2018/10/13

First Saturday GM October 2018 R5


今月のFS折り返しのラウンドは、チェコのGM Plat との対戦です。Plat は5年前にチェコのBrno Open でも対戦し、その時はまだIM でした。その後、GM のタイトルを獲得した彼は、今年はチェコのオリンピアード代表決定戦に参加するほど力をつけています。

Kojima, S (IM, JPN, 2408) - Plat, V (GM, CZE, 2539)
First Saturday GM October 2018 (5)

1. Nf3 g6 2. d4 Nf6 3. c4 Bg7 4. g3 d5 5. cxd5 Nxd5 6. Bg2 Nb6 7. Nc3 Nc6 8. e3 O-O 9. O-O e5 10. d5 Na5 11. e4 c6 12. Bg5 f6 13. Be3 cxd5 14. Bxb6 axb6!?



彼の過去の試合を見ていて、Grunfeld のこの変化になることは予想の範囲内でした。今年のサマーオープンで、元山くんと指していたこともあり、ある程度は調べてきています。

15. Qxd5+ Kh8 16. Qxd8 Rxd8 17. Nd5 Rb8!


この手は彼の研究だったのでしょう。過去に指された17... Rd6 18. Nc7 Rb8 19. Rfd1 Bf8 20. Rxd6 Bxd6 21. Nd5 では、ポーンの代償は不十分に見えます。黒のポーン捨ての誘いに対し、色々と考えて乗ることにします。

18. Nxb6 Be6 19. Rfd1 Bf8 20. Nd5 Kg7 21. Rac1 Rbc8 22. Ne1 Nc6 23. Nc2 Bc5 24. b4!?



黒が黒マスビショップをアクティブにし、d4 のコントロールを得て戦おうとするのに対し、私はクイーンサイドのポーンを進めることで対抗しようとします。クイーンサイドでポーンマジョリティのある白は、a,b ポーンを上手く進め、パスポーンを作りたいところです。

24... Ba7 25. b5 Nd4 26. Nxd4 Bxd4


ナイトを捌くのは白にとってプラスになると思いましたが、この局面まできて初めて、ここからの進め方がさほど簡単でないことに気付きます。f2 へのプレッシャーを気にしつつ、白マスビショップをg2 から切り替えるタイミングを計ります。

27. a4 Bf7 28. Bh3 f5 29. a5?



Bg2-Bh3 をやったのであれば、ここはcファイルを明け渡しても勝負にいかなければいけないでしょう。29. Rxc8! Rxc8 30. exf5! Rc4 (30... Rc2 31. Ne3+/0) 31. f6+ Kh6 32. Bg2 Rxa4 33. h4+/= 難しいポジションですが、1ポーンアップの白はこれで戦うべきです。

29... Bxd5! 30. exd5 Ra8 31. Rc7+ Kh6 32. Rxb7 Rxa5 33. Rd2 Rxd5


これでポーンを取りかえされ、f2 へのプレッシャーが残る白が守る側となりました。まだこの時点では上手い受けはあるはずだと思いつつ、少なくなる時間に焦らされます。

34. Bf1 Rc5 35. Kg2 Rc1 36. Bd3



ここでビショップをどこに置くか、私にとって難しい選択でした。ルークの前を閉じるd3 は不自然なようでありながら、e2 ではルークの横利きを止め、f2 の守りがなるなることを恐れました。もう一つ、f2-f4 のアイディアは頭にありながら、大事なポイントで読み抜けがありました。36. f4 exf4! 37. gxf4 Ra4=/+ はポーンをばらされた黒がまだ面倒なポジションです。おそらくベストは、36. Be2! Raa1 37. f4! Rg1+ 38. Kh3 Ra3 (38... Be3? 39. Rdd7! exf4 40. Kh4! g5+ 41. Kh3+- これで黒キングが困っていることは読めませんでした。) 39. fxe5 Bxe5 40. Rd1 Rxd1 41. Bxd1= これで白は危機を脱しています。

36... Raa1 37. Rc2?


これが決定的なミスで、負けを確定させてしまいました。37. Rd7! こうしてビショップの前にルークを回し、e5-e4 を止めるのがベストでした。 37... Rg1+ 38. Kh3 Rgd1 39. Rxd1 Rxd1 40. Bc4=

37... Rg1+ 38. Kh3 e4!



Bd3 に出た際のアイディアが、f5 のポーンに当ててg6-g5 を止めることだったため、このタイミングでのeポーン突きを見てまずいと思いました。しかし、思っていたよりも局面は複雑です。

39. Rcc7


39. Bc4 Rgc1! (39... g5? 40. Be2! Rgc1!=+ (40... g4+ 41. Bxg4 fxg4+ 42. Kxg4 Rac1 43. Ra2 Ra1 44. Rc2 Rgc1 45. Re2=)) 40. Rxc1 Rxc1 41. Rc7 Bxf2-/+ 単にビショップが避ける手はg6-g5 でダメだと思いましたが、そうではなくルークを交換してf2 を落とすことで初めて黒良しになるようです。 

39... Kg5!


39... Bxf2 40. Bxe4!= にひっかかることなく、Plat は冷静にキングを前進させました。これで黒キングには一切の危険がなく、白キングは逆に一歩も動けません。

40. Be2 Ra2 41. f4+ exf3 42. Bxf3 Rf1 43. Bd5 Rd2 0-1



初戦に続き、ドロー筋が見えなかったのは力が足りていないためです。今大会は過去参加したGMトーナメントの中でもかなり苦戦してますが、これも勉強だと思い、また今日から頑張ります。

10/07 R1 Kojima, S (IM, JPN, 2408) - Sindarov, J (IM, UZB, 2500) 0-1
10/08 R2 Ilincic, Z (GM, SRB, 2411) - Kojima, S (IM, JPN, 2408) 0-1
10/09 R3 Kojima, S (IM, JPN, 2408) - Nguyen, V T (CM, VIE, 2350) 1/2-1/2
10/10 R4 Manush, S (FM, IND, 2302) - Kojima, S (IM, JPN, 2408) 1-0
10/11 Rest Day
10/12 R5 Kojima, S (IM, JPN, 2408) - Plat, V (GM, CZE, 2539) 0-1
10/13 R6 Tran, M T (IM, VIE, 2341) - Kojima, S (IM, JPN, 2408)
10/14 R7 Czebe, A (GM, HUN, 2426) - Kojima, S (IM, JPN, 2408)
10/15 R8 Kojima, S (IM, JPN, 2408) - Shahaliyev, I (AZE, 2376)
10/16 R9 Mirzoev, E (IM, UKR, 2439) - Kojima, S (IM, JPN, 2408)

First Saturday GM October 2018 Standings

+3 Sindarov, Mirzoev
+2 Shahaliyev, Plat
+1 Manush
-1 Tran
-2 Nguyen, Kojima, Czebe
-4 Ilincic

トップを走るSindarov とMirzoev は揃って勝ち。GMノームの条件である4つ勝ち越しにリーチとしました。ゲーム内容を見ていても、力強さが伝わってきます。


昨晩は久々のアンダンテシェア飯でした。国宝マンガリッツァ豚のステーキです!

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