8試合が行われたこの日は、試合前に少しだけMargit hid のトラム駅で途中下車して、マルギット島に寄り道してきました。マルギット島はドナウ川にある島で、ブダペスト市民の憩いの場となっています。意外と広くテニス場やプール、ホテルなどもあったはずです。
マルギット島の全体像はこんな感じ。細長い種子のようです。南のマルギット橋から入るルートが一般的だと思いますが、北のアールパッド橋も繋がっており、バスルートも通っています。これまで徒歩とトラムばかりで上陸していましたが、バスを利用するのも良さそうですね。
さて試合は15歳のPasztor に黒を持つ8試合目です。GMセクション初挑戦の彼は3つ負け越しと苦しんでいますが、私も負ければ彼と立場逆転のため、気を緩めずに試合に臨んできました。緩めてなかったはずなんですがね...
1. e4 しかこれまでデータベースになかった彼が、初手から変えてきました。私が指すRuy Lopez の変化に、今回Berczes との試合で負けていることが関係あるかもしれません。私の2日間の研究は、後日の試合に回すことになります。
私もBerczes との試合でCatalan があるかと思い、先週調べていた変化に入りました。ジャパンオープンではOpen Variation を試したCatalan ですが、今回はClosed Variation を試してみます。
しかし少し進んだこの局面で私におかしい手が出ました。c7 でクイーンが浮いていることは分かっていながらも、数手読んで相手のタクティクスは上手くいかないものだと思い込みました。代わりにクイーンを浮かせない 12... Qc8!? か、もしくは12... Nd7 13. e4 (13. Nxd5? exd5 14. Bxd5 Rc8 15. Qa4? Nc5! 試合中はなぜかこの変化で黒がつぶれていると思っていました。) 13... d4! 14. Rxd4 Qc7 15. Bf4 Rac8 16. Rad1 Rfd8 17. h4 Nb8!? は違う手順から実戦もある形で、黒は1ポーンを捨てても十分に戦えます。私も途中まで白を持って指したことのある形で、本譜でもこうなることを期待しました。
ここでバックランクを受けるために1手使わなければいけないのがポイントで、これがなければリザインしていてもおかしくありません。
ずっとb4 のマスをブロックし続けてくるかと思いましたが、白はナイトを簡単にどかしてきました。そこでビショップのダイアゴナルを切り替え、隙あらばピース交換からポーンの前進も考えます。
これも正しいアイディアで、白キングをパスポーンに寄らせないようにします。36. Nxc1?? b2 ならばクイーンを作って大逆転です。
やはり上記の変化同様、38. Ke3! と上に戻るのが正解です。d1 の位置でも問題は、d4、c4 のマスにキングの利きが無いため、Ba3-Bb2-Bd4 に対してRc2-Rc4! ができることです。
12/4 Girinath, P.D.S (IM, IND, 2335) - Kojima, S (IM, JPN, 2392) 1/2-1/2
12/5 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Pap, M (GM, SRB, 2373) 1/2-1/2
12/6 Seres, L (GM, HUN, 2399) - Kojima, S (IM, JPN, 2392) 1/2-1/2
12/7 Berczes, D (GM, HUN, 2453) - Kojima, S (IM, JPN, 2392) 1/2-1/2
12/8 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Avinash, R (IND, 2391) 0-1
12/9 Rest Day
12/10 Souhardo, B (IM, IND, 2354) - Kojima, S (IM, JPN, 2392) 1/2-1/2
12/11 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Nagy, G (GM, HUN, 2527) 0-1
12/12 Rest Day
12/13 Pasztor, B (FM, HUN, 2347) - Kojima, S (IM, JPN, 2392) 1/2-1/2
12/14 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Nitish, B (FM, IND, 2464)
First Saturday GM December 2021 Standings
+4 Nagy
+3 Girinath
+2 Avinash
+1 Berczes
+-0 Nitish
-1 Souhardo、Pap
-2 Seres、Kojima
-4 Pasztor
この日はNitish がSeres に勝ち、Berczes がSouhardo に勝ちました。明日の最終戦も一部終わっており、星は上のようになっています。いよいよNitish との最終戦です。これ以上白で負けないよう、準備を整えて試合に向かいます。 帰りはクリスマスバージョンのトラムにも出会えたので、ラッキー7効果はまだ消えていないはずです。
さて試合は15歳のPasztor に黒を持つ8試合目です。GMセクション初挑戦の彼は3つ負け越しと苦しんでいますが、私も負ければ彼と立場逆転のため、気を緩めずに試合に臨んできました。緩めてなかったはずなんですがね...
Pasztor, B (FM, HUN, 2347) - Kojima, S (IM, JPN, 2392)
First Saturday GM December 2021 (8)
1. d4!?
1. e4 しかこれまでデータベースになかった彼が、初手から変えてきました。私が指すRuy Lopez の変化に、今回Berczes との試合で負けていることが関係あるかもしれません。私の2日間の研究は、後日の試合に回すことになります。First Saturday GM December 2021 (8)
1... d5 2. c4 e6 3. Nf3 Nf6 4. g3 Be7 5. Bg2 O-O 6. O-O c6 7. Qc2 b6 8. Rd1 Ba6
私もBerczes との試合でCatalan があるかと思い、先週調べていた変化に入りました。ジャパンオープンではOpen Variation を試したCatalan ですが、今回はClosed Variation を試してみます。
9. Ne5 Nfd7 10. cxd5 cxd5 11. Nc3!?
この手は少し意外でしたが、ありえる選択肢です。11. e4 Nf6 12. Nc3 Bb7 ならばd5 を交換させたことで満足し、ナイト、ビショップを戻してd5 を強化するつもりでした。11... Nxe5 12. dxe5 Qc7?
