2013/10/29

Serbian Night Arrival and Tournament Information


夜のノビサド駅

長い列車の旅を終え、セルビア北部の町、ノビサドに到着しました。今日からこの町で6日間、9R の変則形式トーナメントが開催されます。今大会の情報をについては、写真とともに長い昨日1日を振り返りながら、ご説明していこうと思います。


ノビサド行きの列車は、アンダンテから20分ほどのブダペスト東駅(Keleti) から、13時頃に出発します。前日にチケットを購入したので、当日慌てなくても大丈夫... と思っていた私が甘かったです(笑) プラハからブダペストへの到着便が遅れて、何番ホームに列車が止まるか分からず、さらには乗ってみてもどこの座席が自由席なのかわからず、オロオロするばかりです。何度か降りて乗ってを繰り返した末、ようやくこれで間違いないと確信し、列車が出たのは定刻から20分遅れのことでした。


こちらがブダペスト - ノビサドの往復チケットです。購入日から1ヶ月有効で、7380フォリント、24.6ユーロでした。長い長い6時間の列車の旅の中、車内での切符チェック、パスポートコントロールは問題なくパスできました。旅のお供の3冊の小説を読みながら、なるべく遅れずにノビサドにつくことを祈ります。


ノビサド駅に到着したのは、予定より50分遅れの午後8時近くです。オーガナイザーのSinisa とは7時半に近くにホテルで待ち合わせ! 30分ぐらいなら大丈夫だろうと思いながらも、若干不安なまま待ち合わせ場所に向かいました。列車は料金が安い分、ダイヤが乱れるという噂は本当でしたね...


GM Sinisa Drazic

オーガナイザーのGM Sinisa Drazic は、遅れた私をきちんと待っていてくれました! 合流してすぐに部屋に案内してもらい、荷物を置いた後は隣の部屋のIM Abolianinと、Sinisa の家に行くことに。そちらではセルビアの蒸留酒、ラキアによる乾杯とともに、色々な話をしてきました。2人は日本人がセルビアのトーナメントに来ることが珍しいかったため、私に質問攻めです(笑) (Abolianin は日本人と話すこと自体が初めてだと言っていました。) 写真はAnand が2000年にFIDE世界チャンピオンになる直前、彼と優勝争いをしたときトーナメントのトロフィーだそうです。

ここで一旦、昨日の流れを一時中断し、今日からノビサドで始まる、Memorijal "Milja Vujovic" について、形式を振り返っておきましょう。大会のエントリーリストは以下の通りで、このメンバーを8人4グループに分けて、7R ラウンドロビンからスタートです。ラウンドロビンが終わった後は、グループを解体して残り2試合をスイス式で行います。Sinisa によれば、4名はまだリストに入っていませんが、きちんと32名を集めているそうです。


私が所属するのは、最も平均レイティングが高い上のクラスで、Sinisa からは、メンバーは以下の通りだと事前に伝えられています。今月のFS に比べれば平均レイティングは多少落ちますが、それでも今まで経験してきたトーナメントの中で、レベルが高いほうであることは間違いありません。

Dobrov Vladimir 2528 , GM , Russia
Kostic Vladimir G 2436 , GM , Serbia
Stankovic Milos 2408 , Serbia
Sredojevic Ivan 2402 , FM , Serbia
Bodiroga Predrag 2387 , IM , Serbia
Kojima Shinya 2344 , FM , Japan
Dimitrijevic Aleksandra 2263 , WFM , Bosnia-Hercegovina
Rudakov Aleksandar 2262 , Russia
Average: 2378


これを見ると、懐かしい彼らの名前がありますね(笑) 彼らとブダペストで写真を撮ったのはつい1ヶ月前のことですが、10月は大変な試合も多かったので、すでに大昔のことのように思えます。Rudakov は10月の更新でレイティングを60 上げており、これから計算される9月分のCAISSA でも、+24 が確定しています。(私からの勝利が大きいことは言うまでもありません!)


Rudakov, Dobrov と、Polgar Chess Festival にて

そしてRudakov は、日曜日まで行われていた別の大会で、1つ目のIM ノームを獲得したとIM Abolianin から話を聞きました。宿に戻ってからChess Results で調べると、以下の大会を発見です。これを見るに、Rudakov はノーム獲得ばかりでなく、GM 2人を抑えて優勝じゃないですか... Rudakov は完全に2200台のプレーヤーではありませんね。GM Dobrov のコーチングの賜物でしょう。



ベルギーのIM Arthur Abolianin と

Sinisa の家を出た後は、近くのセルビアンレストランに連れて行ってもらいました。ここでも上に書いたようなRudakov の活躍の話や、私のコーチであるMisha の話、日本でのチェスの現状など、様々な話ができました。面白かったのは、ロシアのチェススクールにコーチングの勉強に行かないかという誘いです。そこではロシアのGM Bareev が講師を務め、正式なディプロマがゲットできるとのこと。Arthur はかつて、そこでチェスコーチとしての資格を得たそうです。私は目前のIM タイトル獲得で手一杯なので、すぐには考える余裕がないですが、将来的にはこうした場所で勉強して見るのも良いでしょうね。


セルビア風ケバブをいただきながら、マスターたちの話は続きます。Arthur はロシア人でありながら、結婚して現在はベルギーのブリュッセルに住んでいるとのこと。彼はMemorijal "Milja Vujovic" には参加せず、今日のバスでブダペストに渡り、そこから飛行機でベルギーに帰るそうです。そこで驚いたのは、バスでならばノビサドからブダペストまでたった2時間だということ! 今日は6時間かけてブダペストから来たと言うと「冗談だろう?」との反応でした。やはり多少高くても、バスを利用するのが常識なんですかね...

また話をトーナメントに戻しましょう。私が所属するグループはGM 2人、IM 1人を擁しているため、IM ノームに必要なマスター数の条件は満たしています。何ポイントでIM ノーム獲得になるかは8,9R の当たり次第ですが、おそらく3つ勝ち越し、6ポイントだと予想します。(Sinisa は5.5P でもいけるのではないかと言っていましたが)

とりあえず何ポイント取るにせよ、ここが2344 というレイティングで計算される最後の大会になります。レイティングは上がれば上がるほど、勝っても上がりにくく、また負けると下がりやすくなります。この大会のレイティング計算は12月頭に回されますが、そこでなるべく大きなプラスを得られるよう、そして3つか4つ目のノームを獲得し、今後ノームに頭を悩まされることがなくなるよう、頑張って好成績を収めていきたいと思います。初日は午後4時30集合なので、3時間後からのスタートとなります! (ハンガリーやセルビアでは、10月27日にサマータイムが終わり、日本との時差は8時間になっています。)

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