2011/10/06

The French Defence A Complete Black Repertoire


最近の日本ではFrench Defence の本といえば、ウクライナのVictor Moskalenko のシリーズが有名なようです。私自身も2008年のドレスデンオリンピアードで、The Flexible French を20歳の誕生日プレゼントとして、チームメイトから貰っています。The Flexible FrenchThe Wonderful Winawer については、ここでは詳しく語りませんのでBehind the Scene をご覧ください。

今日、ご紹介するのは昨年、ロシアのGM Nikita Vitugov が出したFrench Defenceの本です。Vitugov? と思われる方もいるかもしれませんが、最近2700を突破し、現在世界ランキング21位につけているプレーヤーです。まだ若いですし、ロシアのGMの中では名前の売れていないほうでしょうね。
Nikita Vitugov

Vitugov が書いたThe French Defence A Complete Black Repertoire はその名の通り、French Defence を黒で指すプレーヤーのための本です。メインはRubinstein なので、3.Nc3 にも 3.Nd2 にも対応できますが、きちんと別のTarrasch (3.Nd2) 対策も紹介されています。また、分量はRubinstein に比べれば多くありませんが、Winawer とSteinitz (Classical) にも触れられています。各章の内容までは細かすぎて書けませんが、大雑把な分類はこんな具合です。

Part 1. White avoids the main line
Part 2. The Advanced Variation (1.e4 e6 2.d4 d5 3.e5)
Part 3. The Rubinstein Variation (1.e4 e6 2.d4 d5 3.Nc3 dxe4 4.Nxe4 Nd7)
Part 4. The Morozevish Variation (1.e4 e6 2.d4 d5 3.Nd2 Be7)
Part 5. The Tarrasch Variation with 3...c5 (1.e4 e6 2.d4 d5 3.Nd2 c5)
Part 6. The Winawer Variation (1.e4 e6 2.d4 d5 3.Nc3 Bb4)
Part 7. The Steinitz Variation (1.e4 e6 2.d4 d5 3.Nc3 Nf6)

この本では他の本とは違うユニークなラインがいくつか紹介されており、それらが面白くてパラパラとみています。例えば日本で最近よく見かけるTwo Knights Variation に対しては

1.e4 e6 2.Nc3 d5 3.Nf3 d4!?
Maskaleko の本では3...Nf6 がメインで扱われていますが、こちらでは一言も触れられていません。

4.Ne2 c5 5.c3 Nf6!?

他にもKing's Indian attack には

1.e4 e6 2.d3 d5 3.Nd2 c5 4.Ngf3 Nf6 5.g3 g6!?
などなど。機会があれば私も使ってみようと思います。French Defence は、その特徴的なポーンストラクチャーと、柔軟なスタイルからいつの時代も熱烈な愛好者がつきないもの。私も裏のオープニングとして、もう少し研究してみるつもりです。

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