しかし少し進んだこの局面で私におかしい手が出ました。c7 でクイーンが浮いていることは分かっていながらも、数手読んで相手のタクティクスは上手くいかないものだと思い込みました。代わりにクイーンを浮かせない 12... Qc8!? か、もしくは12... Nd7 13. e4 (13. Nxd5? exd5 14. Bxd5 Rc8 15. Qa4? Nc5! 試合中はなぜかこの変化で黒がつぶれていると思っていました。) 13... d4! 14. Rxd4 Qc7 15. Bf4 Rac8 16. Rad1 Rfd8 17. h4 Nb8!? は違う手順から実戦もある形で、黒は1ポーンを捨てても十分に戦えます。私も途中まで白を持って指したことのある形で、本譜でもこうなることを期待しました。
13. Bf4 Nd7 14. Rac1 Rac8 15. Nxd5!
このナイトの跳び込みを一番に警戒していたつもりなので、指されてとても驚きました。私が見落としていたのは、駒交換の最後にd7 のナイトまで取られてしまうことです。それに気が付いてかなりがっくりきましたが、本譜のように進めて意外と白の方針は難しいのではないかと考えました。15... Qxc2 16. Nxe7+ Kh8 17. Rxc2 Rxc2 18. Rxd7 Rxb2 19. h4
ここでバックランクを受けるために1手使わなければいけないのがポイントで、これがなければリザインしていてもおかしくありません。
19... Rxa2 20. Rxa7 Bc4 21. Rxa2 Bxa2
ここまで進んで案外何とかなる気もしてきました。5R のAvinash戦同様に2ピースvs. ルークのマテリアルですが、今回はルーク側にパスポーンがあり、それを進めるというプランが明白です。まずはf8 ルークを起こして使いやすい場所に移動させることを目標します。22. Be3 b5 23. Bc5 Rb8 24. Bd6 Rb6 25. Nc6 Ra6 26. Nb4 Ra3 27. Nd3 Rb3 28. Be4 Bb1
ずっとb4 のマスをブロックし続けてくるかと思いましたが、白はナイトを簡単にどかしてきました。そこでビショップのダイアゴナルを切り替え、隙あらばピース交換からポーンの前進も考えます。
29. Kf1 b4 30. Ke1 Rc3!
もしかするとPasztor はこのルークのスイッチを見ていなかったかもしれません。31. Bxb4 Rc4 32. f3 Bxd3 ならば黒はピースを取り返してエクスチェンジアップになります。もちろんそれでもビショップvs. ルークが黒勝ちなのかは分かりませんが、黒が勝ちを目指す側になるのであればもちろん文句はありません。31. Kd2 Rc2+ 32. Ke3 b3 33. Nb4 Rb2 34. Bxb1 Rxb1 35. Nd3 Rc1!
これも正しいアイディアで、白キングをパスポーンに寄らせないようにします。36. Nxc1?? b2 ならばクイーンを作って大逆転です。
36. Kd2?!
この後も議論のポイントがあるのですが、自然に見える白キングのdファイルへの移動は実は必要のないものでした。36. Ba3! Rc2 37. Bb2! h5 38. Bd4 Kh7 39. Nb2+- これが白の理想的なフォーメーションで、次に白キングがKe3-Kd3 と寄ってきます。すると次にNb2-Nc4-Nd2 などでポーンを狙うことが可能になり、黒ははっきり困っています。こんなアイディアがあることを知れただけでも、このマテルアルノエンドゲームにしてしまった甲斐がありました。36... Rc4 37. Ba3 Rc2+ 38. Kd1?
やはり上記の変化同様、38. Ke3! と上に戻るのが正解です。d1 の位置でも問題は、d4、c4 のマスにキングの利きが無いため、Ba3-Bb2-Bd4 に対してRc2-Rc4! ができることです。
38... h5 39. Bb2 1/2-1/2
とことんやってくるかと思いましたが、ここで相手からドローオファーが来たため、これを受けて試合を終わらせました。もう少し2ピースvs. ルーク+パスポーンのエンドゲームも勉強してみようと思います。12/4 Girinath, P.D.S (IM, IND, 2335) - Kojima, S (IM, JPN, 2392) 1/2-1/2
12/5 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Pap, M (GM, SRB, 2373) 1/2-1/2
12/6 Seres, L (GM, HUN, 2399) - Kojima, S (IM, JPN, 2392) 1/2-1/2
12/7 Berczes, D (GM, HUN, 2453) - Kojima, S (IM, JPN, 2392) 1/2-1/2
12/8 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Avinash, R (IND, 2391) 0-1
12/9 Rest Day
12/10 Souhardo, B (IM, IND, 2354) - Kojima, S (IM, JPN, 2392) 1/2-1/2
12/11 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Nagy, G (GM, HUN, 2527) 0-1
12/12 Rest Day
12/13 Pasztor, B (FM, HUN, 2347) - Kojima, S (IM, JPN, 2392) 1/2-1/2
12/14 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Nitish, B (FM, IND, 2464)
First Saturday GM December 2021 Standings
+4 Nagy
+3 Girinath
+2 Avinash
+1 Berczes
+-0 Nitish
-1 Souhardo、Pap
-2 Seres、Kojima
-4 Pasztor
この日はNitish がSeres に勝ち、Berczes がSouhardo に勝ちました。明日の最終戦も一部終わっており、星は上のようになっています。いよいよNitish との最終戦です。これ以上白で負けないよう、準備を整えて試合に向かいます。 帰りはクリスマスバージョンのトラムにも出会えたので、ラッキー7効果はまだ消えていないはずです。
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