2019/08/31

麻布学園チェス部夏合宿2019


今年も母校麻布学園のチェス部夏合宿に、コーチとしてお邪魔させていただきました。今回の合宿地は茨城県の潮来(いたこ) です。合宿の開催地として連絡を貰うまで、読み方も知りませんでした。都内からの移動は高速バスと電車がありますが、便の本数と所要時間からバスのほうが便利だと言えます。東京駅の八重洲口から高速バスに乗り、28日朝に潮来へと向かいました。

潮来で有名な場所と言えば、JR 潮来駅すぐ近くのあやめ園でしょう。5-6月のあやめまつりシーズンには、園内にあやめの花が咲き誇り、多くの観光客を楽しませるそうです。あいにく観光シーズンは外れていましたが、合宿所のホテルに到着前にあやめ園を少し散策することができました。あやめ園の脇を流れる川には時期によって遊覧船が出ますし、少し足を延ばせば、日本第二の大きさを誇る湖、霞ケ浦もあるので、水辺が好きな人にとっては色々と楽しめる場所だと思います。


今年の夏合宿は新入部員の中1が9人参加と、ここ数年でも比較的多く、全体でも久々に30人を超える大所帯でした。そこでいつもと違い、最初は中1を中心とした低学年向けの基礎レクチャーを行い、後で上級生を合流させて合同のレクチャーを行いました。基礎の内容は、ポーンストラクチャーから考えるポーンや他のピースの働き、手の作り方などです。


Chess Composition by Pal Benko
White to move and Mate in three

上級生を入れてからのレクチャーはゲームを並べたり、エンドゲームをやったりと色々ですが、最初のウォームアップはこちら。合宿2日前に残念ながら亡くなったPal Benko の有名な作品です。白番で3手メイト、ご存じない方は是非チャレンジしてみてください。当てずっぽうだと時間をかけてもなかなか解けないので、しっかりと最終図を推測すること、そこに至る方針を絞ることが大切です。白マス黒マス両方のコントロールが綺麗な問題ですね。


Botvinnik, M - Donner, J
Amsterdam 1963
White to move

並べたゲームのうちの1つはこちら。有名なゲームではありませんが、各所にBotvinnik の素晴らしいアイディアが登場します。ゲームのテーマは一応マスのコントロールのつもりでしたが、序盤から細かく説明していくと1局終わるので1時間以上かかりますね。初日は昼食と夕食の間、そして夕食後併せて6時間半くらいレクチャーを行いました。


夜のレクチャー後、自主的にブリッツ大会を始める中学生たち。本当にタフです。


一夜明けた翌日は恒例の同時対局です。合宿によっては初日の夜にやることもありますが、それだと私がばて気味なので2日目のほうが私としてはありがたいです(笑) 今回は30面だと多すぎて午前中に終わるかわからないため、低学年はミスの出にくいようにペアを組んでもらい、22面まで減らしました。松山くん、小柴くん、牛山くんには少し無理なプレーをして敗れましたが、他の19面は勝ち、19勝3敗でした。この夏合宿で部長の松山くんを含め、高2は引退して高1が最高学年になりますが、高1以下の部員たちも皆、力をつけてきていると思います。9月のチーム選手権は私も参加しますので、こちらの大会でも後輩がどういったプレーをするか、楽しみにしています。

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