チェコに到着した19日と翌20日は、パルドゥビィツェでCzech Open 2023のイベントの1つである、ラピッドの大会に参加してきました。最初の4試合で3勝1敗まではまずまずでしたが、後半の5試合で勝つのが大変で、最終結果は3勝2敗4ドローでした。今日から始まるクラシカルの試合に向け、色々と課題は見えたので、ラピッドも参加して良かったと思っています。負けた試合ですが、面白いポイントがいくつかあった2試合目を簡単にご紹介します。
Czech Open 2023 Rapid (2)
Position after 29... h5
30. Rc6?
序盤少し失敗しましたが、ダブルビショップを貰いこの時点では悪くないと思っていました。そしてここでルークが跳びこみ攻撃にいきましたが、黒の反撃は予想よりも強烈でした。30. Bc5としてd4取りを見せ、黒の出方を伺うのが良かったでしょう。
30... Qf5 31. Bc4 e3?
e3はいかにもといった手ですが、白キングに完全に迫るわけではありませんでした。代わりにシンプルにパスポーンを作る31... d3!が厳しく、ルークが跳びこみ1段目を空けてしまった白は対応に困ります。
32. f4?
d5を取った際のd5-h1のダイアゴナルでディフェンスのチャンスが生まれうると思い、fポーンは2マス伸ばしましたが、これが失敗でした。32. f3! Qb1+? 33. Kg2 Qe1? 34. Rxf6!ならば、ビショップを消して白キングはh4に逃げられるようになります。32... Qb1+?
この手もe4-e3からh7-b1ダイアゴナルを開いたのでいかにもな手ですが、ここでとんでもない勝ちのアイディアが黒にありました。32... d3!! 33. Bxd3 Nxf4!!
f4ポーン自体がターゲットになりうることも、f2-f4の弱点でした。しかし、クイーンがターゲットになるとわかったうえで、d4-d3のポーン捨てを実行するのはかなり抵抗があります。34. Rxf6 Qxf6-+ Qxf4からQf4-Qf2+が厳しく、白はナイトを取ることができません。これはクラシカルでも読むのが難しいタクティクスだと思います。
33. Kg2 Qe4+ 34. Kg1 h4
ドローかなと安直に思った私に対して、相手は残り数秒で勝負をしかけてきます。ここで私は残り時間があったのにもかかわらず、決定的なミスをしてしまいます。35. Rxf6?
試合後、相手からは35. Bd3!ならばクイーンを下げるしかなく、まだ分からなかったと言われました。確かにその通りなのですが、ルークの6段目の利きはずっと狙っていた攻撃筋だったため、ここがチャンスだと勘違いしてしまいました。
35... h3!-+
g2だけでなくb1へのクイーンの侵入もメイトスレットになっているため、白にはディフェンスがありません。f6を取れば一回は受けなければいけない(とは言え受けが無いので攻めるしかないのですが)と思いこんだのが痛かったですね。
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