更新されました。日本のレイティングリストをチェックすると、私が年末年始のケチケメートでの結果を受けて2403 となり、チェスを始めて14年目にして、初めて日本ランキング1位になりました。今月頭に私がハンガリー、羽生さんがスウェーデンの試合を終えた時点でこうなることは分かっていましたが、こうして実際に更新されたレイティングとランキングを見ると、こみあげてくる思いがあります。
私が羽生さんに対して、どのような気持ちを持っていたのかを表現するのは、そんなに簡単なことではありません。「チェスでも羽生さんが日本で一番なんですよね?」と聞かれるたび、「そうなんですよね」と同意しつつ、悔しい思いがありました。「羽生さんはチェスも強いんですよね」と言われた際、自分から日本のランキングについて説明することもありました。IM のタイトルを獲得することと同様に、羽生さんへのコンプレックスや、もどかしい気持ちはこの数年、私がさらに強くなりたいと願う原動力だったと思います。
今回、羽生さんとレイティングが逆転したことは、素直に嬉しいこととして受け止めます。しかし、レイティングは強さを示す1つの指標でしかなく、それが多少上下したり、他人との順位が入れ替わったりすることに、気を取られすぎてはいけません。これは昨年のトロムソオリンピアード前に、渡辺暁さんから教わったことで、まったくもってその通りだと思います。現在の数字や順位がどうあれ、そこからさらに自身を高める努力を続けていけるかどうか、それが大切です。そして私自身について言えば、その努力の具体的な一環として、この2年ほど続けている羽生さんとのトレーニングが挙げられます。羽生さんは競う相手でもありながら、私を伸ばしてくれた恩人でもあるのです。
私と羽生さん、そして南條くんは、まだこれからも伸びていき、2400でストップするプレーヤーではないでしょう。今後も切磋琢磨しながら、互いに実力を高め合っていければと思っています。今回、私が初めてレイティング2400に到達するにあたり、試合やトレーニングでお世話になった日本のプレーヤーたち、競い合ってきた海外のマスターたち、コーチのミーシャ、そして応援してくださった皆さんに、深く感謝致します。IM タイトルの正式認定はもう少しかかるようですが、これからも見守っていただけると嬉しいです。
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