2019/07/18

2019 CTCA International Chess Open R1


オープニングセレモニーのマジックショーで、アシスタントとして壇上に呼ばれるTiviakov

今日から台湾の高雄での大会が始まりました。試合初日の今日は、午前中のオープニングセレモニーからプログラムが始まります。太鼓の演奏、子供たちのダンス、マジックショー、ゲストたちの挨拶と続き、私たち夫婦はTiviakov, L'Ami らと一緒に壇上に上がって、大盤の前でマスターとして紹介を受けました。その際の写真もどこかにアップされると思いますので、楽しみに待っていようと思います。

午後からは早速初戦がスタートします。私は1300台が相手で、レイティング差を考えれば色に関係なく勝たなければいけない試合でしたが、蓋を開けてみれば危ないところもある難しいゲームでした。

Hwang, C (TPE, 1398) - Kojima, S (IM, JPN, 2391)
2019 CTCA International Chess Open (1)

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. d4 exd4 4. Bc4 Nf6 5. e5 d5 6. Bb5 Ne4 7. Nxd4 Bc5 8. Nxc6?!



Scotch Gambit のこの変化は初めて指しますが、事前の研究で早めのナイト交換はリスクが高いと知っていました。しかし、ラインを思い出しながら実際に指してみると一苦労です。

8... Bxf2+ 9. Kf1 bxc6 10. Bxc6+ Kf8 11. Qd3!?


11. c4 Ba6 12. b3 dxc4 13. Ba3+ Kg8 14. Qxd8+ Rxd8 15. Bxe4 Bd4 16. Nc3 cxb3+ 17. Ne2 Bxa1-+ このラインはAnderssen によって1800年代の後半に指されています。本譜のクイーンが上がってf1-a6 のダイアゴナルをカバーするアイディアは、Bc8-Bf5 からクイーンがターゲットになること、黒が上手いタイミングでBc8-Ba6 ができればクイーンとキングが危険な一直線上に並んでいること、Ne4-Nc5 が当たることなどが気になります。

11... Qh4



11... Bf5! 12. Qf3 (12. Qxd5 Qh4! 13. Bxa8 Bb6 14. g3 Qh3+ 15. Ke1 Bf2+ 16. Ke2 Qh5+ 17. Kd3 Nf6+-+) 12... Bd7! 13. e6 (13. Bxa8? Bb5+-+) (13. Bxd7 Qxd7=/+) 13... Bxe6 14. Bxa8 Qxa8 こうしてエクスチェンジを捨てて代償が十分という変化は読めませんでした。分岐にあるQd3-Qxd5 ができなくなったタイミングで、Bf5-Bd7 と下げるのは面白いアイディアですね。

12. Bxd5! Bb6 13. Be3 Ba6?


ここはかなり悩んで指したつもりでしたが、ひどい手でした。13... Ng3+ 14. hxg3 Qxh1+ 15. Kf2 Rb8 ならば、上記と違って白が駒を捨てて満足なポジションです。私はこのエクスチェンジを取りにいくアイディアでは白キングが安全になってしまい、つまらないと判断しました。しかし、実際には本譜の手が成立していないので、この変化しか黒には選択肢がありません。

14. c4?


互いに読み落としていたのは、14. Qxa6! Bxe3 15. g3! これで黒クイーンの良い行き場がなく、白が勝勢ということです。15... Qh3+ 16. Ke2+- 黒は複数のピースがアタックされており、助けることができません。

14... Rd8!-+



これでルークが素早くプレーに参加できるため、黒がはっきり良くなったと思いました。

15. Bxb6 axb6 16. g3


16. Qxe4 Qxe4 17. Bxe4 Rd1+ 18. Kf2 Rxh1-+ このエクスチェンジアップは問題なく黒が勝てるでしょう。

16... Nxg3+ 17. Qxg3 Qxg3


ここはクイーン交換したエンドゲームが十分勝ちだと思っており、もう1つの変化をしっかり読みませんでした。17... Bxc4+! 18. Bxc4 Qxc4+ 19. Kg2 Rd3!-+ 本譜に自信が無ければ、このルークが跳びこむところまで読んでいたでしょう。

18. hxg3 Rxd5 19. Na3 Rxe5-+



これではっきり黒が駒得し、ビショップ vs. ナイトのアドバンテージもあります。後は丁寧に指すだけです。

20. Rd1 Ke7 21. Kf2 Re8!? 22. Rxh7 Kf6 23. Rf1 Kg6 24. Rh2 Re2+ 25. Kg1 Rxh2 26. Kxh2 Re2+ 27. Kg1 Rxb2


h7 を取らせて一時的にポーンを返しても、b2 を取りかえせば相変わらず黒勝勢です。

28. Rf2 Rb4 29. Rc2 c5 30. Rc3 Kg5 31. Rc2 Kg4



c4, a2 をターゲットにして白の駒を動けなくし、その間に黒キングを前進させます。

32. Kg2 f5 33. Kf2 g5 34. Kg2 Bb7+ 35. Kf2 Be4 36. Rd2 Ra4 37. Nc2 Bxc2


ここは37... f4 からナイトの跳ぶマスを抑えても勝ちですが、ルークエンディングも明快です。

38. Rxc2 Ra3 39. Rb2 Rxg3 40. Rxb6 Rc3 41. a4 f4 42. a5 Rc2+ 43. Kf1 Kg3 44. Rb3+ f3 45. Rb1 Rh2 0-1



試合後の解析で自分のブランダーを知って愕然としました。相手がどういったレベルであれ、油断していればいつ負けてもおかしくありません。気を引き締め直して2R に臨もうと思います。

2019 CTCA International Chess Open R2 Pairings

明日は午前午後、ダブルラウンドの1日です。私は1600が相手ですので、ここも勝ってTiviakov らと全勝状態で当たれるように頑張ります!


朝食のみ1階のレストラン、昼食、夕食は20階の宴会場(上の写真) でいただきます。本来の宿泊についている朝食に比べ、追加された昼食、夕食は少し寂しいことも分かりましたので、今は明日の朝食が楽しみです(笑)

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