この日もEspresso Embassy で試合準備をし、その先の地下鉄2番線 Kossuth Lajos tér(コシュート・ラヨシュ広場) 駅から会場に向かいます。コシュート・ラヨシュ広場にはハンガリーも元首相、Andrássy Gyula の像があるのですが、奥にあるひときわ大きい建物はなんだろうかと調べてみました。これはなんと図書館のようで、年末年始に開いているようであれば、なんとか中を見てきたいと思います。
11手目までが私の準備で、ここから考え始めます。私の指すQGD Exchange の変化にも、h7-h6、g7-g5 からナイトでビショップを捕まえ、アンバランスな局面にするラインがあります。その場合、黒は通常ビショップをg7 に置きますが、ここではすでにb4 に出ているのが違いです。
これはビショップを退くマスとして不適格だったと思います。e7 もしくは思い切ってf8 まで退きなおし、g7 に組み替えるべきだったでしょう。
一気に駒交換が進んで局面が変わりましたが、白の優位は明らかです。白マスビショップと働きが良く、白のgファイルのダブルポーンよりも、f、hファイルにバラバラの黒のポーンのほうが不安定です。さらにfファイルを開いたことで、f7 への直接的な攻撃も期待できます。
ここはもう1つの候補手と悩みましたが、安全な本譜を選びました。28. Bd3! Re1+ (28... Qxd3 29. Qxf6+ Kg8 30. Qxf7#) (28... Qxh5 29. Qxf6+ Kg8 30. g4 Re1+ 31. Rxe1 Qg5 32. Qd6+-) 29. Rxe1 Qxh5 30. Re7+- これで十分というのがコンピュータ評価です。私は攻勢でのピース交換が勿体ないと思い本譜を選びましたが、こうして見ると白十分なアドバンテージです。
私はここでようやくe7 の浮いたルークを攻撃するこの手を見つけましたが、1手のタイミングの違いで上記のように働く手ではなくなっていました。持ち時間ぎりぎりでしたが、面倒に思わずに1ポーンアップのエンドゲームに跳び込むべきです。32. Bxe6 Qxf4 33. gxf4 Rxe6 34. f5 Rd6 35. Re4! 試合中はg4 を考えていて、自信が持てませんでした。 35... Kf7 36. Ka2+-
相手も時間ギリギリまで考えましたが、勝ちを見つけることができませんでした。34... Qa2+ 35. Kc2 h5!-+ が妙手で、hポーンを1マス浮かせることでRh4-Rxh6 がチェックにならず、Rh8-Rc8 とルークを攻撃に連れてくる余裕が生まれて黒勝ちです。
12/26 14:30 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Aditya, V P (IND, 2281) 0-1
12/27 15:00 Leszko, B (FM, HUN, 2253) - Kojima, S (IM, JPN, 2392) 1/2-1/2
12/28 15:00 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Ajay, K (IM, IND, 2401) 1/2-1/2
12/29 15:00 Pechac, J (GM, SVK, 2584) - Kojima, S (IM, JPN, 2392)
12/30 15:00 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Trost, E (CM, SWE, 2271)
12/31 11:00 Mihok, O (GM, HUN, 2536) - Kojima, S (IM, JPN, 2392)
01/01 Rest Day
01/02 15:00 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Sahithi, V (WFM, IND, 2216)
01/03 15:00 Nagy, G (GM, HUN, 2527) - Kojima, S (IM, JPN, 2392)
01/04 10:00 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Avinash, R (IND, 2391)
Vezerkepzo GM Christmas 2021 Standings
+3 Aditya
+1 Pechac、Ajay
+-0 Mihok、Nagy、Avinash
-1 Kojima、Leszko、Sahithi
-2 Trost
14歳のAditya は3連勝でライブレイティングを2400に乗せました。試合を見ていると以前上手くいかったラインを上手く改良してすぐに実戦で生かしているので、こうした日程の詰まった試合への対応力の高さがうかがえます。私も次がスロバキアNo.1 GM Pechac との対戦ですので、胸を借りつもりで頑張ります。
Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Ajay, K (IM, IND, 2401)
Vezerkepzo GM Christmas 2021 (3)
1. d4 d5 2. c4 e6 3. Nf3 Nf6 4. Nc3 Bb4 5. cxd5 exd5 6. Bg5 h6 7. Bh4 Nbd7 8. Qc2 g5 9. Bg3 Ne4 10. Nd2 Nxg3 11. hxg3 Nb6!?
11手目までが私の準備で、ここから考え始めます。私の指すQGD Exchange の変化にも、h7-h6、g7-g5 からナイトでビショップを捕まえ、アンバランスな局面にするラインがあります。その場合、黒は通常ビショップをg7 に置きますが、ここではすでにb4 に出ているのが違いです。 Vezerkepzo GM Christmas 2021 (3)
12. a3 Bd6?!
