2014/03/27

Country Roads LO 1st round - Arrival Game -


午前6時のバンコク

昨夜は梅酒を飲んでぶっ倒れ、4時半に自然と目を覚ましました。シャワーと朝食を済ませ、8時のフライトのために、再びスワナプーム国際空港へと戻ります。


朝食はパッタイクン。炒めたもやしと生のもやしの両方が入っており、食感の違いを楽しめるのが本場のスタイルです。


スワナプームからクラビまでは、2時間弱のフライトでした。ここからランタ島までは、迎えの車に乗って2時間半ほどと聞いていました。ランタ島には橋が架かっていないため、途中でフェリーに乗りこみます。


しかし、フェリーと呼ぶにはあまりに質素な船でした(笑) 客席はなく、狭い甲板のみで、私たちと同じように島に渡る車を詰め、一杯になったら出港します。左手に見えるクレーン車のような操舵室が気になるところ...


フェリー(?) を降りてからもしばらく走り、到着したのが会場となるホテル、Lanta Vila Resort です。受け付けは吹き抜けの大きなコテージのような場所で、どうやら試合もここで行うとのこと。常夏のタイにおいて屋外に近い環境で試合をするためには、多少涼しくなった夕方から以外ありえません。ようやく毎日17時からという、一風変わったスケジュールの意味を把握しました。


ホテルからビーチまでは徒歩で30秒ほど。12月のマヨルカには、さすがに海水浴客はいませんでしたが、タイであれば話は別。タイでは年中海に入ることができ、特に3月から4月にかけては一番暑い時期です。2009年に上原くんと参加したパタヤのBCCO では、すぐそばのビーチに一度も降り立たず、Short の対局ばかり見ていたことを、なぜか思い出しました(笑)


ビーチの近くでチェスボード柄の机を発見。暑さを我慢すれば、ここでもチェスができそうですね(笑)

ちなみに、別ルートでランタ島に到着していた芝入さん、そしてブルノ、ピルゼンでお世話になったオーガナイザーとは、このタイミングで再会します。すぐにエントリーを済ませ、リスト1が私、リスト2は2100台のチェコ人であることを知りました。これは優勝しなくては...


エントリー後には昼食のために外へ。通り沿いの店を見ながら、レストランを探します。こんなバッグ欲しい(笑)


レストランの猫ちゃんも、暑さでぐったり。


昼食後は王将戦を見たり、対戦相手のイタリア人のゲームを見たりしながら、午後5時の試合開始を待ちます。4時40分ほどに会場に戻ると、ボードがこのように用意されていました。世界広しと言えども、海が見える屋外で波の音を聞きながらFIDE 公式戦を行うトーナメントには、なかなか遭遇しないでしょう(笑) 少し気温も下がり、過ごしやすくなった頃に試合開始の合図が告げられます。

Kojima, S (FM, JPN, 2361) - Solaroli, R (ITA, 1907)
Lanta Open (1)

1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. g3 Bg7 4. Bg2 O-O 5. O-O c5 6. d4 cxd4 7. Nxd4 Qb6 8. Nb5!? Nc6 9. N1c3 d6 10. Be3 Qd8 11. h3 a6 12. Nd4



ひとまずオープニングは満足な形になりました。久々のSymmetrical English です。

12... Bd7 13. a4 Nxd4?!


私が試合中に読んでいたのは、13... Qc8!? 14. Kh2! Nxd4 15. Bxd4 Qxc4 16. Bxf6! Bxf6 17. Nd5 Qd4 18. Nxe7+ Kg7 という変化で、ナイトを交換する前にc4 とh3 のダブルアタックを狙えば、形勢は難しいものになっていたでしょう。

14. Bxd4 Qc8 15. Bxf6!



ビショップナイトの交換から、ナイトをセンターのマスに置いて狙うタクティクスは、私の高校時代からの十八番です。h3 よりも、b6 でのナイトフォークに価値があると判断しました。

15... Bxf6 16. Nd5 Qc5?!


16... Bxh3! 17. Nb6 (17. Nxf6+ exf6 18. Bxh3 Qxh3 19. Qxd6 Rae8=) 17... Qd8 18. Nxa8 Bxg2 19. Kxg2 Qxa8 このポジションはコンピュータでは難しい形勢判断ですが、私は白のエクスチェンジが後々生きてくると考えていました。

17. b4 Qa7?


これは何事もなく駒損です。17... Qxc4 18. Rc1 Qd4 19. Qxd4 Bxd4 20. Rfd1 Be5 21. Nb6+/- と指すほうがまだ難しいでしょう。

18. Nxf6+ exf6 19. Qxd6 Be6 20. c5+-



こうして白は1ポーンアップとなり、次にb7, f6 を狙って勝勢です。

20... Rad8 21. Qe7 Rd7 22. Qxf6 Rfd8 23. Rfc1 Bd5 24. b5 Bxg2 25. Kxg2 Rd5 26. c6 axb5 27. c7 Rc8 28. axb5 Qd4 29. Qxd4 Rxd4 30. Ra7 1-0


今回のトーナメント、参加者は20名で、レベルを見ても優勝しなければいけないため、1900が相手と言えど緊張する初戦でした。明日からはビートやプールでリラックスしつつ、ゲームを楽しんでこようと思います。


試合開始前、全体はこんな感じです。


2時間半を超えて続く2番ボードのチェコ対決。

ちなみに今日は私の試合が早く終わったので、棋譜を含めて記事を更新できましたが、明日以降はどうなるか分かりません。ヨーロッパのように7-8時間の時差であれば、ゲーム解説を翌日に回すのが確定なのですが、2時間という時差がなかなか曲者(笑) 無理のない範囲で更新していこうと思いますので、しばらくお付き合いください。

Lanta Open Schedule and Results

03/27 17:00 R1 Kojima, S (FM, JPN, 2361) - Solaroli, R (ITA, 1907) 1-0
03/28 17:00 R2
03/29 17:00 R3
03/30 17:00 R4
03/31 17:00 R5
04/01 17:00 R6
04/02 17:00 R7

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