Game6
- White plays 15.Qxa4 -
FM Theerapappisit, W (THA,2307) - Kojima, S (JPN,2225)
BCCO 2008 (9)
タイのFM Theerapappisit (タイ人は名字も名前も長く、名前を略して呼ぶことが多いです。) とは、2006年のトリノオリンピアードでも対戦しています。その時は絶好調の彼になぜか私が土をつけてしまったのですが、試合後には仲良く焼うどんを食べに行きました。
1. e4 c5 2. Nf3 Nc6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 e5 6. Ndb5 d6 7. Bg5 a6 8.
Na3 b5 9. Nd5 Be7 10. Bxf6 Bxf6 11. c3 Bg5 12. Nc2 Ne7 13. Ncb4!
d5 のナイトをサポートする正しい位置です。13.Nce3?! と違い、d5 のマスをコントロールし続けることができます。13...O-O 14. a4 bxa4 15. Qxa4
c2 のナイトが早めに動くこのラインでは、a4 をクイーンで取り返すことができるのが特徴です。
15...Nxd5 16. Nxd5 Bd7
ここでクイーンをどこに逃がすかは、今後の展開に大きく影響します。17. Qa5!?
白はクイーンをぶつけてきました。Sveshnikov では、黒はほとんどのラインで孤立したaポーンをa6 からa5 に進めます。
それは白のb2-b4 を防ぐと同時に、a6よりもa5のほうが狙われにくい位置であるためです。
本譜では白がクイーンをa5 に置くことで、黒のa6-a5を防ぎますが、黒にもうまい対応があります。
ちなみに他のクイーンの避け場所は以下の通り。
17. Qa2 a5 18. Bc4 Kh8 19. O-O f5 ⇆ / Iwasaki, Y - Kojima,S / Japan Open 2008 / 0-1
17. Qa3 Bc6 18. Bc4 a5 19. b3 Kh8 20. O-O f5 ⇆ / Viela, M - Kojima, S / WCh-University 2008 / 1-0
17. Qc2 a5 18. Bc4 Rc8 19. Qe2 Kh8 20. O-O f5 ⇆ / Jakovenko, D - Carlsen, M / Dortmund 2009 / 1/2-1/2
17...Qb8!
クイーン交換を避けつつ、bポーンへのカウンターを狙います。そしてさらにもう一つの狙いが重要です。18. b4 Bd8!
d8 のマスはビショップの組み替えに利用します。Bg5-Bd8 というアイディアは、このラインでは特に重要です!
19. Qa2 a5 20. Bc4 Bc6 21. Qb1!?N
良いトライです。私のデータベースでは、黒が優勢になった以下の試合しか見つかりません。
22. Rb1?! Bxc4 23. Rxb8 Rxb8 24. Qxc4 Rb1+ 25. Ke2 Rxh1 -/+ / Berg, E - Carlsen, M / Faaborg Midtfyn Blindfold Cup 2007 /1/2-1/2
21...axb4 22. Rxa8 Bxa8 23. Qxb4 Ba5!
ルークとクイーンを連結させつつ、ビショップをアクティブに使います。バックランクでのチェックがあるため、白はこのビショップを取ることはできません。
24. Qxb8 Rxb8 25. O-O!?
25.Kd2!? もありえますが、ここで白は安全な選択をしました。
25...Bxd5 26. Bxd5 Bxc3
黒はポーンアップになりましたが、f7 を睨む白のビショップは強力であり、ルーク交換を避けつつポジションを改善することは容易ではありません。
27. g3 Bd4 28. Rc1 Bc5 29. Ra1 1/2-1/2
Ra1-Ra8 からのルーク交換が止められないため、ドローにしました。ナイトを早々に交換しにいくために異色ビショップになりやすく、駒得になっても勝ちにくいことは、このラインの弱点と言えるかもしれません。
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