2018/10/30

Third Saturday GM October 2018 Tournament Review


全セクションの参加者たちと

初参加であったDjenovic のThird Saturday トーナメントは、私にとって思いがけないものになりました。最終戦でのNikceviv への負けは悔しかったものの、4勝1敗4ドローで3つ勝ち越し、パフォーマンス2511という結果は、私がこれまで参加してきた大会でもベストに近い戦績です。これまで参加したトーナメントの中で、最もGMノーム獲得に手応えのあった大会であることは間違いありません。GM 3人を抑えての優勝も嬉しい結果でした。GMトーナメントは賞金が出るわけではなく、あくまでノームとレイティングのみをかけて戦うものですが、それでも日本の大会ですら遠ざかっていた優勝を、こうして海外のレベルの高い大会で成し遂げられて嬉しくないはずはありません。

来月はセルビアのノビサドでも連続して大会があり、ハルカーニも含めてどこに行くか迷っていましたが、来月もモンテネグロに行くことを決めて、その旨をオーガナイザーに伝えました。ただし、ルートを少し変えて、オーストリアのウィーン、モンテネグロの首都、ポドゴリツァ、有名な美しい村、コトルなどを経由してゆっくり来ようかと考えています。来月も結果が良いようであれば、12月も参加したいくらいですね。


ちなみにこの大会の舞台であるデノビッチは、これまでお伝えした通りモンテネグロの静かな海辺の村で、本当に海以外何もありません。Djenovic というワードで検索しても、観光名所は数キロ離れたHerceg Novi が紹介されるくらいです。最寄りのバス停は機能していないようで、アクセスも悪く、タクシーを呼ぶか、誰かの車に乗せてもらわなければどこにも行けません。しかし、それこそがチェスに集中できる環境として、ある意味良いのではないかとも思える10日間の滞在でした。毎日研究をしているか、部屋か海でのんびりしているか、どちらかです。観光に行きたければ、大会の前後の期間を使えば良いですしね。


今月の試合内容についても、色々と満足な点、反省のあった点が見えています。3R のKotronias とのゲームは、特に大きなミスも緩手もなく、今年のベストゲーム候補の1つです。調子を落としているとはいえ、彼のような経験のあるGM に完勝できたことは、今後試合を続けるうえでも大きな自信になると思います。また以前とは違い、ファイティングなゲームが増えて様々なポジションを考えるようになりました。特にオリンピアードから続いている、クイーンエンディングやルークエンディングなどのエンドゲームの経験は、勝ち負けに関係なく大きな財産になりそうです。パペチュアルチェックの切り方や、メイトになりやすいアタックの作り方も、これまで自分が意識しつつも避けてきた苦手分野として、どう克服するか考えてみようと思います。

最後にレイティングのことですが、デノビッチの9試合でレイティングは+12.3 となり、FIDE への大会報告が間に合うようであれば、私の11月のレイティングは2432 となります。この数字は羽生さんがこれまで記録していた2415 を抜き、日本籍のプレーヤーの歴代最高の数字となります。このレイティングを超えるプレーヤーに何人か勝っておきながらも、自分がこの数字を背負う実力があるのか、まだ自信はありません。それは来月、このレイティングでプレーしながら感じていきたいと思っています。12月の頭にはあっさり元のレイティングに戻っているということがないようにし、逆にさらにレイティングを上げて、GMノームを狙えるように頑張ります。オリンピアードからの遠征が1か月を超えて、まだノームは達成できていませんが、引き続き応援をよろしくお願い致します。

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