今日は遅くなってしまいましたので、1つだけポジションを扱おうと思います。午前のラウンド、南條くんとのトップ対決は、苦しい序盤を守って切り抜けたところ、簡単に駒得になってしまい、そのまま押し切って勝てました。問題は連続で黒を引いた、青嶋くんとのゲームです。
Aoshima, M (FM, JPN, 2359) - Kojima, S (IM, JPN, 2390)
Japan Chess Classic(6)
Position after 36... Ke6
紆余曲折を経てこのようなマテリアルとポジションを迎えました。私はd5 のマスを2ピースで抑えていればディフェンスできると思っていましたが、そう簡単ではありません。
37. Rxe4?!
3ポーンvs. ナイトにするのは実戦的にはありですが、正確ではありません。37. Rb1 Bc6 38. Rb8 Kf7 39. Rd8 Bb7 40. Rd6 Ba8 (40... Bc6 41. Rxc6 Nxc6 42. Kxe4+-) 41. g5 hxg5+ 42. Kxg5 Bd5 43. Kf4 Bc6 44. h6 gxh6 45. Rxh6 Bd5 46. Kg5 Ng8 47. Ra6 Ne7 48. Rf6+ Ke8 49. e6+- こうしてルークを侵入させて縦横に振りながら、キングを前進させてe5-e6 を目指せばはっきり白が勝てる局面でした。
37... Bxe4 38. Kxe4 Nd5
黒キングがe6 に上がる前からこの局面は想定していました。この先のナイトの位置も理解したうえで指していたつもりでしたが、そこでひどい勘違いが出ます。
39. f4 Nc3+ 40. Kd3 Na4?
Kd3-Kc4 の前進に対し、Nb2+ で対抗できることは分かっていました。しかし、もう1つのナイトが潜り込むマスが正解で、b2 以外にe3 に行く狙いを作る必要がありました
40... Nd1! 41. f5+ Ke7! (ナイトは潜り込み、キングは下がるのが正解だと、検討戦でも分かりませんでした。試合後に見たのは41... Kd5? 42. g5 Nf2+ 43. Ke3 Nh3 44. g6 Ng5 として白のキングサイドのポーンに対抗するアイディアでしたが、これは上手くいきません。 45. f6! Ne6 46. Kd3 Nf4+ 47. Kc2 Ne6 48. Kc3+- こうして待たれた場合、黒はナイトをe6. キングをd5 から動かせないため、ツークツワンクで負けになります。) 42. Ke2 Nc3+ 43. Kf3 Kf7 44. Ke3 Ke7= なんとこうして黒はキングでe7, f7 をうろうろしていれば、白には進展の方法がなくドローでした。Kd3-Kc4 にNd1-Ne3+ を準備するのがポイントで、やはりd1 に潜り込んだナイトが活きてきます。これしか黒にドローの道はありませんでした。
41. f5+! Ke7
ナイトの位置を決める前は、黒キングはd5 に上がれば大丈夫だと思っていました。しかし、これにはg4-g5 からのブレイクが簡単に決まってしまい、a4 のナイトが何も役立たずに黒の負けです。
42. d5 Nc5+ 43. Kd4 Nb7 44. d6+ Nxd6 45. exd6+ Kxd6
ナイトを切ってポーンエンディングにしましたが、当然青嶋くんはきちんと勝ちを読めています。
46. Ke4 Ke7 47. Ke5 Kf7 48. f6 gxf6+ 49. Kf5 1-0
f5-f6 から一時的にポーンを捨てるのが唯一の勝ちのアイディアで、ポーンをバラバラにすれば2つとも回収できるので白の勝ちです。直前に大きな試合を勝っていただけに、ここは痛い敗戦でした。その先が正確に指せた自信はないですが、ナイトの場所は残り時間5分を目いっぱい使っても、もっと慎重に決めるべきだったと反省しています。
最終戦はトッポボードで南條くんと青嶋くんの対戦で、0.5P リードしている青嶋くんが、黒でどんなプレーをするかが楽しみです。私は優勝はないですが、逆転の準優勝はまだ十分にチャンスがありますので、最終戦をしっかり勝てるよう頑張ってきます。
Japan Chess Classic 2019 7R Pairings
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