2013/10/07

FS 2013 October GM 2nd round - The Shortest Victory -


GM Section では、名札が黄色になります。

10月のFirst Saturday 2日目は、ケチケメートですっかり仲良くなったSean との3度目の対戦です。彼の指すオープニングはほとんど予想できないため、いくつかのラインを浅く復習したうえで、試合会場へと向かいました。

Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sean, W (FM, INA, 2360)
First Saturday 2013 October GM (2)

1. Nf3 c5 2. c4 b6 3. g3 Bb7 4. Bg2 Nf6 5. Nc3 e6 6. O-O Be7 7. d4 cxd4 8. Qxd4 d6



彼のこの試合のオープニングチョイスは、私の大好物、English Opening Hedgehog でした! いくつかのセットアップで思い出深い勝ちのゲームがありますが、7月のIV League で佐野さんに指したラインをもう一度試そうと、この試合では決めました。

9. Bg5 h6?!


Sean が長く考え込んでいるため、メインの9... a6 以外にどういった手があるのか私も盤上で探していましたが、これは予想外でした。白はビショップナイトの交換から、素早くピースを展開してd6 をアタックすることを基本的なプランにしているため、これは単に白の手助けをしてしまうように思えます。

10. Bxf6 Bxf6 11. Qf4 Bxc3



a7-a6 を突いていない以上、Nc3-Nb5 を許しては大きな痛手になるでしょう。黒はビショップを返しますが、d6 のポーンのディフェンダーが消えたのは、白にとって都合が良いとも言えます。

12. bxc3 Qc7 13. Rfd1 Ke7


13... e5 14. Qd2 (14. Qg4 g6 15. Nd2!? と組むのもありそうです。) 14... Nd7 (14... Ke7 15. Nh4! Bxg2 16. Nxg2 Rd8 17. Ne3+/-) 15. Qxd6 Qxd6 16. Rxd6+/- やはりd6 のポーンは黒にとって大きな負担となります。

14. Qh4+ f6?



この手は私が期待していたFatal Positional Error で、白が完全に勝勢になります。代わりに14... Kf8 15. Nd4! (私はゲーム中に、1ポーンをかすめ取る変化を考えていましたが、cファイルがダブルポーンであることを考慮すると、それで勝ちに十分なアドバンテージがあるかは定かではないようです。15. Qd4 Nc6 16. Qxd6+ Qxd6 17. Rxd6 Ke7+/=) 15... Bxg2 16. Kxg2 Nd7 17. Nb5 Qc6+ 18. Kg1 d5 19. a4 Nf6 20. cxd5 exd5 21. Rac1 ならば、白は大きなアドバンテージをキープしますが、まだどうにでも転びそうなポジションでしょう。

15. Nd4!+-


f7-f6 を突いたことでe6 のポーンも弱めてしまった黒は、キングをディフェンスすることができません。最初は16. Bh3!? と指そうとしましたが、よくよく考えてみれば、白マスビショップの交換はa8 のルークを狙われる可能性がある黒にとって厳しいものです。(ビショップ交換後、Qh4-Qe4 からa8 とe6 のダブルアタック等)

15... g5 16. Qg4! f5 17. Qh5



黒はまず、Qh4-Qg4 からのe6,g7 のダブルアタックをかわしますが、キングサイドの白マスを弱めたことで、白クイーンの侵入ルートを作ってしまうことになります。

17... Kf6


17... Bxg2 18. Qg6!+- ビショップ取りを無視してクイーンが入る手が決定的で、e6 とh8 がターゲットになった黒はどうしようもありません。g6 にクイーンを侵入させた際に、e6 のポーンをアタックできるようにするための16. Qg4! でした。

18. Nxe6 1-0



この勝利でハンガリーでの最短勝利手数を更新しました。(これまでは19手が3試合、いずれも黒でした。) 短い手数で勝ったからどうしたということもないのですが、負けた側にとってはショックは大きいでしょう。いつも笑顔を絶やさないSean も、この日は早々に会場を後にしました。

私にとっては喉から出てが出るほど欲しかった1勝目が、早くも2Rで手に入りました。残り8試合で負け越さなければノーム獲得ですが、あまり守りの気持ちにならず、チャンスがあれば白星を求めていこうと思います。今日はこの大会を乗り切るための最大の壁、イングランドのGM Gordon, S に黒を持っての大一番です!

10/05 14:30 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Seres, L (GM, HUN, 2449) 1/2-1/2
10/06 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Sean, W (FM, INA, 2360) 1-0
10/07 16:00 Gordon, S (GM, ENG, 2526) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
10/08 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Fogarasi, T (GM, HUN, 2401)
10/09 16:00 Westerberg, J (FM, SWE, 2404) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
10/10 Free Day
10/11 16:00 Seres, L (GM, HUN, 2449) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
10/12 16:00 Sean, W (FM, INA, 2360) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
10/13 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Gordon, S (GM, ENG, 2526)
10/14 16:00 Fogarasi, T (GM, HUN, 2401) - Kojima, S (FM, JPN, 2344)
10/15 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2344) - Westerberg, J (FM, SWE, 2404)

First Saturday 2013 October GM


センテンドレに遊び行った管理人さんに、お土産のクッキーを頂きました。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

お疲れ様です。COM山COM吉くんは 12...Nc6 13.Rad1 g5 とd6のポーンを放棄する手を出しています。とか書くとブログをチェックされてるため使えなくなるのでヤバイかしら・・ 汗

Shinya_Kojima さんのコメント...

そうですね。どこかでd6 を捨てるプランはありそうですが、いずれにせよ十分な代償はないでしょう。
どこでポーンを捨てるべきなのかは、黒の悩みどころですね。

匿名 さんのコメント...

次戦のの相手 Stephen J. Gordon はunder 10 の頃からブイブイ言わせてたみたいですよ。強敵

Shinya_Kojima さんのコメント...

Gordon は噂通り強かったです... 棋譜は後ほど~。

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