これはビショップを退くマスとして不適格だったと思います。e7 もしくは思い切ってf8 まで退きなおし、g7 に組み替えるべきだったでしょう。
13. e4! dxe4 14. Ndxe4 Be7 15. O-O-O c6
13. Nb5!? のようなおとなしい手でビショップを取り返すのもありえましたが、ピースの展開の早さと黒陣の弱さを利用し、局面を開きにいくことにしました。d4 の孤立ポーンは意外と問題にならず、e4 のナイトはc5 に跳ぶ可能性を秘めています。16. Kb1 Kf8 17. Be2 Rb8 18. f4! Nd5 19. Nxd5 cxd5 20. Nxg5 Bxg5 21. fxg5 Qxg5
一気に駒交換が進んで局面が変わりましたが、白の優位は明らかです。白マスビショップと働きが良く、白のgファイルのダブルポーンよりも、f、hファイルにバラバラの黒のポーンのほうが不安定です。さらにfファイルを開いたことで、f7 への直接的な攻撃も期待できます。
22. Qc7 Kg7 23. Rh5 Qg6+ 24. Ka1 Be6 25. Rf1 Rbe8 26. Qe5+ f6 27. Qf4
f7-f6 を突かせたことで、さらにfポーンが弱くなりました。d5、f6、h6 の弱いポーンを上手く攻撃しつつ、決定的なチャンスを探ります。27... Bf7 28. Bf3
ここはもう1つの候補手と悩みましたが、安全な本譜を選びました。28. Bd3! Re1+ (28... Qxd3 29. Qxf6+ Kg8 30. Qxf7#) (28... Qxh5 29. Qxf6+ Kg8 30. g4 Re1+ 31. Rxe1 Qg5 32. Qd6+-) 29. Rxe1 Qxh5 30. Re7+- これで十分というのがコンピュータ評価です。私は攻勢でのピース交換が勿体ないと思い本譜を選びましたが、こうして見ると白十分なアドバンテージです。
28... Re7 29. Rfh1 b6 30. R5h4! Be6 31. Bxd5?!
ここで決定的なチャンスを逃しました。Rh4-Rg4 を黒は止めていないといけないため、e6 のビショップはc8-h3 ダイアゴナルを離れることができず、d5 のポーンは取ることができます。しかし、よりシンプルな手は31. Qd6! Rhe8 (31... Qe8 32. Re1!+-) 32. Bh5+- でした。クイーンがd6 に跳び込む手は1手後に指しましたが、本譜ではひどいブランダーになっています。31... Qg5 32. Qd6??
私はここでようやくe7 の浮いたルークを攻撃するこの手を見つけましたが、1手のタイミングの違いで上記のように働く手ではなくなっていました。持ち時間ぎりぎりでしたが、面倒に思わずに1ポーンアップのエンドゲームに跳び込むべきです。32. Bxe6 Qxf4 33. gxf4 Rxe6 34. f5 Rd6 35. Re4! 試合中はg4 を考えていて、自信が持てませんでした。 35... Kf7 36. Ka2+-
32... Qxd5! 33. Qxe7+ Kg6-+
d5 のポーンが消えたことでg8-a2 のダイアゴナルが通り、白キングが突如危険になりました。黒キングは多少危険に見えますが、実際には有効なチェックがありません。34. Kb1 Qf5+?!
相手も時間ギリギリまで考えましたが、勝ちを見つけることができませんでした。34... Qa2+ 35. Kc2 h5!-+ が妙手で、hポーンを1マス浮かせることでRh4-Rxh6 がチェックにならず、Rh8-Rc8 とルークを攻撃に連れてくる余裕が生まれて黒勝ちです。
35. Ka1 Qd5 36. Kb1 Qf5+ 37. Ka1 Qd5 1/2-1/2
クイーンの跳び込みが勝ちになるタイミングを逃し、1手後では負けになるという恐ろしい体験でした。前日のゲーム同様、負けなくて良かったですが、それでも途中勝っておくべきポジションを逃したことが悔やまれます。12/26 14:30 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Aditya, V P (IND, 2281) 0-1
12/27 15:00 Leszko, B (FM, HUN, 2253) - Kojima, S (IM, JPN, 2392) 1/2-1/2
12/28 15:00 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Ajay, K (IM, IND, 2401) 1/2-1/2
12/29 15:00 Pechac, J (GM, SVK, 2584) - Kojima, S (IM, JPN, 2392)
12/30 15:00 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Trost, E (CM, SWE, 2271)
12/31 11:00 Mihok, O (GM, HUN, 2536) - Kojima, S (IM, JPN, 2392)
01/01 Rest Day
01/02 15:00 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Sahithi, V (WFM, IND, 2216)
01/03 15:00 Nagy, G (GM, HUN, 2527) - Kojima, S (IM, JPN, 2392)
01/04 10:00 Kojima, S (IM, JPN, 2392) - Avinash, R (IND, 2391)
Vezerkepzo GM Christmas 2021 Standings
+3 Aditya
+1 Pechac、Ajay
+-0 Mihok、Nagy、Avinash
-1 Kojima、Leszko、Sahithi
-2 Trost
14歳のAditya は3連勝でライブレイティングを2400に乗せました。試合を見ていると以前上手くいかったラインを上手く改良してすぐに実戦で生かしているので、こうした日程の詰まった試合への対応力の高さがうかがえます。私も次がスロバキアNo.1 GM Pechac との対戦ですので、胸を借りつもりで頑張ります。
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